【僕がもしアマゾンで死んだら】 | Dancing Across the Amazon

Dancing Across the Amazon

南米大陸の左端から右端まで、
徒歩とカヌーとイカダだけで旅をし、
道中、毎日ダンスするブログです。






帰国後の報告会でのトーク


過去一か月分のブログを編集しながら、これまでのイカダでの旅について思い返してみた。


日本に帰って、報告会で喋っている自分が瞼の裏に浮かぶ。
「怖かったですよ、そりゃぁ。でも、怖がってもどうしようもないんだから、もう覚悟するしかないんです。いつ何が起きてもいいように、って。あとは天に運命を任せるように、お手上げ状態で川を下って行くんです。」


怖がったって仕方がない、と言うのは確かにそうだ。
怖がれば先に進むのが困難になるだけなので、その感覚を一時的にわざと麻痺させ、これまで とにかく前へ進んできた。






だが、ここには一つ”嘘”がある。
「覚悟するしかないんです。いつ”何が起きても”いいように、って。」これは、明らかに嘘だ。
イカダがひっくり返る覚悟は、出来ていた。だが、僕はまだ死ぬ覚悟は出来ていない。









(何が起きてもいい、は死んでもいいってことじゃない。)

川に殺される可能性は、非常に低いだろう。その心配はしていないし、これからも必要ないと思う。 ただ、運がすごく悪ければ、航行中に襲われて殺される可能性が無い訳ではない。 アマゾンでの旅において、死は、決して現実離れした話ではない。 実際、5年前にはポーランド人のカップルが原住民に強盗され、殺害されている。 5年前の当時は、川の本流が別の所を流れていたため、今みたいに集落がある川の流れに大型のボートなんかが通っていなかった。 「だから今は既に状況が変わっているよ。」そう言う風に人から聞いた。 しかし、1年前にはこの付近でスイス人の旅行家が一人でカヌーで下っていたところを襲われ、殺されかけたという。 それに、最近は客を乗せた大型のボートが襲われる事件が多発しており、毎日のようにそんな話ばかり耳にする。
(今の僕は、確かに生きていて、意識もある。)

もしも、自分が既に死んでいたとしたら、、、 僕は今、生きている。 そして、確かに意識があり、自分がまさか死ぬなどとは思っていない。 しかし本当は、いつ何が起きるかなど、誰にも分からない。 字際に強盗され、殺害された彼らにしたって、今の僕と同じ心境だっただろう。 まさか自分が運悪く殺されるなどとは、思ってはいなかっただろう。 何だか不思議な気分だ。 今、僕は夜中の20時半、パソコンに向かってブログの編集作業をしている。 眠いのかもしれない。 頭があまり働いていないのかもしれない。 だが、なんだか不思議な気分だ。 一度死んだ身が、少し前を振り返って記憶を読み直しているような、そんな感覚だ。
(「死ぬ気でやる」とか「一度死んだと思えば」とはよく言うけれど、本当にそういう気持ちになって考える機会は意外と少ないものだ)

死ぬ前に、やっておきたかったこと 今、何をしておこうか? もし、自分が少し後に死ぬと分かっていたら、何をしようか? まずはじめに、両親に感謝の気持ちを述べよう。 次に、彼女に、愛していると伝えよう。 長い間、一人にして寂しい想いをさせて申し訳なかった、と。 そして弟に、自分の分まで頑張って幸せになってくれと言おう。 友人たちには、感謝の気持ちを述べよう。僕を愛してくれてありがとう、と伝えよう。 あと、実は今回の旅の後に企んでいた企画があったことを明かそう。 それは日本全国のみんなを元気にする企画で、僕が「日本一」になる企画なのだと伝えよう。 詳しくは、ノートの7月20日の所に書いて、その写真をパソコンのデスクトップの27日の所に保存しておいたから、誰かそれを探し出してみんなに公開してもらえたらと思う。 出来れば、犬のドミンゴは誰かが気を利かせて、頑張って日本の実家に連れて帰ってもらいたい。 親父が、ドミンゴを毎朝散歩に連れて行ってくれると言っていたから。
(ドミンゴも、自分の手で日本へ連れて帰りたかった)

しかし後悔はないな。 ちゃんと生きた。この世界を、この人生を。 ただ心残りなことがあるとすれば、彼女に寂しい想いをさせてしまっていることくらいだな。 もう一度ちゃんと抱きしめてあげたかった。 死にたくないのなんて、みんな一緒だ。 僕だって、死ぬためにこんなに遠くまで来た訳じゃない。 ただ、運が悪ければ、もしかしたら命すらなくなっちまうかもしれない。 、、、と、そーんなことを、寝ぼけた頭で考えながら、今作業をしているのです。 ごめんなさいごめんなさい!読者のみなさんごめんなさいっ!! この記事を読んでいて、不謹慎だと感じた方がいたら、ごめんなさい。 ただ、先日イカダが転覆し、溺れかけたときに死が頭をよぎり、 これほどまでに死を意識したことはこれまで僕の人生の中で無かったため、 記録する為に書いておきたかったのです。 今後も極力、危険の無いように気を付けて旅を続けます。 心配するよりも、どうか僕を信じて待っていて下さい。 きっと、とびっきりの笑顔で帰国します! 「もういい!」と言われるまで、何時間も何晩も、お土産話を喋り続けますから。
(読んでくださった方々に、最後はハッピーな写真を一枚!!)

20150727