かーちゃんの主治医のクルクルパーマ先生は、なかなか策士だ。
診察で、患者を不安に陥れないように、気にしすぎにしないようにしているのがよくわかる。
「抑うつ症状」と診断書に書かれたかーちゃんだが、
実は「月経前緊張症」とひそかに書かれたこともあったし、
診察中に「パニック障害」と口にされたり、
うっかり「過食症」と口走られたこともある。
つまり、はっきりと
「あなたは過食症です」
と診断は受けていない。
クルクルパーマ先生の持論では、
「医学的に、我々はいろいろ呼び分けますけどね。
要は自律神経なんですよ。
自律神経が元気に機能するようになれば、
いろいろ解決してきますよ」
とヘラ~っと語った。
うつ病では、食事をとれなくなる、という話の方を多く聞くのだが、
かーちゃんは逆だった。
嘔吐行為まではしなかたものの、
とにかく食べる食べる@@!!
あまりに食べるので、とーちゃんに「ブラックホール」と呼ばれたこともある
とりあえず、食欲を抑える薬を出された時期もあった。
思えば、かーちゃんが最初に異常な食行動をしだしたのは、
高校1年生のときだった。
当時かーちゃんは、体重制限をしなければならない部活に入部していたので、
ウェイトダウンが常につきまとった。
育ちざかりの10代、食べ盛りの10代に、オリンピックを目指しているわけでもないのに、体重のコントロールは心の負担になっていった。
「これだけ食べたらダイエットしよう!」と、
コンビニ等でお菓子を買いまくっては食べ、後悔し、その連続。
週2回の体重測定では、さすがに毎日のハードな練習で消費できていたようで、
大幅な体重増加が見られずに、顧問にも大目玉を食らうようなことはなかったが、減ることもなかった。
この頃を境に、異常に食べ物に執着するようになり、その後、現在に至るまで、
過食と、拒食とまではいかなくても、食べることに興味を失う時期とを、
反復的に繰り返してきた。
体重は常に中肉中背だが、たまに激しいダイエットなどをして、一気にやせたりもする。
さすがに40代突入を意識する頃からこの食生活がきつくなり、いろいろな健康的食生活を試みようとしては挫折し、
現在の
体の本能にしたがって食べる
という食べ方にようやっと落ち着いた。
体の要求しているものを感じて、
「食べたいときに・食べたいものを・食べたいだけ食べる」
この食べ方ができるようになってきて、かなり食生活でのストレスが軽減し、暴飲暴食も減った。
気にはなるが、ダイエットのことは考えない。
自分の体がそれを要求していないからだ。
何より、うつ病が回復するにつれて、料理もできるようになってきたのが大きい。
好きなものを作って食べられるのだ。
うつ病が回復したらからいい食生活ができる、食生活がいいからうつ病が回復する。
相乗効果なのだろう。