うつ病患者が
「死にたい」
と自殺願望を抱くのは、
先にも述べたが、
何らかの負の要素が発生したとき。
(1)調子が悪くなった
(2)病気の現状に耐えられないつらさを感じた
(3)無力な自分を悲しく情けなく思った
(4)夫(妻)にちょっと厳しいことを言われた
その他いろいろ・・・。
少しでも「苦しい」「つらい」と感じると、
自殺願望のエネルギーがものすごい勢いでパワーアップする。
たとえば、ある晩、かーちゃんはいつものとおり、とーちゃんに八つ当たりしていた。
「こんな病気もうイヤなんだよぅ」
「あなたにはこのつらさはわからないよね」
「本当にしんどいんだ。何もできないんだ」
延々と続くかーちゃんのグダグダした八つ当たりに、
このときのとーちゃんはブチ切れた(@@)!!
「いい加減にしろよ!そんなこと言っても仕方ないものは仕方なんだ!!
一つ聞くけどさ。オレの気持ちも考えたことある?!
ず~~~っとグチ聞かされて、本当にきついんだよ!!
オレだってね、我慢してるんだ。自分のことばかり考えて、ワガママ言いたい放題言うのも大概にしろよ!!」
さぁ大変!!!
一瞬前まで、
「子供残して死ぬことなんかできないもんねえ」
なんて思っていたかーちゃん。
(そんなことわかってる・・・わかってるけど私だってどうしようもないんだ!!
でもあなたに見捨てられたら私はどうしたらいいの?)
呼吸も止まりそうなほどショックを受けて、こんな思いを口にもできず、泣きながら外に飛び出した。
マンションの2階。
ここから飛び降りたんじゃいくらなんでも死ねない。
そうだ、もっと上から飛び降りなきゃ!
ヨレヨレのパジャマ姿に頭はぼうぼう、足は裸足。こんな姿でエレベーターには乗れないので(このあたり、少しは理性が働いていたらしい)、非常階段で上へ上へと昇って行く。
11階あたりで止まって、階段の踊り場から下を覗いた。
すると、あ~ら不思議。
「私はもう死ぬしかない、死ぬんだ!」とひたすら思いながら階段を上がってきたかーちゃん。
2階から11階までゼェハァ上がって、体力とともに負のエネルギーも放出したのか、11階に着いたときには、下を見下ろして、
「ヒェ~~~!!!@@ 高っっっ!!ムリムリ!!」
と完全に理性を取り戻していた。
この当時、マンションの2階に住んでいたことが幸いして、こんなあんばいに、何度も命拾いした。
部屋に戻ると、とーちゃんはだんまりと座っていた
かーちゃんのことが心配ではあったが、
さりとて追って出ていくほどには怒りが静まっていなかった。
「クソ!!もう知るかよ!!」ととーちゃんも投げやりになっていた。
度重なる自殺行為に、とーちゃんもほとほとウンザリしていたのだ。
とーちゃんも、余裕があるときには、自殺行為を止めに実力行使をしてきたが、
とーちゃん自身も弱り果てているときは、自殺に走ろうとするかーちゃんを、
追いかけることも止めることもできなかった。
話を元に戻すが、こんな風に、うつ病患者は何か
「悲しい・つらい・淋しい・苦しい」等の負の感情が自分の中に生まれたとき、
「自殺なんてしてはいけないことだ」という理性のハードルが」いとも簡単にパタリと倒れ、
自分の中に発生した負の感情を、自分で消化できるほどの精神的な容量がないので、「死ぬこと」に走ってしまうのだ。