患者と家族、互いの避難生活 | ママのうつ病、家族の奮闘記~かーちゃん、うつ病と闘う

ママのうつ病、家族の奮闘記~かーちゃん、うつ病と闘う

第2子出産半年後にうつ病の診断を受けてからはや15年。病と共存しながら健康体を取り戻すべく、試行錯誤で暮らしてきました。
今では通院も服薬もありません。
そんな私の経験が少しでも参考になれば……。

「感情」と「五感」の容量オーバー


かーちゃんにこの症状がひどいとき、とーちゃんは、娘達を連れて、近くのとーちゃんの実家に滞在した。
家にはかーちゃん一人が残る。



「何も見えたくな~い!」
「何も聞こえたくな~い!」



と全てを拒否している人間は、無音・不可視の「無」の状態に置いてあげるよりない。


家族だって、こんな患者と一緒にいるのは苦痛だ。
互いのためにも、時々こんなお互いの「避難生活」をした。




もちろんこれは、かーちゃんの状態次第だ。



前にも述べたが、

「何も見たくない、聞きたくないけど、一人はイヤ‼」

と強く思っているときもあるので、そこは状態を見て判断する。




「オレ、子供達連れて実家に行こうか?」

こうとーちゃんに聞かれて、

「うん」

と答えられれば調子は上々♪


「……………」


と黙り込んでしまうと、本人も判断する力がない証拠。

挙げ句の果てには、

「どーしてもらったらいいか、自分でもわからないんだよぅ!!」泣泣泣


と泣き出す始末なので、とーちゃんも判断どころが難しかった。
そんなときは、様子を見て、

「実家に帰っとくよ」
「やっぱ家におるよ」

のどちらか、とーちゃんが結論を出してやらねばならない。


間違っても、
「じゃあどーすんだよ?!どっちなのか決めろよ‼」
とブチ切れて、本人に判断を迫ってはいけない。
そうされると本人は追い詰められて、ますますどうしていいかわからずに苦しむ。



どうせ二人ともどうしていいかわからずに悩むことになるのなら、健常者の方が最終的に悩む役を引き受けよう。



とーちゃんも、心の中では、
「じゃあどうしろっつーんだよ!‼」
とブチ切れていたが、



「この人はこういう状態。
仕方ないもの。
ここでオレが切れても仕方ない……


と、とにかく「仕方ない」で通して、必死で耐えたガーンガーン




そして、家をあけることにしても、2日ぐらいで必ず帰宅した。
それだけかーちゃんは、一人にしておけない状態だった。