「お母さんは生きていればいいの。あなたが存在しているだけでいいんだから。
『何かしてやろう』とか
『何かしてあげられなかった』とか、考えなくていいの」
と。
この先生、以前北欧に視察研修に行ったとき、虐待やネグレクトで親と同居できない子供達の施設を訪れたそうな。
そのとき、ある男の子が、箱を手にして、
「ボクのたからものを見せてあげるよ」
と言うので、何かと思って中身を見せてもらったところ・・・・・・・
なんと中に入っていたのは、古びた歯ブラシだったそうだ@@
先生は涙が出そうになったという。
たとえ小さいときから虐待をされていても、彼にとって、ママはその人ただ一人。
今は離れて身は安全だけれど、ママを想う気持ちは変わらない。
母親と離れて暮らす彼にとって、ママとつながっているものは、ママが使っていたその古びた歯ブラシ1本だけ。
だから、たった1本の古い歯ブラシが、彼にとっては一番のたからもの。
「だからね、子供にとって、『ママはママ』なのよ。あなたがそこに存在していればいいの」
娘達といっしょにいるのが苦痛

ごはんも作ってやれない
と自分を責めるかーちゃんに、先生はそう言った。
この言葉は今でも、病気の調子が悪くて、子育てがまともにできない自分を責めるときに、自分に言い聞かせている。