なにせ本人から話が聞けない、会うこともできない。
夫が出て来て、医者の診断書を出して行った……
これじゃ、なかなか納得できないだろう。
だかしかし!‼
本人はまともに話なんかできない。
この時点でかーちゃんは、家の電話も取れない、玄関のチャイムの応答すらできなくなっていたのだから。
ここから先は少々愚痴が入ってしまうが、
かーちゃんの職場は、なかなかかーちゃんをそっとしておいてくれなかった。
とーちゃんが休職の話をしに行ったときも、
会社「我々としては本人から話を聞きたいんですけどねぇ」
とーちゃん「それができないから僕が来てるんです」
の押し問答だった。
そしてその後、かーちゃんが大変苦しんだのは、
「大丈夫ですか?みんな大変心配しています」
「なんとかお話だけでもできませんか」
という人事担当からのメール。
パソコンを開くと出てくるこの類いのメールを目にすると、かーちゃんは
「ぎゃっっっ」



と叫ぶ。
ケータイには、同僚から
「大丈夫?」
「頑張っちゃう人だからダメなんだよ~♪ゆっくりしなね☆」
というお見舞いの言葉が次々と来る。
………もうダメだ(*_*)
返信できるエネルギーなどないのに、こんなメールもらってどうしたらいいのか。
「心配してもらうのはありがたいけど、つらい、何も返せない自分が情けない~

」かーちゃんは泣いてとーちゃんにすがった。
メールをもらうたびに、症状は悪化するばかりだ。
「すみませんが、本人をこれ以上刺激しないで頂けませんか」
たまりかねてとーちゃんは、何度か職場にそうお願いした。
同僚達からのメールは、かーちゃん本人からの返信がないので、そのうち途絶えたが、人事からの打診はなかなかおさまらなかった。
人事担当としては、本人と直接話をしたい、どんな状態なのか詳しくその目で見て知りたい、という気持ちは理解できるが、こんなときはとにかく
「そっとしてあげる」
のが一番だ。
コミュニケーション能力を失っている本人に連絡を試みようとするのが、一番無理難題なこと、やってはいけないことだ。
とにかく代表者の家族を通して、接してあげてほしい。