ボランティアに行った時の事だ。
いろんなお年寄りがいる訳で、ニコニコしている人もいれば、
絶望の顔をしている人もいる。
だが、長年生きてきたお年寄りは、人生の大先輩だ。
又は、人の心を見抜く、霊媒師に、見えたりもする。
一人一人、それぞれが違う人生を生きてきて、
今、このフロアーに集まっている訳だ。
あるお婆ちゃんが、ずっと、ぴのこの事を見ていた。
?????何だろうとは思いつつ、何かある訳でもないから、
あまり気にはしていなかった。
と同時に、その方の行動を観察してみたのさ。
全く、笑わない。
他のスタッフが一緒に何かやりましょっと言っても否定する。
無表情。
能面のようだ。
だが、他の方とは違って、年齢不詳に見える。
整った顔立ち。
シワもそんなにない。
今でも、きれいな方だが、若い時はもっと美人だったんだろうなと予測できる。
お婆ちゃんには見えない、その人だった。
すると、いきなり、その人が、ぴのこに、こっちに来てと手を振った。
はい。どうしましたか?
「 あなた、きれいなお顔しているね~。 」
ゲ!!!
ノーメイクで、頭くしゃくしゃの、今のぴのこが???
「 私にも、お化粧をしてくれないかい? 」
初めて、何かに興味を見せたのだ。
ぴのこ張り切っていいよ!と言った。
元々、きれいな方だっかから、お化粧すると、
50歳、前後に見えるぐらいに変身した。
そのまま、スナックに行って仕事できるぜってな変身ぶり。
うわ~!!!すごくきれい!!!
鏡で、見てください!!!
素敵ですよ!
そう言うと、お婆ちゃんは、鏡は見たくないという。
え~・・・・・・ぶつぶつ
「 私は、鏡を見るのが嫌いなんじゃよ。」
どうして?
「 私は、醜いから・・・・・・・・」
はあ????
何だそりゃ・・・・・・・・ぶつぶつ
本人が嫌だという事を、無理やり押し付けるものでもなし。
ぴのこは、それ以上、言わなかった。
施設のみんなが、わ~!!!!きれい~!!!!
彼女の顔を見て、喜んでいる。
それでも、お婆さんの顔は無表情。
ま~・・・・・
取り合えず、一つ、興味を持ったんだから、これも良しって事かい?ってか?
そう思う事にした、ぴのこなのさ。
それからだ、そのお婆さんが、ぴのこに話しかけるようになった。
無表情で、いつも一人、孤独感ヒュ~だった彼女が人生話をしてくれたのだ。
その話を聞いて、ぴのこは、ものすごく考えさせられた。