時差ボケをして、のん気に遊んでいる場合ではない。
ダンサーをやらなければ。
B子は、彼氏と遊んでいて働く気は全くない。
ぴのことA子は、準備をした。
白髪を切った。
抜くと白髪が増える。
Tバックを握り締めた。
だが、マイアミのショークラブはTバックも脱がなければならない。
すっぽんぽんの世界だ。
ここまで来たら、すっぽんぽんでいいんです。
お店の中に入ると、メインステージには、ポールが2本。
その他に、ステージが3つもある巨大なショークラブだった。
店長が、ぴのこ達のパスポートを見た途端、ゲ!という顔をした。
まさしく年齢だ。
おばはんじゃね~かみたいな対応をしてきた。
「 働きたい? それは、オーディションをしてみないとわからないね!! 」
ロッカーに行くと、日本のお店にはいないスタッフがいた。
( ハウス・ママ )
この人の役割は、ダンサーの為に、小腹がすいた時の為にフルーツを用意していたり、
タンポンやら、ウエットティッシュ、香水、なんでも用意している。
裏舞台のお母さんだ。
ぴのこが、衣装に着替えると、ハウス・ママが言った。
「 その衣装じゃ、オーディションに受からないわよ。 もう一つの方にしなさい。 」
ぴのこ達が準備を済ませ待っていると、
ハウス・ママが電話で話している。
丸聞こえ。
「 この子達、スタイルは完璧よ! オーディションなしで大丈夫よ! 」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ハウス・ママの一言で、そのまま働く事になった。
分厚い契約の紙を渡された。
全部の紙にサインをしなければならなかった。
アメリカ故に怖いなと思っていると、ママが言った。
「 心配しないで、とにかくサインするのみ!! 」
ママのいう通り、その後、何も問題はなかった。
アメリカのショークラブは、キッチリ8時間働かなくてはいけない。
疲れたからといって勝手に帰る事はできない。
お店は、昼の11時から、朝の6時までやっている。
稼げるのはもちろん夜の部門だ。
だが、朝に帰るような生活はしたくはない。
夜中の12時ぐらいには帰るという事で、
夕方の4時から5時に出勤する事にした。
マイアミは、気候も温かいせいか、人も明るく、なんでも適当だった。
ダンサーは50人以上はいた。
アジア人はいない。
ぴのこ達だけ。
ぴのこ達を見て、初めて日本人を見たわと言っている。
日本ってどこ?まで言っている。
マイアミのダンサーは、腰を振りまくり、激しく踊る。
天然で美しい人もいたが、ほとんどが整形だった。
シリコン・チチは当たり前、お尻もシリコン、お腹は脂肪吸引、
鼻は、マイケルジャクソンみたいな女もいた。
A子が言った。
「 ぴのこちゃん日本ではダイナマイトボディだけど、今はただの棒! 」
そうです。
チビのぴのこが、この巨大なステージに栄える筈もなく、
ただの棒です。
そして、ぴのこは、人生初のすっぽんぽんになった。
やっべ。
ほとんどのダンサー、下の毛全くない。
ぴのこは ちょいと、おケケがあるのが恥ずかしくなった。
8時間、ぴのこはお客に声をかけまくった。
ラップダンスしない?
マイアミのおっさんは、遊び慣れしていて簡単にダンスをしてくれない。
高いヒールで、8時間、お店の中を歩きまくり、ステージで踊り、
ぴのこは、もうしんどいと思った。
ぴのことA子は、忍耐やで!!とお互いを励まし合った。
やっと終わったと思うと、
ここはアメリカだったんですね。
スタッフにチップを渡さなければならない。
全部で約7千円ぐらい払った。
お店、DJ、バーテンダーの方々、ハウス・ママ。
訳わからん。
トイレで見張っている女の人まで。
手元に残ったのは、約8千円ぐらい。
8時間働いて、ものすごくしんどくてこれだけ?
ぴのこは、筋肉痛で倒れていた。