平日にがっつりと働き、土日に泥のように寝る。

睡眠負債が悪いというが、平日目一杯働くので、自然と土日がそうなり、それに抗う方が調子が悪くなるのだ。


ただ、当然弊害はある。土日に寝まくるが故に頭がボーとするのだ。なんとなく集中力に欠けるというか眠り足りない感じになる。

そして、妻に思わず、


「寝過ぎて頭がボーっとする」と言う。


そして、「とする」と言い終える寸前に次のように付け加える。


「いつものことだけど」


これは熱いものを触り、咄嗟に手を引っ込めてしまうような感覚と同じで、脳が反応して言葉を発しているのだ。

では、この「いつものことだけど」とは何か。


僕はよく物忘れをする。言われたことを覚えておらずに何もなかったかのように妻に聞く。

これは自分が悪いのだが、これをやっているが故にいつもボケボケで良く仕事が務まるね?と言われる。断っておくが、会社では何だかんだ評価されていたので、それを見越して妻も発言しており、自分の尊厳を侵害するつもりはない。つまり、ただの皮肉である。


そして過去、このような皮肉をよく言われていたので、僕の脳にそれが刷り込まれている。

つまり、「寝過ぎて頭がボーっとする、いつものことだけど」というのは、


「いつもボケボケであなたに迷惑をかけている中で大変恐縮なのですが、平日の睡眠分を取り戻すべく一杯寝たら頭がボーっとなりました、すいません」


という何気ない発言から謙譲語のような謙った形に変換したつもりなのである。

咄嗟にこんな言葉が出るのは異常かもしれないが、これはある意味妻の長年の成果である。

成果と呼ぶには悲しい事実であるが、そのお陰で回避出来た案件も仕事においてはあると思う。

これはパブロフの犬と一緒で、僕はヨダレが出ているのだ、正直このあたりは詳しくないので、正確に言うと違うのかもしれないが、そんなことはどうでもよく、ただタイトルを回収したい。いや、実際にボーッとしながら頭を巡らしていた。


なんてことを考えながら妻に伝えたけれど、妻はその部分が聞こえてなかったらしく、

「いつも通りだけどな!」と被せてきた。


さすが妻。これに被せるなんてと思いながら、YouTubeばかり見ていた娘が被弾したところでその日のラウンドは終了を迎え、次の娘ラウンドが始まる。