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天下の“花王”様という

圧倒的

ブランド力により

無事

アルコールスプレーの

安全性を

確認し

気をよくした

ダンポメさんは

陽子先生に

お宅へ

招待してくださったお礼に

一品

振る舞いたいと

申し出ました


おはようございます

カネコです



ダンポメ「油で揚げないヘルシーなコロッケ、その名も“なんちゃってコロッケ”です」



おお

なんかよさそう



ダンポメ「じゃあ、僕ひき肉炒めるんで、金子さん、玉ねぎ切ってもらっていいですか?」



振る舞うと言った割に

料理長さながらに

指示を出してくる

ダンポメさん


コロッケなのに

肝心のジャガイモに

誰も触れないのに

見かねた

陽子先生が

ジャガイモを

レンチンして

くださりました


私が

見習いよろしく

玉ねぎを

極荒みじんにすると


ダンポメさんは

ひき肉と玉ねぎを

なぜか

極弱火で

グチグチと

炒め出しました


見かねた陽子先生が


「火、強くしたら?」


と言っても

どこ吹く風


極度の怖がりな

ダンポメさんは

火力を中火にするのすら

「危ないから」

と陽子先生の

あまりに

的確な提案を

一刀両断で

却下し

極弱火で

ネチネチと

炒め続けました


陽子先生の

怒りの導火線に

火がつくのは

怖くないんかな、、


そっちの方が

あきらかに

火力MAXだろ、、、


私は

誰にも気づかれないよう

そっと

消化器の位置と

避難経路を

確認しておきました


ようやく

ひき肉と玉ねぎに

火が通った所で

ジャガイモを投入し

さらに

極弱火で

ねっちょりと

炒め続けます



陽子先生?!


頭から

煙出てません?!



たっぷりと

時間をかけて

炒め終わった具材を

ボウルに移すと

ダンポメさんは

満足気に

こちらを

見つめてきました



なんだっけ?

何作ってたんだっけ?

そうか

“なんちゃってコロッケ”か

油で揚げないヘルシーコロッケ

“なんちゃってコロッケ”

こと

“なんコロ”か


ふむふむ


コロッケのタネまで

できたね?

普通のコロッケなら

ここから

衣つけて揚げてだね?

で、

“なんコロ”は

ここから

どうしてくれるんだい?


陽子先生と私は

ダンポメさんを

見つめ返しました



すると、、




「完成です」



唖然とする

我々を

尻目に

ダンポメさんは

続けます


「食べてみてください」


いや、ちょっと待ってくれ


コロッケのタネだから


これ

コロッケのタネだから


食べたら

そりゃ

それなりに

美味いだろうけど


これ

コロッケのタネだから


しかし

一旦言い出したら

一歩も引かない

聞きゃしない

ダンポメさんに押され

私は

“なんコロ”を

口にすることに

しました


いやこれ

コロッケのタネだから


「美味しいは美味しいよ、でもなんかなぁ、、」


私がそう言うと

ダンポメさんは

不服そうに

“なんコロ”を

ムシャムシャと

貪りだしました


見かねた陽子先生が


「それにチーズかけてオーブンで焼こか」


と提案してくださったので

私も

それに

乗っかり


「良いですね!グラタンみたいですね!」


と言うと

ダンポメさんは

何かを閃いたように

“なんコロ”を貪る

箸を止めて

こう言いました




「“なんちゃってグラタン”ですね!!」




な、なぜ

“なんちゃって”部分が

生き残った?!ガーンガーン


“コロッケグラタン”

とかじゃないんか、、アセアセアセアセアセアセ