今でこそ
Dance Moment KANEKOこと
ダンモメの
オフィシャル専属カメラマンとして
大砲のような
キャメラを担いでは
仕事ではなく
あくまで
趣味として
全国を駆け回っている
見た目
プロカメラマン
中身
アマチュアカメラマンの
@dancing_pomeranianこと
ダンポメさん
ですが
彼にまつわる
逸話が
数多あり
それを
世に語り継いでいくのは
私しかいない
そう
確信にも似た
思いを
私は
抱いています
おはようございます
カネコです
そのためには
まず
私とダンポメさんとの
関係性を
説明しなければなりません
大学の競技ダンス部で
私が2年生の時
彼が1年生として
入部してきました
つまり
私が中1の時
彼が小6で
私が高1の時に
彼が中3です
もっと言うなら
2人とも
一浪して
大学に入っているので
私が
大学1年の時
ダンポメさんは浪人中で
私が
浪人中の時に
ダンポメさんは
高3です
それで言うと
私が2月生まれで
彼が4月生まれなので
実質、、、
あ、
この件
もういいすか?
さ、さて、、
競技ダンス部時代の
彼は
競技会の
採点管理などを司る
パソコン係を
担当していました
ちなみに
私は
持ち前の
どんぶり勘定で
なんとか
乗り切った
会計を
担当していました
パソコンに
疎い私は
普段は
変人扱いして
弄んでいた
ダンポメさんのことを
“パソコンができる男”
として
実は
密かに
尊敬していたのでした
私が大学4年生
ダンポメさんが3年生
の時のことです
ダンポメさんは
パソコン係の長となり
その後輩たちの
仕事を
統括する立場と
なっていました
その頃の
私はと云えば
先天性の
どんぶり勘定で
しっかりとした
優秀な後輩の
きっちりとした
見事な会計ぶりに
冷や汗をかきながら
うんうんと
頷くばかりでした
ある日
私が
後輩の
完璧な仕事ぶりに
うんうんうんと
汗だくで
頷いていると
近くにいた
パソコン係の後輩が
「この採点管理のプログラミングがどうにもなりません」
と
ダンポメさんに
報告をしていました
ダンポメさんは
パソコンの画面を
ジッと見つめ
顎に手をやりながら
少しの間
首をかしげると
途端に
タイピングを
始めました
カタカタカタカタカタ
いつの間にか
吸い寄せられるように
私は
そのパソコンの画面に
見入っていました
暗号のような
訳のわからない文字が
次々と
打ち込まれていきます
す、すごい
これが
パソコン係の長か
これが
ダンポメの真の実力か
基本的には
後輩に
仕事を任せてはいるが
いざという時には
自ら
飛び出してきて
問題を解決する
理想の
“長”
じゃないか
それに引き換え
俺はどうだ?
優秀な後輩の
仕事ぶりに甘え
何もせず
のんべんだらりと
“長”顔だけして、、
頼む!
お願いだから
俺の元には
何のトラブルも
起きないでくれ!
私は
そんな祈りにも似た願いを
抱きながら
パソコン画面に
注視していました
カタカタカタカタカタカタカタカタカタ、、、
ダンポメさんによる
そのタイピング音は
まるで
ピアノの演奏でも
しているかのようで
彼の奏でる
その音色に
その美しい旋律に
私は
聴き惚れながら
画面を
ポーっと
見つめていました
「よし!」
ダンポメさんは
小さな声で
ひとことだけ
そう言うと
パソコンの画面に
並ぶ文字たちを
もう一度
指をさしながら
チェックし
軽く
頷きました
そして、、
パワフルなのに
それでいて
軽快に
まるで
劇的な
エンディングを迎えた
ピアニストが如く
華麗に
そして
力強く
Enterキーを
叩いたのでした
バーーーーーーーン!!!
マ、マジかよ?!
か、かっこいい!!
かっこよすぎる!!!
私は
自分を
恥じました
これだけの
能力のある人間を
少し
変わった所があるからと
イジり倒し
それでいて
自分は
何の能力もなく
運任せで
すべてを
ちゃっかり
乗り切ってきたくせに
そんなお前に
ダンポメさんを
イジる資格など
あるのか?と
“能ある鷹は爪を隠す”
とは
まさにこのこと
私は
自分自身を
悔い改め
ダンポメさんに対する
尊敬の念を
これからは
これまで以上に
もっと持って
暮らしていこうと
涙で滲む目を
パソコン画面に向けました
すると、、
そこには
驚愕の文字が
写し出されていました
「ERROR」
その日から
今日現在
今に至るまで
私は
ダンポメさんを
弄び続けています