大変なご時世ですが、芸術文化に日々携わっている者のとして、この状況の中何が出来るかを日々考え取り組んでいます。
しかしながら、具体的な補償についての言及はなく、
芸術家に理解を示すだけでなく、
芸術家、芸術機関にとって差はあるけれどそれだけの損害が出るかに対しても、小さなプロジェクト企画主催者であるフリーランスアーティストは特に難が大きいにしろ
アートや博物館、図書館など文化と芸術に関与している個人や組織を保護するため、イギリスのアーツ・カウンシル・イングランド(ACE)が1億6000ポンド(約212億円)の緊急資金を提供することを発表した。
その内訳は、ACEが定期的に資金提供するアート組織である「National Portfolio Organisations」に9000万ポンド(約120億円)、それ以外の組織に5000万ポンド(約66億円)、アーティストやクリエイター、フリーランサーなどの個人に2000万ポンド(約26億円)を提供する。
という国の温度差をひしひしと感じます。
今の時点では、ロックダウンになってないので大丈夫ですが、
私自身、6月11・12日に DnceMarchéのカンパニー公演があります。
「オペラ座の怪人 Phantomファントム」
です。
ダンサー育成プロジェクトでもあり3月から月〜金まで毎日のレッスン&リハーサルを重ねています。
こういう状況でもやり続けるのは、芸術は贅沢品ではないし、ひとりよがりでもないからです。
創造を生み、人を育て、雇用を生んでいます。
舞台芸術は、ダンサーや振付家のものだけではないです。
照明チーム、舞台チーム、音響チーム、衣装チーム、制作チーム、などなど、たくさんの方と創っています。
こういう状況でも、日々ダンサーとリハーサルしながら、スタッフとのやりとりがあり、一人一人がこの公演のために試行錯誤しながら創っています。
それは、観てくださるお客さんのために!
全員が一丸となっています。
こんな大変な状況でなくても、日本で舞台芸術をやり続けるのはとても大変でエネルギーが必要です。
その原動力は、何か。
「使命感」 ただそれだけのような気がします。
私は、今の若い世代のダンサーを育て、スタッフと一緒に良い作品を創る。
それを観る未来のバレリーナ・ダンサーたちのために。
「将来、日本の舞踊界も悪くない!」
「舞台って面白いね! 私も踊りたい!」
未来のために還元してきます。
そして状況が大変でもやり続けるのは、311の東日本大震災があったからです。
あの年、7月には公演をやっていました。
震災後、私自身、芸術をやるべきでないと思い、
心身とも悩んでいて、
直後に訪れた瀬戸内海の直島や犬島のアートにふれて、
「すごい勇気をもらい、溢れる涙が止まらなかった。
日常から解放された瞬間でした。」
救われたんですよね。私自身が。
なのでその年に公演をやろうと決めたのですよね。
「きっと舞台を観て心がふわっと軽くなる人がいるはず。」
そして、舞台をやり、とあるお客様から
「こんな大変な時期に舞台をやってくれてありがとう」というお言葉をいただき、
こんな私でもやる意味があったと思えた瞬間でした。
今回のこの公演は、今まで以上に大変になる公演だと思います。
(文化芸術に保障はない日本ですが)毎日政府の状況を聞き判断をしながら、進めていきます。
だからと言って、決して妥協はしません。
その中で最善の方法を見つけてきます。