1月2月、ヨーロッパ各地カンパニーでは、新シーズンの為のダンサーオーディションが行われる。
そりゃもう、職を求めて世界中からやってくる。
今は昔よりも、ダンサーの数が増えているみたい。
よく日本人ダンサーが、海外で踊れるのは、「運です!」
というのを皆さん言うけれど、最終的には運かもしれないよね。その運というのは、その時カンパニーが欲しい人材としての運。
でも実際は、運では無い!
運の前に実力がある!
ダンサーとして、上手い踊り手である。
この実力なしに、運は使えない。
そして、ドイツレーゲンスブルグ歌劇場ダンスカンパニーでも、来シーズンのためのオーディションがあります!
今回は、実際にオーディションを見学させてもらい、あくまでも私が見てきた個人の見解です。
また今私がこのカンパニーのアシスタントとしてもいるので、欲しい人材もある程分かっいての感想ですので、悪しからず。。
まず書類審査!
書類審査は、このカンパニーの芸術監督兼振付家である森優貴さんに話を伺いました!
まずはこの書類審査が通らないと、何も始まらないですよね。
応募期間中、1日に20から30通のオーディションメールが世界中から来るという!
応募期間は、およそ2ヶ月。
新作を創っている時間のない中、どこにオーディションメールを見る時間があるのかと思うのだけどね。。
オーディションに必要なのは、
写真、履歴書、自分の踊りの動画。
優貴さんは、全て目を通すという。
カンパニーによっては、来シーズン欲しい人材が決まってるのであれば、全て見なくても、条件に当てはめてるだけというのもあるらしいです。
何を書類で見ますか?と伺ったら、
「どこの学校にいたのか?」
学校も実は大事らしい。
名も知られてない学校だと、ちゃんと教育を受けてきてないという印象があるみたい。
昔だと、ハンブルクバレエ学校、シュツットガルトバレエ学校、ロイヤルバレエ学校などなど、限られた人しか入れなかったけど、今は色んなバレエ学校やコンテの学校も増えて、誰もが学校に入れる時代。
だからこそ、どこで教育を受けてきたのかも見るみたい。
「どこのカンパニーに働いているのか?」
カンパニーで踊ってきた人は、誰の作品踊っていたのか、何年いたのか、どの国で働いていたのか大事だと。
フリーランスで、プロジェクトばかり渡り歩いているダンサーは、正直取りづらいという。
結局カンパニーは、会社と同じで、フリーランスのようにこれは良いけどこれは踊りたくない!という訳にはいかない。
そう社会人としての常識がないとダメだということ。
そしてもちろん「動画」
そして動画も、皆んな踊っている動画なんて、どれだか分からないし、ソロでインプロであまり動かず、自分の中だけで踊っているのもよく分からない。
クラッシックのバレエレッスンもあり、自分の得意とするソロの踊りを何パターンが用意するのがいいみたい。
基礎も分かるし、本人の実力も分かるから。
そして何よりも自分の作品に合うダンサーか!
そしたら写真も大事よね。
この子は、このカンパニーはどういうカンパニーか分かって送っているの? というのもあるらしい。
写真も動画もちんぷんかんぷん。
とりあえずどんなカンパニーでも良いから引っ掛かれば良い!
という風に、何もリサーチせずに送る子は書類ですぐに分かるのでアウト!
あとオーディション日は無理なので、プライベートオーディションをやってください!
というメールもあるらしい。
ハッキリ言って、学校でたばかりの様な子や、それが日本から来ようが、そんな時間はありません。
自分は、それだけ時間とるだけの価値のあるダンサーと自負しているのだろうか。。
これを会社と例えたら、会社の面接日は行けないので、この期間で個人で面接して下さい。と同じ。
今どき、こんな社会常識は通用しないのは分かるはず。
ただ自分の都合だけ。
それでも、カンパニーレッスンだけでも受けたい!
リハーサルを見学したい!
カンパニーの作品観ました!などなど
それくらいの想いを持ってメールしてるのだろうか?
残念ながら、そんな強い想いもないのが現実らしい。
こちらは、すぐ見破ってしまうみたいね。
っていうか、優貴さんを側で見ているから分かるけど、プライベートオーディションなんてする時間が本当にないのです。
新作の準備やリハら、来シーズンのプログラムやら、やる事が多すぎるから、こっちが見て比べるオーディション日というのがあるのです。
今の時代、インターネットでダンサーがカンパニーに自由に調べて選べられる。
だからこそ、ここがダメなら、あっち。
ここは私と合わないから、こっち。
ダンサー自身がとても身勝手という。
書類審査ひとつでと、それが分かるんだね。
今回700超える書類メールに、オーディション日のinvitationを貰えたのは45名ほど。
そして、実際来たのは、女の子15人、男の子25人ほど。
ほんと狭き門よね。
次回は、実際に1日オーディションを見た様子です!
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