少年日和 ~ 猫や鴨との思い出は宝物のように美しくて ~ vol.31少年は、烏が鴨の子に襲い掛かったことを知らない。また鴨の子を救うために、猫が烏を襲ったとは、知ることもない。そのことを少年は知らずに成長するのだろう。友達と二人で鴨にパンを与えながら、ここで起きた事実を知ることもなく少年は成長する。カバンにミルクを入れたまま、少年は猫がやって来るのを待ちわびている。そこで時が過ぎ行く虚しさを、いつまでも友達と分かち合いながら、ここでの出来事を胸に焼きつけるのだった。 ―― 完 ――
少年日和 ~ 猫や鴨との思い出は宝物のように美しくて ~ vol.30ここから猫は去ってしまった。なにより少年は猫を疑った。最初に少しだけ、猫が鴨に襲い掛かると思い込んだ。そのことを力強く忠告する少年の気迫は、猫にとって辛いものだった。あのことが頭に焼きついてしまい、猫は少年に甘えることができなくなった。猫は少年に愛されたままで、思い出の場所を去りたかった。いつまでも綺麗な思い出を持ち続けてほしかった。そんなことを猫は考えていた。水面に浮かぶ波紋を見つめながら、猫は考えに耽っていた。
少年日和 ~ 猫や鴨との思い出は宝物のように美しくて ~ vol.29まもなく学校の授業は終了した。その後、少年は友達を連れて公園へ向かった。カバンの中には、すでにミルクを入れるプレートがある。猫や鴨の親子を見せた時に、友達が喜ぶ姿が目に浮かぶ。そのように考えが膨らみながら、いつもの川原に友達を連れて来た。小川には鴨の親子が待ちわびていた。しかし、そこには猫の姿はなかった。この数時間の出来事を、少年は知らない。猫が、この場を去ったのも分からない。少年との約束を遂げた猫は、満足したように思い出の場所を去って行った。少年の言伝(ことづて)は果たされた。少年の願いを叶えるために、猫は大切なモノを犠牲にした。 ここのあんぜんは ボクがいては まもられない こ そ の の 場 よ か う ら に 猫 感 は じ 去 と っ っ た て 。 、