T型集落点検で知られ、道の駅の命名者でもある熊本大学の徳野先生の著書。NHK出版から出ている。先日、愛媛大学で行われた講演会の場所で購入してみた。本を読んだ内容については、講演会のしゃべった内容のそれとほぼ同じであるから、講演を聴いたあとに本を読むとある意味復習になった。
徳野先生の毒舌?は業界内ではかなり有名であるが、農家のセガレであるからこその思いやりと言ってよいだろう。しかし、先生の唱える中山間地域活性化に対するアプローチは古くからある地域コミュニティの良さを再構築しなおす、ある意味において地域コミュニティ論であったりする。
現在、中山間地域は人手不足による耕作放棄地が増加し、なおかつ集落の維持ができなくなっているというが、実際に調べてみると、子どもが近くに住んでいたりして意外とまだたくましくしなやかに集落を継続できる可能性があるところもあるそうだ。
つまり、集落維持という場所を中心に考えた場合、集落外に住んでいる人間はすべて他人というべき存在に考えが陥ってしまうが、家族という人を中心に再度その地域を見直した場合、世帯=家族という常識というか思いこみを考え直す必要があること、そして、世帯をはみだしてきた時代にあわせた集落維持が求められているようだ。
そして、米の値段のことに触れ、米1俵は60キロだが、それが現在12,000円。そして飯一杯が12円。それがコンビニのおにぎりになると105円となり、ファミレスのライスになると250円くらいとなる。原価で考えるといかに農家の手取りが少ないことがわかる。
ゆえに生まれたのが「産直」という農家が自信をもって値段を決められる仕組みだ。農協はそれで打撃をうけることになる。それにより「農協」という、これまでの農業の集荷組織の存在意義が問われるようになって、農業流通が変化してきたが、それでも農家の所得は未だに向上しない。消費者側にも考えるところがあるようだ。蛙もまたよくジャンクフードを買うので自戒しなければならない。