物事には流行というモノがあるが、それはご多分に漏れずまちづくりの世界でも同様だ。しかも、これまでのまちづくりのブームは国主導で金太郎飴のように全国各地でハコモノをつくって、東京を目指そうとした志向であろう。そして生まれたのが膨大な維持管理がかかる金食い虫であり、そして非効率の象徴としての財団や第3セクターだったりする。ちなみに、蛙はハード設備については決して否定派ではなく、そして第3セクターについても戦略さえあれば黒字になるし、一定の雇用確保には役に立つモノだと思っている。
現在では、それに反省してハコモノではなく、地域資源に目を向けてまちおこしをしようとしており、その中から生まれたのがたとえば文化的景観や重伝建などの景観であったり、農産物などの分野で言えば産直市であったり、生涯学習の面ではいえば「ご当地検定」など、いわゆる「ご当地モノ」だったりする。つまり自分たちのアイデンティティをつくりあげようとしているということだ。
その中でも飲食業界でのご当地モノはすごい。「食」というモノは人間が滅びない限り確実に未来永劫滅びない産業であるから、当たり前といえば当たり前だ。最近にはご当地バーガーやB級グルメなどが百花繚乱している印象を受ける。こんなことを言っては失礼かも知れないが、正直言ってどの地域にも名物は存在し、名物にマズイモノ無しといわれており、どれも実はおいしいのだ。たいした差はない。
では、なぜ売れている物と売れていない物が存在するのか? それはつまるところ「感動」の差なのだ。つまり、味にプラス「感動」というスパイスがあるから、売れている物が存在する。ではどうやって感動を演出するのか?ということになる。
感動というモノを演出するためにはさまざまなアプローチがある。たとえば希少性という感動。少ないものであるのに出会えたというものである。そして苦労という感動。自分が苦労して手に入れたモノには感動がある。その他、さまざまな感動を演出する力が必要なのだ。そうなると売れる物をつくるためには、最低限として「おいしいもの」であることのほかに、それをうまく演出する能力をもった人間が必要なのである。
そして、その演出家は絶えず新しいモノを生み出していかなければならない。今のまちづくりの隆盛も実はブームのようなところがある。したがって新しいステージにすすむためには新しい価値を創造し、デザインする力が求められているのではないだろうか。いずれご当地バーガーもB級グルメも、そしてご当地検定もブームがすぎていってしまうだろう。次はいったいどんなモノが日本国中を席巻するのだろうか?