東京にNPO法人カタリバという団体がある。この団体は高校へ大学生や社会人が20人ほど訪問して、自分の夢や将来について一緒になって考えあうというキャリア教育プログラムを実施しており、この代表をされている方は日経のウーマンオブザイヤーに選ばれており、いま注目されている女性でもある。
このプログラムのコンセプトは、ナナメ視線からのアプローチである。ゆえに、高校生たちが進路を相談する相手は親や教師であったりする上からと、同級生などの横のつながりの人たちであることが多い。そこで、親でもない、同級生でもない、自分たちよりもちょっとだけ年上のおにいさん、おねえさんたちが、どんな進路を歩んでいるのかと言うことを、自分たちのちょっとだけ先の未来を歩んでいる人たちから話をきくこととで、進路を考えるきっかけにさせるということのわけだ。
この団体は関東近辺の高校を訪問しており、年間になおすと2万人の高校生と交流するそうであるから、かなりの実績をあげていることがよくわかる。しかもちゃんと成果を報告書形式に載せており、かなりしっかりとした団体でもある。
しかしながら、よく考えてみると、このような活動が注目を浴びていると言うこと自体が、地域コミュニティの弱さを露呈していることがよくわかる。これまでは青年団などがこの役割を果たしてきたのである。しかしながら、現代の若者は青年団を敬遠しており、青年団活動は形骸化、縮小傾向になっている。そのかわりにこのカタリバが生まれてきたということは、新しいコミュニティの作り方のひとつと見てよいのではないだろうか。