去る12月に島根県奥出雲町で開催されたフォーラムを聞きにいった。主催は財団法人松下政経塾。このフォーラムは塾生の塔村俊介さんの卒業発表会でもある。塔村さんの決意発表を聞きにいったほか、奥出雲町でがんばっている若手経営者とのパネルディスカッションや政経塾出身の首長も登壇してのパネルディスカッションもあるなど、かなり盛りだくさんの内容だった。特に動員をかけることなく150人もの人がやってきたということだそうであるから、塔村さんの人柄がにじみ出ているフォーラムだったのだろう。


井の中の蛙、大海を知りたい!-奥出雲フォーラム1


井の中の蛙、大海を知りたい!-奥出雲フォーラム2


フォーラムの中ではさまざまな議論が行われたが、若い人たちが立ち上がって地域の未来について何とかしなければならないという意気込みが伝わってきたのと、地域再生のためにはまずは町の主産業である農業を何と化していく必要があり、農業の6次産業化など、飲食産業に対する挑戦と、それに付随したグリーンツーリズムの振興、交流人口の増大などを図りたいという意気込みがあった。


特に参考になるべき情報はあまりなかったが、山口県柳井市長の「食糧自給率の向上も大事だが、エネルギーの自給率向上も目指したい」という発言と、集落再生や地産地消、地域福祉の向上など、政策横断的に実施できる組織がこれからは必要だからということで「地域再生に関する部署」を設置したという発言などはかなり参考になったし、島根県益田市長に対して地元の県立大学の大学生がなかなか厳しい質問を浴びせかけてきたのがおもしろかった。


井の中の蛙、大海を知りたい!-奥出雲フォーラム4


井の中の蛙、大海を知りたい!-奥出雲フォーラム3


このフォーラムのあとに交流会が行われて参加したが、仁井田米というブランド米のおにぎりをいただいたが、これはうまかった。おいしいものがたくさんあったので、これをどう磨きをかけていくのかという課題があるが、塔村さんのこれからの活躍を期待したい。それと、こういう交流会で名刺を交換するとユニークな人に出会えるからおもしろい。特に、「噂の生どら」をつくっておられる松葉屋さんの看板娘である内田咲子さんとお話をさせていただいて、田舎でもアイディア次第で世界に羽ばたける企業にはなれるし、工場なども地元に建設して地元に密着した企業でいたいという、田舎発のグローバル企業、つまりグローカル企業がこれからの地域再生のビジネスモデルになると信じておられるその姿には感銘を受けた。


島根県は中山間地域の再生に関する調査研究とその実践では先進地であり、海士町に代表されるように離島振興でも先進地である。そしてIターンした移住者が活躍している地域でもある。島根県は人口減社会の最先端であるからそれだけ先に進んでいる。全国はいま島根に注目している。この奥出雲町は小さい町だがさまざまな都市圏などにも高速道路で近いという立地条件もあり、「どげんかできる」と塔村さんも分析しているし、若手の経営者でがんばっている人もおられる。奥出雲の未来はきっと明るいだろう。がんばれ、塔村さん。