3月14日の産経新聞記事に『もったいない野菜』が紹介されていた。このもったいない野菜とは島根県大田市温泉津町の温泉旅館『吉田屋』の女将である山根多恵さんたちが立ち上げた法人がはじめた新しいビジネスだ。

この吉田屋の取り組みはとても面白い。営業日は金曜日から日曜日の週末のみで残りの平日は地域貢献日として地域づくりにスタッフが取り組んでいる。また学生を数多くインターンシップ生として受け入れ、社会貢献起業などのレクチャーを山根さんから受けることができるなど、山根さんは日本を代表するアントレプレナーである。

今回紹介されていた『もったいない野菜』は、農家のロス野菜を都会で販売する仕組みでそれを田舎会社と呼ばれる学生のベンチャー企業が毎週金曜日に販売する。ネット販売もしているそうだが、このスタッフも吉田屋でインターンシップをした慶應大学や法政大学などの学生である。

ロス野菜の仕入れ価格は基本農家の言い値だそうだが、基本的に捨てていたものや農協で扱わない引き取り手のないものだからタダ同然だ。つまり農家所得が増えることを意味する。これと同じ考え方が農家の加工品販売だろう。

また、吉田屋の社会貢献の取り組みはまだある。放置竹林の整備基金や障害者の授産施設の製品開発(ユニバーサルデザインのマグカップ)、もったいない野菜の原型である『もったいない運送』など。田舎発のベンチャービジネスだ。これはら山根さんの田舎にこそたくさんのビジネスチャンスがあるというビジネス哲学が貫かれている。詳しくは山根さんの著書をよんでいただきたい。

もったいない野菜の取り組みに話を戻すが、この他にも島根と山口の農家がロス野菜を購入希望者は会費として1万円を納入すると、季節に応じて野菜がまとまって運ばれるものという仕組みもあるそうだ。

この仕組みは、『ふるさと納税』と同じように考えていけば発展するのではないか?と思う。出身者にふるさとの野菜などを買ってもらう仕組みだ。それも商品やロスも取り揃える。ネット販売も行う。そうすれば出身者からのふるさとの産業育成につながると思うのだがいかがだろうか?


ただ、単に品物を売っても意味がない。やはりそこには商品に対するストーリーが必要だ。つまりどうやってその商品が作られたか?ということがわかる商品である。いわば生産者の顔がわかる商品をどうやって付加価値をつけて売るか?である。