このタイトルのソースは日本政策投資銀行の藻谷さんの言葉である。そんな藻谷浩介さんの著書が日経新聞出版社から発売されているが、それが「実測!ニッポンの地域力」という本である。
世間では地域間格差、都市と地方の差が声高に言われているが、そんなものは存在しておらず単なる時差にすぎないんだという氏の主張は膨大な統計資料に基づく考察である。
それ以外にも高速道路網が開通しても必ずしも地域が活性化するということはなく、その地域の消費が大都市に流れてしまうリスクの法が高いと言うことを示している。
確かに、消費動向にしても、大都市に90分以内の範囲の地方都市の住民は、確実に生活必需品(=日常生活に使う食料品など)以外のモノの購入は、郊外のSCか、都市部の店舗で購入するという行動をとる。地方都市の中心市街地で購入する行動をとらないのだ。
つまり高速交通網が整備されて大都市から90分以圏内になると確実に消費の流れが変わってしまうのである。それなのに、地方は道路をほしがる。確かに緊急時の道路確保として必要な部分もあるが、それよりも道路確保しなくてもいいような地域づくりを図ることはできないのか?そう思えて成らない。
そのほかにも「出生率を気にするより、出生数を気にしろ!」という言葉や、「出生率が低いのは女性が家庭に専念せずに社会進出したからだという理由は合理性に欠いており、むしろ欧米では女性の社会進出が多いほど出生率が高い」といった指摘は論理的である。
資料を読む力というものを教えてくれる一冊でもある。地域力とは何かを考える前提として読んでおきたい。