最近読んだ本に「体験交流型ツーリズムの手法~地域資源を活かす着地型観光~」という本がある。現在、旅行業の免許で第3種を取得すれば着地型の旅行プランをつくることができる。
ちなみに、「着地型」とは営業地にお客を招くための企画プランを用意して提供する旅行商品である。よく「○×旅行社」が参加者を募って海外旅行のパックツアーなどを企画しているが、あれは自分たちのところを出発して他所へ行く発着型ということになる。
第3種の旅行業免許は、発着型の旅行商品は提供できない。提供できるのは、会社の所在地のある自治体と隣接自治体のみをエリアとして企画旅行商品を提供できる免許であり、平成19年5月から旅行業法の改正により実施できるようになった。
それにより、全国各地でツーリズム観光が花盛りとなっている。四国で言えば高知県の四万十町の三セクの四万十ドラマが実施している四万十観光や、愛媛県大洲市にあるTMO「大洲まちなか再生館」がやっている田舎暮らし体験などが実践例の代表格として知られている。
この旅行商品を企画してつくるという作業は、じつは地域資源の再発掘、見直し、活用する作業を行うことになり、地域再発見という性格ももつ。したがって、地域づくり活動の原点ともいえる「地域資源」を磨く作業に他ならないといえるだろう。余談であるが、そういった意味で、この本は地域づくり活動を行いたいと思っている方、実際に行っている方が読むと最適な本かも知れない。
たとえば、現在、愛媛県宇和島市では愛媛県のバックアップを得て、「宇和島虹色ツーリズム事業」と呼ばれる、地域資源発掘を市民レベルで行っていこうという取り組みがスタートしているが、その両輪として宇和島圏域の地域づくりグループや観光業従事者を対象に、名古屋から専門家を招いて旅行プランを組むセミナーを開催して旅行プランの建て方とビジネスモデルの勉強会などをしているようだから、あながち私の指摘も間違いではない。
昨年、11月に愛媛県で地域づくり団体全国研修交流会が開催されたようであるが、あのような全国レベルの地域づくりの大会の分科会メニューづくりがまさしくその体験交流型のツーリズムの商品をつくる作業そのものであるといえるのではないか。
さて、四国でそんな地域資源を活かした観光で成功しているのがさきほど述べた四万十川流域の高知県幡多地域である。この地域は東京からもっとも遠い地域とも言われ、高知龍馬空港からなんと4時間もかかる。しかしながらその遠さがよく、かならず宿泊しなければならない地域とも言える。それを活かし修学旅行生が毎年2万人訪問するそうである。
最近、愛媛県松山市が広島にやってくる修学旅行生を目当てに修学旅行を誘致する活動を開始しており、かなり実績もあがってきているそうだ。あわせて来年度にはNHKの坂の上の雲の放送開始と愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ「しまなみ海道」が10周年を迎えることもあり、周辺自治体と連携して松山市はますます追い風にのって取り組んでおり、着地型商品づくりはますます増えていくことが予想される。
そんな中、高知県の畠中智子さんのブログ を見ていると、ちょうど高知県香南市で着地型のメニューづくりのワークショップをしている様子が紹介されていた。立ち上げたばかりのようで、これから取り組もうとされている自治体の方は参考になるのではないかと思われるのでぜひご覧いただきたい。
あと、四国西南地域のこれからの観光のあり方については、高知県大月町のホテルベルリーフ大月のブログに「四国西南地域の観光について考える」 ということで連載記事が掲載されているので参考にしてもらうとよい。
