四国電力宇和島支店では「古民家再生」 をテーマにしたプロジェクトを愛媛県南予地方の工務店と協力して行っている。基本は古い家屋をリフォームする際に住む方が使いやすいように、内装は古民家の雰囲気を残しつつ現代的なオール電化住宅などをして、外観は景観に配慮した新しい暮らしを考えましょうというコンセプトである。
この取り組み、実は経済の論理にかなっているものであることが先日わかった。ひょっとしたらプロジェクト自体は思いつきの部分もあったかもしれないが、これからの建設・建築業界は「新規着工」ではなく、「リフォーム」や「修繕」にシフトすることが予想されるからである。
というのも、人口減社会になっているこの現代の状況から判断するに、たとえば愛媛県の人口統計調査によると愛媛県の2015年の人口は1970年の人口とほぼ同じになるそうである。ただし、その内訳で異なるのが高齢者の人口に占める割合と、世帯数の差である。1970年に比べて2015年の世帯数はおよそ倍の世帯数があるそうだ。つまり、それだけ家屋があるということであるが、人口減社会に突入し、どんどんそこから人口が減っていくということから見えてくるのは「住宅供給が過剰」になっており、「空き家」が目立ってくるということでもある。
また、インフラ整備としても人口増大社会であれば、道路・学校などのさまざまなハード施設をつくる必要があるが、人口減社会に入ると今あるものをうまく修繕しておけばよいということに落着くし、どう有効利用するかという発想になる。学校の統廃合で使われなくなった校舎をどのように有効利用するかということが多くの自治体で議論されているのはこの代表格だ。
ゆえに、住宅を新たに建築するのではなく、すでにある空き家をリフォームして住むという環境が増えてくる。ゆえに、古民家再生などのリフォームの実績のあるところが強いということが言えるし、今後も建築・建設業界も新規着工よりもリフォームや修繕に長けた企業が強いとも言えるだろう。そんな中で行っている古民家再生プロジェクトはまさに時代の動きにあっているものと言える。