妙円寺詣りとは、旧暦の9月14日に行われている鹿児島の三大行事の一つである。

例年、鹿児島の秋の風物詩にもなっている。

今年はコロナ禍もあけ、約4年ぶりの通常開催となった。


そもそも妙円寺詣りとは、1600年濃州(現在の岐阜県)関ヶ原の戦いで退陣を余儀なくされた島津義弘公率いる島津軍が、敵陣の中央を突破し、敵軍の追っ手を振り切り養老及び鈴鹿山脈を越え、堺の港から帰還する事が出来たことを偲んだ行事である。


約300人いた兵が帰還した際には80人前後しかおらず言語に絶する艱難辛苦の後を偲び、その剛勇を慕っていつからともなく鹿児島城下の武士達が関ヶ原の戦いの前夜にあたる9月14日に、鹿児島市から伊集院(現在の日置市伊集院町)間約40キロを甲冑に身を固め、夜を通して義弘公の菩提寺である妙円寺に参拝した事に始まる。


妙円寺は、明治2年の廃仏毀釈において廃寺となり現在は妙円寺のあった場所に建立された徳重神社にお詣りしている。


江戸時代である文政11年に城下士が詣りした記録や、大久保利通の日記に嘉永元年に甲冑を来て妙円寺詣りに出向くと西郷隆盛らに出会ったと記してあったりとかなり古くから伝わっている行事である。


現在は、神社境内や周辺武道館で剣道・柔道・相撲・弓道・銃剣道の奉納演武や試合があったり、土日でないと仕事で参加しにくいという声から、毎年10月の第4土・日に開催して、鹿児島~伊集院間のウォークラリーを称したりイベント化している一面がある。


尚武の気風を尊ぶ、薩摩らしい伝統行事なのでこの先も続いて欲しいと思う。



甲冑隊の行列
伊集院高校生の揮毫
神社へ参拝に

 
これを皆で唄いながら練り歩く。