舞と書に耽溺したい


祖父母に段ボールに詰めて送ってもらった本の一番上に乗っていて、薄いし、題名もとっつきやすそうですし、著者がロシア人ということで一目て惹かれて手にした一冊。

緑の美しい油絵の荘重もお気に入り

内容は…本の表紙の美しさ以上に…ストーリー自体は決して美しいものとは一概に言い切れないものなのかもしれないけれど…

私は澄み切った美しさを感じました

主人公がうら若い青年(少年?)で、しかも初恋にまつわるお話だからかしら…

彼の目を通して描かれ、語られるお話は、いくらその中身がドロドロしたものでも

不思議と浄化されて美しいものに感じられます

またそれは、主人公が中年の歳になり、初恋の思い出を文章にしたためるという大前提があるからこそ、何年もの間、彼の中で浄化され、清められた初恋の思い出はなお一層清らかなものに磨かれていったのかもしれませんね

今恋をしている人。恋がしたい人。静かなゆったりした空間で、静かな気持ちで読書を楽しみたい人にはぴったりの作品です


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●『初恋』(原題ロシア語:Первая Любовьピェールヴァヤ・リュボーフィ)は、1860年に発表されたイワン・ツルゲーネフによる中編小説。半自伝的性格を持ち、作者が生涯で最も愛した小説と言われている。

概要
この作品は、40歳代となった主人公ウラジーミルが、自分の16歳の頃の初恋について回想し、友人たちに向けてノートに記した手記という形式となっている。
まだ若い主人公がコケティッシュなヒロインに弄ばれるなどの非道徳的な内容を詩的な美しい文章で描く。

登場人物
ウラジミール・ペトローヴィチ:主人公
ジナイーダ・アレクサンドロウナ:ヒロイン
ピョートル・ヴァシーリニチ:主人公の父
ヴォニファーチ:ジナイーダの家の召使
ルージン:崇拝者の一人。医者。
マイダーノフ:崇拝者の一人。
マレイフスキー:崇拝者の一人。
ベロヴゾーロフ:崇拝者の一人。騎兵隊。

(http://ja.wikipedia.org/wiki/初恋_(ツルゲーネフ))
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●イワン・ツルゲーネフ
イワン・セルゲーエヴィチ・ツルゲーネフ(イヴァン・セルゲーエヴィチ・トゥルゲーネフ;Иван Сергеевич Тургеневイヴァーン・スィルギェーイェヴィチュ・トゥルギェーニェフ;ラテン文字転写の例:Ivan Sergeyevich Turgenev、1818年11月9日(当時ロシアで用いられていたユリウス暦では10月28日) - 1883年9月3日(ユリウス暦8月22日))は、19世紀ロシアの代表的な小説家の一人。ロシア帝国の貴族。なお、以前は「ツルゲーネフ」と書かれることが多かったが、最近ではロシア語の発音に近い「トゥルゲーネフ」という表記が用いられるようになっている。

概要
ロシア中部オリョールの地主貴族の家庭の次男として生まれる。15歳でモスクワ大学教育学部に入学、1年後、ペテルブルク大学哲学部に転じる。1838年から1841年までベルリン大学で哲学や古典語を学ぶ。1843年、内務省に職を得るが翌年に辞す。1842年、批評家ベリンスキーに会い、以後、親交を続けた。1843年、叙事詩『パラーシャ』を発表。その年、夫と子のあるオペラ歌手、ポーリーヌ・ガルシア=ヴィアルドに一目惚れし、彼女を追ってパリに移り住んだ。それ以後、西欧とロシアを往復する生活が終生続いた。

1847年から雑誌に発表された『猟人日記』(1852年)で、貧しい農奴の生活を描き、農奴制を批判したことで逮捕・投獄される。この作品は農奴解放に大きな役割を果たした。その後も、1854年の『ムムー』でも地主のもとで使われる農奴たちの悲劇と精神の解放を描いている。続く1856年の『ルージン』では、高い理想と教養をもちながらも現実に対しては無力ないわゆる「余計者」を描いた。その後も、政治社会的な問題を主題とした『貴族の巣』(1859年)、『その前夜』(1860年)、『処女地』(1877年)などを次々と発表し、社会論争を巻き起こした。理想主義的な父の世代と、唯物論的な子の世代の相克を描いた『父と子』(1862年)は、19世紀のロシア小説の最高傑作の一つに挙げられる。自伝的な作品として『アーシャ』(1858年)、『初恋』(1860年)なども残している。
長く住んだパリで、西欧の作家・芸術家たちとの幅広い交友関係を築き、西欧へのロシア文学の紹介に大きな役割を果たした。1883年、パリ郊外で歿し、ペテルブルクでは国葬が営まれた。
日本ではいち早く二葉亭四迷によって翻訳・紹介され、特に国木田独歩や田山花袋らの自然主義に大きな影響を与えた。

(http://ja.wikipedia.org/wiki/イワン・ツルゲーネフ)
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