杉咲花が主演を務めるNHK連続テレビ小説
『おちょやん』


は面白いですねぇ🎵

主演を務める杉咲花


の演技力や厚みのある脇役陣。
そして『半沢直樹』(TBS系)などを手掛けてきた八津弘幸の脚本の力もあるのでしょうか?
全体として見せ場の多い朝ドラになっていると思います。

主なキャストやストーリーは、以前のブログを御覧ください✴


今回は、このドラマに出演する方々にスポットを当ててみたいと思います✨

このドラマは、上方喜劇の歴史が描かれているために、出演者には、松竹系(新喜劇、芸能)、吉本系(新喜劇、興行)の芸人さんたちが多数出演されています。

例えば、
現松竹新喜劇の座長さん
※「鶴亀撮影所」の守衛役で松竹新喜劇の座長渋谷天外(3代目)が出演しています。




藤山寛美のお孫さん

※須賀廼家万歳役で出演する藤山 扇治郎は藤山寛美のお孫さんです。



吉本興業のトップに君臨する西川きよしの長男

※劇場の支配人「熊田」役で出演してるのは、吉本興業の重鎮西川きよしの息子さんです。



また、それ以外の芸人さんとして、

上方歌舞伎界の大御所
※大山鶴蔵役(モデルは松竹の創業者白井松次郎)で出演してるのは、上方歌舞伎界の重鎮中村鴈治郎さんです。



狂言大蔵流の能楽師
※初代 天海天海(モデル初代渋谷天外)を演じてるのは狂言大蔵流の能楽師で俳優の茂山宗彦さんです。



元宝塚歌劇団花組トップスター
※劇団員高峰ルリ子役で出演してるのは、元宝塚歌劇団花組トップスター明日海りおさんです。




山村千鳥一座の座員薮内清子を演じたのは、元宝塚歌劇団月組トップ娘役映美くららさんです。



などの実力者揃いの出演者となっています。

では、松竹新喜劇公式サイトの『喜劇百年の歴史』を参考にして、このドラマのモデルとなった人物とそのキャストを順次ご紹介していきたいと思います✨


明治三十七年の二月のこと。
名前も曽我廼家五郎

※ドラマ内の須賀廼家万太郎(演:板尾創路)のモデルです。



曽我廼家十郎


とし、座員一同も曽我廼家を名乗りました。


新作狂言にも挑む二人の力のこもった舞台が、後の京都、神戸、東京、名古屋でも好評を生み、順調な評価を得て、商業喜劇団として成長していきました。

曽我廼家五郎のもとにいた曽我廼家箱王と、鶴家団十郎のもとにいた鶴家団治が一座を組んでいたが、明治四十一年それぞれ
中島楽翁(箱王)


と、渋谷天外(団治)

※ドラマ内の初代 天海天海(演:茂山宗彦)のモデルです。



と改めその名から一字とって〈楽天会〉となりました。

これは当時、京都新京極劇場街を制した
白井松次郎

※ドラマ内の「鶴亀株式会社」社長大山鶴蔵(演:中村鴈治郎)のモデルです。



大谷竹次郎


兄弟の
「松竹合資会社」
現松竹株式会社


が喜劇団を重視し、京都朝日座において結成させ、〈楽天会〉を名乗らせたのです。

一座には新派、俄出身の役者が多くいたことからも“新派と俄をミックスしたような芝居”ともいわれています。
曽我廼家喜劇とは、また一味ちがった斬新なアイデアと趣向、腕達者な脇役たちに支えられ、人気劇団となりました。

昭和三年九月、大阪角座に、曽我廼家十吾

※ドラマ内の須賀廼家千之助(演 - 星田英利)のモデルです。


二代目渋谷天外

※ドラマ内の2代目天海天海(演:成田凌)のモデルです。


を中心とした
「松竹家庭劇」
が旗揚げします。

当時、人気劇団として引続き隆盛の曽我廼家五郎劇に対抗する劇団として松竹が立ち上げた劇団なのです。



そして昭和二十三年十一月、曽我廼家五郎の死を契機として、五郎劇の曽我廼家大磯


秀蝶、小次郎、

曽我廼家明蝶


曽我廼家鶴蝶


曽我廼家五郎八
※須賀廼家万歳(演:藤山扇治郎)のモデルです。


たちに十吾たちの家庭劇、そして終戦後地方に巡業に出ていた
浪花千栄子
※主人公竹井千代(演:杉咲花)のモデルです。


石河薫


藤山寛美
※松島寛治(演:前田旺志郎)のモデルです。


渋谷天外
たちの
〈劇団すいと・ほーむ〉
が合体して、
松竹新喜劇
が誕生するのです。

当時の新喜劇のメンバーの写真です。

アップにするとこんな感じです✨
※1948年12月、結成当時の松竹新喜劇のメンバー 前列左から2人目二代目渋谷天外、3人目曾我廼家十吾、4人目浪花千栄子、5人目曽我廼家鶴蝶、 中列左から2人目(天外の後ろ)曾我廼家五郎八 、後列左から2人目藤山寛美、後列右から2人目曽我廼家明蝶

十二月中座で第一回公演の幕開けとなります。
五郎亡き後の上方喜劇の大きな穴をうめるべく、松竹の手によってスタートした松竹新喜劇は、戦後という混乱した社会世相のなかで、最初は不入りであったが、庶民の暮しぶりの向上にともなって、徐々に息を吹き返してきます。

なにより劇団を勢いづかせたのは、昭和二十六年の長谷川幸延作、舘直志脚色
桂春団治


の上演でした。
作品としての評価の高さはもちろんのこと、天外ほか、明蝶、五郎八、
酒井光子


たちの演技力、それに藤山寛美が丁稚役で才能を開花させたことは、演劇史上にも特筆されるものなのです。

その間の天外は、次々と新しい分野へのチャレンジにうって出ます。。
チェホフの「熊」、ボーマルシェ「フィガロの結婚」という翻訳物、今東光の「みみずく説法」などの文芸物、そして、テレビにも積極的に打って出て、
親バカ子バカ


が大ヒットします。

それからは
「大阪ぎらい物語」、「銀のかんざし」、「花ざくろ」、「わてらの年輪」と堰を切ったような名作の製造が続きます。


天外作品同様、藤山寛美は役者として破竹の勢いの人気でした。
特に「親バカ子バカ」での阿呆ぼん役は、一躍全国的なスターダムにのしあがります


そして松竹新喜劇の結成メンバーとなるのだが、四十一年の復帰以後は、
小島秀哉



小島慶四郎


千葉蝶三朗

酒井光子、鶴蝶等を相手役に、さらに芸に磨きをかけ、客席は絶えず寛美ファンで溢れ返っていました。

また天外の後をうけつぎ劇団の統率者となり、ドル箱劇団として二百四十四ヶ月の連続無休公演という偉業をやってのけたのです。

平成二年五月に、六十才の若さでこの世を旅立った藤山寛美の後、貴重な上方喜劇の灯を残すべく、翌年の三月に新生松竹新喜劇が中座で旗揚げします。


二代目渋谷天外の次男
渋谷天笑


十吾の弟子であった
曽我廼家文童

を俳優部の両輪として、ベテランの
高田次郎

小島慶四郎酒井光子の三人を幹部とし、藤山を脚本からプロデュースに至るまで陰で支えてきた座付き作者の平戸敬二が再びかれらを支えていくことになります。

しかしその平戸も二年後に他界、劇団員の入退団等を乗り越え、喜劇百年を迎えるにあたり、三代目となった渋谷天外を軸に、現在はさらに飛躍すべく、劇団の充実化をはかっているのです。



現在に至る松竹新喜劇の歴史は以上です🎵


では、今回のドラマに出演している松竹新喜劇のメンバーをご紹介致します✨


渋谷 天外

松竹新喜劇の代表。
 近年は温かみのある人情家から渋い脇役など役柄の幅も 増し、円熟した芸で上方喜劇を代表する活躍を見せています。




藤山 扇治郎

祖父は喜劇王と称された藤山寛美。
伯母は藤山直美。父は小唄白扇流の家元。幼い頃より日舞に接し、歌舞伎の舞台で名子役ぶりを発揮します。
祖父の追善興行の時にも、「桂春団治」の池田屋の丁稚を好演し、憎めない雰囲気を醸し出し、平成26年新橋演舞場「朗らかな嘘」で主演し、場内を爆笑させた。将来有望な喜劇俳優なのです。




曽我廼家 寛太郎

飄々としながらも賑やかな大阪男を得意とし軽妙な動きで客席を沸かせます。

喜劇百年記念公演「喜劇が生まれた日」では喜劇の祖・曽我廼家十郎を演じています。「曽我廼家寛太郎一座」を主宰するなど上方喜劇に対して常に意欲的に臨んでいます。




渋谷 天笑

劇団きっての若手二枚目俳優。舞台のみならず、映像での活動も積極的に行っています。




続きまして、ドラマに出演した松竹芸能の芸人さんをご紹介致します✨


海原はるか・かなた


桂小春団治


笑福亭風喬


前田旺志郎
※兄(写真左)と「まえだまえだ」という漫才コンビを結成してます。



さらに、あの曾我廼家十吾の愛弟子で元松竹新喜劇の重鎮曽我廼家文童
さんも出演しています。



吉本系では、吉本新喜劇からは・・
Mr.オクレ、佐藤太一郎、鳥川耕一



吉本興業からは・・
板尾創路、星田英利、西川忠志




等の方々が出演しています。

しかし、このドラマのなかで千代の弟ヨシヲが「鶴亀」(松竹)を潰そうとするエピソードがありましたが、このモデルは吉本なのです。


そして、松竹と吉本は90年代まで共演NGが続くことになります。

そのエピソードと、おちょやんの今後のストーリーを次回のブログでご紹介したいと思います✨


それでは、本日はこれまで🙇