子連れ狼


とは、柳生烈堂率いる柳生一族の手により、妻の命と職を失った水鴎流剣術の達人で胴太貫を携える元・公儀介錯人
拝一刀と息子・大五郎のさすらいと復讐の旅物語です💥


若山富三郎主演による映画版や萬屋錦之介主演によるテレビドラマ版をはじめ、数多く映像作品も制作されました🎊



あらすじ
幕府お抱えの公儀介錯人の座を巡って、「水鴎流斬馬剣」
の使い手である拝一刀


に敗れた「柳生新陰流」の頭目・柳生烈堂


は策略を用い、拝を謀反人とする濡れ衣を着せその座を奪ってしまいます😨

しかし拝は烈堂の長子・備前、次子・蔵人との真剣勝負に勝って烈堂から命の保証を得て、一人息子の大五郎を手押し車に乗せ、金500両での刺客請け負いの旅に出ることになります✨


 
「冥府魔道」をゆく一刀と大五郎の前に、次々と烈堂の放つ追手が立ちはだかってきます・・😱

1970年に「漫画アクション」で連載が始まりました✨私は映画は観ていませんが、73年に萬屋錦之介(中村錦之助)主演でテレビドラマ化された子連れ狼は毎週見ていましたね👀



橋幸夫が歌う主題歌の
「しとしとぴっちゃん、しとぴっちゃん」
がいまだに耳に残っています🎶


乳母車に幼児を乗せて旅をする刺客という設定や、乳母車に仕込まれた武器の数々、


各地で依頼される刺客の仕事、柳生との死闘など、


じつに独創的で鮮やかでしたか、暗くて重い物語でもありました😢

今回は、若山富三郎主演の映画版と萬屋錦之助、北大路欣也主演のテレビシリーズを中心に観ていきたいと思います🎵
高橋英樹主演のテレビのスペシャル版と田村正和主演の映画版は割愛させて頂きます🙇



それでは、まずは映画シリーズから・・





子連れ狼 (若山富三郎版)


出演者

拝一刀…若山富三郎


拝大五郎…富川晶宏


柳生烈堂
伊藤雄之助(1作目)


遠藤辰雄(4作目)
大木実(5作目、6作目)


ダイナミックなアクション時代劇映画として人気を博し、1972年の初公開年で4作が立て続けに制作されるヒットシリーズとなりました✨

※第一作、「子連れ狼子を貸し腕貸しつかまつる

※第6作「最終作」の「子連れ狼地獄へ行くぞ!大五郎」


しかし、本作に並行して1973年(昭和48年)には萬屋錦之介主演で『テレビドラマ版』がスタートします💢


『子連れ狼』に愛着を持っていた若山は、萬屋主演によるこのテレビ版製作の報を耳にして激怒したそうです。


「錦之介と俺と、どっちが拝一刀にふさわしいか真剣で勝負したるわい!」

と息巻いたため、弟の勝新太郎が必死になだめたといいます。

若山自身、自らの当たり役を他人に演じられることが悔しかったのでしょうね😨

このため、映像化権を売却した勝プロダクション社長・勝新太郎との兄弟は一時不仲になったそうですよ😩




ところで、子連れ狼と言えば「箱車!」というほど、我々の印象に残っている
「箱車(乳母車)」箱車


ですが、これは単に大五郎を運ぶためだけのものではなく、旅をするにあたり柳生烈堂一味と戦うための「武装」が施されているのです✨


では、あの箱車にはどんな仕掛けがあるのでしょうか⁉️

箱車の車体には底に分厚い鉄板が張られています。
そして変形して、激しい戦闘に耐えうる装甲車としても使用可能です。


また、手すりや取っ手に刃物が仕込んであり、攻撃力もなかなかのもの。


ちなみに、マシンガンも装備されています!


また、この箱車には、なんとソリにもなります。
これは1974年の映画「子連れ狼 地獄へ行くぞ!大五郎」の中で登場した機能で、雪道を滑る箱車のシーンが描かれています。


さらに、箱車の車体は防水加工が施されており船にもなります。


まさに万能の乳母車ですね!


若山富三郎は数多く存在する時代劇俳優の中で、殺陣が最も優れた俳優と言われています✴


そんな彼の作品の中で、『子連れ狼』の拝一刀役はハマり役です✨


若山の殺陣は誰にも負けない豪快さを感じますし、人を斬る際のあの迫力は彼しか出せない雰囲気であると思います✴

その迫力のある殺陣シーンをどうぞ✨







子連れ狼 (萬屋錦之介版)

漫画『子連れ狼』を原作とする萬屋錦之介主演のテレビ時代劇は、1973年から1976年にかけて日本テレビ系列で放送されました✴


登場人物

拝一刀 - 萬屋錦之介



大五郎 - 
西川和孝(第1部・第2部)



佐藤たくみ(第3部)



柳生烈堂 
高橋幸治(第1部)



西村晃(第2部)



佐藤慶(第3部)



1部・第2部で主人公・拝一刀の息子・大五郎を演じた、西川和孝の演技
(特に大五郎が一刀に「ちゃん」と呼び掛けるシーン)


が評判を呼びました✴

萬屋錦之介さんといえば、演技力の高さもさることながら何といっても素晴らしいのは殺陣シーンでしょう。


目にも留まらぬ速さで大勢の敵を鮮やかに斬り倒していく場面はまさに圧巻です!

今でこそCGを駆使したり編集で早送りするなど素早い殺陣を見せる技術は進んでいますが、当時はそんな技術に頼ることができません。

萬屋さんは体一つで素早い殺陣シーンを演じてみせたのです💥
生身の人間が体一つで刀を回し大勢の敵をあっという間に斬り倒してしまう✨
計算され尽くされた動きと豪快な身のこなしに憧れを抱いた私を含めた沢山の子供たちが、萬屋さんの殺陣シーンをマネしてましたね😁


それではここで、萬屋錦之介さんの殺陣シーンがどれほど素晴らしいものであったか。百聞は一見に如かず。華麗な殺陣シーンをどうぞ!



若山版の映画同様、萬屋版も欧米各国で放映され、日本の武士道がわかる教材にもなり大人気を博しています✨

※米国版子連れ狼(萬屋錦之助)










子連れ狼 (北大路欣也版)

漫画『子連れ狼』を原作とする北大路欣也主演のテレビ時代劇シリーズは、2002年から2004年にかけて、三部に分けてテレビ朝日系列で放映されました。



原作や、他のドラマ作品とは別に、敵役の柳生烈堂も味のある良い敵キャラとして描かれています。

主人公・拝一刀の子・大五郎を演じた小林翼の愛らしい演技は高く評価され、ワイドショーで特集が組まれ、同じテレビ朝日系列の
『爆竜戦隊アバレンジャー』に、小林が大五郎役でゲスト出演をしているほどです😀


また、大五郎が乗る乳母車には、萬屋錦之介版のようなマシンガンやカッター等は装備されておらず槍と仕込み小刀のみ装備されているだけでしたね。
これは物語に時代的な整合性を求めたためだと思います✨


登場人物

拝一刀 - 北大路欣也



大五郎 - 小林翼


柳生烈堂 - 夏八木勲


拝一刀役の北大路欣也さんは、もともと東映の俳優兼重役だった 市川右太衛門さんのご子息で 東映城のプリンスと呼ばれて いました💮


デビュー当時から徹底的に仕込まれた 殺陣の技術はさすがにお見事でキレがあります✨


萬屋版に比べ北大路版は、一刀と息子・大五郎の心の交流みたいなものが丁寧に描かれ、その分刺客としての冷徹さは薄れたように思まれます。


一刀の宿敵・柳生烈堂役は時代劇で多くの脇役を演じた夏八木勲氏。
なかなか威厳がありました。

最期は、一刀は列堂と相討ちになって息を引き取ると言う結末でした✨







「しとしとぴっちゃん🎶」
で始まる
楽曲「子連れ狼」


は、劇画『子連れ狼』を原作とした映像作品でも、たびたび使用されています。


1976年、テレビドラマ
『子連れ狼 (萬屋錦之介版)』第3部の主題歌となっていました✴

このドラマのオープニングで、橋幸夫と若草児童合唱団が歌ってますね🎶


橋は本楽曲で1972年の第14回日本レコード大賞・大衆賞を受賞しています🎊🎊

その他にも、同年
日本歌謡大賞特別賞
日本有線大賞郵政大臣賞
全日本有線放送大賞特別賞
全国民放ラジオ局歌謡ベストテン特別賞
等を受賞しているのです💐


1972年の第23回NHK紅白歌合戦では、橋によって本楽曲が歌唱されましたが、その際にレコードデビュー前のキャンディーズがバックコーラスを務めていますよ😁

※スクールメイツ時代のキャンディーズ😆





拝一刀の最期💥

北大路編最終巻


一刀は最後の裏柳生総動員で襲われ、策略もあって手傷を負います💦
その後の烈堂との戦いには、相当不利な状況に陥るわけです😥
一刀は烈堂に腹を刺され、絶体絶命となります😵
ついに胴太抜も折れるのです💣


一刀に向かって振り下ろされる烈堂の刀・・
拝一刀は柳生の奥義、
真剣白刃取り
でこれを防ぎますが、身動きが取れません💦
烈堂も同じです💦

しかし、一刀の腹部からの出血は多量。
もはやこれまで、一刀が耐えられるのは時間の問題、と思った時、大五郎が飛び出して烈堂に噛み付くのです👏


烈堂の気がそれた一瞬の隙、一刀は動きます。
自分が受け止めていた白刃を折り、烈堂めがけて投げつけたのです✨

白刃は烈堂の喉を貫きました
烈堂が倒れ、続けて一刀が膝をつきます💦

駆け寄る大五郎に、
「まもなく父の体は物言わぬ屍となろう…」
の名セリフ。
さらに、
「父のまなこ、閉じらるるとも、その口、開かぬとも恐るるな。次の世でも我らは親子。我らは永遠の父と子なるぞ」
と一刀は続けます😢

涙で一杯になりながら、父の言葉を聞き、確実に拝一刀という狼の後を受け継いだ大五郎😫

親子の壮絶な戦いの旅は終わります✨

大五郎は父の姿を胸に、きっと周りに助けられながら、立派に成長していくだろうという確信でこの物語は終わるのです✨

では北大路拝一刀の最期のシーンをどうぞ







萬屋錦之助版最終巻


一刀は、再び烈堂の刀を奪い猛然と切りかかります。
一刀の動きが突然止まり、刀を構えたまま立ち尽くしました✨



それを見た烈堂は正坐し、一刀を見つめます。
出血多量のため一刀は、既に絶命していたのです😢



烈堂は無表情のまま立ち上がります。

その父の姿を見て大五郎は「ちゃあーん!」
と父を呼びます😭


泣いていた大五郎は、キッと烈堂を睨むと、折れた槍を拾い上げて烈堂に突進します。
それを避けようともせず烈堂は両腕を広げます。





烈堂の胸を大五郎の槍が貫き、烈堂はそのまま大五郎を抱きかかえ、涙を流しながら「我が孫よ」
と言い残し倒れるのです✴


大五郎一人を残して、一刀も烈堂も柳生の一族もこの世を去ってしまいます✨

では、萬屋拝一刀の最期の名シーンをどうぞ✴
アメリカ版ですので、「ちゃ~ん」が「パパ」になってますがご容赦を🙏💦


まだまだ死闘は続きます💥






この最後の「わが孫よ・・」
というセリフについては、 いろいろな説があります💡

 一刀の妻で大五郎の母薊が実は柳生家の出であり、一刀と烈堂は義理の親子の関係で死闘を演じていたとか・・

でも違うようです😅

どうもその真意は・・
拝一刀は烈堂にとって一番の敵ではありますが、お互いに全てを失って一番の気持ちの共有者となっていたのでした😏


今まで自分以上の男など存在を許さなかった烈堂が、殺し合いの果てに認めた唯一の男なのです✨

烈堂は自分が率いていた裏柳生も全滅、子供たちも全て一刀に斬られしまいました😩
もう自分の地位も権力も、誰も継ぐものがいないなか、自分の力、気持ちを継ぐのは一刀の子供、大五郎以外にはいない・・❇


一刀のような男の子供こそ自分の孫・・🌟

もはや、
大五郎は自分の孫と同じ💥
というような気持ちから出た言葉らしいのです✴

「親狼が子狼に命を繋ぐ」、そしてその行為を宿敵烈堂が完成させる✴

これほどの名ラストにして名セリフ、名シーンで終わった作品も、小説、劇画、ドラマ、映画を通じても早々あるものではありませんよね✴

いやぁ名作でしたね🎵


😨なに❗まだ終わってない⁉️

そうなんです、この物語には続きがあるんです💥

劇画では、その後の大五郎の物語が描かれ、大五郎が大変なことになっているんです😞💦


次回は、その後の大五郎と昭和の名子役についてご紹介致します✨


本日はこれまで🙇