ジギング・鯛ラバに限らずオフショアの釣りで悩まされる二枚潮について。
水深に比べラインの放出量が極端に多いとか、着底感がわかりにくい、ジグが動いている感じがしない、ジグを回収しているとラインの向きがどんどん変わる、などの状況がある場合は疑ったほうがいいでしょう。
(二枚潮で苦戦しながらなんとかスープレックス350gでヒットさせたマハタ)
二枚潮とは上層の潮流と下層の潮流が流れる方向が違う、あるいは方向が同じでも速度が違う状態を表しています。
水温の高い黒潮や親潮の影響を受けやすい梅雨ごろからよく発生します。
基本的には入ってくる海水と滞留している海水の温度差が要因でしょう。
大型河川からの流入が多いエリアでは雪解けの低温水の流入や、多量の降雨による真水の大量の流入などでも発生します。
こちらの場合は温度差以外にも比重の違いが要因となるでしょう。
風に押されて表面だけが滑るような軽度なものあります。
では二枚潮が発生?している状況でのジギングではどのような影響をうけるでしょうか?
仮に同じ方向に潮が流れていて上層は2ノット、下層は0.5ノットのの流れで船の前から後ろに流れているとしましょう。
投入したジグは後方2ノットの流れの中を後方に向かって沈んでいきます。
ジグが下層の0.5ノットに入ると後方に流される速度は当然遅くなります。
しかし2ノットの流れの中を通っているラインはどんどんジグを追い越していきます。
ジグが着底してもラインは上層の流れに乗って出続けます。
ラインの状態が平仮名の”つ”の字状態といえばイメージし易いでしょうか。
注意していないと着底がわからないかもしれません。
上下の潮流の向きが異なれば更に複雑になります。
この状態でシャクリ始めても、”つ”の字状態に膨らんでいる部分のラインのせいでジグにアクションを与える事は困難です。
膨らんでいる部分が縮んでいくだけでジグまでアクションが十分に伝わりにくいのです。
もし魚がバイトしてもアタリが伝わり難いうえにアワセが効かずバレやすくなります。
ではアングラー側の対策はどんな事が有るでしょうか?
①フォール速度を早め着底感がしっかり感じれるようジグを重くする。
②サミングを強くしてラインの余分な膨らみを減らす
③潮流の抵抗を減少させるためラインを細くする。(水切れの良い低伸度の物がお薦め)
④硬いロッドを使用しジグにアクションを伝えやすくする。
⑤着底後は早いリーリング・アクションで引き抵抗を掛けてラインの膨らみを減少させる。
など、やるべき事は色々あります。
まず簡単にできるのは①。
そして特に②は重要です。
ラインの侵入角度が、しっかりとサミングしている人としていない人では全然違います。
サミングと書いていますが、本来の指でスプールを押さえる方法だけではありません。
まずは基本、メカニカルブレーキなら締めていき、指サミングと併用
最近の装備ではフォールレバーで調整
レバードラグで調整できれば最高に使いやすい
これらの事ができたうえで⑤です。
素早い巻きあげで下層の中を引き上げ、ラインの膨らみを減少させ、しっかりとサミングしながら再度落とします。
やる前とラインの侵入角度が変わるはずです。
変わらない場合はジグが軽い・サミングが弱いなどの原因が考えられます。
ロッドは張りのある硬めで、ロッドが曲がる量を減らしてその分しっかりと水を切りジグにアクションをつけれるようにします。
アタリを感じた場合はとにかく素早く巻きアワセ。
ロッドで瞬間的にアワセても力が伝わりません。
今年は日本周囲の海水温度がまだまだ高いため二枚潮に遭遇することも多いと思います。
通常使用するジグより重い物、硬いロッドも準備しておいたほうが良いと思います。
残暑が厳しいですが、しっかりと水分補給を心がけて釣りを楽しんでください。
それでは、また!