この年は2月1日の有名校受験日が日曜日になりました。
業界ではサンデーショックと言うそうです。

私立受験の目的が全く違う我が家にとっては全く影響のない話なのですが、カトリック系の学校が受験日を変更する問題があり、例年の併願の組み合わせが出来なくなるそうで、私立受験メインの子にとっては結構大変な事だそうです。

この日、天気は快晴で、毎年、天気が荒れると言われているのがウソのようでした。

初受験、待ちに待ったなのか、とうとう来てしまったなのか、
いざ麻布に向かって、最寄り駅の階段を上りました。

すると、改札から掛け声が・・・。

やばい!

私は思わず帽子を目深にかぶりました。

そこには受験の子たちを送り出すため、塾の先生方が出張っていたのです。

基本的に公立中高一貫校を本命にしている子の多くは私立を受けません。
塾でも勧めていないのです。

私は塾の先生に私立を受けることを言っていませんでした。
しかも麻布を受けるなんて、物ほど知らずも良いとこで、
とても言えることではありません。

私は気づかれないように改札に入ろうと、少し目線を落として歩きました。

しかし、息子が見つかってしまいました。

あちゃ~・・・。

本来なら受験生に「頑張って」と声をかけるところですが、先生は「なんで君がいるのだ」という顔で、何と言ってよいのか困惑している感じでした。

考えていませんでした。
確かにここが最初の応援場所です。

私はただのお出かけを装うような感じで、軽い会釈をして改札に入っていきました。