高齢者になると、運動神経が良いとか悪いとかじゃなく、有るか無いかだと言う。例えば、若い時には4000本あった太ももの運動神経も長い間運動不足が続けば半分以下になっていく。足裏の運動神経も80歳を超えると更に加速度がつき無神経が進行する。当然筋肉も減り、動きも硬く、遅くなっていく。身体の運動神経が黙って少しづつ静かに死んでいく「サイレントキラー」だ。

さてはてどうしたものだろうか。  


 「寝たきり婆さん立ち上がる」という実話を体操指導者の菊地和子氏が以前ラジオで紹介していた。高齢者が骨折して寝たきりになれば、どうしても気弱になり周囲に頼りがちだが、この方は違った。幸か不幸か日ごろから嫁との折り合いが悪かった。死んでも嫁には頼りたくないと、一年発起。菊地体操で学んだ知恵を味方につけたからエライ。四の五の言わずベッドで足指のグーパーや足首回し、ストレッチや筋トレなどを毎日奮闘努力

した。ほいきたと感覚神経も運動神経も筋肉も勤勉に応えてちゃんと蘇ったのである。お見事!自力で身体を回復し、二足歩行までこぎつけた。


 90歳の今も体操指導の現場でご活躍の菊地和子氏は「からだ育て」の 本家本元。体を動かす時「意識を使う」という習慣が何よりも大切だと言う。「行動する脳」をライフワークにされていて、雑誌「ハルメク」で一般の方々にも分かりやすい指導を実践中である。「意識で育てる運動神経と筋肉」は道具も場所もお金もかからない 実に結構な「からだ育て」だと私は思う。認知症予防にもなる。各人が持っているそれぞれの意識は死ぬまで「最高の味方」なのである。「意識で脳を動かせば体は何倍も良く働いてくれる」という菊地氏の体への情熱は今も昔も変わらぬ生命の真理が貫かれている。


 「出来れば最後まで歩きたい」と思う。まずは脳で感じ取りながら歩く事である。最後まで歩く現場は 足指と足裏だ。ここに意識を置くのに三本指の靴下を

つくった。足裏の親指と小指は8対2の体重比率だと言う。私の場合は足袋靴下だと小指の感覚があいまいなのが気になるづいた。生まれた時は綺麗だった小指も 度々あっちこっちにぶつけて変形している。今後足指の運動神経が目減りすると小指が無神経、無気力になる可能性がある。そこで思いついたのが三本指ソックス。手持ちの足袋ソックスの 薬指と小指間に切れ目を入れ、そこを糸でかがれば三本指靴下の一丁上がりだ。タダで改造した嬉しさ。歩く現場で小指の感覚がちゃんと掴めるのが面白い。それに気持がいい。今日もスタスタ、サッサ長く歩ける。これはなんとも有り難い。







足の指をじっと眺める。寄る年波がはっきり出ている。生まれた時は新品のピカピカだった5本の指の色艶は失せ、今じゃお互いに固まり、縮こまり、変形し始めている。私の場合特に小指がいびつだ。薬指に寄りかかってなんだか肩身の狭い居候ろうみたい 。いじけて卑屈になっている。思えば机や椅子の脚に小指をぶつけては痛い思いを繰り返してきたことか。不憫で不出来な小指にしてみたら「こんな小指に誰がした」と恨み骨髄かもしれない。


 小指に長年不義理を掛けてきた罪滅ぼしに、以前高齢者向けの通販サイトで三本指の靴下があったのを思い出した。足の親指と人差し指、中指、薬指は3本一緒と小指を三つに分けている。これだと小指が居候ろうは出来ない。小指を独立、自立させてもう少し頑張ってもらいたいものだ。

仕事を取り戻せるかもと目論んだのである。



れなら手持ちの足袋ソックスに一手間加えればれそうだ。


以前足指をぎゅっと握って筋力を測るテストがあったが私のこの小指では結果は

足指の体重のかけ方は親指が8小指が2の比率が良いと