肩こりは、女性の悩みの第一位だそうだ。昨今はスマホ首も加わってきたし、肩こりの他に頭痛や不眠症、腰痛、膝痛なども加わったらもう大変。女はつらいよである。先日テレビで肩こり解消のくびれ体操があった。くびれの出番に拍手。くびれは肩こりだけでなく万病を治す優れ者で、二足歩行の救い主であると常日頃から私は強い関心を寄せている。


  くびれを中半身と呼ぶ人がいる。頭や腕、胸が上半身。骨髄や足が下半身である。この上と下を繋ぐのが中半身 。身体の真ん中だ。中半身は上半身の重さを底支えするだけではない。腕や胸をくびれから巧みに動かす起動力もある。例えば腕を伸ばす時、くびれから手の末端までの流れるような動力だ。バレリーナの美しい腕の動きがそのいい例。まるで羽のよう。そうそう大空をを舞う鳥が、しなやかに羽を動かし長い距離を飛ぶエネルギーも体の中心からの力だ。ここには「テコの原理」という、小さく弱い力で重たい物を運ぶ動力の仕掛けが働いている。人の身体も中心から繋げて動けば効率がいい。使い方のトリセツである。肩こりの人に多いのが小手先の動きや肩に力を入れての腕の使い方で、これではせっかくのくびれも出番がなくて、少し不憫である。



 足腰を前に振り出すのも中半身である。なにしろ足はみぞおちの後ろの「大腰筋」から出ている。つまりくびれからもう足なのである。ここにもテコの原理が使えるのだ。中心からの小さな力が足の末端までの繋がりで大きな動力になっていく。大元から足腰が育てば腰や膝の負担が減る。中半身を使えば、 腕も脚も軽やかに運べることだろう。くびれは二足歩行する人類の素晴らしい機能美だと私はいつも尊敬している。


 くびれも 育てなければあっという間に廃れていく。伸ばしたり、縮めたり、捻ったりの動きがないと筋肉は弱り、三段腹や贅肉に負けて、無能で鈍感 で不機嫌なくびれになってしまう。だが筋肉は何歳からでも育つ。ワクワクするご機嫌なくびれにお勧めなのが歩く時の、くびれとの交流だ。ウオーキングの肘を引く動作にちょっとくびれを意識してみる。肩甲骨の下の脇のくびれの動きが感じられたら上出来。肩こり改善にいいのが肩甲骨とくびれの仲良しコンビの活力である。ここが生き生きすれば股関節とくびれの仲良しコンビも上機嫌で乗ってくるはず。歩くたびに体の 中心軸からテコ、テコ、ルンルンのくびれ音頭が弾み出すかもしれない。伸びて縮んでまた捻る、さあさ、それそれ、テンテコ、テンテコ、ワクワク、ルンルン♪