デイサービスをトシコさんの脱走事件がきっかけでブッチした僕。しかし心は非常に晴れやかであった。もうあそこにいかなくてもいい。そう思うだけで心がめちゃくちゃ軽くなったのだ。元々興味がない分野だったのもあるためか、仕事をしていて楽しいと想えることが全然なかった。という訳でほんの数日無職になったが無問題。僕の中では遊ぶ期間が数日増えただけだから。引っ越しは3日後。僕はある問題を抱えていた。そう例のごとく金だ。引っ越し代が約4万円(冷蔵庫、洗濯機、テレビの購入)、不動産契約料(保証会社込)が約20万、向こう1か月の最低生活費を考えると約10万。約35万程度が必要だったが、デイサービスの給料も含めると僕の手持ちは現状20万ほどだった。やばい。また金が足りない。苦渋の決断でもあったが僕は約束さんを頼るしかなかった。15万借りれるかな〜😫とドキドキしたがそこは何事もなかったかのように借りることができたのだ。どこかできいたことがあるが、高所と借金は高くなればなるほど現実感が薄くなり怖くなくなるという。これは紛う事なき真実だ。この時すでに無人機から金を借りることに対し全く抵抗がなくなっていた。借金が40万から55万に増えたことを自分は何処か他人事のように思ったいた(^o^)仮にだが僕が水原一平くらいの借金を抱えていたら、返済は不可能の為逆に開き直り楽しく生きようと考えてしまうかもしれない。とまぁ約束さんから無事にお金を頂戴した僕。心は新生活に向けてルンルンであったが、新生活が始まるということはタクとのお別れを意味する。その事を考えると非常に寂しい気持ちになるなど、双方の感情が混在しなんとも言えない状態であった。そして最後の夜タクとこの2ヶ月の出来事を酒を飲みながら語り合った。

タク「いやーヒロがいてくれてこの2ヶ月ほんとうに楽しかった。お前がいなくなるなんてなんか考えられないよ。たまに馬鹿やってめちゃくちゃ手がかかるけど、なんやかんやお前好きだわ」

僕「タク本当にありがとね。タクがいなかったら俺は新しく就職もできなかったしきっと大都会東京で野垂れ死んでたよ。」

タク「何いってんだよヒロ〜お前なら何とか上手くやってるさー。でもこの2ヶ月でお前が就活苦しみながら頑張ってる姿みてたらさ、俺も今の生活から抜け出したいなって思うようになってきた。」

僕「いや、俺もこの2ヶ月は正直苦しかった。タクにみっともない姿もめっちゃ見せちゃったし本当にごめんね。タクさ無理だけはしないで。お前は俺のそばに居てくれたらいいよ。もし次タクが困ったら俺が絶対に助けるからね。」僕は普通に号泣していた。この2ヶ月の思い出が頭をよぎる。中華街で救急搬送されてタクに迷惑かけたこと、夜の公園で鬼ごっこしたこと、一緒にお風呂に入ったこと、2人で海に水着ギャルを見に行った事全てが僕の思い出だ。次の朝タクが寝ている間に、置き手紙と一万円をおいてそっと家を出た。タク2か月間ありがとう!