上野でアル中ホームレス生活を初めて一ヶ月、貯金は30万から20万人なろうとしていた。僕にはこの生活は性にあっていたのか、社会復帰したいという考えは微塵もなかった。朝から好きなだけ焼酎を飲んで、たまに開かれる芸大生のピアノ演奏会(日本の選りすぐりのエリート)を聴き自身のちっぽけな人生と音楽を重ね合わせ感傷に浸る。そんな生活が楽しくて楽しくてしょうがなかった。だけどどこかで危機感は働くもので、このままじゃやばい?ってのはビンビンと感じていた。今の僕はただの住所不定無職。流石に就活しなきゃ。そのためにはまず住所が必要だな。あぁこの生活にも別れを告げないといけないのか😢さようなら大好きな上野公園。僕はある男に連絡した。そう、酒屑で親友のタクにだ。

僕「あっタク久しぶり。

タク「なんやヒロか。お前ここ最近連絡もとれんと何しとったん?普通に心配したやん。まぁでも生きててよかった。で今どこに居るん?」

僕「上野公園でホームレスしてる」

タク「はっ?お前は本当にわけわからんやつやな」

僕「でしょ笑わかってんじゃん😊でさタクにお願いあるんだ。家賃全額払うから暫く居候させてくれない?二ヶ月以内には必ず出るから」

タク「いいよいいよ来いね〜」

僕「軽っ?ほんとに言ってんのかよ」

タク「当たり前じゃんヒロならずっといてくれても何も問題ないよ〜」

僕「マジで?いや〜助かる😊じゃあ早速今日から同棲させてねー」

タク「おう待ってるぜ」

こうやって回顧録を書いてて、人生はなんだかんだ人が大事だなって心から思わせられる笑

あぁ本当に楽しかった一ヶ月。見知らぬ人と酒を酌み交わして互いの人生を語り感情失禁したり、外国人旅行者とノリで飲みに行ったり芸大生の悲愴第二楽章を聴きボロ泣きしたりと、逆に言えば全てを失ったからこそ何も考えずに感情に最も忠実にストレートになれた時間だった。上野公園また必ず来るからね。

僕は思い出とともにタクが住む横浜へと向かった。

住所不定無職から無職にランクアップ笑しかしここから本当に早期退職の代償がいかに大きかったかを身にしみて味わうことになるのだった。         続