120万円。これは看護師の僕が看護学生時代に背負った十字架だ。当時看護専門学校の一年だった僕は、自己資金にて卒業する予定だった。1年の10月に妻と出会うこととなる。出会って一ヶ月で結婚することになった。そこで出てくるのが金銭的な問題だ。2年生にあがり、これからの事を考えるにあたって、一つの壁にぶち当たった。そう。金が足りない。既に妻のお腹の中には新しい生命が宿っていたのだ。結婚式、出産資金等の事を考えた際どうしても自己資金で学生を続けることが難しくなったのだった。勤労学生であった僕は、卒業と同時に総合病院を受験しキャリアを積んでいきたいと考えていた。しかし、現実は甘くない。先ずは目の前の生活を支えるべく奨学金を病院から借りるという選択をしたのだ。2年間で120万円。返済免除条件は4年働くこと。問題は金額じゃない。時間だ。僕の年齢を考慮するとあまりにも痛い。紆余曲折(そのことは後日ブログにかきます)あり、その120万は現在のステーションの代表が立替し、病院を退職し引き抜かれることとなった。その地点では家族の為に夢は諦めるつもりだった。だけど、抑圧されているものというのはいつか必ず表面化するもので、今の自分をどうしても肯定できずに、どうしても夢にチャレンジしたいという思いが抑えきれなくなった。しかしここで出てくる問題。そう120万円だ。一人ならどうにでもなる。最悪サラ金から借りてでもやめればいい。だけど家族を持つとなると全く持って状況が違ってくる。返せるだけの蓄えはある。だけど自分の為にそれを使ってもいいのか?このお金さえなければ。あの時自己資金で行けていれば。大袈裟かもしれないけどこれが僕の十字架。