・61歳の男性が「アッラーとはいったい何者だ」と唱えた罪で懲役18ヶ月の判決を受ける

modernity.news

2024/08/14

※英国で 61歳の男性が、ダウニング街の外で行われた抗議活動中に「アッラーとはいったい何者だ (Who The F**k is Allah)」と連呼し、警察官に「お前たちはもはやイギリス人ではない」と言ったとして、18ヶ月の懲役刑を言い渡された。

デビッド・スプリング容疑者に言い渡されたこの判決は、先月、サウスポートで 3人の少女が殺害された後に起きた暴動への対応として、英国の言論の自由の基準がいかに低く設定されたかを示す最新の衝撃的な例かもしれない。

スプリング氏は 7月31日にロンドンで行われた約 700人のデモに参加したが、デモは混乱を招いた。

法廷で再生された警察のボディカメラの映像には、スプリング氏が警官を「馬鹿野郎ども(Cunts)」と呼び、「敵意に満ちたジェスチャー」をし、「アッラーとは一体何者なんだ」「お前たちはもうイギリス人じゃない」などと連呼する様子が映っていた。

スプリング氏の行動は確かに不快かつ無秩序と言えるが、意地悪な言葉を発したために今後 1年半を投獄されるという事実は、わずか 2週間の間に英国がいかに極端な権威主義に陥ったかを如実に示している。

逮捕された際、スプリング容疑者は警察に対し、「暴動を起こすためにロンドンに行ったのではない。ホテルに宿泊する人々について苦情を申し立てに行った」と述べ、税金で宿泊する不法移民について言及した。

弁護側のピアーズ・キス・ウィルソン弁護士は、「被告は私に法廷で謝罪するよう求め、自分の行為を恥ずかしく思い、恥じていると言っています」と述べた。

「彼はまた、家族や友人、そして妻に謝罪したいと考えている」

この男性の妻は健康を害していたが、スプリング氏の投獄により、主な介護者を失うことになる。



・英国人男性が「反体制的な言説」を含むソーシャルメディア投稿で逮捕

modernity.news

2024/08/15

※BBCは、40歳の男性が「反体制的な言説」を含むソーシャルメディアの投稿をしたとして逮捕され、刑事告訴されたと報じている。

逮捕されたウェイン・オルーク氏は、最近の英国における、反大量移民暴動を受けての言論の自由に影響を与える権威主義的ヒステリーの波の最新の例となった。

リンカンシャー警察によると、オルーク容疑者は「ソーシャルメディアアカウントからの投稿」に関連して 8月11日に逮捕された。

「ノッティンガム治安判事裁判所は、これらの投稿には反イスラム教、反体制の言辞が含まれていると申し立てられた」とBBCは報じている。

オルーク容疑者は X に約 10万人のフォロワーを抱えており、自身の逮捕を数日前に予測していた。

どうやら現在の英国では「反体制的な言説」を投稿するだけで投獄される可能性があるようだ。

報告書ではオルーク容疑者が実際に何を投稿したかは詳しく述べられていないが、「最近の暴動への支持を表明し、9万人のフォロワーに対して匿名性を保つ方法についてアドバイスを提供したとされる」という。

オルーク氏は 8月16日に、リンカーン刑事法院に出廷し、「人種的憎悪をあおるために文書をオンラインで公開した」罪で起訴される予定だ。

先日お伝えしたように、英国で 61歳の男性が、ダウニング街の外で行われた抗議活動中に「アッラーとは何者だ」と連呼し、警察官に「お前たちはもうイギリス人じゃない」と言ったことで、18ヶ月の懲役刑を言い渡されている。

別の男性は、フェイスブックにイスラム教徒の男性の画像とともに「あなたがたの近くの町に来る (coming to a town near you)」という言葉を投稿しただけで、2カ月間投獄された。

従来のメディアは、ネット上に不快なコンテンツを投稿した人々に科せられる罪状について、24時間体制で継続的に報道し続けており、これは他の人々への警告として機能するように思われる。

当局は、暴動が起こっているのをただ見ているだけで、デモに参加していなくても、誰かを刑事告訴するのに十分であると警告しており、12歳ほどの幼い子供たちも暴動に関連して起訴されている。



以下「さてはてメモ帳」様より転載

https://glassbead.blog.shinobi.jp/digital%20surveillance%E3%80%80/raiding%20homes%20of%20citizens

・ドイツの警察がオンラインで「非主流コンテンツ」を共有する市民の家を襲撃し始める 

2024年8月16日

Sean Adl-Tabatabai

https://thepeoplesvoice.tv/german-police-begin-raiding-homes-of-citizens-who-share-non-mainstream-content-online/ 

※ドイツ政府は、ソーシャルメディアで非主流コンテンツを見たり共有したりする市民の家を密かに襲撃できるようにするための計画を発表した。

Der SpiegelとRNDは、ドイツ連邦刑事警察署(BKA)がまもなく、秘密に、そして令状なしに家を襲撃することを許可される可能性があると報告した。

その草稿によると、警察は容疑者のコンピューターまたはスマートフォンにスパイウェアをインストールし、反エスタブリッシュメントの見解があると疑われる場合は、自宅の秘密捜査を行うこともできる。

Independentsentinel.comは報じている:内務省のスポークスマンは提案の詳細について議論しないが、水曜日にDer Spiegelに、治安機関は進化する脅威に効果的に対抗するために必要な力を持っている必要があると語った。

これはドイツの法律に反している。家の不可侵性は、ドイツ憲法第13条に正式に記されている。

「差し迫った脅威」がない限り、現在の捜査プロセスには検察庁からの令状が必要である。警察は、特定の疑いと捜索の目的を人に通知する必要がある。

自由民主党は「シュタージ 2.0」を支持していない。 連邦議会のメンバーであるマヌエル・ホフェリン[Manuel Hoferlin]は、捜査を取り巻く秘密は非常に懸念されていると述べた。

ドイツのジャーナリスト協会(DJV)も計画に強く反対しており、連邦議長、ミカ・ボイステル[Mika Beuster]は、ジャーナリストと内部告発者が「警察国家」が使用する方法を連想させる秘密の押し込み強盗によって影響を受ける可能性があると警告している。

一方、連邦議会のGreensの副議長であるコンスタンティン・フォン・ノッツ[Konstantin von Notz]は、これらの「深刻な時代」では、BKAは現代の調査力と資源を必要とすると主張して、計画を擁護した。

全体主義を課す言い訳は常にある。安全は主な言い訳の1つである。 QTで人々の家に侵入することは、間違いなくプライバシーのシュタージレベルの侵略である。草稿書式にも登場するべきではない。それは最終的には政治化されるだろう。



・ネットを監視も干渉もしない国は、日本を含むたった4カ国だけ(日経 BOOK PLUS 2023年9月21日)

谷脇 康彦

インターネット上の意見に政府の圧力がかかるのは70カ国中53カ国、監視干渉行為をしない国は日本を含めてたった4カ国。ネット上の自由に迫る「影」は着々と広がり続けています。その実情とは。長年情報通信政策に携わり、現在は大手プロバイダーのIIJ副社長である谷脇康彦氏の著書『 教養としてのインターネット論 世界の最先端を知る「10の論点」 』から一部を抜粋して紹介します。


※インターネットはどう生まれ、どう使われてきたか
 
1960年代のインターネット草創期。インターネットの普及は世界の人々の間で情報や知識を共有することを促し、透明で民主的な社会の実現に貢献するという期待が利用者の間に確かに存在していました。これはインターネットの基本精神である「自律・分散・協調」という面に依拠するものでした。

具体的には、インターネットを構成するルーターなどの機器は民間の人たちが「自律」的、つまり自由に設置・運用し、あちこちに「分散」しながら相互に接続されており、管理者の指示ではなく関係者で決めたルールに基づいて「協調」して運用されていました。

しかし、インターネットの重要性が増してくるにつれて国がインターネットの世界(サイバー空間)を法律などで規制する動きが強まってきました。

いわばインターネットの「影」の部分も広がってきているのです。


直近は70カ国中、53カ国で公的な圧力を観測
 
もう少し具体的に状況を説明しましょう。米国NGO(非営利)法人のフリーダム・ハウスは、「ネット上の自由(Freedom on the Net)」と題する報告書を毎年公表しています。この報告書は、評価項目(後述)が安定的・網羅的であり、ネットの自由度について定点観測を行う上での貴重な資料になっています。

2022年10月に公表された 12回目の報告書 では、2021年6月から2022年5月の間に観察されたネット上の規制や取り締まりの数々を集約し、各国の専門家80人以上で分析しています。

さて、報告書は世界70カ国を調査対象として世界のネット利用者(約45億人)の89%をカバーしており、国ごとにネットの自由度を100点満点でスコアリングしています。

これによると、世界全体の傾向として、ネットにおける市民の活動に関して「自由」(20%[20年]→21%[21年]→18%[22年])あるいは「部分的に自由」(32%→28%→34%)の数値を見ると、両者を合計した比率は過半にとどまっており、対象国の約半分が「自由」または「部分的に自由」であるという状況(52%→49%→52%)に大きな変化は見られません。

しかし、各国の状況をより細かく分析すると、世界70カ国中、少なくとも53カ国でオンライン上での意見表明に対し公的な圧力が加えられた事案が観測されるなど、世界全体のインターネットの自由度は継続的に低下しており、「世界のインターネット利用者の3分の2以上がオンライン上において表現の自由という権利を行使しようとして国家権威者に罰を加えられる可能性がある」としています。

特に前年と比べて大きく得点が低下しているのは、ロシア(30点[21年]→23点[22年])、ミャンマー(17点→12点)、スーダン(33点→29点)、リビア(48点→44点)の4カ国です。なお、報告書は26カ国において市民団体等の積極的な活動によりネットの自由度が改善しているという明るい兆しが観測された点にも触れていますが、他方、スパイウェア(ユーザーが気づかないうちに情報を取得、第三者へ送信する)の高度化などオンライン活動の監視手段の巧妙化も同時に進んでいるとしており、事態は一進一退の状況にあるという認識を示しています。


監視干渉行為をしない国がどんどん減っている
 
評価の高い国、つまりネットの自由度が高いと認められたのはアイスランド(95点)、エストニア(93点)、コスタリカ(88点)、カナダ(87点)の4カ国。これに、台湾・カナダ(79点)、英国(78点)、ジョージア(77点)、ドイツ・日本(76点)、豪州・フランス・米国(75点)が続いており、日本は世界第8位という状況にあります。

このスコアリングの基礎となる評価項目は21項目あり、ネットアクセスへの障害の大きさ(ネットインフラの整備の遅れ、政府による特定のアプリや技術へのアクセス禁止、規制体の独立性など5項目)、コンテンツに関する制約(コンテンツに関する法的制約、サイトに対するフィルタリングやブロッキング、ネット検閲など8項目)、利用者の権利の侵害(表現の自由の制約、オンラインでの活動に対する取り締まりなど8項目)となっています。

地域別に見ると、アジア太平洋地域では、台湾・日本・豪州が「自由」と評価されているのに対し、タイ(39点)、パキスタン(26点)、ベトナム(22点)、ミャンマー(12点)、中国(10点)が「自由ではない」と評価されています。特に中国については8年連続で世界最低水準の自由度であると結論づけられています。

なお、報告書ではネットにおける国家による監視干渉行為の有無(例えば、特定のコンテンツのブロッキングやネット遮断、ネット上の市民の発言や行為に対する処罰、国による監視を正当化する制度の整備など)についても分析しています。

その結果、監視干渉行為を行っていない国として挙げられているのは9カ国(20年)→7カ国(21年:前年調査から豪州、マラウイ、ガンビアが脱落し、コスタリカが追加)→4カ国(22年:同じくエストニア、フランス、英国が脱落)と減少しており、日本は、カナダ・コスタリカ・アイスランドとともに、監視干渉行為を行っていない数少ない国の一つとして挙げられています。


自由の裏側にあるもう一つの自由
 
インターネットの自由は「表現の自由」や「検閲の禁止」と表裏一体の関係にあります。

例えば、「違法・有害情報」対策を政府が講じる場合でも、「違法情報」については法執行機関を中心に民間部門も必要な協力をしつつ取り締まる必要がありますが、他方、「有害情報」については規制で取り締まるよりも民間関係者の協力のもとで自発的な対策を講じることが望ましいのです。なぜなら、誰にとって「有害」なのかということを考えた場合には価値観に左右される部分が大きく、国が一律に有害情報の範囲を決めることは政府にとって都合の悪い情報を国民から遠ざけようという動きにつながる懸念があるからです。

いずれにせよ、インターネットが社会経済基盤となり最も重要なインフラとなる一方、インターネットの自由が損なわれる地域が拡大しているなど、インターネットの影の部分にどう対応していくかということが従来以上に重要な検討課題になっています。



・政府が「メタ情報」を平時監視へ 能動的サイバー防御巡り検討(共同通信 2024年7月14日)



(上)ネット空間の監視イメージ

※政府はサイバー攻撃に先手を打って被害を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」を巡り、インターネットの住所に当たるIPアドレスや通信量の変化などの付随的な「メタ情報」について、政府機関による監視を平時から可能とする方向で検討に入った。プライバシーに配慮し、メールの件名や本文のようなデータ本体は原則、収集の対象外とする。複数の政府関係者が14日明らかにした。

ネット空間の監視強化には憲法21条が規定する「通信の秘密」を侵害するとの懸念がある。攻撃元検知を目的に、直接的に個人が特定されないメタ情報限定で収集するならば、正当な行為として許容されると判断した。

関係者によると、国内の通信事業者が保有するメタ情報を政府が取得する仕組みの構築を検討。情報の収集、管理は内閣サイバーセキュリティセンターを発展的に改組する新組織を中心に行う構えだ。政府は外国から日本への通信に加え、外国間であっても日本を経由する不審な通信情報を中心に収集・監視する方向で調整している。



・能動的サイバーで新法検討 民間の通信情報、国へ提供(時事通信 2024年7月20日)
 
※政府は、重大なサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」導入のため、通信事業者からインターネット上の通信情報の提供を可能とする新法を制定する方向で調整に入った。今秋に想定される臨時国会への提出を目指す。

政府関係者が19日、明らかにした。サイバー攻撃の被害を事前に食い止めるため、通信事業者が持つ情報を活用し、攻撃の兆候を把握するのが狙いだ。

林芳正官房長官は19日の記者会見で「サイバー安全保障分野における新たな取り組みの実現のため、法制度の整備を図る」と語った。

憲法が保障する「通信の秘密」と整合性を取るため、情報収集の対象を電力や空港など重要インフラ事業者に限定するなど一定の条件を設ける。

政府は「公共の福祉の観点から、必要やむを得ない限度において、一定の制約に服すべき場合がある」(内閣法制局の近藤正春長官)として、「公共の福祉」の範囲内で政府に情報提供を求めることなどを検討している。

個人情報を保護するため、メールの本文は情報収集の対象とせず、ネット上の住所に当たるIPアドレスに限る案が出ている。

関係者によると、政府は当初、電気通信事業法などの改正で対応することを検討したが、能動的サイバー防御の導入は法改正のみではハードルが高いと判断したという。政府の有識者会議でも「必要な法律を整備し、国の責任で取り組む必要がある」との指摘が出ていた。


・サイバー防御、独立機関で監視 政府、「通信の秘密」懸念払拭(時事通信 2024年7月21日)

※政府は、サイバー攻撃の兆候を捉えて事前に対処する「能動的サイバー防御」の導入に向け、国家行政組織法に基づく第三者委員会を設置する方向で検討に入った。独立機関が政府の運用を監視することで、憲法が保障する「通信の秘密」を侵す懸念を払拭する狙いがある。複数の関係者が20日、明らかにした。

能動的サイバー防御は、被害の未然防止のため、通信を常時監視。攻撃の予兆を検知すれば、相手方のサーバーに侵入し、無害化する措置を講じる。政府は有識者会議の検討を踏まえ、秋に想定される臨時国会で関連法の提出を目指す。

第三者委員会は政府への勧告権限を持ち、公正取引委員会や原子力規制委員会などと同様に高い独立性を確保する。政府がサイバー防御目的以外の情報を収集していないか監視する。

サイバー防御は、自衛隊や警察が連携して担う方向で調整している。自衛隊は既に自衛隊関連の情報システムの監視・防護に当たっている。自衛隊法を改正し、サイバー防御を新たな任務に追加する方針だ。警察庁も4月、重大なサイバー攻撃に対処する担当を「サイバー特別捜査部」へ格上げするなど体制拡充を急いでいる。

与党関係者は、機密情報を取り扱う資格者に関する国の制度「セキュリティー・クリアランス(適性評価)」を念頭に、「資格を認定された者しか情報に触れるべきではない」と語った。