プーチン氏“死亡説・影武者説”英諜報機関が大胆分析も…専門家「プーチン政権の弱体化を狙った情報戦の一環」【ウクライナ情勢】(TBS NEWS DIG 2022年6月13日)

※イギリスの諜報機関(MI6)が、「プーチン氏は"影武者"をつかっており、すでに"死亡している可能性"も否定できない」といった分析をしたと、英メディアが報じました。“死亡説”や“影武者説”を報じた狙いは?そもそも、報じられた内容に信憑性はあるのか?専門家を交えて解説していきます。


■プーチン氏“死亡説”や“影武者説”欧米メディアが報道 狙いは?

井上貴博キャスター:
これまでもウクライナ情勢について、情報戦が続けられていたわけですが、より踏み込んだものが出てきました。イギリスの諜報機関(MI6)が「プーチン大統領はすでに死亡し、“影武者”が代わりをしている可能性がある」といった分析をしたと、欧米メディアが報じたのです。また、日本でも大きく報道された5月9日に行われた戦勝記念日のときの演説すら、“影武者”が投入されていた可能性があるとも報じています。

その他にも、「最近のメディア出演に関しては事前に録画されたものかも」「すでに死んでいるか知ることは不可能だ。しかし、プーチン大統領は過去に体調が悪い時“影武者”を雇っていたと言われている」などとも報じられていますが、具体的な情報がどこから出てきたのかは、あまり定かではありません。

一方、アメリカのニューヨーク・ポストは、「予定されている手術で、プーチン大統領は最大10日間ほど公務を離れることになる。すでに“影武者”が待機している」と、亡くなったというよりも、これから大規模な手術が予定されているのではないか、また、それを見越してすでに“影武者”が待機していると報じています。

これらの“死亡説”や“影武者説”といった、欧米メディアの報道について、ロシア政治に詳しい慶應義塾大学の廣瀬陽子教授は、「死亡説・影武者説は、ロシア国民に向けたものだと思う。国民に不安や混乱を与える事で、プーチン政権の弱体化を狙った情報戦だと考えられる」としています。


■プーチン氏が出演“毎年恒例の番組”が延期 その背景は?

井上キャスター:
もう1つは、プーチン大統領と国民が直接対話をし、国民の質問に答える恒例の生番組について。海外の記者やメディアも多く集まる番組で、最近は毎年6月の放送が恒例になっています。国営テレビなどで生放送され、最長の放送時間は、2013年の4時間47分と5時間近くになる年もありました。2021年の放送では、ウクライナについてプーチン大統領は、「ウクライナ政府は、明らかに私たちに対して非友好的です。ゼレンスキー大統領と会う意味がありますか?」と発言していました。

では、2022年はどうなるのかという点について、ロシアメディアによると、ぺスコフ大統領報道官は「2022年の『直接対話』は6月には行われない。開催日はまだ決まっていない」とし、6月には放送せず、延期する旨を早々に発表したのです。

ホラン千秋キャスター:
“死亡説”や“影武者説”などの話を聞くと、都市伝説のようにも聞こえてしまいますが、プーチン大統領は今どういう状況だと分析されてますか?

慶応義塾大学総合政策学部 廣瀬陽子教授:
高齢ということもあり、病気についてはかなり前からいろいろな噂がありますので、おそらく何らかの病気になっている可能性は非常に高いと思われます。しかし、“影武者”はまずないと思われます。長いこと公務を空けているということもありませんので、あるとしても若干の治療で済むようなレベルの状況、つまり明日や明後日に亡くなるというような非常に重い状況ではないと思います。

ホランキャスター:
6月にいつも放送されていた恒例の番組が放送されない。その背景には何があるのでしょうか?

慶応義塾大学 総合政策学部 廣瀬教授:
プーチン氏の病気にフォーカスした報道だと、“4時間や5時間という長い時間に耐えられないので今年はやらない”といった内容・発言もありますが、(恒例の番組を延期した背景としては)ウクライナ危機がある中で、ウクライナに関する質問に答えたくないというのが一番大きい理由ではないかと思います。


■“死亡説”や“影武者説”は「情報戦の一環」「冷静に捉えるべき」専門家

ホランキャスター:
いろいろな思惑で様々な情報が出てきますので、冷静に一つ一つ分析していくことが重要ですね。

スポーツ心理学者(博士) 田中ウルヴェ京さん:
出た情報に対してどれぐらい信憑性があるかはとても大切ですし、同時に本当に大切なのが、ロシア国民の意思決定の問題だというのはつくづく感じます。しかし、ロシア国民の立場になろうとしてみたときに、長期的な目線よりも、短期的に自分の生活が危ぶまれると感じてしまったら、あまり変わりたくない、今のままでいいと思うと思います。ロシア国民が地球規模で平和とはみたいに考えられるかどうかとなると、また別問題だと思います。本来は、プーチン大統領に本当の話をしていただくことがいいのかもしれませんが、なかなか難しいですよね。

井上キャスター:
イギリスの諜報機関がそんなに適当な情報を出すとも思えないのですが、プーチン大統領が亡くなっているかもしれないというのは、何か情報を掴んでいると見てますか?それとも、情報戦の一環ですか?

慶応義塾大学 総合政策学部 廣瀬教授:
そもそも報じた雑誌はかなり信憑性が危うい類の雑誌です。MI6の情報かどうかも定かでないと思いますので、“情報戦の一環”と見た方が正しいのではないかと現状では思います。

井上キャスター:
額面通りには捉えない方がいいですか?

慶応義塾大学 総合政策学部 廣瀬教授:
そうですね。そのように捉えてしまうと情報戦という中で、正しい情報に向き合えず、日本としても間違った判断をしてしまう可能性があります。ここは冷静に捉えていった方が良いのではないかと思います。



・“あの時”のプーチン氏はニセモノだった⁈影武者の真偽AIが分析 【報道1930】(TBS NEWS DIG 2023年5月27日)

※広島サミットにゼレンスキー大統領が参加し結束を再確認し合う形となった西側。それに対抗するように中国にミシュスチン首相を送ったり、旧ソ連の首相を呼んだ会議をモスクワで開いたりとプーチン大統領の動きも激しくなっている。また現場の引き締めのためなのか、マリウポリなど戦地に赴く姿も映像で出て来ているが、一方で暗殺を恐れて地下壕に引きこもり“穴ぐら爺さん”と呼ばれているとも伝えられる。

色々なところに姿を見せるプーチン氏。実はそれぞれ少し顔が違うのではないか?ここへ来てプーチン氏の“影武者”の存在が取り沙汰されている。影武者説の真偽を検証した。


「(本物の)プーチンが歩く時、右手を動かすことはない」

ウクライナ国防省のブダノフ情報総局長は、2、3人の影武者がいて、皆、似せるための整形手術を受けていると語り、去年のイラン訪問やエルドアン大統領との会談は偽プーチンだったと指摘している。

番組ではプーチン氏とKGBのスパイ養成機関で同期だった元KGBの職員にインタビューした。因みに彼はフランスのエリートを養成する国立アカデミーに潜入し諜報活動をしていたという。

元KGB職員 セルゲイ・ジルノフ氏
「プーチン氏には明らかに影武者がいます。海軍記念日に関連したイベントがサンクトペテルブルクで行われたが、その前日にパパラッチが撮影したと思われる動画が公開された。そこに映っていたプーチン氏はかなり老けていて老人のように歩いていた。

(映像には夜の川べりを歩くプーチンの姿が…)プーチン氏は歩く時、右手を動かすことはない。見えないピストルか刀を右手で支えているかのような感じだ。歩く時はいつも左手だけを動かす。映像のプーチン氏は右手を動かせず、顔の右にたかった蚊を左手で追い払った。反対側の左手でね。そこでプーチン氏が右手に何か問題を抱えているという疑惑が生まれた」

しかし、翌日の記念式典のプーチン氏は前日よりも20歳くらい若く見え、右手でちゃんと署名をしていた。ジルノフ氏によれば、前夜の右手が不自由なプーチン氏が本物で、式典は影武者だという。

更に、プーチン氏がマリウポリを訪問した際に公開された映像はもっと怪しかったとジルノフ氏は言う。映像ではプーチン氏自らがステアリングを握り、窓の外には一般車両が通行している。

元KGB職員 セルゲイ・ジルノフ氏
「通常は交通事故を防ぐためにプーチンが移動する際は、車列が通る予定のすべての道路は通過1時間前から通過1時間後まで通行止めになる。しかし、マリウポリでは通行止めがなかった。自分で運転している上に警護もない。しかも戦場から100~120キロしか離れていない。

ウクライナのミサイルが着弾するかもしれない場所にプーチン氏が行くとは到底考えられない。マリウポリ訪問は影武者だと確信している。プーチン氏は非常に閉鎖的な人間。KGB出身でもあり自分の安全に極端に気を使っている。要人と対面する時は絶対に本物のプーチン氏だ。習近平と会った時もエルドアンと会った時も…。

しかし、ロシア各地に行って演説はしないで握手だけの形式的な任務には影武者を使っていると思う。ピストルで撃つかもしれない人や、腐った卵を投げるかもしれない人と会うのは嫌なんだよ」

ジルノフ氏の指摘をどう思うか朝日新聞の駒木氏に聞くと、他の判断は難しいがマリウポリで車を運転するプーチン氏はあり得ないという。

モスクワでもプーチン氏を乗せた車両が通る時は上下線とも通行止めにして、前後に警護車両が付き、狙撃されないよう猛スピードで走り抜けるという。さらに近くでプーチン氏を見たことがある駒木氏は別の視点からも疑念を抱く。

朝日新聞社 駒木明義 論説委員
「彼は運転が好きだから自分で運転することはあるだろうけど、マリウポリのようにどこにウクライナのシンパが隠れているかわからない場所では考えられない。それとこの映像の、彼の後頭部です。

僕、ソチ五輪の時に至近距離でプーチンの後頭部を見たんですが、映像のプーチンは明らかに毛が濃い。プーチンの後頭部には大きな毛がない部分があったはず。もちろん植毛とか、整形とかあるんでそれだけではわからないですが…。」

防衛研究所の兵頭慎治氏も、プーチン氏の影武者は以前から複数いたと言われてきたという。しかし、戦争になってより出動回数が増えているのだろうという。戦地に赴き士気を上げることも必要だろうが、危ないところには行きたくない。じゃぁ、ここは影武者で…。独裁者の常套手段だという。


「ヘルソンに現れたプーチン氏は“そっくりさんレベル”だった」

番組では影武者の有無を公開されている映像から明らかにするべく専門家に分析を依頼した。

用意したのは様々なメディアで“これは怪しい”とされた6シーンのプーチン氏の写真だ。2022年7月イラン訪問。2022年8月エルドアン対談、2022年12月クリミア橋視察、2023年3月のセバストポリ訪問、マリウポリ訪問、2023年4月のへルソン訪問。この6枚と確実に本物であろう戦勝記念日のプーチン氏の写真をAIで比較分析する。

持ち込んだ先は、AIによる顔認証システムを独自に開発する民間企業『トリプルアイズ』。ここのシステムでは、目、鼻、口の形や輪郭など500以上の特徴をAIが解析し、“本人との一致率”を示す。数値が高いほど本人ということになる。写真の角度、鮮明さなどではっきりしないものもあったが、いくつかは衝撃的な結果が出た。


『トリプルアイズ』 日野隆教 執行役員
「この去年12月のクリミア橋視察の写真は本人との一致度が低い。特にこの(持ち込まれた)写真ではAIによる一致度が低いということになります。(―――それはプーチン氏ではないということですか?)そうですね。本人ではない可能性があると思います」


結果は、2023年4月のヘルソン訪問時のプーチン氏…“本人との一致度”40%。

2022年12月のクリミア橋視察…53%。この2つが特に低かった。因みに偽者であることが分かっている“プーチン氏のそっくりさん”を調べたところ一致度35%だった。つまり、ヘルソンに現れたプーチン氏は“そっくりさんレベル”だったということになる。

防衛研究所 兵頭慎治 研究幹事
「前線に近い危険場所で、本人が行けない場所には代役が行ってるってことですよね。ゼレンスキー大統領は何度も前線に行って兵士を鼓舞している。でもプーチン氏は行かない。いつまでもそうはいかないと追い込まれた。…ということで、影武者の出番が増えたってこと…」

ロシアの影武者はプーチン氏に始まった事じゃなく、スターリンには有名な影武者がいたと駒木氏はいう。ヒトラーにも影武者説はあったし、サダム・フセインには何人も影武者がいた。“臆病な独裁者”ほど影武者を持ちたがるのかもしれないが、プーチン氏本人になぜ影武者が必要なのか、その政治体制そのものの問題点も考えてほしいものである。

(BS-TBS 『報道1930』 5月22日放送より)



・プーチン政権を悩ます“怪”情報「影武者説」「死亡説」は嘘か実か…ロシア国内から発信される体制転換への布石との見方も(TBS NEWS DIG 2023年11月11日)

緒方誠

※「プーチン大統領に何人の影武者がいるのかという憶測が飛び交っています。3人なのか4人なのか、専門家が推測しようとしています。毎日私たちが目にしている姿は3番目の影武者なのか4番目なのか、わからないですよね?…プーチンは1人しかいませんよ」(ペスコフ大統領報道官)

ロシアの祝日である11月4日の「民族統一の日」。モスクワでは約20年にわたるプーチン時代の「成果」をアピールする博覧会が始まったが、メディアの関心は博覧会そのものより会場で講演したペスコフ大統領報道官の発言に向けられた。

これに先立つ10月26日、ロシアから次のような“怪”情報が発信されていた。

「暴君は死んだ。ドッペルゲンガー(影武者)を大統領にすり替える“クーデター”が進行中だ」

メディア統制下にあるロシア国内でも、規制を受けない通信アプリ「テレグラム」を通じて情報が拡散。独立系メディア『モスクワ・タイムズ』によると、国内最大の検索サイトで「プーチン死亡」というキーワードが前月の30倍以上検索されたという。

もちろん、ペスコフ報道官は「デタラメだ」と一蹴。強力な情報機関を持つ米英等の主要国からも公式反応は一切出ていない。偽情報だろうと断じてしまえばそれまでなのだが、その後も「遺体はヴァルダイの大統領邸の冷凍庫にあり、近親者が葬儀の準備をしている」とか「プーチン氏に成り代わった影武者がコロナに感染し公務を休んだ」といった二の矢、三の矢の“続報”が放たれ、ペスコフ氏が重ねて否定するという異例の「いたちごっこ」が続いている。


「影武者説」「死亡説」の発信源、ソロヴェイ博士と『SVR将軍』の謎

一連の情報の発信源は、モスクワ在住の政治学者ワレリー・ソロヴェイ博士とロシア情報機関元高官を名乗る人物が主宰する匿名のテレグラム・チャンネル『SVR(対外情報庁)将軍』。ソロヴェイ氏が自らのYouTubeチャンネルで語る内容と『SVR将軍』の発信する内容はほぼ同じだから、連動しているとみていい。

ソロヴェイ氏はBS-TBS『報道1930』とのインタビューで「そのテレグラム・チャンネルとは何の関係もない」と関係性を否定したが、「私が入手している情報と一致することが多いのは事実で、情報の信憑性の証拠でもあると思う。ロシア政府の現状を正確に反映している情報だ」と説明した。

ソロヴェイ氏は外交官や情報機関員を養成するモスクワ国際関係大学の教授を務めていたことから、「私の情報源はロシア政府の官僚。多くの教え子がいる。大学で教えていたお陰で政府の意思決定機関もしくはその近くにいる人たちにアクセスできる」と主張している。

実際に、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻の1年前に「戦争は決まったことだ」と明言し、数か月前には開戦の時期まで的中させた。その一方で2017年と2020年に「プーチン大統領は近く退任する」と主張したがそうならなかった。独立系メディア『メドゥーザ』はソロヴェイ氏について「突飛な陰謀論を広めることで知られる」と評し、発言に信憑性はなく「空想物語」をエスカレートさせていると断じる専門家もいる。

筆者がむしろ注目するのは、モスクワに住むソロヴェイ氏が“プーチン氏を貶めるような”発信を毎日のように繰り返しているのに、なぜ逮捕・投獄されないのかという点だ。クレムリンのナンバー2、ニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記一派との繋がりが度々指摘されるが実態は不明だ。

そんな中、ソロヴェイ氏と『SVR将軍』の主張がまんざら偽情報ばかりではない可能性が浮上した。


“影武者”の可能性を結論付けたAI分析

『報道1930』が5月22日の放送で、AIによる顔認証システムを開発する民間企業に委託して、「影武者ではないか」との指摘のある映像・写真について、目、鼻、口の形や輪郭など500以上の特徴を解析。さらに6月12日の放送では、歩き方と声紋についてもそれぞれの専門企業に鑑定を依頼したところ、AIの解析ではいずれも本人との一致率が低いという驚くべき結果が出た。

この放送内容が10月19日に英大衆紙『デイリー・メール』オンライン版に丸々掲載されると、『キーウ・ポスト』等のウクライナメディアにも転電され拡散。ロシアのペスコフ大統領報道官が複数回にわたってこの情報をわざわざ否定するに至った。
AIによる分析は“影武者”が存在すると断定したわけではないが、ソロヴェイ氏らの主張を勢いづけたことは確かなようだ。


ソロヴェイ氏らの狙いは「プーチン体制の転換」か

ソロヴェイ氏らが拡散する「影武者が大統領に成り代わる」という“シナリオ”を聞いた時に思い出したのは、ロシアのスムータ=大動乱時代(1598-1613)だ。イワン雷帝の死後ほどなく700年続いたリューリク朝が断絶し、次のロマノフ朝が創設されるまでの間、正統性がないのに“皇帝”を勝手に名乗ったりする者が次々と現れた。ロシアは無政府状態に陥り、モスクワはポーランドに占領された。
ちなみに冒頭で触れた11月4日の『民族統一の日』とは、まさにロシア民衆の義勇軍がポーランドからモスクワを解放した日とされる。

米国の政治専門サイト『ポリティコ』は、強い指導者を印象付けてきたプーチン氏に対し、病気説や死亡説を流すことで権力を失墜させようとする勢力がいると分析している。
プーチン氏は来年3月の大統領選に出馬すれば再選は確実とみられているが、もし「影武者説」「死亡説」を信じる世論が選挙前に形成されたらどうなるだろうか。プーチン体制の転換がウクライナ戦争終結への突破口にもなり得るだけに、こうした“怪”情報は今後も盛んに発信されることが予想される。

(執筆:TBSテレビ報道局解説委員 緒方誠)



・頬に「整形充填剤」のタヌキ顔!習近平と会談した人物は「ニセモノ」だった/プーチン「死亡・影武者説」を追う①(アサ芸プラス 2024年5月31日)

※独裁者に「影武者」あり――。この手の風説は「21世紀の独裁者」と言われる、ロシアのプーチン大統領にも根強く囁かれてきた。

例えば元KGB(旧ソ連国家保安委員会)職員のセルゲイ・ジルノフ氏や、ウクライナ国防省のキリーロ・ブダノフ情報総局長らは「偽プーチン」の存在について、次のように断言している。

「独裁者プーチンが身の安全のために、複数の影武者を多用していることは明らかだ」

そんな中、プーチンは5月16日、中国の首都・北京に出向き、習近平国家主席と会談した。ウクライナ侵攻を仕掛けたプーチンには目下、戦争犯罪人としてICC(国際刑事裁判所)から逮捕状が出されている。中国はICCに加盟していないため、逮捕の義務はない。その点を慎重に見越した上での、昨年10月に続く2度目の訪中だった。

西側諸国を嘲笑うかのような、2人の独裁者による首脳会談。ところが、である。「この時、北京を訪れたプーチンは『ニセモノ』だった」との疑惑が浮上しているのだ。

というのも、前出のジルノフ氏やブダノフ情報総局長をはじめ、西側の諜報筋がこれまでに把握、確認してきた影武者像のうち、「ホンモノとの最大の違い」とされる特徴が、北京に姿を現したプーチンと見事に一致していたからである。

最大の注目点は、頬に施された明瞭な「整形の痕跡」だった。西側諜報筋によれば、プーチンには2~3人の影武者が存在し、いずれも整形手術を受けているという。中でもホンモノとの違いが顕著なのは、頬の整形手術を受けている影武者。習近平と会談した「偽プーチン」は、整形充填剤で頬が膨れ上がった「タヌキ顔」をしていた。

それだけではない。西側諜報筋によるこれまでの別の分析結果を重ね合わせると、この時の影武者はタヌキ顔だったばかりでなく、頭の形も耳の形も鼻のカーブも、ホンモノとは微妙に違うことが見て取れるのだ。

パンダ顔の習近平とタヌキ顔の「偽プーチン」。まさに噴飯モノの舞台裏なのである。


・プーチンは大統領選前に絶命していた!「代役」はベラルーシ生まれ海兵隊出身の大工/プーチン「死亡・影武者説」を追う②(アサ芸プラス 2024年6月1日)

※今年5月、中国の首都・北京を訪れたプーチンは「ニセモノ」だった――。

本連載の第1回では、西側諜報筋などによるこれまでの分析結果から、「パンダ顔の習近平と会談した偽プーチンは、頬に整形充填剤を埋め込んだタヌキ顔をしていた」との、噴飯モノの影武者説を摘出、紹介した。

ロシアの独裁者プーチン大統領は身の安全を図るため、影武者を多用しているとされてきたが、その影武者には「重大な役割」がもうひとつある。独裁者が死亡した後の「代役」だ。

今年3月、プーチンは異例の大統領5選を果たした。得票率が87%を超える圧勝と伝えられたが、実はその後、「プーチンは大統領選前にすでに死亡していた」との衝撃情報がロシア国内をはじめ、世界を駆け巡っている。

衝撃情報の発信元は、主として2つ。ひとつはSVR(ロシア対外情報庁)の元上級幹部らが運営しているとされるテレグラムチャンネル「ゼネラルSVR(SVR将軍)」だ。もうひとつはクレムリン(ロシア大統領府)の一部中枢勢力と太いパイプを有しているという政治学者ワレリー・ソロヴェイ氏だった。

彼らが公にした衝撃情報の具体的な中身は、以下の通りである。

●プーチンは2023年10月に病死(末期ガンなど)しており、影武者がホンモノに成りすますことで、ロシア国民を欺いている

●プーチンの最側近として知られるニコライ・パトルシェフ安全保障会議書記らが、プーチンの病死後ただちに影武者を仕立てた

そして、プーチンの代役を担う影武者の正体を、次のように暴いているのだ。

●パトルシェフらが仕立てた影武者は、隣国ベラルーシ生まれの大工。海兵隊出身で、プーチンに似せるための整形手術を受けている

その影武者が、まさに習近平と会談した偽プーチンだったかは明らかになってはいないが、いずれにせよ、影武者説と死亡説を結びつける重大な内部情報と言っていい。


・イギリス諜報機関がつかんでいた極秘情報「致命的な病と余命」/プーチン「死亡・影武者説」を追う③(アサ芸プラス 2024年6月2日)

※本連載の第2回(6月1日公開)では、今年3月に異例の5選を果たしたロシアのプーチン大統領が、大統領選前の昨年10月に死亡しており、側近らが直ちに影武者を仕立ててロシア国民や西側諸国を欺き続けている、との仰天情報について詳報した。

プーチンには「パーキンソン病」「ピック病」「ガン」など、深刻な健康不安説が幾度となく取り沙汰されてきた。このうちパーキンソン病とピック病については、アメリカの諜報当局がロシアによるウクライナ侵攻の開始直後から情報収集に乗り出し、「独裁者が2つの病を発症していることは間違いない」との確証を得ていたという事実がある。

パーキンソン病は不治の神経系疾患であり、ピック病は前頭側頭型認知症の一種。いずれも病気の進行を遅らせることしか手立てはなく、アメリカの諜報当局は「プーチンの余命は数年程度」との予測を立てていた。

しかし、この余命予測からも明らかなように、パーキンソン病とピック病はプーチンの命をすぐに奪う病ではない。そんな中、イギリスの諜報当局は、独裁者の体を蝕みつつある「致命的な病」に関する情報を、秘かにキャッチしていたとされる。極秘情報の中身は以下の通りだった。

●プーチンは「膵臓ガン」と「前立腺ガン」に冒されている

●このうち前立腺ガンは、プーチンの命を直ちに奪うほど進行していない

●一方、「最悪のガン」とされる膵臓ガンは、すでに「末期」の深刻な状況にある

その後、この極秘情報はアメリカの諜報当局でも共有され、米英の諜報筋は「プーチンの余命は半年程度」との結論に至ったといわれている。

実は昨年1月、ウクライナ国防省のキリーロ・ブダノフ情報総局長は米ABCテレビのインタビューで、「プーチンは末期ガンなのか」との問いに、次のように語っていた。

「そうだ。死期は近い」

いずれもプーチンの「死亡説」を強く裏づける極秘情報と言っていい。


・緊迫の「末期膵臓ガン寝室」体を弓なりに曲げて白目をむいた「心肺停止」騒動/プーチン「死亡・影武者説」を追う④(アサ芸プラス 2024年6月4日)

※本連載の第3回(6月2日公開)では、イギリスの諜報当局が「プーチンは末期の膵臓ガンに冒されている」との情報を秘かに入手し、その後、アメリカの諜報当局を含めた西側諜報筋が「独裁者の余命は半年程度」と判断していた、との衝撃情報の舞台裏を詳報した。

西側諜報筋がこの内部情報をつかんだのは2023年1月頃とされているが、それから9カ月後の同年10月、「余命半年」を裏づける電撃情報が世界を駆け巡った。

〈2023年10月22日夜、ロシアのプーチン大統領が寝室で心肺停止状態に陥った〉

電撃情報の発信元は、SVR(ロシア対外情報庁)の元上級幹部らが運営しているとされる、テレグラムチャンネル「ゼネラルSVR(SVR将軍)」。その後、イギリスのタブロイド紙(デイリー・ミラー、デイリー・エクスプレスなど)がニュースとして報じた電撃情報の具体的な、内容は以下の通りである。

●10月22日午後9時5分、プーチン大統領の保安要員らは、大統領の寝室で何かが落ちるような物音を耳にした

●保安要員らが寝室に駆けつけると、プーチン大統領は床に倒れて痙攣を起こし、体を弓なりに曲げて白目をむいていた

●その後、プーチン大統領は時を経ずして心肺停止状態に陥った

では、心肺停止状態に陥ったプーチンはどうなったのか。「ゼネラルSVR」は次のように伝えている。

●保安要員らの連絡を受け、医療スタッフが急ぎ寝室に駆けつけると、ただちに心肺蘇生術が行われた

●その結果、プーチン大統領はなんとか息を吹き返し、死の危機から脱することができた

ちなみに、心肺蘇生術が行われた寝室がどこにあったかは、明らかにされていない。いずれにせよ、独裁者の寝室が鬼気迫る修羅場と化したことは、想像に難くないのだ。


・遺体は食料保存用の冷凍室に!秘密の別荘で「蘇生失敗」の凄絶現場/プーチン「死亡・影武者説」を追う⑤(アサ芸プラス 2024年6月5日)

※本連載の第4回(6月4日公開)では、2023年10月22日夜、末期の膵臓ガンに冒されていたプーチン大統領が寝室で心肺停止状態に陥ったこと、その後、駆けつけた医療スタッフによる心肺蘇生術を受けて一命を取り留めたこと、などの電撃情報について詳報した。

心肺停止状態に陥った寝室がどこにあったのか(クレムリン内=ロシア大統領府内にある寝室での出来事だったのかも含めて)は今なおはっきりしないが、その後、独裁者はバルダイ(モスクワとサンクトペテルブルクの中間地点に位置する都市)にある秘密の別荘で静養中であると伝えられていた。

心肺停止騒動から4日が経った10月26日、「秘密の別荘で静養中だったプーチンが急死した」とする、超ド級の衝撃情報が飛び込んできた。

SVR(ロシア対外情報庁)の元上級幹部らが運営しているとされるテレグラムチャンネル「ゼネラルSVR(SVR将軍)」が、凄絶現場の生々しい詳細を以下のように暴露したのだ。

●10月26日午後8時42分、ロシア北西部のバルダイにある大統領邸(秘密の別荘)で静養中のプーチン大統領が急死した

●同日午後、プーチン大統領の健康状態が急激に悪化。夜8時頃に当直医が医師団を招集し、蘇生措置が開始された

●しかし危篤状態はついに解消せず、8時42分、医師団は蘇生措置を中止し、大統領の死亡を確認した

●医師団はプーチン大統領の遺体が横たわる部屋で、大統領警護官らによって身柄を拘束され、しばらくの間、遺体とともに部屋に閉じ込められた

●その後、プーチン大統領の遺体は部屋から運び出され、冷凍食品などが保管されている冷凍室に安置された

本連載の第2回目(6月1日公開)の記事では、「プーチンは大統領選前の2023年10月に死亡していた」との衝撃情報を伝えた。クレムリンの一部中枢勢力と太いパイプを有する、ロシアの政治学者ワレリー・ソロヴェイ氏らによるこの情報は、「ゼネラルSVR」が伝えた「秘密の別荘でのプーチン急死」とも、見事に一致するのだ。


・プーチンの死亡を確認し影武者を仕立てた「2人組」の実名/プーチン「死亡・影武者説」を追う⑥(アサ芸プラス 2024年6月6日)

※バルダイ(モスクワとサンクトペテルブルクの中間地点に位置する都市)にある秘密の別荘(大統領邸)で静養中のプーチンが危篤状態に陥った。その後、当直医が招集した医師団による蘇生措置が行われたが、危篤状態はついに解消せず、ほどなくして医師団は蘇生を中止するとともに、大統領の死亡をその場で確認した――。

本連載の第5回(6月5日公開)では、SVR(ロシア対外情報庁)の元上級幹部らが運営しているとされるテレグラムチャンネル「ゼネラルSVR(SVR将軍)」が伝えた超衝撃情報について詳報した。

時に2023年10月26日午後20時42分。独裁者に引導を渡した「死に至る病」は「末期の膵臓ガン」だったとみられているが、実はこの時、秘密の別荘で静養中だったプーチンに随行していた高官がいると言われている。ロシア連邦警護庁のトップ、ドミトリー・コチュネフ長官だ。

ゼネラルSVRなどの情報を総合すると、プーチンの死亡をその目で確認したコチュネフ長官は、モスクワにいたロシア連邦安全保障会議のニコライ・パトルシェフ書記と連絡を取った。そこで、今後はプーチンの死を秘匿したまま影武者を仕立て、集団指導体制に移行することを決定したという。

ちなみに、プーチンの遺体を大統領警護官らに命じて別荘内の冷凍食品保存用冷凍室に安置させたのも、コチュネフ長官だったとされている。

今年5月、パトルシェフは大統領補佐官に就任しているが、これまでの情報を通覧すると、プーチン亡き後のロシアを牛耳っているのは「クレムリン(ロシア大統領府)の2人組」、すなわちパトルシェフとコチュネフということになる。言うまでもなく、陰のトップに君臨しているのは、プーチンの側近中の側近として知られたパトルシェフだ。

とすれば、プーチンが異例の5選を果たしたとされる今年3月のロシア大統領選も、パトルシェフらがロシア国民や西側諸国を欺きながら仕組んだ「世紀の茶番劇」だったことになる。なにしろ、大統領たるプーチンは、すでに死亡していたのだ。

同様に今年5月、中国の首都・北京に出向き、習近平国家主席と会談した人物も、パトルシェフらが仕立てた「影武者」だったことになる。本連載の第1回(5月31日公開)でも指摘したように、パンダ顔の習近平と握手を交わした影武者は、整形充填剤で頬が膨れ上がったタヌキ顔をしていたのだ。

現在のロシアとクレムリンは、まさに「ゴルゴ13も真っ青」の伏魔殿と化している。