・癌の代替療法

https://clnakamura.com/blog/5437/

以下、後半部分を転載

※重曹を使うのも有効だ。

『癌治療における緩和手段:炭酸水素ナトリウム~バカげた考えか、賢明な治療法か』
https://serval.unil.ch/resource/serval:BIB_197D722EF7F0.P001/REF.pdf

「医学の進歩にもかかわらず、癌は先進国の主要な死因であり続けている。結果、ますます多くの患者が代替療法に注目している。こうした治療法のなかでも、相当な関心を引いているのが、重曹(重炭酸ナトリウム)による癌治療だ。インターネット上にある自己治療報告によると、多くの患者は重曹を、簡単で、安く、しかも有効な抗癌剤だと感じている。これまでのところ、重曹の抗癌作用を実証する臨床研究はないが、多くの患者が自分の体で試した報告が、重曹による癌の進行遅延効果を示唆している。本稿において、我々は癌治療において重曹を利用する理論的妥当性を検証し、さらに、重曹の抗腫瘍活性の実験エビデンスを列挙している。
最後に、癌治療において重曹が果たす今度の役割について推測した」

重曹による癌治療を提唱したシモンチーニ博士は、40年以上にわたって多くの癌患者を救ってきたが、医学界から追放の憂き目にあった。


そこで、シモンチーニ氏の方法をここで紹介しよう。

そもそも重曹は適量であれば無害だから、量的に厳密である必要はないけど、静脈点滴で行く場合は、5%炭酸水素ナトリウム溶液500㏄の投与でもって1回とする、というのが一応の目安。

でも、たとえば画像のようなメイロン8.4%を500㏄で行っても無害であることが確認されている。

この投与を6日間続け、次の6日間は休止する(あるいはこの休止中にビタミンC点滴をするのもいい)。

これを4~6サイクル行うと、ほとんどの癌は消滅する。部位や癌巣の状態にもよるが、通常は3~4日で退行を始め、5~6日でコロニーが崩壊するという。

飲用で行う場合は、10~20%の重曹水溶液を100~200mlくらい飲む。ざっと、コップ一杯に重曹を中さじ一杯いれる具合だ。

注意点としては、

・アルミニウムを含まない調理用の重曹を使うこと。
・1日に1回でいい。
・6日続ければ6日休むこと。
・癌が治ったらやめること。

参考
『ガンの新しい治療法』(シモンチーニ監修 世古口裕司著)




以下「NATROMのブログ」様より転載

https://natrom.hatenablog.com/entries/2010/02/19#p1

・癌は真菌であり、重炭酸ナトリウムで治療可能だったんだよ!トンデモ

20100219

※イタリアの元医師シモンチーニ氏が、癌の病因と治療に関して、きわめてユニークな説を主張している。■デーヴィッド・アイク公式日本語情報ブログ*1より引用。


聡明で勇敢なイタリアの医師トゥリオ・シモンチーニ(Tullio Simoncini)は、そのひとつの例である。彼は、ガンの正体とその対処法を突き止めた後に直面することになった巨大な圧力に屈することを拒み、それに立ち向かい続けた。
シモンチーニの「犯罪」とは、ガンがカンジダという健康な人の体内でさえ少量存在するイースト(酵母)菌に似た有機体によって生じる真菌であることを発見したことである。普段は免疫系がそれを抑制しているが、カンジダが強力な菌に変異する時、いくぶん深刻な健康問題が発生することになる。ガンもそれである。


「癌は真菌である」という主張はユニークであるが、その背景の陰謀論はいつものやつである。高価だが効かない抗癌剤を売っている製薬会社によって、癌の画期的な治療法が抹殺された、というものである。今回のは、さらに、「本来それはお金のためですらない。例の血族は人口削減の方法として、人々が必要以上に早く苦しんで死んで欲しいのだ」ともある。「例の血族」とは「イルミナティ血族」のことである。いつも思うのだが、この手の陰謀論を信じている人は、平均寿命がどんどん伸びていることをどのように考えているのだろう?さて、「癌は真菌である」とする主張の根拠が、なかなかすごい。


シモンチーニは、ガンが体内のどこにあろうと、あるいはどんな形をとろうと、全てのガンが同じように振る舞うことに気がついた。そこには共通項がなければならなかった。彼はまた、ガンの「しこり」が常に白いことに着目した。
他に白い物とは何だろう? カンジダである。


癌は白い。カンジダも白い。よって癌はカンジダである、ということらしい。他に根拠らしいことは書いていない。癌の組織を顕微鏡で見たらカンジダ菌が観察された、ぐらいのホラを吹いて欲しいところだが、それもない。マジレスするならば、癌の外見はいつも白いというわけではないので、前提からして誤りである。また、癌は病理検査、つまり、組織を顕微鏡で見て診断されるが、癌がカンジダなら顕微鏡で見える。シモンチーニ以外の医師は、カンジダを見落としたか、あるいは巨大な陰謀に組みしているのだろう。「癌は悪い赤血球が変化して生じる」ことを観察した千島喜久男先生すら、癌がカンジダであるなんて主張していない。ちなみに、病理スライドは、医師だけでなく、検査技師や医学生も見る。これらすべての人の口を塞ぐのはたいへんそうだ。

わかりやすくたとえるなら、シモンチーニ氏は、「クジラは魚である」ことを発見したわけだ。その根拠は、「クジラは海に住んでいる。他に海に住んでいるものはなんだろう?魚である」ということから。だったら、クジラは肺呼吸ではなく鰓呼吸のはずだが、すべての生物学者および漁師および魚屋がその事実を見落としているか隠蔽しているというわけである。念のために、"Simoncini candida"でPubmed検索をしてみたが、関係のありそうな論文はなかった。癌が真菌症だったとして、だったら抗真菌剤が効くかと言えば、そうでもないらしい。重炭酸ナトリウムが効くとのこと。


シモンチーニは、ガンが真菌の感染もしくは蔓延であると気付くと、その真菌を殺し、悪性腫瘍を除去できる何かを探し始めた。彼は、抗真菌剤は作用しないと気付いた。なぜなら、真菌は自己防衛のためにすばやく変異し、真菌を殺すために処方された薬物を取って食べ始めさえするからだ。
その代わりにシモンチーニは、もっとずっと簡素なものを見つけた。重炭酸ナトリウムである。そう、馴染み深い重曹の主要成分である。(しかし重曹と同じではないと強調しておく。重曹は他の成分も含んでいる。)


これはあれか、掃除をするときにカビキラーを使わずに、重曹を使うロハスでエコな意識の高い方々をターゲットにしているのだろうか。「重炭酸ナトリウムをガン、すなわち真菌に直接かける」ことで、癌が消えるらしい。よしんば癌が真菌だったとして、重炭酸ナトリウムをかけたぐらいで消えるわけはなかろう。以上、よほどの情報弱者でもなければ、本気にはしないレベルの内容である。デーヴィッド・アイク公式日本語情報ブログは、ちゃんと、月刊「ムー」レベルの話であると明示してある。



爬虫類人が目論む新たなる世界支配の恐怖


というわけで、完全にネタ扱いしてもいいのかと思っていたけど、「シモンチーニ・ガン・センターというのが、日本に出来る」らしく、ホームページまでできている。ネタにしては作り込んである。


■Chironcology Inc *2



リアルな値段設定


もしかして、マジ?いくらなんでも、こんな低レベルの詐欺に騙される人はそうはいないだろうと思いたいところであるが、それなりにいるのだろうなあ。成人がこれに引っかかっても同情できないけど、せめて子供が巻き込まれるようなことがありませんように。


追記(2010年7月4日)
幻影随想の■トゥーリオ・シモンチーニのがん治療についてのまとめも参考になる。シモンチーニ氏の「前科」について述べられている。「癌 and 真菌」で検索すると、私の記事が上位に表示されるが、タイトルに「シモンチーニ」が含まれていないため、「シモンチーニ」では上位に入らなかった。幻影随想のこの記事が、「シモンチーニ」で検索した人に正しい情報を提供できるようになるだろう。




以下「幻影随想」様から転載

http://blackshadow.seesaa.net/article/155335894.html

・トゥーリオ・シモンチーニのがん治療についてのまとめ

2010年07月03日

※最近また海外のQuackery(ニセ医療)が一つ国内に入って来ようとしているようだ。

>シモンチニーがんセンター

ざっと調べてみたところ、国内のWeb記事で対抗言論が引っかかるのはNATROMさんのところくらい。

癌は真菌であり、重炭酸ナトリウムで治療可能だったんだよ! - NATROMの日記

現状では批判がほとんど存在していないようなので、ちょっと資料をまとめておくことにする。
 
 
まずはこれを

Sodium Bicarbonate Therapy according to Tullio Simoncini - EsoWatch

トゥリオ・シモンチーニによって提唱された重炭酸ナトリウム療法(内部ではBICAとも呼ばれている)は、がん患者を治療すると主張している最も効果が無く不合理な方法の1つであり、ニセ医療的なガン療法である。この治療法は患者の役に立たないと同時に、同非常に高価である。

彼の「重炭酸ナトリウム療法」を適用した後にいくつかの死事例が起こったため、発明者のイタリアの元医者トゥリオ・シモンチーニは有罪判決を下され、そして医師免許を剥奪された。

ガンは菌類によって引き起こされる(真菌症としてのガン)という彼の主張は、現代医療の知見と整合性を持たない。この仮説は科学的な証拠が欠如しており、そして、この治療に少しでも正の効果を示すことができる科学的研究も現存しない。

彼の意見は、バイエルンの医者アルファンス・ウェーバー(ガンが寄生虫から始まることを確信しており、そのために、自分のがん患者を無駄に反マラリア薬で治療しようとした)の意見と比較されるだろう。彼もまた、19/20世紀の歴史的な多形性概念を信じていた。


トゥリオ・シモンチーニの主張の間違いを指摘するというのは、医学生にでもやらせてみれば良いトレーニングになるだろう。

彼の主張はこうである。

シモンチニーがんセンター | がんの原因は真菌である。

彼は、

『人体が、がんに罹患するシステムは、患者の身体にカンジタなどの真菌類が感染した時、もしくは、感染後、人の免疫能力が、なんらかの原因により低下した為に真菌が動き出したとき、患者の免疫防御シテムが作動し、真菌に感染した細胞を腫瘍細胞にさせ、他への感染を防ぐのである。その為、真菌に感染し変異したがん細胞を重炭酸ナトリウム溶液で洗浄する事により、がん化した細胞は正常細胞に戻らせる事が可能になる。』

と言っています。

彼によれば、「あらゆるがんは真菌が原因」だそうだ。大笑いである。

がんは体細胞に生じた遺伝子の損傷によって発生する。
真菌感染による炎症の結果として遺伝子損傷が累積しがんを生じるというのはありえないことではないが、遺伝子の損傷は不可逆的なものなので、仮に細胞のがん化が起こってから真菌感染を治療したところで既に手遅れである。
がん化した細胞の遺伝子を正常な状態に治療するというのは遺伝子治療方面で現在さまざまな研究者が研究しているが、少なくとも重炭酸ナトリウムにそんな効用は無い。

100年前ならいざ知らず、現在では、
どの遺伝子が壊れたら細胞ががん化しやすいか、どの部位のがんならどの遺伝子の損傷が多いかといった知見の蓄積も進んでいる。
特定の遺伝子を壊すことで故意に細胞をがん化させることはもちろん、さまざまながんのモデル細胞の樹立も行われている。
がん細胞をモデル生物の体に移植して、体内でどのようにがんの増殖や転移が進むかをリアルタイムに観察することすらできる。

がん遺伝子 - Wikipedia
がん細胞の“振る舞い”が見えるメダカ―がん研究の新しい実験モデルの開発に成功― :プレス発表:お知らせ:独立行政法人 放射線医学総合研究所

はっきり言って、いまどきこんな主張を行う医者がいたら、正気を疑っていいレベルである。

こんな時代遅れのトンデモ理論を考案しているようでは、
あまつさえそれで何人もの患者を死なせるにいたっては、
そりゃ医師免許も剥奪されるというものである。


この程度のトンデモに引っかかるダメ学生がいたら、罰として一年くらいひたすらHeLa細胞の継代培養とヌードマウスへの移植・観察を繰り返しやらせることを提案するね。
既に医者ならQuackeryタグつけて間違ってもかからないようにするが。
HeLa細胞 - Wikipedia


彼の信者の中には陰謀論に走り、


ガンは真菌であり、治療可能だ - David Icke in Japan

当局は彼の文書を無視しただけでなく、彼は承認されていない治療法を処方したために、イタリア医療組合(Italian Medical Order)から除名された。そう、私は確かにこう言った。承認されていない治療法を処方したため、と。

彼は、情緒的なマスコミによる猛烈な嘲笑と非難のキャンペーンにさらされた。そのうえ、彼が治療にあたっていた患者を「不法死亡」させたとして三年間投獄された。あらゆる方向から、「シモンチーニを捕まえろ。」という声が聞こえてきた。


みたいなことを口にする人間もいるようだが、それは違う。

彼がまともに相手にされないのは、彼の理論があまりにも馬鹿馬鹿しすぎる一方で、彼が自説を証明するような根拠をまるで示すことができていないせいだ。

(ビデオ?HPの記述?そんなものは何の証拠にもなりはしない。彼は自分の治療法について一切の論文を提出していない。世の中にはどんな論文でも無審査で投稿できるジャーナルがいくらでもあるにもかかわらず)

そして彼が医師免許を剥奪されたのは、家族を殺された患者の遺族によって彼が訴えられ、詐欺罪と過失致死罪で有罪判決を受けたからだ。

(この事件でイタリアの政府機関は、むしろ死者が複数人に上るまで何もしていなかったことを責められる立場だった。)

物事の因果を逆転させて陰謀論を主張するのはこの手の人たちには珍しくないけれど、医学や生物学に対して理解の欠片もないのがダメ過ぎる。


◆Tullio Simontineの足跡

日本語圏には彼の経歴についてまとまった情報が無いので、簡単にまとめておく。

Il cancro è un fungo - Wikipedia

1999年以降、イタリアの元腫瘍医トゥリオ・シモンチーニは、様々な医学会、代替医療学会で自分の仮説を提示するようになったが、彼の提案は決して科学的な実験に基づくものではなかった。実験データの欠如および、彼の理論の信憑性に欠ける根拠のため、イタリアNIHも彼このプロトコルを認めなかった。

トンデモ方面の人にありがちな傾向だが、今に至るまで一本の論文も出ていない現実が示すように、彼は科学におけるデータの重要性を理解していないもしくは軽視しているようだ。
しかしルール破りのスタンドプレーが許されるのは、結果が成功に終わったときだけだ。
何人もの患者を死に追いやったことで、彼はイタリアの医学会を追われることになる。

それにもかかわらず、シモンチーニは同様に医師である弟と一緒に、何人かの彼の患者を対象にその根拠の無い治療プロトコルを実施した。(2003年のイタリアの法律では、人間の患者の治療のために科学的根拠の無い治療を行い患者から金銭的報酬を受け取るこのような”人体実験”は懲戒手続きの対象となる。)

裁判所は、炭酸水素ナトリウムががんを治す可能性があるという主張により虚偽の希望を生み出したこと、直接殺害したわけではないことを考慮して、不必要な治療を受けたために悪化死亡したと考えられる4人のがん患者のうち、2件を詐欺認定してシモンチーニに有罪を宣告し、他2件で無罪を宣告した。


シモンチーニのサイトの動画を見れば分かるが、彼の「大腸癌治療」は大腸内に内視鏡付のチューブを突っ込んで、直接患部に炭酸水素ナトリウムを吹き付けるというものだ。
そしてこの件で死亡した患者は、いずれも腸の裂傷や穿孔を負って死亡している。

これは当たり前だが医療事故であり、彼の「治療法」が安全上の欠陥を抱えている事を示すものである。

シモンチーニはその後過失致死罪でも有罪判決を受け、イタリア国内におけるこの治療法の実施は禁じられた。

まとめると、彼が医師免許を剥奪されたのは、

・法で定められた手続きに沿ったデータ収集や安全性の確認を怠ったまま、
・認可も行われず効果も確認されていない「欠陥品」の治療法で、
・患者に"人体実験"を行い、死亡事故を起こしたこと

を理由とするものである。


イタリアを追われたシモンチーニが次に本拠としたのはオランダである。
もちろんオランダでもすぐに死亡事故を起こして早々に追い出されることになったが。

こちらは上の腸裂傷とは異なり、炭酸水素ナトリウム水溶液の大量点滴による代謝異常から心停止に陥った事例である。

重曹の大量投与は危険な場合もあるのに、まんまとやらかしたらしい。


Familie overleden patiënte wil vervolging kliniek Berg en Bosch | Netwerk
Kankerbehandeling Bilthoven moet stoppen, zegt Inspectie - Binnenland - de Volkskrant

犠牲者の名前はSylvia Trachsler。58歳の女性で乳がんを患っていた。
治療が行われたのはビルトーヴェンの"Kliniek voor Preventieve Geneeskunde Berg en Bosch (KPG) "という代替医療クリニック。
2007年10月、彼女は毎日4.2%炭酸水素ナトリウム水溶液500mlを3セット、6日間連続で点滴された後に心停止で異常死した。


重曹はいかに日用品といえど、医薬品として使用するときには結構な数の禁忌が存在する。

そしてこれは健康な人間でも高ナトリウム血症なりアルカローシスなりを起こしてもおかしくない量だ。

治療を行った代替医療クリニックの人間がその辺のことをちゃんと分かっていたのかどうか気になるな。

炭酸水素ナトリウム.OI 医薬品情報・検索 イーファーマ

あちらのQuackウォッチャーの活躍によってイタリアでシモンチーニがやらかしたことの情報がある程度流通していたことに加え、この一件が結局オランダにおけるシモンチーニの活動への止めとなった。

めでたくオランダでもシモンチーニの治療法は禁止となり、彼はまた新たな拠点を必要とする事になった訳だ。

シモンチーニは「Controversialな(議論の余地がある)代替医療」とかそういう話以前の問題の、もっと低次元な部分で何度も事故を起こしてるんだよな。


ついでに、シモンチーニは最近デーヴィッド・アイクに宣伝記事を書かせている点といい、どうも陰謀論者たちを標的として狙いだしているふしがある。

2009年には、とある陰謀論者のサイトで宣伝動画を流し、その動画で元患者の女性に「通常医療はダメ、炭酸水素ナトリウムで治る」と語らせていたりする。

もっとも速攻でイタリアのQuackウォッチャーに検証されて、実はただのやらせCMでその患者は通常医療を受けていたことを暴露されたりと脇が甘いところもあるが。

Simoncini: Lorna NON è guarita con il bicarbonato


◆日本での活動

シモンチーニは2009年後半から、日本に拠点を構えるべく活動を開始している。

活動の拠点は先にも取り上げたシモンチニーがんセンターだが、住所がホテルということを鑑みると、まだ本格的な活動拠点を構えるには至っていないようだ。

彼は医師免許を既に剥奪されているため、自分で医療行為を行うことができない(それをやったら医師法違反で即逮捕)。

ゆえに彼が日本で活動を行うためには、自分に代わって診療を行う日本人の医師を必要とする。

そこで現在、彼は医師向けにシモンチーニ・プロトコール研修コースなるものを開催して医師集めに取り組んでいるようだ。

彼が日本で実際に「治療行為」を始めるかどうかは、これに引っかかる医者がどれだけいるかにかかっている。


◆シモンチーニと彼の信者がやるべきこと

たぶんこの記事はGoogle検索で上位に位置することになり、彼の信者も大勢やってくることになるだろうからもう少し書いておく。

シモンチーニの「がんの原因は真菌」という主張はアホらし過ぎて頭痛を覚えるくらいにナンセンスだが、

それとはまったく無関係に、シモンチーニ・プロトコルの中で「がんの患部に直接薬液を吹き付ける」という方法論だけは、何らかの有効性を見出し得る可能性は残っている。

彼と彼の信者がとるべき行動は、

1.さっさと「がんと真菌」の妄想を捨てること

2.シモンチーニ・プロトコルのきちんとした臨床試験を行って、本当に有効なのか、有効だとしたらどのようながんに効果があるのか、どんな薬剤を使用すれば効果があるのかについて、きちんと比較検討したデータを論文に出すこと。

(もし有効なら、炭酸水素ナトリウムみたいな中途半端な消毒剤よりもきちんとした薬剤を使用したほうが効果は上がるだろう)

3.いくつも死亡事例が起きている事実が示すように安全性に問題があるので、徹底的な安全性の見直しを行うこと

最低限これだけ行ってはじめて、その有効性を議論の俎上に載せる資格が生まれる。

逆に言えば現状では「なんちゃって医療」に過ぎないわけで、

仮にシモンチーニプロトコルに何かがあるとしても、彼らが正規の手続きを踏まない限り、有象無象の似非療法の一つとして彼の妄想ごと葬られることになるだろう。


なお、私は患部に直接吹き付ける方はともかく、点滴の方は有害無益だと思っている。

pH云々の戯言も、がん細胞のpHが低いのは、エネルギー消費が高くより多くの酸素を消費するせいであったり、腫瘍内部が低酸素状態になりpHが下がるためであって、pHが正常域や多少アルカリ寄りになったところで別にがん細胞だけ死ぬわけではない。

人が健康を保てる血液内至適pHは非常に狭い領域なので、下手にそれをいじろうとしたらオランダの件のように死人が出る。

サイト上で有効性を示す証拠と称して出してくるものも、大腸がんのビデオばかりだしね。