近年、陰謀論界隈で、タルタリア帝国/タルタリア文明という妄想が垂れ流されています。CIAなどによる情報工作だと思いますが。真実の陰謀論を嘘・頭の悪い陰謀論で埋め尽くして、目立たなくし、かつ、真実の陰謀論と正しい陰謀論者と陰謀論全体に対する、民衆の信用を失わさせ貶める、いつもの手口です。

陰謀論者の一人として、あるまじきことですが、「常識で考えろ!この馬鹿!」と言ってやりたいですwww



ニコニコ大百科 タルタリア帝国

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タルタリア帝国 / タルタリア文明 (英:Tartarian Empire, Tartary, Tartaria) とは、陰謀論者の間で囁かれる「失われた国家」として知られる文明、国家である。表記ゆれとして「タータリア」「タルタリヤ」などがある。

13 - 19世紀頃、つまりほんの200年前まで存在していた帝国であり、現在よりも優れた科学力を有していたが、ディープステートによって核爆弾を打ち込まれ滅ぼされたという。その後泥の洪水マッドフラッドによって遺構は埋まるが、それをディープステートが掘り起こして別の用途の建造物として使っている、とされている。

ディープステート陰謀論が出てくることでわかると思われるが、この陰謀論はQアノンと密接に関わっている。


概要

タルタリアの名前の由来は「タタール人の支配地域」を意味する『Tartary』から来ており、この語自体はヨーロッパ人にとって中央アジア - シベリア地域について良くわかっていなかった時期に、このあたりを指す用語として陰謀論とは無関係に使われていた (現在ではあまり使われない) 。しかしタルタリア帝国の勢力圏は陰謀論者たちによれば、ユーラシア大陸の北側全体、シベリア、中央アジア全域に及び、インドやウラル山脈、小アジア半島に及び、東は満州、朝鮮半島、千島列島、西は北アメリカ大陸とブラジル・ペルーあたりの南アメリカ大陸の一部を版図にしていたうえ、直接の支配はしていないものの日本列島にも大きく影響を及ぼしていたとされている。基本的に日本はタルタリア帝国と関わりが密接にあった、とするだけでタルタリア帝国の版図に組み込まれていないとすることが主流だが、陰謀論者によっては日本もタルタリア帝国だったとしているケースもある。


タルタリア様式とフリーエネルギー

タルタリア帝国の特徴とされるのは、玉葱状の構造物を持った建造物であり、ロシア正教の救世主ハリストス大聖堂、インドのタージ・マハル、アメリカの合衆国議会議事堂などがタルタリア様式の建物として知られる。この玉葱状の構造物はエーテルエネルギーを電気に変換する発電所である。玉葱の先端にはアンテナのような装飾があり、ここからエーテルエネルギーを取り込んでいたのだ。屋根の内部には左右対称の幾何学模様の装飾があり、これは共振器としての役目を持っていた。共振器の中央の棒はカソードと呼ばれ、これがある建物が「カセドラル」と呼ばれたが、後にカセドラルは大聖堂の意味になった。発電所が大聖堂になり替わったからだ。ドーム内にある八角形の構造物は、エーテルエネルギーから発電するエーテルエンジンの名残であり、ディープステートがこれらを後にすべて取り去ったとされている。

また、世界に500はあるとされる星形要塞スターフォートも、本来は城塞などではなく、エーテルエネルギーの増幅装置だったのだとする。陰謀論者は、「星形要塞なんて大砲を撃ち込まれ放題だ」と主張する。むしろ対大砲の防御力を上げるために星形要塞は出来たんですけど……。

星形要塞の城壁のまわりにも水を巡らせ、音波で結晶構造を操作し、エーテルエネルギーを吸収させる。そのまま水流の形で各地にエーテルエネルギーを運び、発電所では鐘の音を聞かせて水の結晶構造を操作する。そしてエーテルエネルギーで発電したら、各地の赤レンガ倉庫に蓄電する。赤レンガは電気を通すからだ。こうして蓄電した電気は町の各所に無線で送られる。なるほど、だから後に大聖堂とされた玉葱状の構造物のある建物には鐘があるのだと言えるわけだ。この水の結晶構造を音楽で操作するという原理は、「水に心地よい音楽や綺麗な言葉をかけるときれいな結晶になり、悪い言葉をかけると汚い結晶となる」という説明がされる (『水からの伝言』で有名な江本勝の主張に近い) 。

無線で電気を送れることもさることながら、そもそも蓄電を実用レベルで実現できるなら今の世界の電力供給より遥かに優れているといえよう。これがしかも無料であるため、科学技術は現代文明を遥かに凌駕していたという。照明はすべてが電気であり、冷暖房は建物そのものにセントラルヒーティングがあり、自動車、鉄道、航空機、モノレール、動く歩道、ロボットとあらゆるものが存在していた。空は飛行船が飛び交っており、空中で塔に接続して充電していたのだという。今現在王城とされる場所はもともとは大工場だったのだとか。本当にこんな技術があるのなら、ジョブズもiPhoneごときでイキれなかっただろう。しかしその証拠とされるものはどういうわけか白黒写真で残されている。


タルタリア帝国の人々

そして、もうひとつタルタリア帝国で重要なことは、争いがなく、人々は友好的に暮らしていたということ。タルタリア帝国には、普通の人間の他に巨人族もおり、巨人族もまた友好的に人間と接していた。世界各国の巨大な扉は巨人サイズに作られたものであるというわけだ。巨人の写真も残されている。巨人たちは地下のアガルタに現在は逃げているとされる (地球空洞説) 。まあ実際のところは、いわゆる巨人症の人物の写真を「巨人がいた」と言っているに過ぎない。

主要な民族はロシア系のアーリア人、モンゴル系のタタール人、ネイティブアメリカンとされ、エネルギーが無料であるため農作物も豊かであり、食糧危機もなかったというのだ。

陰謀論者は、このタルタリア帝国のあったころの文明を大きく3つに区分する。

3つの区分のわかりやすい違いとしては、エーテルエンジンの存在する発電所の形状の違いである。タルタリア様式では上述の通り玉葱状の構造物だが、ディープステートが支配していたローマ文化圏 (以下DSローマ) では古代ギリシャの神殿のスタイルであり、ヨーロッパ諸国やブラジル、オーストラリアがこのタイプを取る。もうひとつがアジア文化圏であり、日本、中国、朝鮮半島はタルタリア帝国の影響を受けつつも、玉葱状の建物のかわりに五重塔の様式を取る。


偽史とタルタリア帝国の最期

さて、3大文化圏を解説したが、1601年ごろにおきた「火山の冬」とされる大変動 (もちろんDSローマの仕業である) でアジア文化圏は力を失った。この旧アジア諸国をDSローマは植民地として支配していった。なお日本はタルタリア帝国にもDSローマにも与していないとされるが、これは「発電所」が五重塔であり玉葱ではないこと、しかしながら欧州列強の植民地になったことがないことが要因だろう。そしてDSローマは次にタルタリア帝国に目を向ける。DSローマはレプティリアンと、その下にいるロスチャイルド家をはじめとしたロンドン、シティが人類から支配権を奪い去ろうとしていたのだ。

しかしタルタリア帝国は大変動のダメージから回復すると、DSローマに反撃を加える。アメリカ独立戦争がそれであり、DSローマの主要国イギリスに対して、北アメリカ大陸のタルタリア帝国民が反旗を翻した戦いなのだ。

また、DSローマ内でもナポレオン・ボナパルトが反旗を翻し、フランス革命に危機を抱くDSローマ各国を打ち破った。しかし、モスクワにたどり着いたところでモスクワ大火に遭う。

このモスクワ大火は単なる火災ではなく、ディープステートが核ミサイルをモスクワに撃ち込み、ナポレオン率いる革命軍をモスクワごと焼き尽くそうとしたと陰謀論者は解釈している。モスクワ、ペテルブルグがタルタリア帝国の手に落ちればヨーロッパはイギリスだけが残ることになり、イギリスのロンドン、シティにいたロスチャイルド家、そしてその背後にいたレプティリアンはこれを警戒したのだとする。

これによってフランス軍は壊滅。ナポレオンは被爆し、やがて精彩を欠いていった。次にイギリスは米英戦争で再びワシントンを核兵器で焼くが、それでもタルタリア帝国は止まらない。

DSローマはこれに対して、タルタリア帝国の本拠を大量の核兵器で焼き払った。小さな丸い湖が多くロシアにあるのは、タルタリア帝国を滅ぼすための核兵器のクレーターに水が溜まったからである。これによって「核の冬」となり、1816年は「夏のない年」と呼ばれるほど全地球に急激な低温化が起きた。シベリアのタイガの樹齢が200年ちょっとしかないのもこのためであるという。

なお、優れたタルタリア帝国に勝つためにディープステートが持ち出した核兵器は、宇宙人から齎されたとする説もある。しかしこの手の宇宙人説や巨人が地下のアガルタに逃げ込んだとする地球空洞説は、タルタリア帝国を信じる陰謀論者の多くがやはり支持している地球平面説と齟齬を起こすためか、そこまで陰謀論者の間でも主流な説ではないようだ。


マッドフラッドとその後

このあと、マッドフラッド (泥の洪水) が起き、タルタリア帝国の建物は多くが地中に埋もれていった。しかし、頑強なタルタリア帝国の建物は形はそのまま残り、DSローマはそれを掘り出してそのままそこに人々を住まわせた。地中に埋もれた建物はマッドフラッドがあったことを示しており、イギリス英語で1階を「Ground Floor」、2階を「First Floor」と呼ぶのは1階が「地中に埋もれている」ため、2階に階段を付けざるを得なくなったからだというのだ。

ロシアは核兵器の影響で30年は住めなかったが、後に再入植が行われた。やってきたのは、旧タルタリア帝国や旧アジア諸国の人々である。しかしタルタリアの遺構をDSローマは許すはずもなく、再び核ミサイルで焼き払った。この時の被爆による影響を、ディープステートはコレラの蔓延であると説明した。

また、アメリカもマッドフラッドで荒廃した世界に、DSローマ下のイギリスが婚外子やクローン技術で作り出した子供達 (孤児) を送り込んで再開発した地域であるという。アメリカが地図上で様々なサイズで描かれていることも、タルタリア帝国を滅ぼすために核ミサイルを撃ち込んだ結果形が変わったと陰謀論者は説明する。過去の文明が優れていると信じているために、単に昔の地図が正確でなかっただけと気付けないのは不幸である。

日本ももともとタルタリア帝国とアジア文化圏の混在地域だったが、DSローマによって地震兵器で都市は滅ぼされ、遺構がDSローマの援助を受けた明治政府によって核ミサイルで焼き払われ、廃仏毀釈の名のもとに仏教寺院――という名目でエーテルエネルギーによる発電所を毀された。


ディープステートによる隠蔽?

エネルギーの利用法についてはDSローマよりもタルタリア帝国のほうが上だったようだ。また、水の結晶の操作を理解していたことで水による治療を行えるなどの技術もあった。そして、このエーテルエネルギーによる発電と水の利用法をDSローマは秘匿せんがため、タルタリア帝国を滅ぼした後に発電所と増幅装置を「大聖堂」をはじめとした宗教施設と「城塞」と偽り、発電所=大聖堂にはそうであるかのように偽るための宗教画が描かれ、エネルギーの流入を防ぐためにステンドグラスを取り付けた。大工場や一部の建物はディープステートの貴族の邸宅として利用されている。

結晶構造の操作技術がバレないよう、ネットで検索すると江本勝の著作は「トンデモ」「嘘」とする批判が大量に出てくるようになっている。こうして操作できなくなったことで活きた水が使えないために水治療も衰退し、湯治もただの温泉やスパ巡り程度でしかないのだという。

また、地球はもともと通常温暖な気候であったとされ、それが核の冬で寒冷化してしまったのだという。ロシアにある建物が、窓が大きくついた寒そうな建物であることや暖房のデザインがまわりの様式と明らかに違うのも、古くは肩を出した服を着ていたことも地球が温暖であった証拠であり、地球温暖化は地球が本来の気候を取り戻そうとしている証拠であるとする。冬なんて元々存在しない季節だったのだ。陰謀論者からすれば、地球で全面的な核戦争が起きていないのに核の冬が予見できるはずはない、核の冬が既にあったから核の冬が起きることを知っているのだというのだ。故にSDGsなどの地球温暖化を食い止めようとする勢力はディープステートと通じているのだとか。グレタさんもディープステートだった可能性が微レ存……?なお、このあたりの話は「タルタリア帝国にはセントラルヒーティングがあったんですよ」という先述の話と矛盾しているのだが、よりによって同じ情報源に載っていたりする。


マッドフラッド・タルタリア陰謀論の起こり

上記の陰謀論は世界ミステリーchexitによれば、2016年頃からYouTube上に上がり、2018年12月ごろから注目されるようになる。最初にこれに言及した者はQアノンやロスチャイルド家、イルミナティに関する陰謀論を語るチャンネルであったようだ。

地図の話についてもそうだが、タルタリア帝国の陰謀論を支持する者の多くはタルタリア帝国が優れた技術を持っているという前提から話をはじめているため、証拠として挙げているものが実際には証拠として認められないことに気付けない。例えば、写真に人が写っていないことを指して「大都市に人がいないのは核ミサイルやマッドフラッドで人々が消滅したからである」とするが、実際のところは当時の写真技術がダゲレオタイプといって日中でも10 - 20分の露光が必要になるほどのものだったことを知らない事が多い。スマートフォンで写真がパチリと撮れる時代でないので動くものは写真に写らないのだ。というか何度でもいうがそもそも優れた技術があるならカラー写真くらい残っているはずだろう。まさか昔は世界に色などなかったとでも言うのだろうか。

また、多くの建物の1階が埋もれたことについても、路面電車や車が普及したことで急勾配を緩和するために道を平坦に作ったために建物が埋もれただけだったりする。

ちなみにディープステートが本当に200年前に歴史をすべて捏造したとするなら、数千年の文明と膨大すぎる言語、過去の個人の記録に至るまでをすべて捏造したということになる。気の遠い話である。