・森永卓郎「抗がん剤が打てない」すい臓がんではなく“原発不明がん”だった、治療費は1か月半で約400万円(週刊女性PRIME 2024年2月17日)

※おりしも、日経平均株価はバブル後の最高値を更新中。2024年1月から新NISAがスタートしたこともあり、日本株の好調で日本経済は上向いているように思える。だが森永氏の見方は180度異なり、投資には慎重であるべきと警鐘を鳴らす。


老後資金は新NISAに回してはいけない

「バブル崩壊がいつになるのかを予測できる人は誰もいません。ただ、私は崩壊の日は近いと思っています。新NISAで投じた投資資金は、最悪10分の1になります。ですから、老後資金をNISAに回しては絶対にいけません。投資してよいお金は、あくまでも全損になっても構わないお金だけです」

しかしながら物価高で庶民の生活は苦しく、増税や社会保険料アップが追いうちをかける。明るい老後を迎えるにはどんな準備をしておけばいいのか。

「大都市を捨てて、トカイナカ(都市と田舎の中間)に移り住む。そこで自給自足に近い暮らしをすれば、明るい老後が待っていると思いますよ」

埼玉県所沢市の自宅近くに畑を借り、自らその生活を実践。お金も食料も、人に委ねず自分で育てられる力を養うことが第一。森永氏が今伝えたいもう一つのメッセージだ。



・近い将来「キラキラした勝ち組」はみな飢え死にする…見下されていた「農民」たちが生き残ると断言できる理由(現代ビジネス 2024年2月21日)
2/21(水) 7:03配信

新NISA制度がスタートし、アメリカ株のインデックスファンドに人気が集まっている。だが、その投資スタイルにも死角はある。経済アナリストの森永卓郎氏と東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏の対談書『国民は知らない「食料危機」と「不適切な関係』から一部を抜粋・再編集してお届けする。 


※「暗黒の木曜日」で株価は10分の1に

森永卓郎(以下、森永) 1929年の10月24日、ニューヨーク株式取引所で空前の大暴落が発生しました。いわゆる「暗黒の木曜日」です。

ただ、株価の下落はその後も続き、底値に達したのは1932年の7月です。3年弱でダウ平均株価は約10分の1になった。

「それは昔の話。いまそんなことが起こるわけない」と金融業界の人たちは言いますが、果たしてそうでしょうか。

つい数年前まで、メディアは「これからはBRICsの時代だ」と宣伝していました。BRICsとはブラジル・ロシア・インド・チャイナ・サウスアフリカの頭文字ですが、その話に乗ってロシアファンドを買った人がたくさんいました。

いまどうなったでしょうか。ウクライナ戦争の影響で10分の1に値下がりしてしまいました。投資の世界ではこういうことも十分あり得るんです。

一生懸命貯蓄したお金が10分の1になったら大変です。

鈴木宣弘(以下、鈴木) これまで収奪的に儲けてきた人たちが、次のバブル崩壊で痛手をこうむるということですか。

森永 エコノミストもそうですけど、体制に従っていた人って、構造転換の時期には弱いんです。いままでの流れでしか物事を見ていないから。

でも一歩引いて見ると、世界経済が追い詰められているのは間違いないわけです。なのにどうして気づかないんだろうと思いますが。


バブルはいずれはじける

森永 たしかにこれまでは投資をやっていれば儲かりました。厚切りジェイソンさんの『ジェイソン流お金の増やし方』という本が2022年の経済書ベストセラーでしたが、私は2回か3回くらい彼と話したことがあるんです。

アメリカ株全体を買うインデックスファンドがあるんですが、余ったお金はすべてそれに投資すべきと言っていました。それでも平均で年6%ものリターンがあると。

私は、いずれバブルがはじけますよと言ったんですが、彼は、「いいじゃないですか。下がったら、同じお金でもっとたくさん株を買えるチャンスです。バブルがはじける心配ばかりしていると、いつまで経っても株を買えませんよ」と。

ただ、安いときに買って高いときに売るのは投資の大原則です。だからいまのバカ高い相場には手を出せないと思います。

とくにそう思うのは不動産。東京23区の新築マンション価格はいまや平均で約1億3000万、首都圏全体でも約9000万です。男性の生涯賃金が2億2000万、女性が1億6000万ですから、1億3000万のマンションなんて買えるはずがない。この異常さに気づかないのは、単に感覚が麻痺しているだけだと思います。


必ず上がると信じて「FIRE」を目指した人の末路…森永卓郎が勧める「バブル崩壊に強い資産」が「農地」である「納得の理由」

暴落で焼かれて丸焦げになってしまう

森永 いま「FIRE(ファイア)」という、早期引退して、投資のリターンで左うちわで暮らすのを目指す若者が増えているんですが、私はずっと呆れているんですよ。お前らいい加減にせえよと。

だってこれからエブリシング・バブルが崩壊するんですよ。投資のリターンで左うちわどころか、資産が10分の1になるかもしれないのに、よくFIREなんて目指すよなと。それこそ暴落で焼かれて丸焦げになってしまう。そういう意味のFIREならまだわかりますが(笑)。

鈴木 いまはバブル経済が崩壊する寸前ということですよね。その後は森永先生が実践されているような、より農業を重視する社会に変わってくるでしょう。持続可能で豊かな生き方をしていかないと、地球環境も資本主義ももう持たない。

森永 バブルが崩壊すると、世界からお金が消えてしまう。だから資産をお金として持っている人は危ない。経済評論家の三橋貴明さんは、講演会で「いま、何に投資をしたらいいですか?」と聞かれ、「農地」と答えたそうです。

実際、彼は長野県の飯田市に土地を買って、将来はそこで農業をはじめるそうです。

よく農業委員会を通りましたねと言ったら、農地として買ったわけじゃないので大丈夫なんだそうです。彼はたくさんお金を持っているから買えるんです。

投資商品を買うより、農地を持っているほうが安全です。飢え死にしませんからね。

政府はNISAを拡充して「貯蓄から投資へ」と言っていますが、それに安易に乗っかるとひどい目に遭うと思います。


田舎なら1000万円で買える

森永 田舎に行くと、家と畑と山がセットで1000万円以下くらいで買えるんですよ。山なしだと、100坪ぐらいの家が500万円しない価格で売りに出ている。

だから住宅ローンを組む必要さえないんですよ。真面目に貯金すれば、500万ぐらいは貯められるでしょう。

先述した三橋さんの言う「農地を買え」という投資法も、それなりに正しいんじゃないかと思います。

うちは農地を持っておらず、借りています。一応買おうとしたんですが、本物の農地は農業委員会の壁があって買えなかったんです。

ただこの前、長崎在住の女性から、「やる気になれば買えるのよ」と教えてもらいましたけど。「農業委員会にダメって言われても、乗り込みなさい」と(笑)。その人はそうやって農地を買ったそうなんです。

「マイクロ農業」に広い畑はいらない。先に触れたように日当たりが良ければ30坪もあれば十分。だからわざわざ農地を買う必要もない。しかもうちの近所だと1500万円もあれば住宅地を買えるんです。

鈴木 三橋さんは、「鈴木さんのお話を聞いて、自分でもやろうと思った」とおっしゃってました。

森永 じゃあ、三橋さんに指南したのは鈴木先生だったんですね(笑)。



・「日本は、不況に突入する中で日経平均は史上最高値を更新しようとしている」という記事

2024年2月15日 NOFIA

https://nofia.net/?p=18150


・日本は不況に突入する中、日経平均は史上最高値を更新しようとしている

zerohedge.com 2024/02/15

Japan Enters Recession With Nikkei About To Hit All Time High

※経済と株式市場の間には何のつながりもないという、最も明確で簡潔な証拠が必要な人がいるとすれば、日経平均株価がコロナ禍の安値から 2倍以上になり、1989年の終わりに記録した史上最高のバブルを破ろうとしている日本以外に探す必要はない。

実際、10年前に記録した世代安値から、日本経済が3度不況に陥ったにもかかわらず、日経平均はほぼ 4倍になった。



いずれにせよ、経済が明らかに重要でない世界では中央銀行だけが重要であることを確認し、少し前に日本政府は、日本経済が2023年末の第2四半期に「予想外に」縮小し、景気後退に陥り、日銀のマイナス金利政策の終了に向けた道筋を大きく曇らせたと報告した。

日本のGDPは、家計と企業の双方が支出を削減したため、前四半期の 3.3%の縮小に続き、昨年末の3カ月間で年率換算で 0.4%のペースで縮小した。エコノミストたちは 1.1%の経済拡大を予想していた。

ブルームバーグによると、日本経済が昨年、ドルベースで GDP世界第4位に転落したことも確認した。ドイツも景気後退に陥っており、現時点では縮小していないふりをして、ドイツは今や世界第3位の経済大国となった。

愉快なことに、この目覚ましい失敗と縮小へのスライドは、日銀が 2007年以来の利上げを実施するケースを「複雑化」させるだろうが、先月調査したほとんどのエコノミストたちは、日銀が 4月までに利上げを行うと予測していたが、明らかに実行しないだろう。

日銀の政策委員会は最近、サブゼロ金利政策からの脱却をめぐる議論を活発化させ、利上げが急激な政策転換のシグナルではないことを市場に保証しようとしている。

笑えるのは、日銀が利上げをしないということではなく、終わりのない量的緩和、株式 ETF の購入にもかかわらず、日本は過去 10年間に 3回の景気後退を経験していることだ。

もちろん、景気後退は株式市場にとっては重要ではない。中央銀行とは何か、そして日銀は同じ 10年間で数兆ドルを注入したので、まあ…だからこそ、今の株価はある。

国内消費は押しつぶされており、個人消費が 0.2%ポイント減少し、家計が生活費の上昇に苦しむ中、家計が家計を逼迫させるなど、国内活動は依然として貧血状態にあることが示されている。さらに悪いことに、12月の家計支出は前年同月比 2.5%減と 10カ月連続で減少したが、これは賃金上昇がインフレに遅れをとっているためだ。

日銀が利上げをしない限り、経済をさらに深い収縮に追い込み、債券市場の危機を引き起こし、円は急落を続け、暴走するインフレはハイパーインフレに変わるため、日銀は完全に追いつめられている。

実際、日本に唯一求められるのは、ハイパーインフレが徐々に定着していく中で、何もしない漫画的で無能な日本政府と中央銀行に対して革命を起こすにしても、国民が高齢化しすぎていて、おむつが欠かせなくなっていることだ。



・日本株は誰がなんと言おうと、やっぱり暴落する コロナ後の「バブルのおかわり」は3回で終了だ(東洋経済オンライン 2024年2月24日)

小幡 績

※「小幡の言うことはめちゃくちゃだ」

ほとんどの人はそう思っているようだが、私はまったく違うと思っている。それどころか、私の観察結果はつねに同じで、すべての現象が私の仮説を裏付けるものばかりだ。


「株式市場はバブルの真っただ中」にある

「あのねえ、それを行動経済学では『確証バイアス』(自分の思い込みや願望を肯定する情報に注目し、否定する趣旨の情報を軽視しやすくなる心理)と言うんだよ、小幡くん」と言わそうだが、とんでもない。
客観的には、この数年の株式市場で起きている現象はすべて、ただ1つの事実を指し示している。「現在、株式市場はバブルの真っただ中だ」と。

私は2月17日土曜日の朝に、株価の見通しについて議論するテレビ番組に出席したが、プロフェッショナル2人を差し置いて、私の株価予想が一番高く、「3月8日までに日経平均株価4万円を必ず突破する」「1989年につけた過去の最高値3万8915円は、2月19日の月曜日にでもすぐ突破するか、あるいはその週の22日までには必ず突破する。もし突破すればその勢いで4万円も必ず突破する」などとコメントした。

一方、2月21日水曜日の朝7時過ぎのラジオ番組では、一転して「明日は大暴落するかもしれない」と発言した。

そもそも「明日大暴落する」などと軽々に発言する人は、小幡しかこの世にいないわけで、それだけですでにクレージーであるが、「4万円は必ず行く」と言ったその4日後に「大暴落する」と正反対のことを言い切ってしまうのだから、どうかしている。そして、その断言は見事に外れ、いやそれどころかまさに正反対、22日の日経平均は前日比836円もの大幅上昇となり、日経平均3万8915円の史上最高値をあっさり更新してしまった。

しかし、だからこそ、私は「まごうことなきバブルであり、ほぼ頂点にある」という私の仮説に対するエビデンス(証拠)が次々にそろい続けていると思うのだ。

なぜか。


株がバブルであるという「5つの証拠」

第1に、乱高下を繰り返している。バブルの頂点付近であるからこそ、乱高下し、急騰し急落し、それを繰り返しながら最後に大暴騰するのだ。まさにバブルの頂点に典型的な動きを毎日続けている。

第2に、上がり方が急激である。わずか数十分で日経平均が簡単に200円以上も上がることさえある。バブルの頂点では、最後に急激に上がる。そして、崩壊するのである。最後はスピード違反が起きて、暴走し、それで崩壊するのだ。1月からスピード違反を続けているが、今、最後にとことん違反をして暴走し、クラッシュしようとしている。

第3に、取引高が急増している。バブルのピークでは売り買いが交錯し、また乱高下を利用して、トレーダーたちはとにかく売買を繰り返す。乱高下で値幅が大きくなったことを最大限活用し、荒く稼ごうとする。

第4に、先物主導である。さらにTOPIX(東証株価指数)ではなく、日経225先物に偏った動きである。「半導体株が主導している相場だから」と説明されるが、日経225先物が主導で、例えば19日の週は午前中に何度も3万8915円に挑むような動きをつくり、それに誰も乗ってこなくて、その後は失速し下げる、ということを繰り返していた。

2月22日の史上最高値更新も先物主導で上がっていき、午後に最高値付近で現物も張り付いて、高値を続けている。先物主導、日経225主導(TOPIXでなく)というのは、まさに投機的な動きのパターンである。

第5に、史上最高値更新だけが焦点になっている。株価のファンダメンタルズと無関係なことだけが注目されている。そして、実際、先物の動きがすべて従来の最高値3万8915円を中心に動いた。そこがターゲットになり、そこに近づける仕掛けがあり、そこから引き潮があり、翌日、また3万8915円にチャレンジする。

そして、22日にも何度も3万8915円を意識し、最後に突破してからは一気に上げる。つまり、理屈抜きに、史上最高値更新か否かだけが焦点になってせめぎ合いが行われた。これはバブル以外の何物でもない。

解説を加えると、バブル末期には動きは激しくなる。まともな投資家、長期の投資家は、ここが売りタイミングかどうかは思案するが、売り切っておしまいである。買い戻すことはないし、ポートフォリオの入れ替えすらしない。じっと様子見するか、売る株数をじっくり判断するだけである。

つまり、大量に売買しているのは、短期トレーダーと投機家である。そして、異常に強気な短期投資家である。最後に、浮ついた個人である。すなわち、絶対的な株価水準などまったく気にしない取引者だけが残っているのである。あとは、異常に強気という誤った投資家と、狂った投資家だけである。

だから、まともな投資家は売るべきものは売りつくしている。売り手は存在せず、狂った買い手だけである。それゆえ株価は異常に高い水準であり、異常なスピードで上がっているときほど、ますます、とことん上がる。バブル崩壊直前の、断末魔ではなく、狂喜の叫びである。

だから、取引量も膨らむ。同じトレーダーがとことん繰り返し仕掛けて、売買し続けているのである。今はプログラムが大半だが、プログラム同士の仕掛け合い、せめぎ合い、だまし合いが行われているのである。


皆が「ゲームの『降り時』」を見計らっている

こういうゲームで重要なのは「降り時」である。いつ、このバブルゲームから撤退するか、というタイミングだけだ。

タイミングの根拠は、ほかのトレーダーの動きだけである。多数派の動きに同調し、その流れに乗って、かつ利用して儲ける。モメンタム(勢い)がついているときはとことんついていく。しかし、モメンタムが失われる前に、逃げ遅れないように、ほかのトレーダーより一瞬先に降りる。そのタイミングを計っている。

そうなると、株価が企業収益対比で割高か否かなどは関係ない。雰囲気に尽きる。

また、同時に、日柄(経過日数)が重要である。どのくらいの期間、熱狂が続いてきたか。これは、ある意味、体力、気力が持続する間の勝負だから、みな疲れてくる。そろそろ手じまいして、利益が熱いうちに降りたいと思い始める。しかし、とことん儲けたくもあるから、最後まで残っていたいことはいたい。しかし、疲れてきたら、そろそろ、ということである。

2月19~21日の3日間はそろそろ疲れが見えてきたのであり、世界中のトレーダーが注視しているアメリカの画像処理半導体最大手エヌビディアの決算発表(日本時間22日午前6時過ぎ)を待って、小休止していたのである。

私が、前出のように暴落すると考えたのは、この決算が予想を下回れば、当然いままで一気に上げてきたために、その反動が必然的に生じるからだ。この場合、決算が悪いということはありえない。期待が高すぎて、予想水準がかなり高く、良い決算だったが、高すぎる期待を上回ることはできなかった、という可能性だけがあった。

一方、たとえ予想を上回っても、いわゆる好材料出尽くしとなる。つまり、好決算を待ち構えていて、実際に好決算だったら、よし、好決算で暴騰するに違いない今こそ売り時だ、絶好の売りタイミングだ、となって、みんな売ろうとする、というのが典型的なパターンである。

絶好の売りタイミングのはずが、全員が売れば、それは誰もうまく売ることができず、一斉の売り、つまり、暴落となる。私は、このどちらかのシナリオになると予想した。

この予想は、これ以上ないというくらい外れた。それは、エヌビディアの決算が、私のような思考をして、売ろうと待ち構えていた投資家たちの予想をさらに超える好決算だったからだ。

となると、「よっしゃ、もうひとヤマ」ということになる。バブルのピークにさらに、もう1つ最後のヤマ(あるいは山)が加わったのである。せっかく儲かるのに、ここでパーティーをしない理由はない。「一気に盛り上げろ―!」ということになる。

これはエヌビディアバブルのほうの話で、日経平均バブルのほうとして、「待ってました! 最後の3万8915円の突破エンジン、ターボジェット噴射の支援が届いたんだから、一気にイケ―――!」ということになったのである。


「3回目のアンコール」後、幕が下りるのはいつなのか

つまり、世界株式市場は、完全にバブル崩壊になったはずのコロナショックから、「おまけバブル」が3回もあった。

すなわち、コロナ支援金バブルという「おまけバブルその1」、アメリカの中央銀行であるFEDの利下げを勝手に期待する、金融政策プットオプションバブルという「おまけバブルその2」、そしてAI(人工知能)、半導体バブル、あるいは「マグニフィセント6」(7と言われているが、テスラを除くので6)バブル、あるいは直接的にはエヌビディアバブルという「おまけバブルその3」である。

つまり「バブルのおかわり」を要求する投資家たちに応えた、バブルのアンコールを3回も繰り返した。コンサートではアンコールは2回まで、例外があるとしても3回までだ。4回目はない。ありえないと思われたこの3回目のアンコールのあと、幕は下りるのである。

私はサブシナリオとして、早ければ週明けの26日の月曜日は材料出尽くしで暴落が来る可能性が若干あるとみているが、メインシナリオはこの勢いで26日以降、早々と4万円台を突破し、その後、乱高下を続け、3月8日のいわゆるメジャーSQ(先物とオプション取引が同時に清算を迎える日)、この日に最後の幕が下りると考える。つまり、大暴落が起きる、ということである。

この2つのシナリオ(おそらく26日暴落説はすぐにまた外れることが判明するだろうが)が短期的に実現するかどうかよりも、私にとって重要なのは、これがバブルであり(それは間違いのない事実であるが)、しかもそれがまさに頂点に達しているという仮説が正しいかどうか、である。

バブルの頂点がいつかというのは、見かけ以上に難しく、ほとんど誰も当てることができない。あのアイザック・ニュートン(1642~1727)でさえも、欧州を中心に起きた「南海泡沫バブル」(まさにバブルバブルだ)で失敗した。

簡単に言えば、「もうバブルのピークだ」と自信をもって売って大儲けしたあと、さらにバブルが続き、売ってから約2倍になってしまったので、後悔して買い戻したが、そこが実際のピークで、買い戻した瞬間にバブルが崩壊したのである。これがまさに典型的なバブルである。

ということは、賢明な読者はお気づきと思うが、いちばん可能性の高いシナリオは、小幡が降参して、「バブルは当分崩壊しない」という記事を「東洋経済オンライン」などに書いた直後に暴落する、というものだ。”Stay tuned”.(乞うご期待)。