・イベルメクチンについて

おおきな木ホームクリニック

2023年6月20日

https://note.com/okinaki33/n/n3c4e26920b64

※イベルメクチンは今回のコロナ騒動でかなり注目されましたね。
個人輸入されている人も多くいるかと思います。
コロナ治療だとか、感染予防だとか、コロナ後遺症、ワクチン後遺症に活用している方は多いかと思います。
(後遺症関連では効果が限定的とも言われていますが…)

自分も当初は念のため、ストロメクトールという商品名のイベルメクチンを仕入れておきました。
新型コロナウイルスという、ひょっとしたら人工ウイルスかもしれない得体の知れないものに対抗する手段として、用意できるものは用意しておこうと。

そしてイベルメクチンは副作用も少なく安全性が高いと言われていました。
診療でよく使われている先生方の現場の生の声でもそのような感想でした。

でもなぜか自分にはビビビと来なかったんですね…。
勉強不足とか使い慣れていないからというのもあるかもしれませんが。
ビビビというと、ちっとも科学的ではないしいい加減すぎるのですが、正直な表現です。
販売元が悪名高いメルク社の日本企業であるMSDというのも引っかかっていましたし。
あのメルク社が人類に本当に役立つ薬を製造するのは不自然だという思いは心の奥底にずっとありました。

科学的ではないと書きましたが、以前に中四国地方の有志医師の会の先生から、イベルメクチンがテロメアやテロメラーゼという酵素に影響が出るかもしれない(=生殖細胞や寿命に影響が出るかもしれない)という考察も伺っていたので、それもあってより慎重になっていました。

コロナに感染したときとか、濃厚接触してしまったときなど単発で使う分にはいいのではないかとは思っていました。
実際に自分も最初の頃に、2~3回くらいは内服しています。
そのあとは濃厚接触しても予防的内服などはしていませんが。
患者さんなどにも勧めてはいませんでした。

イベルメクチンが効果あるかないかについてはいろんな発表があり、正直どれが信用できるのかわかりませんよね。
恣意的に結果を出すことは可能ですから。

先日もこんなニュースが報道されていました。


・イベルメクチン 新型コロナ患者に投与も効果みられず 北里大(NHK NEWS web 2023年5月24日)

※寄生虫が原因で失明などが引き起こされる感染症の特効薬「イベルメクチン」について、新型コロナ患者に投与しても効果がみられなかったとする結果を、治験を進めていた北里大学病院などのグループが発表しました。

治験は北里大学病院などのグループが行い、今月22日、海外の医学雑誌に結果をまとめた論文を発表しました。

それによりますと、治験は2020年8月からおととし10月まで新型コロナに感染した20歳以上の中等症までの患者248人を対象に行われ、イベルメクチンを1回服用するグループと偽の薬を服用するグループに分けて、患者も医師もどちらが投与されているか分からない方法でPCR検査で陰性となるまでの期間を比較しました。

その結果、いずれのグループでも14日前後で陰性となり、陰性となるまでの時間に差はなく、イベルメクチンの投与で時間を短縮する効果はなかったと結論づけています。

イベルメクチンは、ノーベル生理学・医学賞を受賞した北里大学の大村智特別栄誉教授の研究を元に開発された、寄生虫によって失明やリンパ管の腫れが引き起こされる病気の特効薬で、新型コロナへの効果があるか各国で研究が進められましたが、去年9月、製薬会社の「興和」も新型コロナ患者に投与しても、有効性がみられなかったとする治験の結果を発表していました。


北里大自体がこんな発表をしたことにびっくりしましたが、何か裏の事情があるのか?とかうがった見方をする癖がついてしまっているので、「へぇ~」くらいにしかとらえていません。

ただSNS上では、長尾先生の件で小説家とかあの界隈がまた沸いていたようです。
イベルメクチンの件で医者を辞めると言っていたとか言っていないとか。
辞めるとか辞めないとかどうだっていいし、ほうっておけばいいのに。
ほんとくだらん。
(あっちなみに別にどっちの肩も持っていません)

そんなとき、一通のメールをいただきました。

ワクチン未接種の80代の男性が、ヤコブ病と診断されたとのこと。
どれくらいの頻度でかはわからないですが、イベルメクチンを自分で取り寄せて飲んでいたとのこと。

ワクチンでヤコブ病になるという話は聞きますが、イベルメクチンが関係した?

メールをくれた方は、あるブログも紹介してくれました。

プリオン病とイベルメクチン

このブログの作者の正体は不明ですが、DNA解析もできるくらいのしっかりした知識のある方だと思われます。
引用元や文献もしっかりと注釈で紹介していますのでかなり信用できる情報です。
専門的な用語もあって難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、イベルメクチンをずっと飲み続けている方はぜひがんばって読んでください。
自分のことですから。

このブログで、
「イベルメクチンがプリオン病をはじめとする神経疾患を誘発する可能性が2016年に指摘されている」
ことが紹介されています。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7043318/

上記ページの「P-063」という部分です(英語です)。

ここには、
「GABA受容体を刺激するイベルメクチンは、神経の過分極を引き起こす。微量の濃度で長期間投与すると、脳幹や小脳に空胞やプラークを形成し、視神経や坐骨神経に損傷を与えるなど、神経変性が起こる。」
と書かれているんですね。

そしてこんな警告も書かれています。
「コロナやワクチン後遺症の治療にやたらとイベルメクチンを処方するとスパイク蛋白のプリオノイド活性の発現を助長する可能性が危惧されます。」
(プリオノイド=プリオン様蛋白質)

このブログには新型コロナワクチン接種によってヤコブ病になりやすくなる機序も説明されていますが、ワクチン接種後の後遺症や、後遺症予防のためにとイベルメクチンをせっせと飲むことは、逆にヤコブ病になる後押しをしてしまうことになりかねません。

ワクチン後遺症に効くからと、何でもかんでもイベルメクチンを推奨するのは危険かもしれません。
(それこそ上記にあげた辞める辞めないと言っていた先生のように…。その医師はワクチン接種後にヤコブ病が多いことも結構指摘していましたけど、ひょっとしたら自分が猛烈にプッシュしていたイベルメクチンで発症させていた可能性も否定できません)

「ワクチン+イベルメクチン」の組み合わせは最悪かもしれません。

もちろん上記のことがどのくらいの頻度で起こるとか、かなり起こりやすいことなのか何もわかりません。
しかしそういう機序があるのは確からしいです。

上記で紹介した英語の文献にもノディング症候群(うなずき病、うなずき症候群)の例を挙げながら、最後にこう書いています。
「このような関係を無視することなく、早急に実験的な研究を行う必要がある。」

イベルメクチンは歴史のある薬です。
しかしずっと飲み続けることによって、その後の出生率や寿命、神経疾患の罹患率などに影響が出ないかどうかについての知見はあるのでしょうか。
短期的な副作用ではなく、何年、何十年レベルで本当に人体に影響がないのか、遺伝子的に影響がないのかわかりません。

結局は「薬」です。
ビタミンやミネラルなどを補充するのとは訳が違います。
薬はうまく使えば役に立つこともあります。
しかし漫然と飲むのは自分はおすすめできません。

正直コロナが弱毒化している今、イベルメクチンを飲まなくても対処できることがほとんどです。
例えばコロナにかかってイベルメクチンを飲んで1日で解熱したとしても、イベルメクチンが効いたのか効いていないのかよくわかりません。
イベルメクチンを飲んでいなくても1日で改善したケースはたくさん聞いています。
頻度が超少ないかもしれないけど、ヤコブ病や神経疾患にになるかもしれないイベルメクチンを飲むよりは、今だったら他の方法でコロナ対策したほうがいいです。
致死率が高いとか重症化率が高いとか、あるいはそういうのが未知の場合だったらイベルメクチンのメリットの方が大きいかもしれませんが。

ちなみに日本版イベルメクチンである「ストロメクトール」の添付文書にはこんなことが書かれています。

「意識障害があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。」

https://www.maruho.co.jp/medical/pdf/products/stromectol/stromectol_te.pdf

2021年10月に添付文書が改訂され追記された文言ではありますが、わざわざ下線まで引っ張って強調されています。

ブログやテレビなどでイベルメクチン激推ししていた医師は、ちゃんと患者さんにそこんとこ説明していたのでしょうか。
(さすがにしつこいね)

意識障害が原因で起きたであろう不可解な事故などのニュースが頻発すると正直「ワクチンじゃね?」と思ってしまいます。
もちろんすべてがすべてワクチンが原因ではないでしょうけど。
でもすべてがすべてワクチン後遺症と疑ってしまうのが心情。
しかしひょっとしたらその中にはイベルメクチン後遺症も含まれているのかもしれません。
ワクチン接種後のヤコブ病の中にもひょっとしたらイベルメクチンが主原因だったケースもあるかもしれません。
(もはやここまで来ると犯人はわかりませんが)

患者さんのためにと思っていたことが実は逆だったという「罠」がここにもあったかもしれないという話でした。

自分の価値観としてはイベルメクチンを漫然と飲むのはおすすめしませんが、もちろん問題ない可能性だってあります。
人からの情報を鵜呑みにせず、自分で考えて判断してください。

先日書いたピロリ菌のように、医者の大多数はピロリ菌を除菌することが正義だと思って、患者さんのためと思って除菌しまくってしまっています。
あるいはコレステロールを下げることが患者さんのため、血圧を下げることが患者さんのためと思って、ガンガン治療してしまいます。
これは単純に医者が洗脳されており、自分で勉強していないから起こることでありますが、「患者さんのため」と悪気なくやっているからたちが悪い。
ワクチンもそうですね。
「患者さんのため」と思って勧めてくるからたちが悪い。

ただ今回のイベルメクチンはもっとたちが悪いです。
たいてい、ワクチンに疑問を持っている人がイベルメクチンを推奨していたりします。
圧倒的少数派であるこっち側(ワクチン慎重派。本当の医療を実践している人たち)、つまり味方がイベルメクチンが良いという。
「おぉ、イベルメクチンこそ本物の薬だ」
とより深く信じてしまうことになります。
本物(だと思っている)の医師たちがイベルメクチンを推奨している。
推奨派にやいのやいの言われながらもそれにめげずに情報発信している。
こうなったら盲目的にイベルメクチンを信じてしまいますね。

でも実はそれが落とし穴だったかもしれないのです。

何度も言いますが、あくまでこれは自分の考えです。
いろいろ書きましたが、イベルメクチンはずっと飲んでいても長期的な副作用も全く気にすることがない薬かもしれません。
ただここまで書いてきたような懸念があることも事実です。



・プリオン病とイベルメクチン

mbi

2022年11月19日

https://note.com/mbi/n/nac58db357818

※最近は牛肉が安くなりました。牛肉が安くなったのはオーストラリアやアメリカの牛肉が入ってきたせいでしょう。それに対抗して国産肉も手が出る値段になってきたように思います。

輸入肉が手に入るのはひところメディアが煽っていた狂牛病の報道を全くしなくなったせいでしょう。メディアが煽って狂牛病パニックを作ったという点では今回のコロナ騒ぎと似ています。

危険部位を除去した牛肉を食べてプリオン病になる確率は200兆分の1なのに、それでもメディアはよろめいて歩く牛の映像を繰り返し流して恐怖を煽りました。


狂牛病はプリオンという蛋白質によっておきます。ヒトのプリオンは209個のアミノ酸からなる蛋白質で生体に普通に存在している蛋白質ですが、異常な立体構造をもつ変性型のプリオンができると、これが次々に正常型のプリオンを異常型に変えるゾンビのような蛋白質です。

異常型になったプリオンは凝集体を作り脳の神経細胞に蓄積し細胞を殺します。かくして脳はスポンジ様になり死に至ります。

このような性質を持つ蛋白質はプリオンだけではありません。生体の中には多くのプリオン様蛋白質があることが知られています。これを「プリオノイド」と呼びます。

プリオノイドはGxxxGという特徴的なアミノ酸配列のモチーフを持っています。Gはグリシンというアミノ酸です。グリシンの間に3つのアミノ酸が挟まったモチーフです。

プリオノイドの中にはアルツハイマー病のβアミロイドやタウ蛋白、パーキンソン病のαシヌクレイン、ALS(筋萎縮性側索硬化症)のSOD1などが含まれます。これらの神経疾患がプリオノイドによる神経細胞の死滅により発症する仮説が提唱されています。

コロナのスパイク蛋白質にはプリオノイドモチーフが5つも含まれているのです。さらに、ワクチンでは抗体ができやすいように人為的に変異が加えられておりプリオノイド活性を助長すると考えられます。

変異スパイク蛋白質が迷走神経を通り脳に到達し、脳内にあるプリオノイドの立体構造を変えて凝集体を作れば脳細胞は死滅するでしょう。コロナワクチン接種者はスポンジ脳になるかもしれないのです。ワクチン接種してから狂牛病の人間版のクロイツフェルト・ヤコブ病が増えています 。

ペニシリンは抗生物質の歴史において最初にして最大の発見と言えます。1928年にイギリスのフレミングによって発見され第二次大戦中に多くのけが人を感染症から救いました。ペニシリンは細菌の細胞壁の合成を阻害します。細胞壁は人の細胞にはありませんから、毒性を示さずに細菌のみを殺すことができるのです。

イベルメクチンはマクロライドという構造をもつ抗生物質です。フィラリア、シラミ、回虫などの寄生虫の神経に麻痺を起こして死滅させます、

寄生虫の除去に40年以上使われてきたイベルメクチンは数年の経験値しかない遺伝子ワクチンに比較すれば安全性は高いと思われます。

ところが、イベルメクチンがプリオン病をはじめとする神経疾患を誘発する可能性が2016年に指摘されています。

神経はヒトでも虫でも存在しますから多かれ少なかれイベルメクチンの神経毒はヒトでも現れることもありえます。

イベルメクチンはGABA受容体を刺激し、神経の過分極を引き起こし、微量でも長期間投与すると、脳幹や小脳に空胞やプラーク形成という形で神経変性を引き起こし、視神経や坐骨神経にも障害を与えます。

リンパ液中のプリオンは正常な末梢神経系には移動しませんが、神経細胞がイベルメクチンによって損傷を受けた場合にはそれが可能になるそうです。イベルメクチンは異常プリオンタンパクの重合反応を促進する可能性も指摘されています。

南スーダンやウガンダで流行したノディング症候群は子どもの脳や神経系を侵す謎の病気ですが、寄生虫病である河川盲目症に用いられたイベルメクチンによるGABA受容体への作用によって誘発された可能性が示唆されています。

コロナやワクチン後遺症の治療にやたらとイベルメクチンを処方するとスパイク蛋白のプリオノイド活性の発現を助長する可能性が危惧されます。医者は何かというと薬で解決しようとしますが薬やサプリは必要がなければ使わないに越したことはないのです。



・イベルメクチンについての補足

おおきな木ホームクリニック

2023年6月27日

https://note.com/okinaki33/n/ncca6dc44417b

※先日イベルメクチンのことについてブログを書きました。
一部ではちょっと?話題になっているみたいですね。
予想はされたことですが。
それでもまた書くというアホなことをやってのけます。

繰り返しますが、自分は単発で飲む分にはいいと思っています。
しかし「長期的に漫然と内服すること」に疑問を呈しているのです。

ヤコブとかプリオンとか衝撃的なワードを出してしまったからインパクトが強くなってしましましたが、ヤコブじゃなくたっていいです。
一般的に「薬の副作用」として考えてみてください。

日本版イベルメクチンである「ストロメクトール」の添付文書を読みましたか?



1回もしくは2回内服です。
臨床試験も当然その用法・用量でおこなわれています。

イベルメクチンは確かに安全性が高い薬だと思います。
上記の用法用量以上に内服していても、ほとんどの人がまず何も起きていないでしょう。

新型コロナに対する効果に関しても、海外などで多くの効果ありという研究結果があることは当然知っています。

ですから、濃厚接触者になってしまった場合や、新型コロナの治療に対して「単発で」内服する分には自分は問題ないと思っています。

ただし、予防目的で週2回内服するような使い方はどうかと思うのです。
あるいは後遺症治療で漫然と飲み続けるのはどうかと思うのです。

イベルメクチンを信じ切っている方に聞きたいのですが、そのような使い方での長期的な安全性のデータはあるのですか?

こともあろうか、花木秀明先生も、ツイッターで
「もしそうなら、アフリカ人やインド人にはプリオン病が多発してますね。」
とコメントしています。
アフリカの人って、年1~2回の内服ですよね。

自分は長期的に頻繁に漫然と飲むことについてどうなんでしょ、と言いたいのです。

ワクチンだって長期的な副作用が不明だから拒否した人もいるのではないですか?
(もちろんそんなこと考えずとももともと悪いものってわかりきっていましたけど)
周囲の人にも長期的な安全性がわからないよ、といって説得したりしませんでしたか?

それと同じことです。

週2回飲む方法(添付文書にもない新しい飲み方です)で、5年後、10年後に特定の疾患にかかりやすくなるのかとか、あるいは、もっと長期的に死亡率に差が出るのかとか、そのようなデータは存在するのでしょうか?

新型コロナ騒動が始まってからでしょうから、長く飲んでいる人でも2~3年でしょうか。
その先のことは誰にもわからないはずです。

自分で飲む分にはそれは自己責任ですからどうでもいいことです。
ただし、イベルメクチンを人に押しつけるとか、イベルメクチンに疑問を持っている人を攻撃するとか、そういうことはやめた方がいいです。
あっ、自分があのブログを書いて直接的に何か攻撃されたとかはありません。いまのとこ。
SNSでどう噂されているのか知りませんけど。

ただイベルメクチンにちょっとでも疑問を呈する発言をすると、あまりにも攻撃的なレスポンスがあったりするようですね。
あまりにも過激です。
「あいつは結局向こう側の人間だったのだ」とか「イベルメクチンが普及するのが都合悪いんだ」とか勝手な妄想をしたりします。
ツイッターなんかではすごい応酬でしょうね。匿名だから。

「ワクチン反対」と「イベルメクチン礼賛」はなぜか親和性が高いんですね。
だから前回の様なブログを書くことは勇気がいりました。
ワクチン反対派はイベルメクチンに疑問を持ったらいけないのでしょうか。

「なんだ結局セキネはわかってないわ」
と思われた方も多くいるでしょう。
でも別にいいです。

本当にわかってないですから。
長期的に漫然と内服して安全かもしれないしそうじゃないかもしれない。
(このことは前回のブログにも書いています)

でも長期間内服で危険かもしれないと疑問を呈している人がいたことは確かです。
すべての可能性を捨て去り、自分に都合の良いことだけを取り入れるって、結局はワクチン推進派と同じことをしていることに気づかないのでしょうか。

正直な感想ですが、一部のイベルメクチン礼賛の人たちがイベルメクチンに疑問を呈する人に対して行っていることは、一部のワクチン推進派がワクチン反対派・慎重派を過激に攻撃していたそれとすごく似ている感じがするのです。
SNSとかのやりとりをみていると。
なぜイベルメクチンにそこまで固執するのでしょう。

安全性が高いといえど、化学物質のかたまりです。
神様がくれた奇跡の物質ではありません。

そしてストロメクトールの添付文書にはこのようにあります。



・高齢者に対する安全性は確立していない。
・妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験で催奇形性が認められている。
・体重15kg未満の小児に対する安全性は確立していない。〔使用経験が限られている。〕

動物実験で催奇形性が認められているのに、まさか妊婦さんに勧めた人いないですよね?
一応FLCCCのプロトコルには注記として書かれてはいますが。
https://covid19criticalcare.com/wp-content/uploads/2021/03/FLCCC_Alliance-I-MASKplus-Protocol-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9EJapanese.pdf

妊娠可能な女性にはレントゲンと同じくらい十分気をつけて投与しないといけないのです。
(妊娠可能な年代の女性に対して、放射線を微量でも被曝するような画像検査の前には必ず妊娠の可能性がないか確認しますね)

ワクチンの添付文書に「催奇形性が認められた」なんて書いてあったら鬼の首を取ったかのように大騒ぎになるでしょう。
でもなぜイベルメクチンではだんまりなのでしょう。

これは余計かもしれませんが、添付文書にある薬効薬理を紹介します。



ちょっと難しいこと書いてありますけど、「これこれこういう機序で寄生虫が麻痺を起こし、死に至る。」ということが書かれています。
そして、
「このクラスの化合物が持つヒトでの安全域は、哺乳類ではグルタミン酸作動性Cl-チャンネルの存在が報告されていないこと、16)哺乳類の脳の特異的な結
合部位に対するイベルメクチンの親和性が線虫に比べ約100倍低いこと、17)またラット等の哺乳類ではアベルメクチン類が血液-脳関門を容易には通過す
ることができない18)、19)という事実から確保されているものと考えられる。」

と書かれています。
「血液-脳関門を容易には通過することができない」
と書かれてはいますが、認知症患者さんを始め、精神病薬に過敏に反応してしまう方など、血液脳関門が壊れているのではと思うケースはたくさんあります。
特に現代では増えているように感じます。

例えばこんな知見があります。
国立精神・神経医療研究センターのHPです。
持続的なストレスによって血液脳関門の機能が低下する新たなメカニズムを発見 ~うつ病などのストレス性精神疾患の新たな治療法の開発へ~

あるいはこんなのも。
アルツハイマー病では脂質担体が血液脳関門を破壊する

排気ガスや添加物など化学物質などいわゆる社会毒といわれるもので血液脳関門が弱くなっている現代人は多い気がします。
それこそ特に便利な世の中に住んでいる人たちは。

血液脳関門が壊れていれば薬剤が容易に脳に到達してしまうのは自明です。

それより何より、添付文書の薬理薬効の最後の文面が気になります。
「…という事実から確保されているものと考えられる。」
と書かれています。
「確保されている」と断定はしておらず、「考えられる」と濁していますね。

1回もしくは2回投与のストロメクトールの添付文書ですらこのような書き方なのです。
連日連用した場合はどうなのでしょうか。

もちろんそんなこと言っていたらどんな薬だって飲めないでしょう。
それに何十年という安全性のデータがある薬なんてほとんどないかもしれません。

今回問題提起したいのは、今までの用法用量を超えた内服方法を何でもかんでもみんなに勧めるのは良いのか?ということです。
今まであまり誰も経験したことのないような飲み方です。

何度も言いますが、自分はイベルメクチンを否定していません。
単回投与はありだと思っています。
それに新型コロナに対する新薬を飲むのであればイベルメクチンの方が断然ましです。
しかし連用することによる長期的安全性のデータがない使用方法はどうなのでしょうかと言いたいのです。

あまりにも「イベルメクチンが効く」だけがひとり歩きしてしまっていて、注意点がおろそかになってしまっています。

飲みたい人は自分の判断で自己責任でやれば良いし、それに同調しない人を攻撃したりするのではなく、それはそれで尊重すべきです。
「ワクチンを打たない」という個人の判断を尊重してくれと言っていたように。

イベルメクチンを飲む飲まないも任意です。
飲む人は自分でよく調べてから内服するようにしてください(特に長期的に飲む人)。



・しつこいけどまたイベルメクチン

おおきな木ホームクリニック

2023年6月28日

https://note.com/okinaki33/n/ncdfbd0cf51e1

※イベルメクチンについての投稿、第三弾です。
自分、かなりしつこいです。

今回はイベルメクチンについての論文を紹介したいと思います。

先に崎谷博征先生のイベルメクチンへの考え方についてご紹介したいと思います。
以下のブログの中盤くらいからあとに書かれています。

『新型コロナ関連の最新のエビデンス〜再検討シリーズ』

実はこれ、2022年2月に書かれたブログなんですね。
約1年半前にはすでに見抜いていたようです。

その崎谷先生がいくつか論文を紹介してくれています。

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・犬たちの脳神経系にダメージを与えて、失明、運動失調、抑うつ症、意識障害などを引き起こすことが報告されています。
Ivermectin and piperazine toxicoses in dogs and cats. Vet. Clin. N. Am. Small Anim. Pract. 1990;20:453–468
←全文は読めません。
「イベルメクチンとピペラジンはともにガンマアミノ酪酸(GABA)作動薬であり、その主な作用は中枢神経系にあるようである。」と書いてあり、やはり脳に作用しそうですね。

・ヒトでも痙攣、運動失調、意識障害などが副作用として報告されています。
Toxic Effects from Ivermectin Use Associated with Prevention and Treatment of COVID-19. N. Engl. J. Med. 2021;385:2197–219
←メディアでも、動物用のイベルメクチンを内服して副作用がたくさん出たなど報道されました。どの用量でどの副作用が出たかは不明です。

また崎谷先生は、なぜイベルメクチンは、ヒトやワンちゃんに脳神経障害を引き起こすのかについて、以下の論文を提示しています。

・近年になって、イベルメクチンは食細胞を過剰刺激して炎症を引き起こすことが報告されています。
Immunotoxicity induced by Ivermectin is associated with NF-κB signaling pathway on macrophages. Chemosphere. 2022;289:133087

・イベルメクチンは活性酸素を過剰産生することで、ミトコンドリア障害を引き起こすことが明らかになりました。
Ivermectin-Induced Apoptotic Cell Death in Human SH-SY5Y Cells Involves the Activation of Oxidative Stress and Mitochondrial Pathway and Akt/mTOR-Pathway-Mediated Autophagy. Antioxidants (Basel). 2022 May; 11(5): 908
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イベルメクチンに関する否定的な論文が出ると、
「イベルメクチンを使わせたくないからだ」
「本当に効果がある薬を使われると困るからだ」
と言う人もいますが(しかもかなり)、上記で紹介した論文の特に最後2つは、基礎系の内容となっています。

「コロナに効くかどうか」に関しての研究だったら簡単に結果をコントロールできますから、確かに上記の様な推測は成り立ちます。
被験者の背景(生活スタイルや食事、飲んでいるサプリ等)によっても変わってきますし、なんならひどいケースだと都合悪いデータは集計に入れなかったり、観察期間を勝手に短くしたりするケースもあります。
しかし基礎系の論文は、確かに不正を働くこともできますが、「イベルメクチンを使わせたくないために」という理由は考えにくいのではないでしょうか。
かなりマニアックな内容ですし、この論文がメディアに取り上げられたり一般の人に目につくことはまずないです。
この基礎研究が「イベルメクチンを使わせないようにさせる」大きな力にはなりません。

ちなみに最後の論文(Ivermectin-Induced Apoptotic Cell Death in Human SH-SY5Y Cells Involves the Activation of Oxidative Stress and Mitochondrial Pathway and Akt/mTOR-Pathway-Mediated Autophagy. Antioxidants (Basel).)には、
SH-SY5Yという研究に使うヒト由来の神経の細胞株を使った研究で、「用量依存的な細胞死を誘導できることが示された」と書かれています。
つまりイベルメクチンの用量が増えれば増えるほど神経毒性が出やすいということです。
また、「活性酸素の産生、ミトコンドリア機能障害、細胞アポトーシスを有意に促進した」とも書かれています。

そしてこんなことも書かれているんですね。
「N-アセチルシステイン処理は、SH-SY5Y細胞におけるIVM(イベルメクチン)誘発活性酸素産生および細胞死を有意に抑制した」

N-アセチルシステイン?
そう、「NAC」(=N-アセチルシステイン)というサプリを飲まれている方も多くいるかと思います。
体内でグルタチオンに変化するアレです。
これによってイベルメクチンの有害作用は減らせるかもしれないとのことです。
つまりは強力な抗酸化作用によって、イベルメクチンによって作られた活性酸素を除去するということでしょうか。

実は崎谷先生は2021年12月に出版された著書でも、イベルメクチンのことについて書かれています。


ハチミツ自然療法の最前線 ポスト総ワクチン接種時代の処方箋
上記本の、99ページの後ろのあたりくらいからです。

イベルメクチンは遺伝子が格納されている細胞の核内にタンパク質を運ぶ機能をストップさせることによって、抗ウイルス作用を発揮すると書かれています。
しかし、イベルメクチンのように核内にタンパク質を輸送するシステムをブロックすると、マウスの実験では卵巣や子宮が発達せず、保護ホルモンであるプロゲステロン産生量が著明に低下したこと、その結果、不妊および受精したとしても死産してしまうこと、卵子だけでなく精子にも悪影響を与えること、筋肉などの組織も萎縮したこと、脳神経の異常、奇形も発生したことなどが書かれています。
もちろんそれぞれ、根拠となる論文も巻末に提示されています。

なんだか、ワクチンや訳のわからない新薬を回避したとしても、イベルメクチンに頼ってしまったら結局人口削減につながってしまう。
相手の思うつぼ。
そんな風にも思えてしまいます。いわゆる陰謀論的には。

もちろんイベルメクチンで絶対不妊になるということではないですよ。
でも、前回のブログにも書いたように、添付文書にはハッキリと
・妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、動物実験で催奇形性が認められている。
と書かれてあります。

子どもを持ちたい方にとっては男女ともに、イベルメクチンは最後の手段にした方が良いような気がします。
あるいは血液脳関門が壊れている、あるいは壊れかかっている人には神経疾患のリスクが高くなるかもしれないから、イベルメクチンを漫然と飲み続けることは避けるようにする。
という結論になると思うのですが、違いますかね?



・そしてまたイベルメクチン

おおきな木ホームクリニック

2023年7月5日

https://note.com/okinaki33/n/n84adb7a101ae

※今回他のネタを書こうと思っていたのですが、先程たまたまこんな記事がネットに流れていたので、またまたイベルメクチンです。

「日本発の薬」が新型コロナに効く?…医師すら"イベルメクチン神話"を信じてしまった2つの理由

正直ここでコメントとしている先生たちは個人としては「う~ん」と思う人たちばかりですが、ここに書かれている「事実」は参考にはなるのではないでしょうか。

イベルメクチンに関するいろいろがまとめられていますので、ぜひ読んでください。

こういう記事を見ると、「プレジデントオンライン」が偏ったことしか書かないのか、つまり、ワクチン推奨だとか、新薬推奨だとかそっち推しなんじゃないかと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。

以前にはこんな記事も掲載しています。

ワクチン後遺症の駆け込み寺から警鐘「あなたの体調不良は、コロナワクチンが原因かもしれない」

まぁ記事書いてる先生はあの先生ですけど…。
でもちゃんとワクチンの危険性についても取り上げて掲載しています。
ですから極端に偏ったメディアではありません。

こんな記事も過去にとりあげていました。

元厚労省官僚が警鐘「ワクチン接種期に震災以上の超過死亡」政府やマスコミが黙り込む"不都合な真実"

しかし、記事にもあるように、製薬会社の興和がおこなったイベルメクチンの臨床試験、厚生労働省から60億6387万円の支援を受けていたんですね。
それにびっくりしました。
質の高い本気の臨床試験には多大なお金がかかるとは聞いていましたが、こんなにもかかるのですか…。
確かに国がそれだけ出すってことは、それだけ期待できると思っていたのでしょう。

ちなみに、
「今回、北里大学の花木教授とイベルメクチンの臨床試験を担当した山岡邦宏教授に、改めて取材を申し入れたが、共に辞退するという回答だった。」
とありますけどなぜでしょう。
偏った思想のメディア媒体ではないですし、「事実」を取り上げてくれるチャンスなのですからぜひ取材に協力して欲しかったと思います。

ちなみにイベルメクチンに関して、ペルーの例やらインドの例やら、イベルメクチンを配布した地域で、感染者数や死亡率が「スーッと下がった」という事例が紹介されていますが、本当にイベルメクチンだけの効果といえるのかについてはわかりませんね。
もちろんワクチンのおかげといいたいわけじゃないですよ。

ワクチンの歴史を勉強してもらえればわかるかと思いますが、歴史的にみて感染症というものは、ワクチンによって収束したのではなく、「衛生環境の改善」によってもたらされています。
あらゆる感染症において、ワクチンが出回る以前から感染症による死亡率などはとっくに下がっていた事例がほとんどです。

詳しくはFacebookなどの本間真二郎先生の投稿を参考にしてください。
惜しみなくデータを出してくれています。

花木先生が紹介する事例は、なぜか人がいっぱいいそうで、普段の衛生環境はあまりよろしくなさそうなところなのですね。
「コロナなんかくそ食らえ」と思っている人たちでも、さすがに周囲で死亡者が増えてきたら、手洗い・消毒など感染対策を超がんばりそうです。

『感染者数や死亡率が「スーッと下がった」』という事実にこういう要素が関与していないか、検証はされたのでしょうか?
イベルメクチンだけが成果を独り占めしちゃってるみたいな感じになっちゃっていますが。

一番最初に紹介したイベルメクチンの記事には、以前ブログにも書いた論文の不正のことも書かれていますのでぜひ読んでみてください。

さて、イベルメクチンは安全性が高いと言われていますが、日本版イベルメクチンであるストロメクトールの添付文書にある副作用を列記してみます。

重大な副作用として
・中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
・肝機能障害、黄疸
・血小板減少
・意識障害

その他の副作用として
蕁麻疹、そう痒、発疹、ALP上昇、肝機能障害、BUN上昇、下痢、食欲不振、便秘、腹痛、悪心、嘔吐、めまい、傾眠、振戦、貧血、好酸球増加、白血球減少、リンパ球増加、単球数減少、無力症・疲労、低血圧、気管支喘息の憎悪、LDH上昇、血尿

が記載されています。

当然これは、適応となっている
・体重1kg当たり約200μgを2週間間隔で2回経口投与(腸管糞線虫症)
・体重1kg当たり約200μgを1回経口投与(疥癬)
の飲み方の場合です。

つまり、予防目的に連用するとか、コロナ後遺症、ワクチン後遺症目的に連用する場合は当然上記の副作用が出る頻度が高まると考えるのが自然です。

上記副作用の一覧を見ると、コロナ後遺症であるとか、ワクチン後遺症の症状とかぶるものもありませんか?

世間(特にメディア)では、本来は「ワクチン後遺症」であるのに「コロナ後遺症」として扱っているケースが多々見受けられますが、
同じように、
本来は「イベルメクチン副作用」であるのに「コロナ後遺症」や「ワクチン後遺症」として扱っているかもしれないことに気づくべきです。

それに気づかずイベルメクチンを継続投与していても、そりゃ症状は改善しません。

ワクチン後遺症患者さんにイベルメクチンを勧め、全然疲労感が取れないなどがあった場合、ワクチンの副作用だけでなくイベルメクチンの副作用もさらにかぶってしまっている可能性があります。
あるいはイベルメクチンの副作用に「気管支喘息の憎悪」がありますが、「ワクチンの後遺症」でもみられることです。
ワクチン後遺症治療にイベルメクチン使っていて気管支喘息が増悪したらそれこそ命取りになりかねません。
自分が症状を引き出してしまっているかもしれないのに、ワクチンのせいばかりにするのは良くありません。
(あっ皆さんよくご存じかと思いますが、自分はこれっぽっちもワクチンの肩を持つ気はありません)
医者は謙虚であるべきです。

ワクチンに疑問を持つ人、現代医療に疑問を持つ人は特にイベルメクチンにワーッと群がってしまいました。

何度も言いますが、安全性は単回もしくは2回投与でしか検証されていないのです。

予防的にこまめに内服するとか、連日内服するとか、そのような使い方をした場合の安全性に関するデータはどこにもありません。
あるなら出して欲しい。
特にイベルメクチンゴリ押しの人にお願いしたい。

イベルメクチンはれっきとした医薬品です。
一応「劇薬」と書かれた医薬品です。

倫理的には、承認された方法以外での使用方法(適応外使用)をおこなう場合には、その有効性・安全性に問題が無いと認められた場合に限り、使用することが可能と考えられます。
もちろん医師が説明文書などを用いて患者さんにメリット・デメリットを詳しく説明し同意を得ることが必要でしょう。
ただし文書等による説明・同意取得を例外的に簡略化し、ホームページなどで公開しておくことは可能なようです。
という内容(実例)は、横浜市立大学病院のHPにありました。

治療上必要となった場合の医薬品等の適応外使用について

それを「個人輸入なら問題ない」とのことで、特に一般の人がSNSなどで情報を広めまくる、人に勧めまくるのは問題があるかと思います。
勧めるなら、必ず「妊婦さんでは催奇形性のリスクがある」などを明示しなければなりません。
あるいは上記にあげた副作用についても説明しなければなりません。
医薬品であるイベルメクチンをSNSで熱狂的に一方的に推奨している人たちはあまりにも無責任すぎます。
何かの法律に引っかからないのだろうか。

結局副作用が起きても、個人輸入だから自己責任でしょってことになります。

ワクチン副作用も自分で同意したんだから自己責任でしょ、と同じ構図です。

結局すべて人のせい。
同じことをしていることに気づかないのだろうか。

医師も十分リスクを説明した上で(頻回内服の場合の安全性に関するデータはないことを含め)、患者さんが納得したら個人輸入などの方法を勧めると言う形が良いように思います。
もちろん医師が勧める以上そのあとのフォローも大事です。

もちろん自分はイベルメクチンを使用している医師を批判しているわけではありませんし、足を引っ張るつもりもありません。
「適応外使用」という言葉があるように、種々のデータなどから医師の裁量によってイベルメクチンを勧めるのは可能かと思いますし、効果や安全性も考慮された上で勧めているのかと思います。

ちまたにはいろいろな疾患に対していろんな治療法があります。
これといった決まった治療法だけでなく、代替療法も含め、本当にたくさんあります。
それぞれの信念で医師たちはそれを実践しています。
自分は神様でも何でもないですしそれが正しいかどうかを判断する立場でもないですしわからないですし、ですからそれぞれのお医者さんを尊重しています。
もちろんいかにも怪しいと思うところはダメですけどね。

自分はこれまで何回も書いてきているように、イベルメクチンの単回投与はアリだと思っています。
コロナに感染したときや、濃厚接触してしまった場合などです。
ただ今となってはイベルメクチンを使わずともコロナを克服できるケースも多いかと思いますが。

ただ自分は、予防目的にこまめに内服するなどの使用方法に関しては行いません。
なぜならそのような使い方に関する安全性のデータがないから。
一応「劇薬」なのですから、そこら辺のデータはほしいところです。
ただこれはあくまで自分の考えであって、予防的にこまめに内服することを推奨している医師もいるでしょうし、それはそれでいいんじゃないんですかというスタンスです。
どの医師の言うことを信じるかは、結局自己責任になっちゃうんですね。

ガイドラインや添付文書の用法どおりに使用してれば、副作用が出ても医師が訴えられることはまずないでしょう。
しかし一方で医師の裁量で「適応外使用」している場合は、何か問題があったとき訴えられる可能性があります。
イベルメクチンに限らず「適応外使用」をおこなっている医師たちは訴えられることを覚悟でやっています。
だから上記の横浜市立大学病院のように、患者さんの「同意書」とかいう言葉が出てくるんですね。
医師は責任とる覚悟で情報発信しているのだから(たぶん)、一般の人が他人に強く推奨したりゴリ押しするのはどうなのかなと思ってしまいます。

ちなみに劇薬であるイベルメクチンは、薬事法により
「14歳未満の者や安全な取扱いをすることに不安を認める者への販売や交付は禁じ」られています。
ただし医師の処方せんで調剤された医薬品は14歳未満でもOKです。

そして劇薬というものは、
『薬局が一般の方へ毒薬・劇薬を販売・交付する際には、「年月日・品名・数量・使用目的・購入する人の住所・氏名・職業」等を記入し、かつ「購入する人の署名又は記名押印」を入れた書類を提出してもらい、販売した日から2年間保管しなければなりません。』
という規則が定められているように、気軽なものじゃないんです。

一般の人が気軽に「予防目的に飲みましょう」とか言えるものではないのです。
というか言っちゃいけないんじゃないかなと思うのですが。

それに忘れてほしくないのですが、
ワクチンを5回も6回も打つことが人体実験であることと同じように、イベルメクチンをこまめに飲むことも人体実験です。
こまめに飲んだときのデータどこにもないんですから。
なぜそこはスルーできるのか不思議です。

ちなみに、つい最近「睡眠薬が認知症予防に有効かも」との報道がありました。

睡眠薬にアルツハイマー病の予防効果か

ベルソムラという商品名の睡眠薬になりますが、認知症予防目的にこの睡眠薬を飲むことは、立派な適応外使用です。

今のイベルメクチン熱狂者たちがやっていることは、「認知症予防にベルソムラをガンガン飲もうぜ!」とSNSで情報を広げたり、周囲の人にゴリ押しするのと一緒です。

ベルソムラは当然頭に作用する薬ですからいろんな副作用があります。
添付文書 → https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00066563.pdf

で、ここに書かれていない副作用もあります。
一番不気味なのが「自殺念慮、自殺行動」です。

製薬会社作成の以下の資料に書かれています。

ベルソムラ®錠 10mg、ベルソムラ®錠 15mg、ベルソムラ®錠 20mgに係る医薬品リスク管理計画書

上記資料には、
「本剤群では用量依存的に自殺念慮が認められた。新規作用機序である本剤の臨床使用経験が限られていることも踏まえ、重要な潜在的リスクとして設定した。」
と書かれてあるんですね。

用量が増えれば増えるほど自殺念慮が増えるということです。

精神神経系に関する副作用もありますし、認知症予防のために安易に勧められるものではありません。
研究をおこなった人も
「アルツハイマー病になることを不安に思っている人が、毎晩スボレキサントを飲み始めるべき理由として解釈するには時期尚早だ」
「長期的なスボレキサントの使用が認知機能の低下の抑制に有効なのかどうかは不明であることや、長期的な使用が有効である場合、どの程度の量を、どのような人に投与した場合に有効なのかも不明である」
ともちゃんと言っていますしね。

ちなみにこの「ベルソムラ」を扱っている会社は、米国メルク社の日本企業の、ポンコツ子宮頚癌ワクチンを扱っており、ストロメクトール(イベルメクチン)の製造販売元でもあるMSD社なんですね。
これまた不気味ですね。

ちなみにのちなみに、上記研究では「アミロイドβが低下した」と書かれていますが、アミロイドβだけに注目しても認知症を克服できないことは今や常識です。