・新型コロナワクチン接種後に急死や下半身不随 原因わからず苦しみ続ける患者たち 国は“評価不能”【前編】(CBC news web 2023年9月24日)



※皮膚のすぐ下にあるのは針を刺すための医療器具。 この点滴が日課です。

(愛知県在住・40代女性)
「これは24時間ですね。1本を24時間なので。1日1本1500ミリリットルです」

愛知県に住む40代の女性。 看護師ですが今は休職中です。



(愛知県在住・40代女性)
「これ(点滴)があれば、ある程度動けるんですけど、これがないと力不足すぎて寝たきりみたいな感じになりますね」

体重は30キロ台です。 この生活になったのは2021年の5月、ワクチンを打った後からです。 脚にはいくつもの小さなあざが。

(愛知県在住・40代女性)
「(ワクチンを)打った2日後くらいにお風呂に入っていた時に、体中にすごく大きな15センチ位のアザができた。紫斑みたいな赤紫のアザが、打った記憶もないのにいくつか出来ていて…」

免疫の異常で血小板が減る難病「特発性血小板減少性紫斑病」。10年ほど前に症状は治まっていましたが、「再発」したのです。



(愛知県在住・40代女性)
「血小板が2万5000とかしかなくて、ここでは対応できないからすぐ大きな病院に行ってくださいと。(正常値は)14万から40万ぐらい。(難病が)寛解状態になって落ち着いていたのにワクチンを打った数日後に(血小板の値が)今まで見たことないぐらいの値まで下がったので、やっぱりワクチンとしか思えない」


名古屋市に住む50代の男性。 2021年8月のワクチン接種後、2か月もの間意識不明に。



(名古屋市在住・50代男性)
「全く記憶がないんです。9月頭に高熱が出て、記憶はないけど病院に行ったらしいんです。触ると一応、脚はあるんですよ。でも全く感覚はないし…太ももから下がないような感じです。切断されたような感じ」


意識が戻ると腰から下が動かなくなっていました。 診断は「急性散在性脳脊髄炎」。 免疫の異常で脊髄など神経が傷つけられる病気で、 以前からワクチンの副反応で起きることが知られていました。 8か月間のリハビリでも、脚の感覚は戻りませんでした。



自宅にスロープも作りましたが、まだ上るのがやっとです。

(名古屋市在住・50代男性)
「本当に腕しか使えない。 腹筋も背筋もきかないし」

(男性の妻)
「彼専用のトイレ。 横からの乗り移りじゃないと無理だということで、 元々は和室の押し入れだったんですけど…ベットも主人が乗り移りやすいように高さが変えられるようにした」

リフォーム費用は約500万円。 そこに、医療費の負担も重なります。





(男性の妻)
「(Q.今までかかった医療費はどれくらい?)280万円くらいですね。高額医療の申請をして(この金額)ですよ」

医師からは、“治らない”という宣告を受けました。 国は接種後に健康被害が起きた場合、医療費を支給する救済制度を設けています。 しかし、申請にはカルテなど多くの書類が必要で、それを集めるのにも多額の費用がかかります。 男性も申請は行いましたが、認められていません。

診断書には「ワクチンの接種により、引き起こされた」という指摘が。

(男性の妻)
「思い出したくないが、帰ってこないかと…明日会えるかどうかもわからない。治るんだったらいい。1500万円かかっても2000万円かかっても。治らないんです。そこが悔しい」

(名古屋市在住・50代男性)
「はっきり言って私自身のせいではないので、生涯保障してもらわないと困る。僕はまだ生きている。生活しないといけない。そうなるとお金が必要なんですよ」

1人分は、わずか0.3cc~0.5cc。 あの病との戦いを劇的に変えた新薬。 世界が救いを求めた、 新型コロナワクチンの「光と影」。






ヒト以外の遺伝情報を体内に 世界初のワクチン

(バイデン米大統領)
「ワクチン接種は大きな希望だ。何も心配はないし、2回目の接種が楽しみだ」

新型コロナ対応のワクチンが登場したのは、感染拡大が始まって1年足らずの 2020年12月。欧米各国は、安全確認の一部を省略する “緊急使用許可”によって 接種をはじめました。アメリカの製薬大手、ファイザーとモデルナが相次いで完成させた 「メッセンジャーRNAワクチン」。最大の特徴は、それまでとは全く違う“薬の仕組み”です。新型コロナウイルスの表面にあるスパイクタンパク。 このトゲのような部分で、人の細胞に感染します。



ワクチンの成分は、このスパイクタンパクの遺伝情報 “メッセンジャーRNA”を特殊な膜で包んだもの。これがワクチン接種によって体内に入ると、人の細胞自身がメッセンジャーRNAの遺伝情報を元に新型コロナのスパイクタンパクを作りだすのです。 作られたスパイクタンパクは細胞の表面に移動。







それを免疫機能が異物と判断し、たくさんの抗体ができます。その抗体が、新型コロナウイルスの感染を防ぐ仕組みです。




(菅 義偉総理(当時))
「ワクチンは感染対策の決め手となる。国民の皆さんに安全で有効なワクチンを速やかにお届けしたい」

日本は、海外で使われている実績をもとに安全審査を簡略化した「特例承認」の形で導入。「努力義務」として集団接種をはじめました。ワクチンの添付文書には 「特例承認医薬品」の言葉と品質について、現在も情報を集めている事が明記されています。

ヒト以外の遺伝情報を体内に入れる世界初のメッセンジャーRNAワクチン。 発症予防効果は、劇的なものでした。 しかし、接種が進むと体の不調を訴える人が出てきたのです。




総接種回数は1年で2億回 健康被害の報告は2万件に

名古屋に住むこの女性は、免疫の異常で筋力の低下などを引き起こす「ギラン・バレー症候群」を発症。ワクチン接種の2週間後でした。

(名古屋市在住・40代女性)
「体の中からさびていくような…痺れなのか、ギギギと足が出せなくなってくる感じ」

歩くだけでなく、手も自由に動かせません。






体調不良を訴える人は他にもいます。

(梅村医院・近藤昌代院長)
「いま一番辛い症状は?」

(名古屋市在住・50代女性)
「動悸と息苦しさと胸の痛みと時々頭痛」

50代の女性は、胸の痛みや記憶障害に苦しんでいます。医師にも原因が分からず、手探りで治療する状況が続いていました。

(梅村医院・近藤昌代院長)
「新型コロナワクチン副反応の正しい治療法はありません。患者さんと相談しながら、症状に応じて合う薬を出すという形になる。残念ながら対処療法しかない。本当に手探り状態」



他にも起きていられないほどのけん怠感、舌一面を覆う白いカビ。そして脱毛など、様々な症状が。





国に挙げられた副反応の報告書には、消化器や皮膚、神経や循環器など全身にわたるたくさんの健康被害が示されています。同時にそこには「評価不能」という文字が。ワクチンとの関連は分からないとされました。総接種回数は1年で2億回に。一方、健康被害の報告は2万件に達していました。


夫が接種3日後に急死「パパが起きない」

毎日の点滴は、今も欠かせません。ワクチン接種後に血小板が減る難病が再発した看護師の女性。針を刺す場所は、首元に埋め込む医療器具から腕に代わっていました。

(愛知県在住・40代女性)
「ここ(胸元)に機械が入っていたんですが感染してしまって、40度を超える熱が出てしまってとらないといけなくなって…でも、これも1か月ちょっとで詰まってしまった」

腕からの点滴は詰まりやすいため、もう一度首元に医療器具を埋め込むよう頼んでいますが、医師はワクチンの後遺症を否定し、摂食障害という「心の病」だと認めなければ手術はしないとしています。



(愛知県在住・40代女性)
「摂食障害ではないのに、摂食障害だと言われるのが本当に嫌。それをなかなか理解してもらえない」

(訪問看護師)
「ワクチン後遺症という病名がない限り、ワクチン後遺症として治療してもらえない。打ったことでそうなっているわけだから、きっとそうだろうなと思いながらも、国が言わない限りそうではないので、すごくつらいだろうなと」

(愛知県在住・40代女性)
「患者同士結集して認めてもらうために戦う」




(ワクチン接種後に夫が死亡・須田睦子さん)

「パパもすごくさみしがり屋の人だったので、さみしくないようにと思ってここに写真を…」

宮城県に住む、須田睦子さん。2021年10月に夫の正太郎さん(当時36歳)がワクチン接種から3日後に死亡しました。基礎疾患など健康に問題はありませんでした。



(ワクチン接種後に夫が死亡・須田睦子さん)
「長男が2階の寝室に起こしに行ったら『パパが大きい声で起こしているのに起きない』と聞いて、その時にいやな予感がして…2歳の娘を抱っこして走って階段をのぼっていったら顔色が違っていて。やばいと思って、『パパ』と言ったけど起きなくて、そのまま救急車を呼んだ」

死因は、血液の流れが急激に低下した急性循環不全。 診断書には「ワクチンの副反応の可能性は否定できない」という言葉が。 しかし、国の結論は「評価不能」でした。

(ワクチン接種後に夫が死亡・須田睦子さん)
「絶対ワクチン以外考えられないわけですよ。『 否定できない』と書かれているが、それ以外に何があるの?と。でも結局、解剖してもワクチンが原因と分からないから何もできない」

誕生を心待ちにしていた、次女の顔を見ることはありませんでした。



今は子ども4人のシングルマザーです。

(ワクチン接種後に夫が死亡・須田睦子さん)
「(Q.本当に大変ですね)大変です。片手で抱っこしながら、色々こなして」

少し頼りになってきたのが、小学4年生の長男。

(長男)
「僕も一緒に手伝う。僕もいろんなパパのこととか喋る。ママと一緒にいろんな所に行って伝えたい」

(ワクチン接種後に夫が死亡・須田睦子さん)
「この子も私と同様にパパを亡くして悲しかったり悔しいという思い、怒りだったり同じ思いだと思うので、支えられながら支えていきながら一緒に頑張っていきたい」

揃うことがなかった家族6人。絵の中には、生まれた次女を抱いている正太郎さんが。その後、須田さんは結成された遺族会に加わり、原因究明や遺族の救済を訴える活動も。ワクチンをきっかけに、大きく人生は変わりました。





CBCテレビ「評価不能 新型コロナワクチンの光と影」2023年5月27日放送より



・新型コロナワクチン接種後の死亡事例 “評価不能”とした国の対応は?遺族の訴え【後編】(CBC news web 2023年9月24日)



※1人分は、わずか0.3cc~0.5cc。 新型コロナとの戦いを劇的に変えた新薬。しかし、接種が進むと体の不調を訴える人が出てきたのです。

(京都大学名誉教授・福島雅典医師)
「薬飲んだ時に何か起こったら、まず薬のせいと考える。これは医学の鉄則」

医療の安全性を研究している京都大学名誉教授、 福島雅典医師。



(京都大学名誉教授・福島雅典医師)
「ワクチンを打ってその日に死んでしまう人と次の日に死んでしまう人が、一番多い。それから3日4日5日と」

ワクチンの接種日から数日以内に死亡するケースが特に多いことを指摘。死亡との因果関係を国は徹底調査すべきだと話します。

(京都大学名誉教授・福島雅典医師)
「安全性・有効性が確立していない段階で「特例承認」で見切り発車したわけですよ。全例調査をした上で、救済措置をとらないといけない。法律があるんだから、ちゃんと国は法律を守りなさい」

その年の夏には、総接種回数は3億回に達しました。接種後の死亡事例は報告された分だけで約1700件(2022年8月時点)。そのほぼ全てが「評価不能」の結論でした。




川田龍平参議院議員。約30年前の薬害エイズ事件の被害者です。先頭に立って訴え、全面和解と国の謝罪につなげました。

(立憲民主党・川田龍平参議院議員)
「メッセンジャーRNAワクチンを大々的に人に接種したのは、初めてのケースなので、中長期的な副反応も含めてまだ分からないことがたくさんあるはず。有効性と安全性の追跡調査をしないのは、国民の命と健康をなんだと思っているのか」



(厚生労働省・佐原康之健康局長)
「ワクチン自体の有効性・安全性については、引き続きリアルワールドデータを含む科学的知見の収集に努めていきたい」

(立憲民主党・川田龍平参議院議員)
「このリアルワールドデータをしっかりとって、ちゃんと調査してほしいと思う」

国策で接種を進める新型コロナワクチンが「新たな薬害とならないか」そんな心配が。


「命を軽く見ているんじゃないですか」



2022年11月。 東京の議員会館を訪れたのは、ワクチン接種後に亡くなった人の遺族会。 川田議員はじめ超党派の国会議員連盟が開いたワクチンに関する厚生労働省との勉強会です。 そこには、夫が接種後に死亡した須田さんの姿も。

接種後の死亡事例は1800件に増えました。報告書には、判定のほぼ全てに「評価不能」を表す、ガンマの記号が並んでいます。因果関係は分からないという結論です。



国は、ワクチンの被害を見過ごしていないか。遺族からの訴えが。


(ワクチン接種後に夫が死亡・河野明樹子さん)
「私たちは国を信用して打ちました。助かると思って。それが大事な大事な夫の命をとられた。『ワクチンとの因果関係がない』と言われて納得できると思いますか?自分の身内だったらどうします?」



(ワクチン接種後に夫が死亡・須田睦子さん)
「あなた方が安全だとおっしゃっていたワクチンを打って、夫は亡くなった。亡くなってから1年経つが、未だに因果関係は不明とされています。言い訳というか、亡くなっている人たちと正面から向き合っていないですよね」



(厚生労働省・救済認定担当者)
「必要な情報をしっかり集めさせていただいて、必要な評価をする。ガンマ(因果関係不明)となった場合でも、それでその症例が終わりではなくて、そういった情報も大事にして、全体として注意喚起が必要なことなのか、われわれとしては真剣に考えている」

遺族側から「ワクチン接種をこのまま続けるのか」と質問が出ると。

(厚生労働省・救済認定担当者)
「オミクロンのタイプの5回目接種についても、現行では変更する必要がないという評価なので、私どもといたしましては、引き続き5回目接種を続けさせていただく」



(ワクチン接種後に妻が死亡・小金井孝行さん)
「中止して安全性を確認してからということはできないんですか?平行してやっていたら、当然被害者はでてきてしまいますよね?」

(ワクチン接種後に夫が死亡・須田睦子さん)
「実際に人がなくなっているんですよ。それなのにまだ5回目を続けるってだから『命を軽く見ているんじゃないですか』ってさっき言ったんですよ」

(ワクチン接種後に妻が死亡・小金井孝行さん)
「厚労省の意見ではなくてあなたの意見で、今回のワクチンに関してどう思っているの?」



(厚生労働省・救済認定担当者)
「こういう場なので個人的な意見は…申し訳ございません」

接種の中止と原因究明を求めた遺族会。あくまで接種は続けると明言した厚労省。

(厚生労働省・救済認定担当者)
「今日のことは、いろんな方からいろんな話を聞いたので、それを踏まえて施策にいかしていく。まだ具体的なところまでは、申し上げられない。 情報を正しく出してほしいというのは我々も今やっているので。そこは報告会のご意見もふまえて順次対応する」




厚生労働大臣を直撃すると

独自に動く自治体も。名古屋市の河村たかし市長。報道で知って訪ねた相手は、ワクチン接種後に足が動かなくなった50代の男性です。

(名古屋市在住・50代男性)
「今後、いま働いている職場で働けるかどうかもちょっとまだ分からないんです。 明確な回答をもらっていないから。ただ、会社側は僕が働けるような環境を作ってもらう感じでいま動いてもらっている。でも、もし万が一『ごめんなさい』と言われたら僕は職を失ってしまう」



(名古屋市・河村たかし市長)
「 わかりました。まずは生活支援をしないかん。ワクチンの保障もあるけど。仕事に就けるように」



名古屋市は、医療費の補助や副反応の相談受付を実施。国の救済が進まない中、独自の取り組みに乗り出す自治体も出てきました。

(名古屋市・河村たかし市長)
「結局『ワクチンの後遺症みたいなものはないんだ』というような方向で国がやってきた。そっちに引っ張られるわな。だけど、市はもっと細かいというか…生活支援せないかん。認定もあるけど」

一方、ワクチンの影響を研究する医師も。 高知大学・医学部の佐野栄紀特任教授。ワクチン接種後に帯状疱疹などの皮膚疾患が増えていることに注目しました。 患部を特殊な染料で染め上げると。

(高知大学 特任教授・佐野栄紀医師)
「グリーンに染まっているところがスパイクタンパクなんですよ。 ワクチン由来のスパイクタンパクが皮膚で染まった」





患部に見つかったのは、ワクチンが作り出したスパイクタンパク。ウイルスへの免疫を生み出すだけのはずが身体に残り、ダメージを与えている可能性を指摘します。

(高知大学 特任教授・佐野栄紀医師)
「副作用としてのスパイクタンパクの働きは血栓を作る。局所の炎症を誘発することもある」

佐野特任教授はこの研究を論文として発表し、ワクチンと皮膚疾患の因果関係を調べるよう国に提言しています。




厚生労働省の加藤勝信大臣に話を聞きました。

(厚生労働省・加藤勝信大臣 2022年12月当時)
「副反応ないし救済制度の申請が上がってきているのは承知している」

「厚労省としても予防接種による健康被害を受けた方を迅速に救済していく必要があるということで、詳細な審査を簡略化するなど必要な措置を講じることにしている」



一方、副反応の究明については…

(厚生労働省・加藤勝信大臣)
「因果関係の有無にかかわらず、実態の把握とか治療についての研究も立ち上げようとしている」

このあと、厚労省は救済認定の部署を拡大。副反応の実態調査を各都道府県に指示し、ワクチン接種後に起きた症状の治療や原因究明にあたる「専門医療機関」も全国に指定。この問題に向き合う姿勢を見せ始めました。




接種後に“杖”が手放せない14歳の少年

埼玉県に住む14歳の少年は、外出に杖が手放せなくなりました。長時間立っている事はできません。

(14歳の少年)
「(Q. 歩く時に杖がないとつらい?)なくても歩けるんですけど、座るところがない時に立っていられるように」



ワクチンを打ったのは2021年8月。中学1年の夏でした。以来、手や背中の発疹、 起きていられないほどのだるさなど体調不良が続いています。

(14歳の少年)
「倦怠感が一番辛い。息切れと頻脈と動悸が一番出ている」

今は中学3年ですが、1年の途中から学校には通えていません。

(14歳の少年)
「特に卓球は1年生からやりたくて入ったことなので、ずっとできていないのは悔しい」



(母親)
「楽しみにしていた学校生活を台無しにさせてしまって申し訳ない…」

国が指定した専門医療機関にも行きましたが、「わからない」と治療を断られました。10以上の病院でたらいまわしになっています。

この日は、地元の小児医療センターへ。専門医療機関ではありませんが、体調不良が少しでも軽くなればというわずかな期待が。

(14歳の少年)
「(Q. 検査はしてきた?)検査はしていなくて…免疫の専門ではないので紹介状を書くから別のところに行ってと。きょうは診察だけで検査はしていない」

ここでも「専門外」だと治療を断られました。高校進学の見通しも立っていません。

(14歳の少年)
「将来このまま症状が治らなくて、社会人になって仕事に就けなかったらどうなるんだろうとか、仕事に就けなかったらどうするかなとかを考えています」



愛知県の40代女性。点滴の針をさす医療器具を、もう一度首元に埋め込んでもらいました。

(愛知県在住・40代女性)
「摂食障害ということで、とりあえず通えば外科の先生は動いてくれるから、心療内科に通ってほしいと言われて、やっと外科が動いてくれた」

「ワクチン後遺症」ではなく医師に言われた通り「摂食障害」と認めることで、ようやく取り付けてもらえました。



(愛知県在住・40代女性)

「摂食障害と認めるくらいなら、外科の先生に入れてもらわなくてもいいと思ったけど、生活ができないので。在宅の先生にも“病院を利用する”と思ってやってもらった方がいいから行っておいでと」

久しぶりに外出用の上着に袖を通します。今も点滴は24時間。外出時にはバッグに入れて背負います。




この日、名古屋で開かれたワクチン後遺症についてのシンポジウムに招かれていました。接種後の体調不良に苦しむ人びとが集まっていました。今では顔見知りというより、同じ問題に向き合う“仲間”でもあります。

(京都大学・宮沢孝幸准教授)
「このワクチンはとてつもない欠点があって、本当は免疫細胞に入れたいのに免疫細胞以外の細胞にも入ってしまう。そうすると、いろんな細胞にワクチンが入る」

数百人が訪れていましたが、取材のメディアは他にいません。




「私たちにとっては、1分の1の確率」



壇上に上がる女性。 ワクチン接種から2年が経ちました。

(愛知県在住・40代女性)
「ワクチン後遺症という病気は、医学的に存在しないので私たちはワクチンによって体調が変わったにもかかわらず『異常はない』『精神疾患』だと存在を否定されてしまう。でも私たちは存在している。後遺症はごくまれに起こることなのかもしれません(※ブログ主注:全然稀ではありません)。でも私たちにとっては、1分の1の確率なんです」

救済認定はまだ出ていません。それでも原因究明を求めていく。そう考えています。

(愛知県在住・40代女性)
「ワクチンを打ってからあんなに人がいるところに出たのは初めて。2年ぶりくらい。すごく元気がでました。明日からどうなるか」



家に入るために作ったスロープを1日50往復。ワクチン接種後に下半身不随になった名古屋の50代男性です。

(名古屋市在住・50代男性)
「膝に力が入るようになった。あと足の裏にもなにかしら感じるようになった。触られても何も感じなかったのに。今は触られた時や立った時に感じる。後は脚に力が入るようになった」

まだ、国の救済は認められていません。脚は元に戻らないと医師の宣告を受けています。それでも、諦めるわけにはいきません。

(名古屋市在住・50代男性)
「ワクチンに対して僕は否定的ではないが、僕みたいにワクチンを打って障害とかになった人に関しては早急に救済してほしい」

厚生労働省の入口の植え込みには、ひっそりと石碑がたてられています。サリドマイドやスモン、そして薬害エイズ。国の政策で起きた数々の薬害事件への反省からたてられた “誓いの碑”。



7階には、ワクチン副反応の救済認定を行う部署が。ことし1月から大幅に態勢を拡大し、認定数を増やしていました。しかし、ワクチン行政を批判する声が多く寄せられていることを理由に、扉の向こう側の取材は許可されませんでした。


(厚生労働省・救済認定担当者)
「もともとインフルエンザのワクチンと比べると、通常起こりうる副反応の範囲ですが、熱が出たりとか痛みが続いたりというのは、もともと承認された時から多い。それでもってワクチンを止める重大な懸念があると直ちに結びつかないと思う。そういうこと(副反応)が引き続き、何か重大な懸念にならないかどうかは、副反応検討部会があるので、そこで引き続き評価を続けていく」



(厚生労働省・加藤勝信大臣 2023年5月当時)
「重症者を減らすことを主な目的としつつ、一定の感染予防効果も期待される。それを踏まえて全ての方への接種の機会を確保することが望ましいということで、来年3月末まで『特例接種』として、一般の方広くは9月をめどに接種を開始する」



2023年5月8日、3年以上続いた新型コロナの法律上の分類が5類に移行され、通常の病気と同じ扱いに。国内でのワクチン接種回数は、3億8700万回を超えました。日本は追加接種率、世界一です。

CBCテレビ「評価不能 新型コロナワクチンの光と影」2023年5月27日放送より