以下「In Deep」様より転載
https://indeep.jp/eternal-artificial-rna-in-us/
・私たちの中の永遠の人工RNA
2021年6月26日
※最近、米モデルナ社が公開した、あるワクチンの「特許開示」の存在を知りました。
あるワクチンというのは「 RS ウイルス (呼吸器合胞体ウイルス)」というものに対してのワクチンで、これが、遺伝子コロナワクチンと同じタイプの、
「 mRNA ワクチン」
なんです。
ついに、パンデミックではない、おそらくは「平時に使われるワクチン」にコロナワクチンと同じタイプの(核酸を脂質粒子を包んで注射する)遺伝子装置が導入されることになっていくようなんですね。
今回は、この中にある項目について紹介したいと思います。
不滅の人工核酸を作ること
遺伝子ワクチンの問題はあまりにもたくさんあり過ぎるのですが、根幹的な問題のひとつとして、「遺伝子改変して、核酸を壊れないようにしている」ということがあります。
これが意味するところは、現在のファイザー社とモデルナ社の新型コロナワクチンがそうですが、
「いつまでも体内に遊離した mRNA が存在してしまう」
という可能性があり、これが問題なんです。
遊離した mRNA 自体が「危険なもの」だというのは、多くの専門家が言っていまして、mRNAワクチン技術を世界で最初に発明したロバート・マローン博士は、アメリカ食品医薬品局(FDA)に、
「遊離したスパイクタンパク質の危険性と、自己免疫の問題」
について警告していたけれど、コロナワクチンの mRNA はこのスパイクタンパク質を作り出すものであると同時に、「 遊離した mRNA が分解されずに残り続けること自体」が、免疫システムには問題です。
しかし、実際にそのように作られている。
どのような改変が加えられているかは、米マサチューセッツ工科大学のステファニー・セネフ博士が、以下の論文で述べています。
Worse Than the Disease? Reviewing Some Possible Unintended Consequences of the mRNA Vaccines Against COVID-19
配列の話は難解なものですので、内容自体がどうこうというより、「グアニンとシトシン(GとC)の配列を強化した」ということを、ご記憶していただきたいと思います。
マサチューセッツ工科大学の研究者による査読済み論文より
mRNA コードのもう 1つの興味深い変更は、開発者がアデニンとウラシル(AとU)を犠牲にして、グアニンとシトシン(GとC)の配列を強化したことだ。
GC(グアニンとシトシン)含量が豊富な mRNA配列は、 GC含量が貧弱な配列よりも最大 100倍効率的に発現(タンパク質に翻訳)されることが実験的に実証されている。
これについて、セネフ博士は、以下のように述べています。
ステファニー・セネフ博士のインタビューより
最も気がかりなのは、彼らが mRNA の遺伝子コードを変更していることです。遺伝子コードを改変し、スパイクタンパク質の正常なバージョンを生成しないようにしているのです。
このワクチンでは、通常のスパイクタンパク質は生成されず、スパイクタンパク質の重要な場所にプロリン(一度破壊されたコラーゲンを修復する力をもつアミノ酸)が 2本並んだバージョンが生成されるのです。
ワクチンで作られるスパイクタンパク質には 2つのプロリンがあるので、非常に硬くなっており、形を変えられないようになっています。(略)
彼らが mRNA に対して行ったもう一つの改変は、RNAに余分なG(グアニン)とC(シトシン)をたくさん追加したことです。G(グアニン)とC(シトシン)をたくさん入れ、スパイクタンパク質を作ることを有利にしています。
その結果、自然の新型コロナウイルスのゲイン(スパイクタンパク質の産生能力)を 1,000倍にし、mRNAが、より多くのスパイクタンパク質を産生するようにしたのです。
これらの mRNA の改変は、
・mRNAの体内での分解をさまたげ、長く残るようにする
・生産されるスパイクタンパク質に修復能力を与えて「強く」する
・自然のコロナウイルスより破格に多くのスパイクタンパク質を作り出す
というためのものです。
さて、ここで、モデルナ社の「 RSウイルス RNAワクチン」の特許開示を見てみます。
項目[ 0176 ]に以下のように書かれてあります。
モデルナ社の「 RSウイルス RNAワクチン」特許開示より
[ 0176 ] いくつかの実施形態において、コドン最適化 RNA は、グアニン(G) / シトシン(C)のレベルが増強されるものであり得る。核酸分子(例えば、mRNA)のG / C含有量は、RNAの安定性に影響を与える可能性がある。
グアニン(G)/またはシトシン(C)残基の量が増加した RNA は、大量のアデニン(A)およびチミン(T)またはウラシル(U)ヌクレオチドを含む RNA よりも機能的に安定している可能性がある。
一例として、WO02/098443 は、翻訳領域の配列修飾によって安定化された mRNA を含む医薬組成物を開示している。遺伝暗号の縮退により、修飾は、結果として生じるアミノ酸を変更することなく、より優れた RNA 安定性を促進するものを既存のコドンに置き換えることによって機能する。 (Rsv Rna Vaccines)
ここには、
> グアニン(G) / シトシン(C)のレベルが増強される
とあり、セネフ博士が、問題点として述べていた、
「 RNAに余分なG(グアニン)とC(シトシン)を追加したこと」
と同じことをしている。
> より優れた RNA 安定性を促進する
と明記されており、つまり、「この mRNA はなかなか壊れないですよ」と特許開示に書かれているわけです。
しかし、「 RNAに安定性を持たせてはいけない」のですよ。自然の道理である「 RNA は壊れやすい」という原則に反することは、必ず何らかの影響に結びつきます。
モデルナ社の RSウイルスワクチンがいつから出回るものなのかわからないですけれど、遺伝子コロナワクチンと同じ「 mRNA の強化」の改変をおこなっている限り、その mRNA は簡単には分解されない。
遊離した mRNA が体内に残り続けることになります。
すべての体液から、すべての器官から
ここから抜粋です。
以下の [0233]から[0235]の部分です。
米国特許出願番号16/965589 RSV RNAワクチン 特許開示より
Rsv Rna Vaccines
[0233] いくつかの実施形態において、本発明の核酸は、エクソソームにおいて、または1つ以上の体液に由来する場合に定量化され得る。
体液には、末梢血、血清、血漿、腹水、尿、脳脊髄液、唾液、骨髄、滑膜液、羊水、耳垢、母乳、気管支肺胞洗浄液、精液、前立腺液が含まれる。
また、カウパー液、尿道球腺液、汗、糞便、髪、涙、嚢胞液、胸膜および腹水、心膜液、リンパ液、母乳、胆汁、間質液、月経、膿、血清、嘔吐、膣分泌物、粘膜分泌物、便水、膵液、副鼻腔からの液、気管支肺吸引液、および臍帯血が含まれる。
あるいは、エキソソームは、肺、心臓、膵臓、胃、腸、膀胱、腎臓、卵巣、精巣、皮膚、結腸、乳房、前立腺、脳、食道、肝臓、および胎盤からなる群から選択される器官から回収され得る。
[0234] 検体の存在の分析は、構築物特異的プローブ、サイトメトリー、qRT-PCR、リアルタイムPCR、フローサイトメトリー、電気泳動、質量分析、またはそれらの組み合わせを使用して実施し得る。エキソソームは、酵素結合免疫吸着剤などの免疫組織化学的方法を使用して単離し得る。
エクソソームは、サイズ排除クロマトグラフィー、密度勾配遠心分離、分画遠心分離、ナノメンブレン限外濾過、免疫吸収剤捕捉、アフィニティー精製、マイクロ流体分離、またはそれらの組み合わせによっても単離することができる。
[0235] これらの方法は、研究者たちに、残っているまたは送達された核酸のレベルをリアルタイムで監視する能力を与える。本開示の核酸は、いくつかの実施形態では、構造的または化学的修飾のために内因性形態とは異なるため、これが可能である。
この RSウイルスワクチンのエクソソームは、このように、
・すべての体液(涙や糞尿も含む)
・ほぼすべての器官と臓器(肺つまり呼気も含む)
から検出される可能性があることが書かれています。
ちなみに、この RS ウイルスワクチンも、RNA を脂質ナノ粒子(ボリエチレングリコールなど)で包んで送達させるもので、注射方法は異なるかもしれないですが(鼻からの噴霧式になる可能性が書かれています)、ワクチンそのものの構成は同じです。
以前、「東京医科大学医学総合研究所・分子細胞治療研究所の落谷孝弘教授の著作から、エクソソームについてわかりやすく書かれていた部分を抜粋したことがあります。
その著作には、
> エクソソームとは、細胞から放出される泡のようなものだとイメージしてください。大きさは、直径 100ナノメートル前後。1ミリの1万分の1ほどのごく小さな小胞です。
とあり、そして、このエクソソームは、個人の体内の器官同士、「他人と他人」、そして「人間と他の生物」の間の遺伝子的なコミュニケーションをとっている可能性にふれています。
人間は「体液」を通してコミュニケーションをしていた
人間には言語というコミュニケーションツールがあります。さらにジェスチャー、身振り手振りというものも、意思や情報を伝える手段になります。
ところが、こうしたコミュニケーションとは別に、私たち自身が自覚しない形で、コミュニケーションをしている。つまり、体液のなかのエクソソームを交換することでコミュニケーションを図っているらしいということがわかってきました。
たとえば、お母さんが赤ちゃんにあたえる母乳、あるいはお腹のなかにいるときの羊水、また、場合によっては唾液や精液など、個体同士が交換する体液のなかには、エクソソームが含まれています。
そのエクソソームには、マイクロ RNA が含まれていて、そこには何らかのメッセージが書き込まれています。それによって相手の遺伝子に影響を与えている。
さらに驚いたことに、エクソソームを使ったコミュニケーションは、細胞間、臓器間、人と人だけではなく、どうやら人間と、別の種の生き物、つまり人間以外の生物との間にも存在しているらしいのです。
先ほどのモデルナ社特許開示を見ますと、体液も呼気もすべて、というような感じでエクソソームは他とコミュニケーションする。
表現を変えれば、「他に干渉する」ということになりそうです。
また、ドイツ最大の科学機関であるヘルムホルツ協会の細胞生物学者、ヴァネッサ・シュミット・クルーガー博士は、以下のように述べていました。
クルーガー博士 :
ポリエチレングリコール脂質が排泄され、それがろ過されていない場合、あるいは、それが他の方法で自然に分解されないと仮定すると、それは飲料水に存在し続けるでしょう。そして、たとえば、ポリエチレングリコールへのアレルギーを持っている人たちの場合、その人たちは問題を抱えることになるでしょう。それはワクチンによるアナフィラキシーショックと同様のことといえます。
このようなことも含めて、時間と共に環境への影響も深刻化しそうです。
以下「In Deep」様より転載
https://indeep.jp/culmination-of-harmfulness/
・まさにこれは「有害性の集大成」であることを最近のイタリアの研究で思い出した日
2023年8月12日
※あまりにも多彩なスパイクタンパク質の影響
最近、イタリアの複数の大学や小児科病院の専門家たちが、「小児と青年に対する新型コロナウイルス感染症の影響」という内容の論文を発表していました。
(論文) Endocrinological Involvement in Children and Adolescents Affected by COVID-19: A Narrative Review
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた小児および青少年の内分泌学的関与
この論文の全体をまとめていた医学メディアの記事を読んでいたのですが、それぞれの項目を見ると、すべての項目が「これはあの時に知った…」ということにつながる論文でした。
そのイタリアの論文は、小児と青年に対しての新型コロナ感染症の影響として、以下の項目を挙げていました。
……なお。
多くの医学論文がそうですが、「新型コロナウイルス (SARS-CoV-2)」あるいは「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」という、つまり「自然感染」のことを対象として書かれたものが多いですが、これまでのほとんどの研究が示していることとして、
「人体に影響を与えているものは、コロナのスパイクタンパク質」
だということは、おおむね明らかになっています。
ワクチンにより体内で「抗原」という名の下に作られるものはスパイクタンパク質そのものであるということから、「自然感染のスパイクタンパク質、ワクチンスパイクタンパク質のどちらも当てはまる」ということは言えます。
もちろん、以前何度も書かせていただきましたが、少なくとも mRNA は、
・自然感染 → (由来はともかく)人工物が組み込まれてはいない
・ワクチン → 人工
というような違いがあります。シュードウリジンというような難しい言葉を使わなくとも、人工物を組み込まれている mRNA が作り出すスパイクタンパク質もまた人工の産物といえます。
簡単にいうと、「ワクチンのスパイクタンパク質は《強い》」のです。
プロリンというスパイクタンパク質の防御機構が強化されている。
マサチューセッツ工科大学のステファニー・セネフ博士の発言より
最も気がかりなのは、 mRNA の遺伝子コードを変更していることです。遺伝子コードを改変し、スパイクタンパク質の正常なバージョンを生成しないようにしているのです。
このワクチンでは、通常のスパイクタンパク質は生成されず、スパイクタンパク質の重要な場所にプロリン(一度破壊されたコラーゲンを修復する力をもつアミノ酸)が 2本並んだバージョンが生成されるのです。
ですので、自然感染とワクチン暴露は同じものではありません。
しかし、ここでは、「仕組みとしてはほぼ同じ」ということで進めさせていただきます。
以下の論文で、
「コロナに感染した場合」
というのは、
「ワクチンスパイクタンパク質に暴露した場合」
と置き換えて考えていただくといいのかもしれません。
その論文の「項目」を紹介したいと思います。
小児と若者へのこれだけの影響
論文は、小児と若者への影響として、以下を挙げていました。
・甲状腺機能不全
・視床下部への影響
・1型糖尿病との関係
・思春期早発症との関係
・副腎への影響
これは、すべて、過去に取り上げたことがあるものです。
ですので、このイタリアの研究が、ひとつの論文でそれをすべてまとめてくれていたわけで、刮目した次第です。
副腎とスパイクタンパク質
これは、スパイクタンパク質の副腎への影響と共に、「脂質ナノ粒子は副腎に非常に蓄積しやすい」ことがわかっているということがあります。
以下は、日本で行われた(接種開始の年には機密扱いで、発表されていませんでした)ファイザー社の生体内分布で、48時間後に脂質ナノ粒子が蓄積する上位の臓器です。
注射部位を除外すれば、副腎は、肝臓、脾臓についで高い検出量となっています。
脂質ナノ粒子は、人間の生体内では自然に分解するとは考えられていないですので、これは「蓄積」を意味する可能性もあります。副腎は、最近の日本の研究で、生殖機能とも関係していることがわかってきています。
ともかく、こういうさまざまな影響が、(もちろん大人や高齢者にも出ているとは思いますが、)子どもたちや若者たちに、「通常なら起こり得ない問題」が出ているという現実があるようです。
イタリアの研究はそれを示しています。
このイタリアの研究をまとめていた医療メディアの記事を紹介させていただいて、今回は締めさせていただきます。
・イタリアの研究者が、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた小児と青少年における憂慮すべき内分泌学的な関与を明らかにした
thailandmedical.news 2023/08/12
※SARS-CoV-2 によって引き起こされた新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、 小児や青少年の内分泌系への潜在的な影響に関する懸念を引き起こしている。
イタリアのパヴィア大学、 ヴィットーレ・ブッツィ小児病院、 ミラノ大学のイタリアの研究者たちは、この集団における新型コロナウイルス感染症と内分泌学的異常との複雑な関係を解明するために徹底的な調査を行った。 このレビューでは、 新型コロナウイルス感染症の感染中および感染後の内分泌の関与のさまざまな側面を掘り下げ、これらの関係の根底にある潜在的なメカニズムに光を当てている。
甲状腺機能不全とCOVID-19
焦点の1つは、SARS-CoV-2 感染と小児の甲状腺機能不全との潜在的な関連性だ。 研究は、未治療の一過性甲状腺機能不全が増加していることを示しており、これはおそらく新型コロナウイルス感染症に続発する甲状腺炎に関連していると考えられる。
COVID-19で入院した患者たちは、正常な甲状腺刺激ホルモン (TSH) レベルと並んで低い遊離チロキシン (fT3) レベルを特徴とする甲状腺機能正常症候群の兆候を示した。これらのエビデンスは、新型コロナウイルス感染症の重症度と甲状腺機能障害との相関関係を示唆しているが、その原因となるメカニズムについては、さらなる調査が必要だ。
副腎の関与と潜在的なリスク
COVID-19は、 副腎機能に影響を及ぼし、一次性および二次性副腎不全を引き起こす可能性があることが実証されている。サイトカインを介したメカニズムは、原発性および続発性副腎不全の両方に関与しており、小児患者における副腎機能をモニタリングすることの重要性が強調されている。
COVID- 19によって引き起こされる自己免疫性多腺症候群 2型の症例も報告されており、罹患者の副腎機能を注意深く観察する必要性が強調されている。
小児多系統炎症症候群 (MIS-C / ※ 川崎病のような多臓器の炎症病態) に対するステロイド療法と視床下部下垂体-副腎 (HPA) 軸抑制 との間の潜在的な相互作用は、 新型コロナウイルス感染症と副腎機能との複雑な関係をさらに強調している。
視床下部-下垂体軸とCOVID-19
視床下部下垂体軸 (HPA) に対する新型コロナウイルス感染症の影響は調査されており、 このウイルスがアンジオテンシ ン変換酵素2 (ACE2 / ※ スパイクタンパク質が受容する部位)の受容体を発現する視床下部細胞と下垂体細胞を標的としている可能性を示唆する証拠が得られている。
これにより、 直接的な視床下部損傷、 免疫介在性下垂体炎、 またはサイトカイン誘発性の変化の可能性が高まる。
新型コロナウイルス感染症後のローハッド症候群(※ 「急性発症肥満」「低換気」「視床下部障害」「自律神経機能不全」が主な症状)様表現型やリンパ球性下垂体炎などの孤立した症例が報告されているが、 視床下部下垂体軸に対するウイルスの影響の全容を理解するにはさらなる研究が必要だろう。
1型糖尿病と糖尿病性ケトアシドーシス
COVID-19 と 1型糖尿病との関係は依然として議論の的だ。
パンデミックの発生以来、新たに 1型糖尿病と診断される症例の発生率が増加していることを示唆する研究もあれば、 直接的な関連性を確立できていない研究もある。しかし、 糖尿病性ケトアシドーシス(※ 主に 1型糖尿病の急性代謝性合併症で、重篤になる恐れがあるもの)の有病率と重症度は、 多数の研究報告により、より一貫した傾向を示している。
新たに診断された 1型糖尿病患者の割合が現在高い。
潜在的なメカニズムには、ウイルスによる膵臓ベータ細胞の破壊や自己免疫反応が含まれていると考えられるが、さらなる調査が必要だ。
中枢性思春期早発症とCOVID-19
COVID-19 は、 小児成長ホルモン欠乏症検査の減少や、中枢性思春期早発症の診断の増加など、 小児内分泌学における多様な傾向を引き起こしている。
新型コロナウイルス感染症と中枢性思春期早発症との直接的な関係は、まだ明らかになっていないが、パンデミックによって引き起こされる身体的および心理的変化が中枢性思春期早発症の発症に寄与すると考えられている。
ストレス、身体活動の減少、(スマホ等の)画面を見る時間の増加、 睡眠パターンの変化などの要因が、ホルモン経路に影響を与える上で重要な役割を果たしている可能性もある。
結論
イタリアの研究チームは、 新型コロナウイルス感染症と小児および青少年の内分泌学的関与との複雑な関係を詳しく調査した。
この証拠は、新型コロナウイルス感染症と甲状腺機能不全、副腎関与、視床下部-下垂体軸の変化、 1型糖尿病の発症、思春期早発症との潜在的な関連性を示唆している。
ただし、これらの関連の根底にあるメカニズムを完全に理解するには、 さらなる研究が必要だ。
パンデミックが続く中、 包括的なケアと適切な治療を提供するには、 新型コロナウイルス感染症の小児患者の内分泌機能の監視と管理が引き続き重要だろう。
この研究は、 新型コロナウイルス感染症に対する内分泌系の反応の複雑さを浮き彫りにし、 小児の健康への影響についての継続的な調査の重要性を強調している。
https://indeep.jp/eternal-artificial-rna-in-us/
・私たちの中の永遠の人工RNA
2021年6月26日
※最近、米モデルナ社が公開した、あるワクチンの「特許開示」の存在を知りました。
あるワクチンというのは「 RS ウイルス (呼吸器合胞体ウイルス)」というものに対してのワクチンで、これが、遺伝子コロナワクチンと同じタイプの、
「 mRNA ワクチン」
なんです。
ついに、パンデミックではない、おそらくは「平時に使われるワクチン」にコロナワクチンと同じタイプの(核酸を脂質粒子を包んで注射する)遺伝子装置が導入されることになっていくようなんですね。
今回は、この中にある項目について紹介したいと思います。
不滅の人工核酸を作ること
遺伝子ワクチンの問題はあまりにもたくさんあり過ぎるのですが、根幹的な問題のひとつとして、「遺伝子改変して、核酸を壊れないようにしている」ということがあります。
これが意味するところは、現在のファイザー社とモデルナ社の新型コロナワクチンがそうですが、
「いつまでも体内に遊離した mRNA が存在してしまう」
という可能性があり、これが問題なんです。
遊離した mRNA 自体が「危険なもの」だというのは、多くの専門家が言っていまして、mRNAワクチン技術を世界で最初に発明したロバート・マローン博士は、アメリカ食品医薬品局(FDA)に、
「遊離したスパイクタンパク質の危険性と、自己免疫の問題」
について警告していたけれど、コロナワクチンの mRNA はこのスパイクタンパク質を作り出すものであると同時に、「 遊離した mRNA が分解されずに残り続けること自体」が、免疫システムには問題です。
しかし、実際にそのように作られている。
どのような改変が加えられているかは、米マサチューセッツ工科大学のステファニー・セネフ博士が、以下の論文で述べています。
Worse Than the Disease? Reviewing Some Possible Unintended Consequences of the mRNA Vaccines Against COVID-19
配列の話は難解なものですので、内容自体がどうこうというより、「グアニンとシトシン(GとC)の配列を強化した」ということを、ご記憶していただきたいと思います。
マサチューセッツ工科大学の研究者による査読済み論文より
mRNA コードのもう 1つの興味深い変更は、開発者がアデニンとウラシル(AとU)を犠牲にして、グアニンとシトシン(GとC)の配列を強化したことだ。
GC(グアニンとシトシン)含量が豊富な mRNA配列は、 GC含量が貧弱な配列よりも最大 100倍効率的に発現(タンパク質に翻訳)されることが実験的に実証されている。
これについて、セネフ博士は、以下のように述べています。
ステファニー・セネフ博士のインタビューより
最も気がかりなのは、彼らが mRNA の遺伝子コードを変更していることです。遺伝子コードを改変し、スパイクタンパク質の正常なバージョンを生成しないようにしているのです。
このワクチンでは、通常のスパイクタンパク質は生成されず、スパイクタンパク質の重要な場所にプロリン(一度破壊されたコラーゲンを修復する力をもつアミノ酸)が 2本並んだバージョンが生成されるのです。
ワクチンで作られるスパイクタンパク質には 2つのプロリンがあるので、非常に硬くなっており、形を変えられないようになっています。(略)
彼らが mRNA に対して行ったもう一つの改変は、RNAに余分なG(グアニン)とC(シトシン)をたくさん追加したことです。G(グアニン)とC(シトシン)をたくさん入れ、スパイクタンパク質を作ることを有利にしています。
その結果、自然の新型コロナウイルスのゲイン(スパイクタンパク質の産生能力)を 1,000倍にし、mRNAが、より多くのスパイクタンパク質を産生するようにしたのです。
これらの mRNA の改変は、
・mRNAの体内での分解をさまたげ、長く残るようにする
・生産されるスパイクタンパク質に修復能力を与えて「強く」する
・自然のコロナウイルスより破格に多くのスパイクタンパク質を作り出す
というためのものです。
さて、ここで、モデルナ社の「 RSウイルス RNAワクチン」の特許開示を見てみます。
項目[ 0176 ]に以下のように書かれてあります。
モデルナ社の「 RSウイルス RNAワクチン」特許開示より
[ 0176 ] いくつかの実施形態において、コドン最適化 RNA は、グアニン(G) / シトシン(C)のレベルが増強されるものであり得る。核酸分子(例えば、mRNA)のG / C含有量は、RNAの安定性に影響を与える可能性がある。
グアニン(G)/またはシトシン(C)残基の量が増加した RNA は、大量のアデニン(A)およびチミン(T)またはウラシル(U)ヌクレオチドを含む RNA よりも機能的に安定している可能性がある。
一例として、WO02/098443 は、翻訳領域の配列修飾によって安定化された mRNA を含む医薬組成物を開示している。遺伝暗号の縮退により、修飾は、結果として生じるアミノ酸を変更することなく、より優れた RNA 安定性を促進するものを既存のコドンに置き換えることによって機能する。 (Rsv Rna Vaccines)
ここには、
> グアニン(G) / シトシン(C)のレベルが増強される
とあり、セネフ博士が、問題点として述べていた、
「 RNAに余分なG(グアニン)とC(シトシン)を追加したこと」
と同じことをしている。
> より優れた RNA 安定性を促進する
と明記されており、つまり、「この mRNA はなかなか壊れないですよ」と特許開示に書かれているわけです。
しかし、「 RNAに安定性を持たせてはいけない」のですよ。自然の道理である「 RNA は壊れやすい」という原則に反することは、必ず何らかの影響に結びつきます。
モデルナ社の RSウイルスワクチンがいつから出回るものなのかわからないですけれど、遺伝子コロナワクチンと同じ「 mRNA の強化」の改変をおこなっている限り、その mRNA は簡単には分解されない。
遊離した mRNA が体内に残り続けることになります。
すべての体液から、すべての器官から
ここから抜粋です。
以下の [0233]から[0235]の部分です。
米国特許出願番号16/965589 RSV RNAワクチン 特許開示より
Rsv Rna Vaccines
[0233] いくつかの実施形態において、本発明の核酸は、エクソソームにおいて、または1つ以上の体液に由来する場合に定量化され得る。
体液には、末梢血、血清、血漿、腹水、尿、脳脊髄液、唾液、骨髄、滑膜液、羊水、耳垢、母乳、気管支肺胞洗浄液、精液、前立腺液が含まれる。
また、カウパー液、尿道球腺液、汗、糞便、髪、涙、嚢胞液、胸膜および腹水、心膜液、リンパ液、母乳、胆汁、間質液、月経、膿、血清、嘔吐、膣分泌物、粘膜分泌物、便水、膵液、副鼻腔からの液、気管支肺吸引液、および臍帯血が含まれる。
あるいは、エキソソームは、肺、心臓、膵臓、胃、腸、膀胱、腎臓、卵巣、精巣、皮膚、結腸、乳房、前立腺、脳、食道、肝臓、および胎盤からなる群から選択される器官から回収され得る。
[0234] 検体の存在の分析は、構築物特異的プローブ、サイトメトリー、qRT-PCR、リアルタイムPCR、フローサイトメトリー、電気泳動、質量分析、またはそれらの組み合わせを使用して実施し得る。エキソソームは、酵素結合免疫吸着剤などの免疫組織化学的方法を使用して単離し得る。
エクソソームは、サイズ排除クロマトグラフィー、密度勾配遠心分離、分画遠心分離、ナノメンブレン限外濾過、免疫吸収剤捕捉、アフィニティー精製、マイクロ流体分離、またはそれらの組み合わせによっても単離することができる。
[0235] これらの方法は、研究者たちに、残っているまたは送達された核酸のレベルをリアルタイムで監視する能力を与える。本開示の核酸は、いくつかの実施形態では、構造的または化学的修飾のために内因性形態とは異なるため、これが可能である。
この RSウイルスワクチンのエクソソームは、このように、
・すべての体液(涙や糞尿も含む)
・ほぼすべての器官と臓器(肺つまり呼気も含む)
から検出される可能性があることが書かれています。
ちなみに、この RS ウイルスワクチンも、RNA を脂質ナノ粒子(ボリエチレングリコールなど)で包んで送達させるもので、注射方法は異なるかもしれないですが(鼻からの噴霧式になる可能性が書かれています)、ワクチンそのものの構成は同じです。
以前、「東京医科大学医学総合研究所・分子細胞治療研究所の落谷孝弘教授の著作から、エクソソームについてわかりやすく書かれていた部分を抜粋したことがあります。
その著作には、
> エクソソームとは、細胞から放出される泡のようなものだとイメージしてください。大きさは、直径 100ナノメートル前後。1ミリの1万分の1ほどのごく小さな小胞です。
とあり、そして、このエクソソームは、個人の体内の器官同士、「他人と他人」、そして「人間と他の生物」の間の遺伝子的なコミュニケーションをとっている可能性にふれています。
人間は「体液」を通してコミュニケーションをしていた
人間には言語というコミュニケーションツールがあります。さらにジェスチャー、身振り手振りというものも、意思や情報を伝える手段になります。
ところが、こうしたコミュニケーションとは別に、私たち自身が自覚しない形で、コミュニケーションをしている。つまり、体液のなかのエクソソームを交換することでコミュニケーションを図っているらしいということがわかってきました。
たとえば、お母さんが赤ちゃんにあたえる母乳、あるいはお腹のなかにいるときの羊水、また、場合によっては唾液や精液など、個体同士が交換する体液のなかには、エクソソームが含まれています。
そのエクソソームには、マイクロ RNA が含まれていて、そこには何らかのメッセージが書き込まれています。それによって相手の遺伝子に影響を与えている。
さらに驚いたことに、エクソソームを使ったコミュニケーションは、細胞間、臓器間、人と人だけではなく、どうやら人間と、別の種の生き物、つまり人間以外の生物との間にも存在しているらしいのです。
先ほどのモデルナ社特許開示を見ますと、体液も呼気もすべて、というような感じでエクソソームは他とコミュニケーションする。
表現を変えれば、「他に干渉する」ということになりそうです。
また、ドイツ最大の科学機関であるヘルムホルツ協会の細胞生物学者、ヴァネッサ・シュミット・クルーガー博士は、以下のように述べていました。
クルーガー博士 :
ポリエチレングリコール脂質が排泄され、それがろ過されていない場合、あるいは、それが他の方法で自然に分解されないと仮定すると、それは飲料水に存在し続けるでしょう。そして、たとえば、ポリエチレングリコールへのアレルギーを持っている人たちの場合、その人たちは問題を抱えることになるでしょう。それはワクチンによるアナフィラキシーショックと同様のことといえます。
このようなことも含めて、時間と共に環境への影響も深刻化しそうです。
以下「In Deep」様より転載
https://indeep.jp/culmination-of-harmfulness/
・まさにこれは「有害性の集大成」であることを最近のイタリアの研究で思い出した日
2023年8月12日
※あまりにも多彩なスパイクタンパク質の影響
最近、イタリアの複数の大学や小児科病院の専門家たちが、「小児と青年に対する新型コロナウイルス感染症の影響」という内容の論文を発表していました。
(論文) Endocrinological Involvement in Children and Adolescents Affected by COVID-19: A Narrative Review
新型コロナウイルス感染症の影響を受けた小児および青少年の内分泌学的関与
この論文の全体をまとめていた医学メディアの記事を読んでいたのですが、それぞれの項目を見ると、すべての項目が「これはあの時に知った…」ということにつながる論文でした。
そのイタリアの論文は、小児と青年に対しての新型コロナ感染症の影響として、以下の項目を挙げていました。
……なお。
多くの医学論文がそうですが、「新型コロナウイルス (SARS-CoV-2)」あるいは「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」という、つまり「自然感染」のことを対象として書かれたものが多いですが、これまでのほとんどの研究が示していることとして、
「人体に影響を与えているものは、コロナのスパイクタンパク質」
だということは、おおむね明らかになっています。
ワクチンにより体内で「抗原」という名の下に作られるものはスパイクタンパク質そのものであるということから、「自然感染のスパイクタンパク質、ワクチンスパイクタンパク質のどちらも当てはまる」ということは言えます。
もちろん、以前何度も書かせていただきましたが、少なくとも mRNA は、
・自然感染 → (由来はともかく)人工物が組み込まれてはいない
・ワクチン → 人工
というような違いがあります。シュードウリジンというような難しい言葉を使わなくとも、人工物を組み込まれている mRNA が作り出すスパイクタンパク質もまた人工の産物といえます。
簡単にいうと、「ワクチンのスパイクタンパク質は《強い》」のです。
プロリンというスパイクタンパク質の防御機構が強化されている。
マサチューセッツ工科大学のステファニー・セネフ博士の発言より
最も気がかりなのは、 mRNA の遺伝子コードを変更していることです。遺伝子コードを改変し、スパイクタンパク質の正常なバージョンを生成しないようにしているのです。
このワクチンでは、通常のスパイクタンパク質は生成されず、スパイクタンパク質の重要な場所にプロリン(一度破壊されたコラーゲンを修復する力をもつアミノ酸)が 2本並んだバージョンが生成されるのです。
ですので、自然感染とワクチン暴露は同じものではありません。
しかし、ここでは、「仕組みとしてはほぼ同じ」ということで進めさせていただきます。
以下の論文で、
「コロナに感染した場合」
というのは、
「ワクチンスパイクタンパク質に暴露した場合」
と置き換えて考えていただくといいのかもしれません。
その論文の「項目」を紹介したいと思います。
小児と若者へのこれだけの影響
論文は、小児と若者への影響として、以下を挙げていました。
・甲状腺機能不全
・視床下部への影響
・1型糖尿病との関係
・思春期早発症との関係
・副腎への影響
これは、すべて、過去に取り上げたことがあるものです。
ですので、このイタリアの研究が、ひとつの論文でそれをすべてまとめてくれていたわけで、刮目した次第です。
副腎とスパイクタンパク質
これは、スパイクタンパク質の副腎への影響と共に、「脂質ナノ粒子は副腎に非常に蓄積しやすい」ことがわかっているということがあります。
以下は、日本で行われた(接種開始の年には機密扱いで、発表されていませんでした)ファイザー社の生体内分布で、48時間後に脂質ナノ粒子が蓄積する上位の臓器です。
注射部位を除外すれば、副腎は、肝臓、脾臓についで高い検出量となっています。
脂質ナノ粒子は、人間の生体内では自然に分解するとは考えられていないですので、これは「蓄積」を意味する可能性もあります。副腎は、最近の日本の研究で、生殖機能とも関係していることがわかってきています。
ともかく、こういうさまざまな影響が、(もちろん大人や高齢者にも出ているとは思いますが、)子どもたちや若者たちに、「通常なら起こり得ない問題」が出ているという現実があるようです。
イタリアの研究はそれを示しています。
このイタリアの研究をまとめていた医療メディアの記事を紹介させていただいて、今回は締めさせていただきます。
・イタリアの研究者が、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた小児と青少年における憂慮すべき内分泌学的な関与を明らかにした
thailandmedical.news 2023/08/12
※SARS-CoV-2 によって引き起こされた新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、 小児や青少年の内分泌系への潜在的な影響に関する懸念を引き起こしている。
イタリアのパヴィア大学、 ヴィットーレ・ブッツィ小児病院、 ミラノ大学のイタリアの研究者たちは、この集団における新型コロナウイルス感染症と内分泌学的異常との複雑な関係を解明するために徹底的な調査を行った。 このレビューでは、 新型コロナウイルス感染症の感染中および感染後の内分泌の関与のさまざまな側面を掘り下げ、これらの関係の根底にある潜在的なメカニズムに光を当てている。
甲状腺機能不全とCOVID-19
焦点の1つは、SARS-CoV-2 感染と小児の甲状腺機能不全との潜在的な関連性だ。 研究は、未治療の一過性甲状腺機能不全が増加していることを示しており、これはおそらく新型コロナウイルス感染症に続発する甲状腺炎に関連していると考えられる。
COVID-19で入院した患者たちは、正常な甲状腺刺激ホルモン (TSH) レベルと並んで低い遊離チロキシン (fT3) レベルを特徴とする甲状腺機能正常症候群の兆候を示した。これらのエビデンスは、新型コロナウイルス感染症の重症度と甲状腺機能障害との相関関係を示唆しているが、その原因となるメカニズムについては、さらなる調査が必要だ。
副腎の関与と潜在的なリスク
COVID-19は、 副腎機能に影響を及ぼし、一次性および二次性副腎不全を引き起こす可能性があることが実証されている。サイトカインを介したメカニズムは、原発性および続発性副腎不全の両方に関与しており、小児患者における副腎機能をモニタリングすることの重要性が強調されている。
COVID- 19によって引き起こされる自己免疫性多腺症候群 2型の症例も報告されており、罹患者の副腎機能を注意深く観察する必要性が強調されている。
小児多系統炎症症候群 (MIS-C / ※ 川崎病のような多臓器の炎症病態) に対するステロイド療法と視床下部下垂体-副腎 (HPA) 軸抑制 との間の潜在的な相互作用は、 新型コロナウイルス感染症と副腎機能との複雑な関係をさらに強調している。
視床下部-下垂体軸とCOVID-19
視床下部下垂体軸 (HPA) に対する新型コロナウイルス感染症の影響は調査されており、 このウイルスがアンジオテンシ ン変換酵素2 (ACE2 / ※ スパイクタンパク質が受容する部位)の受容体を発現する視床下部細胞と下垂体細胞を標的としている可能性を示唆する証拠が得られている。
これにより、 直接的な視床下部損傷、 免疫介在性下垂体炎、 またはサイトカイン誘発性の変化の可能性が高まる。
新型コロナウイルス感染症後のローハッド症候群(※ 「急性発症肥満」「低換気」「視床下部障害」「自律神経機能不全」が主な症状)様表現型やリンパ球性下垂体炎などの孤立した症例が報告されているが、 視床下部下垂体軸に対するウイルスの影響の全容を理解するにはさらなる研究が必要だろう。
1型糖尿病と糖尿病性ケトアシドーシス
COVID-19 と 1型糖尿病との関係は依然として議論の的だ。
パンデミックの発生以来、新たに 1型糖尿病と診断される症例の発生率が増加していることを示唆する研究もあれば、 直接的な関連性を確立できていない研究もある。しかし、 糖尿病性ケトアシドーシス(※ 主に 1型糖尿病の急性代謝性合併症で、重篤になる恐れがあるもの)の有病率と重症度は、 多数の研究報告により、より一貫した傾向を示している。
新たに診断された 1型糖尿病患者の割合が現在高い。
潜在的なメカニズムには、ウイルスによる膵臓ベータ細胞の破壊や自己免疫反応が含まれていると考えられるが、さらなる調査が必要だ。
中枢性思春期早発症とCOVID-19
COVID-19 は、 小児成長ホルモン欠乏症検査の減少や、中枢性思春期早発症の診断の増加など、 小児内分泌学における多様な傾向を引き起こしている。
新型コロナウイルス感染症と中枢性思春期早発症との直接的な関係は、まだ明らかになっていないが、パンデミックによって引き起こされる身体的および心理的変化が中枢性思春期早発症の発症に寄与すると考えられている。
ストレス、身体活動の減少、(スマホ等の)画面を見る時間の増加、 睡眠パターンの変化などの要因が、ホルモン経路に影響を与える上で重要な役割を果たしている可能性もある。
結論
イタリアの研究チームは、 新型コロナウイルス感染症と小児および青少年の内分泌学的関与との複雑な関係を詳しく調査した。
この証拠は、新型コロナウイルス感染症と甲状腺機能不全、副腎関与、視床下部-下垂体軸の変化、 1型糖尿病の発症、思春期早発症との潜在的な関連性を示唆している。
ただし、これらの関連の根底にあるメカニズムを完全に理解するには、 さらなる研究が必要だ。
パンデミックが続く中、 包括的なケアと適切な治療を提供するには、 新型コロナウイルス感染症の小児患者の内分泌機能の監視と管理が引き続き重要だろう。
この研究は、 新型コロナウイルス感染症に対する内分泌系の反応の複雑さを浮き彫りにし、 小児の健康への影響についての継続的な調査の重要性を強調している。