・「取材NG、撮影するな」…知らぬうちに日本で大躍進した「上海電力」の恐るべき実力。外資でも排除できない理由とは(集英社オンライン 2023年8月3日)

※“脱炭素”の名のもとに、現在の日本は外資による土地買収が行われており、国土が失われ続けている。再エネを利用した外資参入の危険性など現場取材のリアルを『サイレント国土買収 再エネ礼賛の罠』(角川新書)より、一部抜粋・再構成してお届けする。


※黒いワンボックスカー

私は以前からグリーン化にまつわる外資として上海電力に注目してきた。

複数の子会社をもち、合弁や提携の形でイラクやトルコなど、多くの国で発電所を経営している中国の巨大国営企業であるからだ。

福島県西郷村(にしごうむら)大字小田倉字馬場坂(図1-1)。


(上)図1-1 上海電力のメガソーラー(福島県西郷村)【図版作成 小林美和子】。『サイレント国土買収 再エネ礼賛の罠』より


2021年11月29日。

ようやく上海電力に視察させてもらえることになり、この日を迎えた。

迷いながらも何とかたどり着いた現場事務所は、高い鉄板の塀に囲まれていて、ひっきりなしに工事車両のトラックやバンが土ぼこりを上げながら出入りしていた。塀に貼られた赤いシールの文字「防犯カメラ作動中」がやけに目立つ。ゲートをくぐろうとすると、ビデオカメラらしきものがこちらを睨んでいた。

物々しい警戒ぶりが不自然に思えて緊張感を覚えたが、当日は地元西郷村でメガソーラーの問題を追い続けている大竹憂子議員も一緒だった。ヘアスタイリストの彼女は、一期目の新人だ。取材を通して知り合い、情報交換するようになった。地元住民を代表して純粋に意見しているから臆するところがない。

駐車場には50台以上の車が並んでいた。かなり市街地から遠いが、多くの人がいて活気を感じさせる。車を止めてドアを開けるや、やにわに真新しい長靴が2足、目の前に差し出された。


上海電力「現地で撮影してはならない」

「サイズは何センチですか?」

待ち受けていた男性は、私たちをそう迎え入れた。

同時に白いヘルメットも手渡された。こちらも新品のようだ。側頭部に印字されている文字は「国家電投SPIC 上海電力日本」。赤と緑が向き合う「国家電投」のロゴが添えられていておしゃれだ。顎ひもを締めるとなんだか身が引き締まって、背筋がピンと伸びた。

――現地での撮影はしてはならない。

前もって上海電力側からはそんな訪問条件が示されていた。写真は事務室でも事業地でも撮ってはならないという。その流儀はちょっと厳しいのではないか。写すといっても、伐採跡地と山を削った開発地があるだけなのだが。

案内者は3名の男性で、いずれも若い。30代だろうか。上海電力日本株式会社(以下、「上海電力日本」という)の東京本社幹部と、現地の事業会社の幹部2名だった。

黒いワンボックスカーは、私たち5人を乗せて出発し、場ちがいのように広い片側二車線の公道をゆっくりと走った。

山肌は抉られ、剝き出しになっていて、道路の両サイドには信じられないほど広大な平地が次々と造成されている。


生態系へのインパクトが大きいのは間違いない

全体の広さは620ヘクタール(東京ドーム約132個分)、改変面積は240ヘクタールだ。1ヘクタールは100×100mのことで、ざっくりいうと、幅2㎞×長さ3㎞の巨大な一団の土地にソーラーパネルを並べられるだけ並べようという計画である。ゴルフ場だと六つ分(108ホール)、サッカー場なら87面がとれる。完成後は約161メガワットの巨大発電所になるという。

ソーラー用地は、平面を効率的に造り出していかなければならない。ゴルフ場のようにアンジュレーション(地形の起伏)は生かされず、山を大胆に削っていく。周縁にある雑木林の高木はソーラーの表面に日陰をつくってしまうからすべて伐り倒す。

とにかく規模が大きく、壮観である(写真1-1)。



(上)写真1-1 総面積620ヘクタールのメガソーラー(福島県西郷村馬場坂。2022年9月5日、著者撮影)。『サイレント国土買収 再エネ礼賛の罠』より


長年、私は林野庁で働き、こうした林地開発現場を歩いてきたが、人里近くでこれほど大面積の皆伐と土地造成を見るのははじめてだった。かつてのゴルフ場開発よりも伐り方が激しく、生態系へのインパクトが大きいのは間違いない。

ガイド役のK氏は、上海電力日本のほか、現地の事業会社「株式会社そら’p」(以下、「株式会社P社」という)と「NOBSP合同会社」(以下、「N合同会社」という)に兼務する饒舌(じょうぜつ)な方で、よく対応してくれた。地元議員が村議会で見境なく暴れることなどないよう、現地の説明責任者として最大限の配慮をしているように私には思えた。

(懸念があるというならすべて払拭する)

(しかし一言も聞き漏らさず、必要以上には決して話すまい……)

内心はうかがい知れなかったが、きっと上海電力側の3人は、皆がそのような気構えを徹底していたのだろう。

それゆえ、理由はよくわからないが、上海電力側の説明が一段落するたび、私たち5人が乗る車内には何とも言えない、いやーな沈黙が数十秒続き、それが何度も繰り返された。苦行のように思えた。

ガイド役のK氏は話をつなごうといろいろ気を遣ってくれたが、狭い車内のその重苦しい、微妙な空気が変わることはなかった。


世界最大の発電企業

上海電力日本は、国内ではあまり報道機関の取材を受けない。2022年秋以降、同社のHPもメンテナンス中ということで、半年間も閉ざされたままだった。

そうした傾向は、13年9月の創業当時からのようで、東京・丸ビルにある本社は取材に応じなかったらしい。朝日新聞アエラの山田厚史氏(元編集委員)も断られた一人だ。

日本法人の責任者への接触を何度か試みたが、「忙しい」「外国出張中」という返事ばかりで、会えなかった。上海の本社に電話してみたが、「日本のことは日本の会社に聞いてくれ」とにべもない。 (「Asahi Shimbun Weekly AERA」14年1月27日)

それから10年、上海電力日本は躍進した。

経団連の会員には15年になっている。中国企業ではファーウェイに次いで二番目で、両社は今も会員である。上海電力日本はこの間、若くて優秀な転職組を採用し、再エネ政策のメリットと地元対策を徹底して研究してきたものと推測する。なぜなら、13年当時と比べると、企業としての存在感と日本経済界への浸透具合には隔世の感があるからだ。

上海電力日本はこれまで、資源エネルギー庁から全国で90か所以上の認定(事業計画認定)を受け、事業を全国展開させている。昨今はソーラーのみならず、風力、バイオマス(間伐材)の分野にも進出しており、国内有数の発電事業体になっている。

歴史を遡さかのぼると、上海電力(上海電力股份有限公司)の伝統のすごさがわかる。

華東地区最大の電力会社(本社 上海市)で、1882年、世界で三番目、アジアで初めて電灯を灯したという。1930年代には米国資本に買収されていたが、清国の共同租界の中で配電独占権をもっていた。当時、覇権争いをしていた日本は、この上海電力がほしかった。




いつの間にか逆転された日中関係

大阪毎日新聞は次のように報じている。

上海電力の日本電力への合流を政治的に解決するかせねばならない。…上海電力の買収は当然来たるべき問題である。(1938年2月4日)

列強諸国を前に日本が思うような買収はできなかったが、時代は下って、2012年。

八十余年の時を経て、基幹電力インフラへの進出という意味において、日中両国の立場は逆転した。

上海電力の売上高は12年に約2500億円までになり、翌13年、日本で全額出資の子会社をつくった。上海電力日本(本社東京、設立時資本金89億円)である。グリーンエネルギー発電事業への本格参入を見込んでの設立だという。

現在の上海電力日本の総元締めは、「国家電投SPIC」(国家電力投資集団有限公司 State Power Investment Corporation)だ。筆頭株主(46.3%)で、私が福島県西郷村で被ったヘルメットにも印字されていた企業である。

この「国家電投SPIC」は国有独資会社(国家が100%出資の国有企業)で、従業員総数はおよそ13万人。企業の規模として東京電力の約3倍だ。その発電規模は1億5000万キロワット(21年)。うちクリーン発電設備(原子力含む)が過半数(50.5%)を占める。太陽光発電に限れば、世界最大の事業者である。

外国資本でも日本で法人格を取得していれば排除することはできない
伸びゆく国家電投SPICの鼻息は荒く、25年の総発電設備は2億2000万キロワット、35年には2億7000万キロワットにまで増やす計画をもつ。

同社は、ブラジル、チリ、豪州でも、再エネ発電を積極的に展開しており、この先、原子力や太陽光などのクリーン発電設備のウェイトを今の50.5%から、25年には60%、35年には75%にまで引き上げるという。当然のことながら、これらクリーン発電設備の目標数値の中に、日本国内での太陽光等発電事業の飛躍的拡大もカウントされている。




新電力の参入が人気だった頃、環境省の中ではこんな評価が交わされていた。私が耳にした話である。

「同系グループをつくって、発電、送電、配電、さらに小売りまで一貫流通させることを視野に入れているでしょう。儲かるのは小売り(家庭向け)だからね……」(電力大手幹部)

そんな思惑さえ想定される外資の巨大国有企業に対し、何の警戒感もなく、諸手を挙げて歓迎し続けてきたのがニッポンだ。

経産省新エネルギー対策課長は再エネ導入当時の14年、次のように発言していた。

「外国資本でも日本で法人格を取得していれば排除することはできない」

「登記が完了しているなら経産省は口出しできない」 (前掲「AERA」)


・住民側の要望・約束は置きざりで泣き寝入り…上海電力が福島県でメガソーラーをやりたい放題、噛み合わない両者の話し合い(集英社オンライン 2023年8月4日)

※再エネを利用した外資参入による国土買収の危険性やリアルな現場を書いた『サイレント国土買収 再エネ礼賛の罠』(角川新書)より、土地買収の現場ではどのような思惑が蠢いているのか、いったい何が起こっているのかを一部抜粋・再構成してお届けする。

#1

※「うちは全て借地ですから」

上海電力に視察を許され、私、大竹憂子議員、3人の案内者載せたワンボックスカーは西郷村の赤茶けた開発現場をいくつも廻まわった。

最後の現場で車から降り、調整池の予定地をしばし眺めながら、私は聞いてみた。
「このあたりの土地はいつ頃、買収されたのですか?」

上海電力日本の東京本社幹部は即答した。

「うちは全て借地ですから」

「……」

一瞬、絶句してしまったが、事業用地はすべて借地であって買収地はないという。つまり上海電力は日本の土地を買収していないというわけだ。

後日、調べてみると、確かに当該地の登記簿に上海電力日本株式会社という名称は登場しない。登記簿上の所有者は都内台東区に所在する西郷ソーラ発電株式会社で、資本金300万円、役員一人(日本人)である。土地所有権は2014年3月24日に取得していた。

これだと、その土地は「外資や外資系法人によって国土が買収された」という事例にはあてはまらない。それゆえ、農水省林野庁が公表している資料「外国資本による森林取得に関する調査」に西郷村の買収事例は一切登場しない。

経産省資源エネルギー庁の公表資料「再生可能エネルギー事業計画認定(旧設備認定)情報」も同様だ。上海電力や上海電力日本の名前は全く出てこない。発電事業者として公表されているのは、資本金1万円の株式会社P社と、資本金100万円のN合同会社の2社だけだ。

そう、先に紹介したガイド役の男性が兼務しているという会社だ。このちっぽけな2社が当地に地上権を設定し、620ヘクタールという巨大メガソーラーの事業者となり、国による高額な電力買上げを受けている。




大半がこのスキームを採用している

しかし現地では、誰もが「ここのソーラーをやっているのは上海電力だ」といい、現にこうやって現地案内をしてくれるのも、上海電力日本幹部と、上海電力日本、株式会社P社、N合同会社の3社を兼務する社員らである。

どういうことかというと、株式会社P社とN合同会社は上海電力(中国)の孫会社に相当する。大事なところは、この孫会社の2社がいずれも上海電力や上海電力日本とは別法人であるということだ。

法人登記によると、株式会社P社の代表取締役は「上海電力日本の代表者、施伯紅」であり、N合同会社の代表社員は「法人としての上海電力日本株式会社」である。2社とも法人の所在地は、上海電力日本の本社住所(東京都千代田区)と全く同じになっている。

これを知って私は「ははーん」と思った。なぜなら、外資による国土買収の現場においては、こういった企業構造は特異なことではないからだ。

実はメガソーラーはじめ、各種再エネ事業で規模が大きい事業者の場合、国内企業も外資企業も、大半がこのスキームを採用している。会社形式は合同会社のものが大半だ。

なぜこうした構造にするのか。知り合いの弁護士に聞いてみた。


名義上の土地所有者は日本企業(日本人の役員一人)

「合同会社など別会社をつくるのは、税務対策や倒産隔離が理由です。事業者責任が争われるようなトラブルに発展したとき、直接の事業者(合同会社)を倒産させることで、投資家に追加の補償が求められることを防ぐことができます。カムフラージュの効果も期待できます」

合同会社は資産の流動性を促し、投資を呼び込みやすくするとともに、出資者の秘匿性も確保できる。

事業者にしてみれば、不測の事態に備えて、こういった二枚腰的な事業システムとすることは、当たり前の選択肢にすぎないというわけだ。予測不可能な事態が生じたとき、身を守るために最適の事業スキームであるからだ。

西郷村のケースについて整理してみよう。620ヘクタールの土地所有者は資本金300万円、役員一人の西郷ソーラ発電株式会社という法人で、その土地に上海電力の孫会社である資本金1万円の株式会社P社と、資本金100万円のN合同会社が23年間の地上権を設定して、メガソーラー事業を行っているというものだ。

この場合、事実上の事業の采配者(支配者)は上海電力と見られるが、名義上の土地所有者は日本企業(日本人の役員一人)であり、地上権は孫会社の株式会社P社とN合同会社が有しているため、政府の統計上の扱いでは、「外国人・外資及び外資系法人による国土取得」には該当せず、したがって注目されにくいのである。




我々のせいではないと力説

上海電力日本が各地の発電プロジェクトの推進に細心の注意を払い、慎重であることは、この日の地元議員とのやりとりでもわかった。

上海電力日本の現場事務所で、地元西郷村の大竹議員はこう訴えた。

「昨年夏の大雨のとき、開発のせいで道路が川になったんです。下流の用水路や農地に土砂がここにこう流れ込んできて、大変だったんですよ」

低いテーブルに置かれた地図を前に、ガイド役の合同会社幹部は即座に切り返した。

「それほどの被害はなかったと思いますが。流域が我々のところ(開発地)とは別の場所ではないですか?」

住民を代表しているから彼女も食い下がる。地図の場所を具体的に指さした。

「いや、ここのところの道路が川になったんです。その泥が田んぼにも入って……」

しかし、上海電力日本側は認めない。

「流域の傾斜はこうで我々の地区からは別の方向に流れていっています。傾斜の向きがちがうのではないですか」

本社幹部がそうダメ押しした。我々のせいではないと力説しているように私には感じられた。針の穴さえ通させない、蟻の一穴とさせてはならない。そこに企業としての強い意志を感じた。

「そうではないのですが……」


一方的に上海電力が反論する

納得いかない地元議員は、もう一つ問うた。

「工事が始まってから下流にあるこの集落でイノシシが出てきたんです。長年そこに住んでいる方が『こんな近くまでシシ(猪)が下りてきで……、こんなことはぁ初めてだぁ』って言ってました。工事の影響じゃないんですか」

齢(よわい)80という現地の古老が戸惑っていた様子を紹介したが、すかさずこの問いかけにも反論した。合同会社幹部は、首をかしげながら、

「うち(上海電力日本)ではなく、すぐ傍の山(集落に隣接する山)を開発したことが影響していたんじゃないですかぁ」

本社幹部も畳みかけた。

「別の(ソーラー)事業者による開発のせいでしょう」

私は黙って両者の話し合いを聞いていた。

イノシシ出没の原因とする「すぐ傍の山」とは別のソーラー発電所のことである。上海電力日本とは別の企業で、その面積はわずか4ヘクタール。上海電力は620ヘクタールだから、桁けたが二つも違う。

大型野生動物の行動範囲とこれらの開発規模との関連からいうと、一方的に上海電力が反論する内容は無理目のような気がした。




二文字違いの事業者

そんな上海電力日本に対して、住民や行政に不満や懸念がないわけではない。

もう一つ別の現場、西郷村羽太(はぶと)地区のソーラー用地(図1-1)は、陸上自衛隊白河布引山(しらかわぬのひきやま)演習場に近い場所にあるが、最初の事業者「合同会社SJソーラー白河」から2020年3月13日、二文字だけ白シールを貼って修正追加した新事業者「合同会社SJソーラー白河1号」へ譲渡され、県への申請も終わっていた。この譲渡に気付くのは相当難しいだろう。

問題はこの譲渡によって、元々の事業者が地区住民との間で交わしていた説明会での約束事が反故にされてしまったことだ。説明会では元々の事業者が道路を新しく敷設することを約束していたのだが、その後の計画変更のことも、事業者変更のことも住民側には知らされず、放置されていた。

この説明会に出席し、地区住民と一緒になって道路の新敷設の約束を交わしたのが、私と同行してくれた大竹議員で、最初の事業者合同会社SJソーラー白河が開いた説明会の説明役が、今回のガイド役のK氏だったという。K氏は先述したとおり上海電力日本の社員と株式会社P社N合同会社の幹部職の三つも兼務している。



(上)図1-1 上海電力のメガソーラー(福島県西郷村)【図版作成 小林美和子】。『サイレント国土買収 再エネ礼賛の罠』より


住民側は結局、泣き寝入り

大竹議員は今回の視察が終わり、ワンボックスカーを降車してからも執拗にこの約束事についてK氏に問い糺(ただ)した。

「住民は『説明会で約束していた道路が(譲渡先の業者によって)違うところに付けられている』と言っています。譲渡したから知らないでは済まされないのではないか。譲渡先が説明会をしないのはおかしいのではないですか」




K氏の歯切れは悪く、しどろもどろで言い訳めいて苦しそうだった。

しかし「合同会社SJソーラー白河」と「合同会社SJソーラー白河1号」は別法人なので、結果的に、先の事業者の約束事を新事業者は継承しなかった。

口約束で甘いことを聞かされ、OKを出したら、後で社名を変えられて反故にされてしまったという経緯である。口約束では何の保証にもならない。文書に残したり写真で記録しておかないと忘れ去られてしまう。住民側は結局、泣き寝入りで、行政や住民たちの交渉力が弱いと対抗できないのだ。

監視カメラ、強気の反論、繰り返される事業者の変更、約束事の置き去り……。

グローバル企業は合法的だが簡単ではない。手強いのである。






『サイレント国土買収 再エネ礼賛の罠』 (角川新書)
平野秀樹



脱炭素の美名のもと、不可解な用地買収が進み、国土が失われ続けている


(本書で紹介する主な地域)

■メガソーラー

福島県西郷村(上海電力のメガソーラー)、茨城県つくば市(日本最大の営農型ソーラー)、大阪湾咲洲、山口県柳井市・岩国市(岩国基地周辺メガソーラー)、熊本市、長崎県佐世保市

■陸上風力

北海道稚内市、北海道当別町

■洋上風力

富山県入善町(日本初、洋上風力にも中国企業)、長崎県西海市

■港湾

北海道釧路市、北海道石狩市、北海道小樽市・余市町、北海道苫小牧市、大阪市、福岡市・福津市、長崎県佐世保市(ハウステンボスを買収した香港資本)

■リゾート地

北海道千歳市、北海道夕張市、北海道倶知安町・ニセコ町、北海道占冠村・新得町・赤井川村(外資が占有する国有地)、北海道富良野市・上富良野町、新潟県糸魚川市・妙高市・阿賀町(原生自然と鄙びた宿を買う)、神奈川県箱根町・静岡県熱海市(高級旅館と町屋を買う)、歴史ある通りが企業の名を冠した名称に(京都市)、大阪市・泉南市

■農林地

北海道平取町(ドローンの墓場)、茨城県阿見町・土浦市、宮崎県都城市(700ヘクタールの巨大開発)

■離島

山口県周防大島町、長崎県対馬市、鹿児島県奄美市(琉球弧の要衝をあの手この手で)、沖縄県宮古島市、沖縄県北大東村ラサ島(垂涎の孤島)

■産業インフラ(物流団地や工業団地など)

北海道石狩市、埼玉県幸手市、北海道白糠町、熊本市・菊陽町

■学校や文化施設

北海道稚内市・北海道苫小牧市(キャンパスを買う)、岩手県安比町(外資による教育ビジネス)、新潟市・佐渡市(総領事館問題)