・木村容疑者「参院選に立候補できず不当」…昨夏「本人訴訟」で国に損賠求め1審棄却(読売新聞 2023年4月18日)

※和歌山市で15日、岸田首相の選挙演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で、威力業務妨害容疑で逮捕された兵庫県川西市の無職木村隆二容疑者(24)が、年齢などを理由に昨年7月の参院選に立候補できなかったのは不当だとして、国に損害賠償を求めて神戸地裁に提訴し、請求が棄却されていたことがわかった。選挙制度に強い不満を持っていたとみられる。

訴訟記録によると、木村容疑者は昨年6月に同地裁に提訴。7月10日投開票の参院選に立候補しようとしたが、公職選挙法の被選挙権(30歳以上)を満たさず、300万円の供託金も用意できないため立候補ができないとし、法の下の平等などを定める憲法に違反すると主張した。精神的苦痛を受けたとして、10万円の損害賠償を求めた。代理人の弁護士をつけない「本人訴訟」で行っていた。

昨年11月の1審判決は、公選法の年齢要件や供託金の制度は合理性があるとして請求を棄却した。木村容疑者はこの判決を不服として大阪高裁に控訴し、今年5月に判決が予定されている。


・木村容疑者、安倍元首相「国葬」巡り政権批判…被選挙権訴訟の書面に記す(読売新聞 2023年4月18日)

※岸田首相の選挙演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で逮捕された、無職木村隆二容疑者(24)が被選挙権を巡って起こした国家賠償請求訴訟で、昨年7月に銃撃されて死亡した安倍晋三・元首相の国葬の実施について政権を批判していたことがわかった。現行の選挙制度や政権への不満を募らせていたとみられる。木村容疑者は逮捕後の取り調べには黙秘している。

岸田首相は安倍氏銃撃事件から6日後、政府主催の「国葬」の実施を決定。木村容疑者は昨年に提出した訴訟の書面で国葬に触れ、「世論の反対多数の中で強行した」と記していた。

木村容疑者は、安倍氏と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係にも言及。「組織票を持つ既存政党、政治家が選挙で有利となる」とし、立候補が制限されているとの自身の訴えと関連づけていた。


・安倍氏の国葬や旧統一教会との関係性を批判 首相襲撃事件の容疑者(毎日新聞 2023年4月18日)

※岸田文雄首相が和歌山市の衆院補選の応援演説会場で爆発物を投げつけられた事件で、威力業務妨害容疑で現行犯逮捕された無職の木村隆二容疑者(24)=兵庫県川西市=が、2022年7月の参院選に立候補できないのは憲法違反だとして、国に損害賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こし、請求が棄却されていたことが関係者への取材で明らかになった。

木村容疑者はこの訴訟の準備書面で、岸田政権が銃撃事件で死亡した安倍晋三元首相の国葬実施を国会審議を経ずに閣議決定したことについて「民主主義への挑戦は許されるべきではない」と批判していたことも判明。安倍氏を「既存政治家」と呼び、「既存政治家が政治家であり続けられたのは、旧統一教会のようなカルト団体、組織票をもつ団体と癒着していたからだ」と訴えていたことも分かった。

木村容疑者は22年6月、代理人弁護士を立てない「本人訴訟」で国に10万円の損害賠償を求めて神戸地裁に提訴した。

訴訟記録によると、木村容疑者は22年7月10日に投開票された参院選に出馬しようとしたが、30歳以上の被選挙権や供託金の用意を定める公職選挙法の要件を満たさず、立候補できなかったのは法の下の平等を定める憲法14条などに違反すると主張。精神的苦痛を受けたとして損害賠償を求めたが、地裁は11月に請求を棄却した。

木村容疑者はこの1審判決を不服として大阪高裁に控訴。高裁に提出した書面でも「国にとって被選挙権を制限することで立候補が抑制されるから、政治家は国民の信任を経ずとも統一教会の組織票で当選し、利益を不当に独占し、国民に損害を与え続けている」と記述していた。

捜査関係者によると、木村容疑者を巡っては現段階で宗教トラブルなどは確認されていない。和歌山県警も民事裁判について把握しているが、論理の飛躍などがあるため事件の動機との関連を慎重に捜査している。




・木村容疑者、ツイッターで岸田首相を名指し批判か…「世襲が蔓延る原因は300万円もの供託金」(読売新聞オンライン 2023年4月18日)

※岸田首相の選挙演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で、逮捕された無職木村隆二容疑者(24)のものとみられるツイッターは、国を提訴した直後の昨年6月27日に始まり、事件4日前の今年4月11日まで23件の投稿があった。アカウント名は「『被選挙権年齢・選挙供託金違憲訴訟』広報」で、訴訟の報告や選挙制度への批判が中心だった。

首相を名指ししたのは昨年9月8日の1件。首相が国会で安倍氏の国葬について説明したニュースを引用し、「岸田首相も世襲3世ですが、民意を無視する人が政治家には通常なれません」と批判。「世襲が蔓延(はびこ)る原因は、300万円もの供託金を要求する違憲な公選法があるからです。庶民は立候補出来ず、民主主義は崩壊します」などと記していた。

また、旧統一教会と政治との関係を念頭に、「立候補しても戦う相手は宗教団体の組織票。一般人が絶対に政治家になれない仕組み」とも書いていた。

18日午前11時時点で、アカウントのフォロワー(登録者)、フォロー(登録)ともに0件だった。


※ブログ主コメント:・・・はあ・・・やっぱりヤラセだわ。チマチョゴリ切り裂き事件などと手口は同じ。「現行選挙制度や供託金制度や宗教票や安倍国葬や統一協会や外国人優遇に反対する人間=テロリスト」という図式を国民に植え付けたいんだわ。そしてこれらに関する発言を委縮させたり、発言者の信用を失わせたいんだわ。全部真実だからこそ。


・「警官が聴衆に向かって爆発物を蹴った」岸田首相襲撃時の映像をめぐり物議 警視庁の元SPは「いたしかたない」(NEWSポストセブン 2023年4月17日)

※岸田文雄首相が応援演説に訪れた和歌山市の雑賀崎漁港で爆発物を投げ込まれた事件で、和歌山県警は4月15日、無職・木村隆二容疑者(24)を威力業務妨害容疑で逮捕した。昨年、山上徹也被告が引き起こした安倍晋三元首相の銃殺事件から一年たたぬ間に起きた事態に、現場で撮影された衝撃的な映像が連日取り上げられている。当日は和歌山1区補選に出馬している自民党候補・門博文氏への応援演説が行われる予定だった。30代の漁師の男性が当日の違和感を語る。

「あの日は11時ごろに漁港近辺で、ウグイス嬢が“岸田さんは11時20分から、門候補は11時40分から演説があります”とアナウンスをしていました」

岸田首相は11時20分ごろに漁港に到着、試食などを行い、11時27分ごろ、演説台に立とうとしたタイミングで事件が起きた。公開された防犯カメラ映像ではバスから降りた容疑者が、岸田首相の車列が到着して約1分後に、漁港に直行する様子もとらえられていた。

「少なくともあの人(容疑者)を見たことある人は、地元にいなかったし、そんなスムーズに会場に行けるのかなと。“そろそろ岸田さんが始めるよ”って伝えてた人がいたんじゃないかと思ってしまうくらいの動きでした」(同前)

木村容疑者はなぜこうも簡単に岸田首相に近づくことができたのか。警察はその経緯を慎重に捜査しているが、警視庁でSP(警護官)経験のある現役警察官は、当日の警護体制についてこう指摘する。

「驚いたのは、岸田総理と聴衆との距離です。あの近さでは、何があっても防げないくらいの距離。今回は、爆発物の威力が弱かったのが不幸中の幸いです。仮に威力が強かったら、人的な被害が出ていた可能性が高いでしょう。本来であれば、もっと十分な距離をとるべきです。

また今回、護衛の警察官が爆発物を見つけたあと、とっさに聴衆のほうに向かって蹴ったことについて問題ではないかとの指摘がありましたが、要人警護ではいたしかたないと思います。まずは、要人を警護することが第一。SPは銃撃された時などは覆い被さるように訓練をされています。防弾ベストなどを着用していても、自分の命を盾にして要人を守る覚悟です。要人が暗殺されることは、国家としての一大事であるため、あのような対応にならざるを得ない。山上被告の時の対応が問題視されていただけに、動きはよかったと思う」

護衛の警察官が聴衆のほうに爆発物を蹴り出す場面の映像が繰り返し報じられ、ネット上では「一般人の犠牲はやむを得ないということか」と物議を醸していた。実際に民間人に被害が出ていたら、もっと大きな問題になっていたかもしれない。

「実は、選挙期間中というのは、VIPがいちばん危険にさらされるタイミングです。すでに翌日の岸田総理の遊説現場では所持品検査が行われていましたが、多くの人と触れ合う選挙ということを考えると、すべての現場で徹底することは難しいのではないでしょうか。今後も同様の事態が起きるかもしれない」(同前)

一つ間違えれば大惨事になっていた事件。今後の警護体制にあらたな課題が降りかかった。


・「この細い階段を知ってるとは」と地元漁師も不可解 岸田首相襲撃犯、バス降車から会場までわずか3分「スムーズすぎる移動」(NEWSポストセブン 2023年4月18日)

https://www.news-postseven.com/archives/20230418_1861216.html?IMAGE=13&PAGE=1-39





・【岸田首相襲撃事件】自宅から片道3時間 超VIPの遊説日程をどう把握していたのか

https://newssharing.net/kimuraryuuji5

※岸田文雄首相が訪れた和歌山市の応援演説会場で爆発物を投げたとして4月15日、威力業務妨害容疑で現行犯逮捕された木村隆二容疑者(24)。自身の住む兵庫県川西市けやき坂から犯行現場の雑賀崎漁港までは、公共交通機関を乗り継いでも3時間を要する距離だ。和歌山県警の取り調べに黙秘を続ける木村容疑者の動機や犯行に至る経緯は未だ明らかになっておらず、過熱気味の報道の中身は玉石が入り混じって方向性が定まらずにいる。

木村容疑者の自宅から犯行現場までは車を使えば概ね120キロメートルの距離で、バスや電車などを乗り継げば3時間はかかる。地縁血縁や土地勘があったかどうかは不明だ。しかも、超V I Pである首相の遊説日程をどう把握していたのかにも疑問が残る。この点で読売新聞が犯行当日の15日夜に報じた内容は示唆に富んでいた。そのまま引用する。

〈川西市の自民党関係者によると、木村容疑者は昨年9月24日、自民党系の当時の川西市議が開いた市政報告会に参加していた。報告会には有権者約70人が出席。終了後、木村容疑者は市議に「川西市議の報酬は、良いですか」などと議員活動について熱心に質問していたという。関係者は「20歳代の若者の参加は珍しく、政治に強い関心がある様子だった」と話した〉(4月15日配信・読売新聞オンライン)

この市政報告会で自民党関係者と接点を持ち、選挙ボランティアなどを通じて遊説日程を知りうる立場になったのだろうか。しかし、当時現職の市議だった市政報告会の主催者は、木村容疑者のことを全く覚えていなかった。

「昨年9月の市政報告会に木村容疑者が訪れていたのは事実です。来場者の記録に木村容疑者の名前と住所が書かれています。ですが、若い方も複数名参加していただいていましたし、私自身テレビで木村容疑者を見ても市政報告会に来ていた方かどうかもわかりませんでした」(取材を受けた元市議)

また、元川西市議の関係者はこう証言した。

「元市議は、読売新聞の記者に『記憶が曖昧で木村容疑者がいたかどうかもわからない。若い方に話しかけられた気はするけど文言も覚えてない』と答えたのに、木村容疑者が熱心に質問したという記事になっていた。質疑応答の場は設けてなかったので元市議を見送る際に声をかけて質問したのだと思いますが、そういう方は他にもいますしね。
近所の公民館の集会所で開かれ、参加者は70名ほどで、若い方も数名いました。市政報告会開催のお知らせもポスティングで不特定多数に行っていたので、本人に声かけして動員していたわけでもなく、スタッフも含めて木村容疑者がいたことを覚えている人はいないはずです」


・襲撃決意し現場直行、容疑者の足取り判明 首相襲撃1週間(産経新聞 2023年4月22日)

※岸田文雄首相の選挙応援演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で、威力業務妨害容疑で逮捕された無職、木村隆二容疑者(24)が電車やバスを乗り継いで兵庫県川西市の自宅から、現場の雑賀崎(さいかざき)漁港(和歌山市)に直行していたことが各地の防犯カメラ映像などから分かった。爆発物を所持し、自宅から演説時間に合わせるように現場に直行しており、和歌山県警は襲撃の決意を固めていたとみている。事件は22日、発生から1週間を迎えた。

捜査関係者によると、15日午前7時台に兵庫県川西市の自宅を出発した容疑者が、近くのバス停から乗車して阪急電鉄の川西能勢口駅(川西市)に到着。午前8時15分ごろに大阪方面の電車が乗り入れるホームに向かう姿が確認された。

終点の大阪梅田駅(大阪市)で急行電車を降りて大阪メトロ御堂筋線に乗り換え、なんば駅(同市)に移動。南海電鉄の特急サザンで1時間かけて、和歌山市駅に向かった。

同駅の改札を出る姿が付近の防犯カメラに写ったのは午前10時15分ごろ。駅直結のスーパー店内を見回ってから、演説会場へのバス(同37分発)に乗ったとみられる。

漁港最寄りの停留所でバス(午前11時13分着)を降りたとみられ、その後、現地入りした首相の車列の後を眺めながら会場へと歩く姿が複数のカメラに記録されていた。

容疑者は自作のパイプ爆弾とみられる爆発物2本を会場に持ち込んでいた。当日は爆発物をかばんに隠し持ち、大阪の中心部を通過していたことになる。

現場の雑賀崎漁港では、爆発地点から約60メートル離れたコンテナに破片が刺さっていたことが判明。筒状の爆発物の蓋部分とみられ、県警は一定の威力があったとみて再現実験を行い、殺傷能力を詳しく調べる方針。






・岸田首相襲撃、明治期制定の「爆発物取締罰則」適用が浮上…「殺傷力確認できれば認定可能」(読売新聞 2023年5月7日)
 
※岸田首相の選挙演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で、捜査当局は、木村隆二容疑者(24)の行為について、殺人未遂容疑や爆発物取締罰則違反容疑での刑事責任追及を視野に捜査している。和歌山地検が威力業務妨害容疑を処分保留としたのは、爆発物の構造や威力などを特定した上で、投げ込んだ行為に関する適用可能な罪名を判断するためとみられる。

威力業務妨害罪の法定刑は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金なのに対し、殺人未遂罪は殺人罪と同様で、死刑または無期懲役もしくは5年以上の懲役と規定される。

殺人未遂罪を適用するには、殺意や行為の危険性を立証する必要がある。だが、木村容疑者が黙秘していることに加え、筒が投げ込まれてから爆発するまで51秒と時間があり、ある捜査関係者は「立証のハードルは高い」と語る。

辻本典央・近畿大教授(刑事訴訟法)は「演説を妨害したかっただけという見方もでき、爆発物を投げ入れた行為が殺傷目的と証明することは難しいのではないか」とみる。

これらを踏まえ、浮上しているのが爆発物取締罰則だ。明治期に制定された法令で、治安の妨害や人の身体・財産を害する目的で爆発物を使用すると、死刑または無期もしくは7年以上の懲役・禁錮が科される。

別の捜査関係者は「まずは危険な爆発物を作ったという証拠を得たい」と話す。園田寿・甲南大名誉教授(刑法)は同罰則について「爆発物の殺傷力さえ確認できれば、自作した爆発物を投げ込んだ行為をもって、不特定多数の人を傷付ける意図があったと認定できるのではないか」としている。