・【完全版】2000億円とも言われる遺産は誰のものに…『幸福の科学』で始まる「骨肉の争い」(FRIDAYデジタル 2023年3月17日)


※「隆法は生前、『80歳まで生きる』『生涯現役』という言葉に加え、『自分が死んだら霊になって2代目総裁に指示を送る』と言っていました。そのため、遺書が残されている可能性は低いでしょう。今後は、隆法の遺産、そして教団の継承権を巡って骨肉の争いが始まると思います」

3月2日、宗教法人『幸福の科学』の大川隆法総裁(享年66)が亡くなったことが明らかになった。隆法氏の長男でありながら’17年に教団と決別し、現在は「カルト宗教から国民を守る党」の代表として活動する宏洋(ひろし)氏(34)は、父の死について淡々とした口調でそう語った。

’56年に徳島県に生まれた隆法氏は、東大学法学部を卒業後、商社勤務を経て’81年に「エル・カンターレ」(地球神)であることを自覚したという。’86年に『幸福の科学』を設立し、教団の公称によると現在の信者数は1100万人にも及ぶ。


隆法氏は’88年に結婚した前妻のきょう子氏(57、東大卒)と’12年に離婚した後、自身の秘書だった29歳年下の紫央(しお)氏(現・総裁補佐、早大卒)と再婚。きょう子氏との間には長男・宏洋(青学卒)、長女・咲也加(さやか)(’91年生、お茶の水女子大卒)、次男・真輝(まさき)(’93年生、早大卒)、三男・裕太(’95年生、東大卒)、次女・愛理沙(ありさ)(’97年生、ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ卒)の5人の子供がいる。

全世界700ヵ所以上に支部を持つとされる教団の総資産は2000億円にも上ると報じられているだけに、隆法氏の個人資産も莫大なものである可能性は高い。宏洋氏が言うとおり遺書がないとすれば、後妻と5人の子供たちで分け合うことになるが……。

「隆法の個人資産については、正直、正確なことはわかりません。ただ、私が教団にいた’16年頃には、総裁の年収が5億円と記載された書類を見たことがあります。法定相続に従えば、財産は後妻の紫央さんが半分、残りの半分を子供5人で分けることになる。ただ、隆法の資産を管理しているであろう宗務本部の秘書がすんなりと情報を出すかはわかりませんし、親族同士で法廷闘争になっても何ら不思議ではありません。

長女と次男については私から『隆法死んだけど、どうする?』とLINEを入れましたが、現時点で返事は来ていない。韓国に亡命しているとされる三男と脱会している次女については、連絡先すらわからない状況です。ただ私としては、主張すべきところはして、もらえるものは全部受け取るつもりです」(宏洋氏)

相続争いと同じく注目を集めているのが、教団の新たなトップは誰になるのか、ということだ。教団内部の状況について、『幸福の科学』に詳しいジャーナリストの藤倉善郎氏はこう語る。

「’00年代の最盛期で信者数は約3万人だったとされているため、現在の数字はそれよりも少ない数だと推察されます。現状について現役信者から漏れてくる話では、教団内では『総裁の復活を信じて祈る』という方向になっているようです。そのため、隆法氏の死後、全国にある教団の大規模施設『正心館』に行った人たちも、悲しみに暮れているという雰囲気は感じないと言っています。隆法氏がどういった形で復活するのかについては、今のところわかっていません」


霊言ができるのは誰か

今後の後継選びは後妻で総裁補佐の紫央氏と長女の咲也加氏を中心に進んでいくとみられる。なぜ、他の子供たちは後継候補として挙がっていないのか。宏洋氏が大川家と教団の歴史を明かす。

「まず、私の母であるきょう子さんが10年ほど前に離婚し、教団を出ました。両親の仲が悪くなったのは、私の中学受験の頃からだったと思います。隆法もきょう子さんも東大出身ですから、二人の息子である私は『1000年に一人の天才』だと思っていたようです。ただ、私は出来が良くなく、中学受験に失敗。そこから口論が絶えなくなり、離婚に至ったと記憶しています」

離婚後、隆法氏はすぐに秘書だった紫央さんと再婚した。

「もともと教団は、隆法の隆法による隆法のためのものでしたが、実務面を取り仕切っていたきょう子さんが去ったことでそれがますます顕著になった。教団運営について口を出されるのが疎ましくなったのか、’17年に私は要職を外されました。そして、私の後に次期後継者として長女の咲也加が指名されると、次男・三男・次女も次々と左遷されていった。おそらく、長女の地位を盤石にするためのものだったのでしょう。それまで、弟や妹たちは、神や歴史上の偉人の生まれ変わりとされていましたが、皆、河童やら妖怪やらに格下げされていましたね」

では、後継者は長女の咲也加氏で決まりなのかと言えば、そうは言い切れないようだ。

「隆法氏の死去直前の2月26日、咲也加氏は副理事長というポジションから左遷されたとの情報が流れたのです。実際、咲也加氏のプロフィールは教団ホームページからも削除されています。咲也加氏はもともと、『天照大神』の生まれ変わりとされていましたが、実は『妖怪おたふく』だったとする隆法氏の霊言(れいげん)が発表されたと聞きます」(前出・藤倉氏)

今後は、総裁補佐の紫央氏と咲也加氏の間で教団が二分される可能性もあると、宏洋氏は予想する。

「私の見立てでは、信者の人望があるのは咲也加のほうだと思います。何と言っても実の子供ですし、長く次期後継者としてやってきていましたからね。左遷されたとはいえ、紫央さんが後を継ぐことになれば絶対に咲也加も黙っていないでしょう。紫央さんから離れ、咲也加が分派を作る可能性も十分にあると思います」

後継者を決める上で、重要なポイントになるとみられているのが「霊言」だ。宏洋氏が続ける。

「『霊言』こそが『幸福の科学』の根幹です。もともとそこから始まった宗教ですから。ただ、私の知る限りでは、隆法から『霊言』の免許を授けられたのは、私と三男の二人だけです。私は大学4年生頃に免許を授けられた。あるとき、300人ほどの信者を前にした隆法が急に、『今日は宏洋が空海の霊言をやります』と言い出したんです。私はいつも隆法の『霊言』のインタビューをしていたので、見様見真似で『空海です』と挨拶した。すると隆法が、『これは入ってます。できてます』と。

しかし、紫央さんも咲也加も『霊言』の免許は受けていないはず。『霊言』なくしては『幸福の科学』は成り立たない。そのため、どちらが教団を継ぐことになるにせよ、信者は次第に離れていくと私は見ています」

今後、「1100万人」の信者を導くのは後妻か長女か、それとも……。骨肉の争いが始まろうとしている。


・“月給43万円”幸福の科学・千眼美子28歳が消えた!?…大川隆法総裁は生前「実の娘でないにもかかわらず、調子に乗っている」(文春オンライン 2023年4月11日)

※『全部、言っちゃうね。』

そんなタイトルの著書と共に、突然の“出家”宣言で世間を驚かせた女優の清水富美加(28)。あれから6年、教祖が逝去し……。

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月給は43万と新出家者では破格の扱い

2015年のNHK朝ドラ『まれ』で主人公の幼馴染役を演じるなど、若手女優として注目を集めていた清水。「幸福の科学」への出家と芸能界引退が一斉に報じられたのは、17年2月12日のことだった。

「信者だった両親の影響で彼女も入信しました。本人も『お父さんはゴリゴリの信者』と語っていた。大川隆法総裁からは、“千眼美子”という法名が与えられました」(教団関係者)

「週刊文春」が入手した教団の内部文書(17年)には、〈新出家者 2月7日付〉として次のように記されていた。

〈千眼美子(22)メディア文化事業局兼NSP(株)部長 本給43.5万円〉

NSPとは、教団の事務所「ニュースター・プロダクション」のことで、彼女はその部長職を担っていたようだ。他の新出家者の月給を見ると、20万円前後が目立つから千眼が破格の扱いであることが分かる。


昨年から露出が急減し、SNSの更新も停滞

さらに、〈千眼さんの出家報道によってできた広く一般に法を弘めていく気運をさらに醸成しつつ、映画や東京ドームのお誘い、入会・三帰のお勧めにつなげてまいります〉との報告に対し、大川氏は直筆で〈しっかりやって下さい〉と指示を出していた。

「実際、清水は17年8月の東京ドームでの大講演会に登場。5万人(教団発表)を前にドレス姿で歌を披露しました」(同前)

以降、翌18年公開の映画で大川氏の長男・宏洋氏の“恋人役”を演じるなど、年1回のペースで映画の主演を務めてきた。20年4月には、ラジオ番組『千眼美子の飛んでけ! SOUND WAVE』(ラジオ大阪)も開始。その知名度を生かし、教団の広告塔として活動を続けてきたのだが、

「昨年から彼女の露出が急減しているのです」(同前)

実際、映画は昨年2月公開の『愛国女子』を最後に主演作はゼロ。今年5月公開予定の『レット・イット・ビー 〜怖いものは、やはり怖い〜』では、脇役としてクレジットされている。ラジオ『千眼美子の〜』も昨年7月に番組名が『あなたに届け! Happy Sound Wave』に変更され、昨年10月以降、清水は一度も出演していない。加えて、SNSの更新も停滞。インスタグラムは昨年2月18日、ツイッターの投稿は昨年11月7日が最後だ。

大川総裁は“霊言”で千眼を非難

「そんな中、3月初旬、ある“霊言”が公開されました。大川氏が亡くなる直前、2月中旬に収録した音源とされます」(同前)

実際に、霊言を聴いた現役の信者が明かす。

「大川総裁は、後継者候補だった長女の咲也加さんを批判する文脈で、突然千眼さんの名前を出しました。千眼さんは、総裁から“娘みたい”と言われ、寵愛を受けてきたはず。ところが、この日の霊言では“実の娘でないにもかかわらず、調子に乗っている”――と彼女を非難するような感じだったのです。千眼さんの立場が以前より悪くなっていると受け止めました」

教団広報局は事実確認に対し、次のように回答した。

「(映画で脇役になったのは)配役については、プロデューサーと監督を中心に様々な観点から判断し、役に相応しいタレントを起用しています。(ラジオの降板は)番組内容の変更に伴い、MCについては千眼だけではなく、幅広くタレントを起用する方針に変更となりました。SNSについては、本人に任せております。(霊言の意味については)お答え致しません」

このまま、“全部、消えちゃう”の?

(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年4月6日号)


・「幸福の科学」後継者決定へ動き、法人登記を書き換え中 新刊途絶える“霊言本”の行方は(NEWSポストセブン 2023年4月23日)

※公称信者数1100万人、総資産2000億円ともいわれた巨大宗教団体「幸福の科学」の大川隆法・総裁が急逝したのは3月2日のことだった(享年66)。大川家の巨額遺産や教団総裁は誰が継承するのか──。訃報が出た直後から取り沙汰されたが、教団はそもそも大川氏の死を正式に発表していない。

宗教法人法では代表役員やその代務者が1年以上にわたって欠けているときは解散命令の対象(81条)となる。教団の後継者として有力視されているのは、後妻で総裁補佐を務める紫央氏だ。紫央氏は大川氏と同郷の徳島県出身の2世信者で、日本銀行に勤務した後、2009年に幸福の科学の職員に転じてからは異例のスピード昇進を遂げ、27歳だった2012年に29歳年上の大川氏と結婚した。

大川氏の長男で現在は教団を離脱している宏洋氏は本誌・週刊ポスト(2023年3月24日号)の取材で、後継者について「もう紫央さんしかいない」としながらも、紫央氏は霊言ができないため「大川隆法の霊言を伝えることができない紫央さんには幸福の科学を率いることはできないことになる」と語っていた。

幸福の科学は創始者である大川総裁が、事務方トップとなる代表役員も務めていた。教団運営はすべて大川氏が1人で判断して動かしていただけに、宗教法人法で規定されている代表役員には誰かを据えて、「総裁」の地位は空いたままにするのではないかとみられている。

教団の後継者は誰になるのか。文化庁宗務課は「幸福の科学の代表役員の変更届が出ているとは聞いていません。代表役員の変更があった場合は、まず登記の変更を行なった上で、宗務課に変更の届け出をすることになっています」という。幸福の科学の法人登記を法務局で確認すると、「4月13日に変更の届け出があり、登記書き換え中です」とのことで、まさに代表役員の変更登記をしている最中のようだ。

幸福の科学といえば“霊言本”や「法シリーズ」と呼ばれる大川氏の著作でベストセラーを連発してきたが、3月中旬以降は大川氏による新刊の発表も途絶えている。

幸福の科学に、新たな代表役員や総裁には誰が就くのか、霊言本などの発表予定の有無、さらに大川氏の死去について公式見解を訊いたが、すべて「お答え致しません」(広報局)との回答だった。

いまだ時は止まったままのようだ。

※週刊ポスト2023年5月5・12日号