・殺生石 真っ二つ 以前からひび、自然現象か 那須(下野新聞SOON 2022年3月6日)
※「九尾の狐(きつね)伝説」で知られる栃木県那須町湯本の国指定名勝「殺生石」が真っ二つに割れたことが5日、分かった。関係者によると数年前からひびが入っていたことが確認されており、自然に割れたとみられる。
町観光商工課は、観光客が投稿したツイッターの情報などから、割れたのはここ数日ではないかとみている。岩は真ん中付近から割れており、周囲を囲んでいたしめ縄も切れていた。
町は今後、国、県とともに対応を協議する予定で、同課の阿久津正樹(あくつまさき)課長は「自然現象の可能性が高いので致し方ない。可能であれば元の形に近い状態に戻すことが理想ではないか」と話す。町観光協会の阿久津千陽(あくつちあき)会長(51)は「夕方に知らせを受けて驚いた。こういう形で話題になるとは」と困惑した様子だった。
殺生石は、那須湯本温泉近くの那須岳の斜面にある巨大な溶岩。1957年に県史跡、2014年に国の名勝に登録された。室町時代の文献などによると、九尾の狐が美しい女性に化けて鳥羽上皇を殺そうとしたところを陰陽師(おんみょうじ)に見破られ、那須まで逃げた末に退治され石になった。石が放つ毒気で多くの生き物が命を落としたため「殺生石」と名付けられたという。
・割れた殺生石どうする そのままか復元か…「これはこれで」観光客には人気(下野新聞SOON 2022年3月8日)
※5日に割れていることが分かった那須町湯本の国指定名勝「殺生石」について、周辺一帯を管理する環境省日光国立公園那須管理官事務所は7日、現地を訪れ岩の断面などを確認した。下野新聞社の取材に、担当者は「現時点で復元の予定はない」。ただ、一部には復元を望む声もあることから、関係者と協議した上で対応を決めるとしている。
・2つに割れた那須の「殺生石」 憶測呼ぶ「九尾の狐」伝説(産経新聞 2022年4月10日)

(上)真っ二つに割れた殺生石=栃木県那須町湯本
※「九尾の狐」伝説で知られる栃木県那須町の「殺生石(せっしょうせき)」が真っ二つに割れ、さまざまな憶測が飛び交っている。美女に化けた九尾の狐が退治され石になったという伝説から約630年。会員制交流サイト(SNS)では「封印されていた九尾の狐が解放されたのでは」などの書き込みが拡散。石が割れたのは吉兆か、それとも不吉の前兆かと、ヒートアップしている。
画像ツイートで判明
殺生石は、那須湯本温泉街近くの那須岳の斜面にあり、昭和32年に県史跡、平成26年には国の名勝に登録され、観光名所として知られる。付近一帯ではかつて火山性の有毒ガスが噴出し、鳥や小動物が死んだことから「生き物を殺す石」と信じられ、この名が付いたともされる。
この殺生石が割れた状態で見つかったのは、3月5日。観光客がツイッターで画像を投稿して判明した。問い合わせを受けた地元の那須町観光協会も駆けつけ、ほぼ中央から刃物で切ったように真っ二つに割れた殺生石を確認した。
同協会によると、殺生石は溶岩で、以前からひびが入っていたといい、自然現象で割れたとみられる。だが拡散された投稿が多くの人の目に触れることになり、さまざまな憶測を呼ぶきっかけになった。
「一大事」で慰霊祭
殺生石にまつわる「九尾の狐」伝説の存在が憶測に拍車をかけている。
平安時代後期、鳥羽上皇の愛する妃に「玉藻前(たまものまえ)」という美女がいた。ところが帝は日に日に衰弱し、床に伏せるようになった。これを陰陽師(おんみょうじ)が、「玉藻前」に化けた九尾の狐の仕業と見破った。正体を現した九尾狐は那須まで逃げたが、とうとう退治された。

(上)割れる前の殺生石
しかし、九尾の狐は巨大な石に化身し毒気をふりまき、近くを通る人や家畜、鳥や獣の命を奪うことに。結局、高僧により怨念が封じこめられ、一喝すると石は割れて飛び散ったという。飛び散らないで残ったのが殺生石。600年以上前の出来事と伝えられている。
殺生石が割れたことは地元でも「一大事」と受け止められ、3月末に那須町観光協会による慰霊祭と平和祈願祭が行われた。
・那須の殺生石にイノシシ8頭死骸 九尾の狐伝説の地、有毒ガスか(下野新聞SOON 2022年12月9日)

(上)殺生石周辺で発見されたイノシシの死骸=7日午前10時20分
※「九尾の狐(きつね)伝説」で知られる栃木県那須町湯本の国指定名勝「殺生石」で、イノシシ8頭の死骸が見つかっていたことが9日分かった。群れで行動するうちに付近に迷い込み、硫化水素などの有毒な火山ガスを吸ったとみられる。殺生石周辺でタヌキといった動物の死骸が発見されることはあるが、関係者は「これだけまとまった動物の死骸は聞いたことがない」と驚いている。
殺生石園地を管理する環境省日光国立公園那須管理官事務所によると、7日午前10時20分ごろ、業務のために殺生石を訪れた同事務所職員が死骸を発見。8頭のうち成獣は3頭で一回り小さな幼獣が5頭。いずれも園地内で特に硫化水素や亜硫酸ガスの発生が多いとされる殺生石の右奥付近に横たわっていた。
同事務所は県などに相談し、豚熱感染によるものではないと判断。翌8日午前9時半から同事務所と那須町などの職員計8人で死骸の回収作業を行った。死骸は8日のうちに焼却処分された。
同事務所の善養寺聡彦(ぜんようじさとひこ)さん(63)は「殺生石で発見される動物の死骸の多くはキツネやタヌキでイノシシの報告は初めて受けた。それも1、2頭でなく8頭というのは驚き」と説明。ガスの有毒性については「人間の場合は極端に近寄らなければ基本的に問題はないが、動物は人間より低い姿勢のためより影響を強く受けてしまうのではないか」と推測した。
九尾の狐伝説によると、中国やインドで悪行を働いたキツネが那須まで逃げた末、退治されて石になった。その石が放つ毒気で多くの生き物が命を落としたため、「殺生石」と名付けられたとされている。
同事務所は以前から殺生石の手前に柵を設置、看板を立てて観光客にガスへの注意を喚起している。善養寺さんは「幼いお子さんやペットを連れた方は注意してほしい。柵を越えることも絶対にやめてほしい」と呼びかけている。
・「殺生石」にイノシシの死がい発見 一度に8頭…原因は? 栃木・那須町(日テレNEWS 2022年12月13日)
※栃木・那須町の那須岳の斜面にある、国が指定する名勝「殺生石」。その昔、石が放つ“毒気”で多くの生き物が命を落としたことから、「生き物を殺す石」と名付けられたとの言い伝えもあります。この地で先週、あるショッキングな出来事が発生しました。
殺生石を管理する公園事務所の担当者に聞いてみると――
環境省・日光国立公園・那須管理官事務所 善養寺聡彦さん
「柵の向こうに黄色いところがありますけれど、あの周りに8頭イノシシの死がいがあるのを発見しました」
善養寺さんによると、イノシシ8頭の死がいを発見したのは、今月7日ということです。
環境省・日光国立公園・那須管理官事務所 善養寺聡彦さん
「普段はキツネとかタヌキが、多くても2~3頭」
一度に8頭もの死がいが発見されるのは珍しいといいます。
環境省・日光国立公園・那須管理官事務所 善養寺聡彦さん
「硫化水素は毒性高いので、動物は特に姿勢が低いですから、硫化水素、やや空気より重いので下にたまりやすいってことで、硫化水素を吸い込んでイノシシが死んでしまったのかなと」
実は、この殺生石は溶岩で、付近一帯では硫化水素などが噴出。善養寺さんによると、硫化水素などの有毒な火山ガスを吸ったことが原因ではないかということです。
ガスの有毒性については、人間の場合は極端に近寄らなければ問題ないといいますが、「柵を越えて中に入ることはやめてほしい」と注意を呼びかけています。
※「九尾の狐(きつね)伝説」で知られる栃木県那須町湯本の国指定名勝「殺生石」が真っ二つに割れたことが5日、分かった。関係者によると数年前からひびが入っていたことが確認されており、自然に割れたとみられる。
町観光商工課は、観光客が投稿したツイッターの情報などから、割れたのはここ数日ではないかとみている。岩は真ん中付近から割れており、周囲を囲んでいたしめ縄も切れていた。
町は今後、国、県とともに対応を協議する予定で、同課の阿久津正樹(あくつまさき)課長は「自然現象の可能性が高いので致し方ない。可能であれば元の形に近い状態に戻すことが理想ではないか」と話す。町観光協会の阿久津千陽(あくつちあき)会長(51)は「夕方に知らせを受けて驚いた。こういう形で話題になるとは」と困惑した様子だった。
殺生石は、那須湯本温泉近くの那須岳の斜面にある巨大な溶岩。1957年に県史跡、2014年に国の名勝に登録された。室町時代の文献などによると、九尾の狐が美しい女性に化けて鳥羽上皇を殺そうとしたところを陰陽師(おんみょうじ)に見破られ、那須まで逃げた末に退治され石になった。石が放つ毒気で多くの生き物が命を落としたため「殺生石」と名付けられたという。
・割れた殺生石どうする そのままか復元か…「これはこれで」観光客には人気(下野新聞SOON 2022年3月8日)
※5日に割れていることが分かった那須町湯本の国指定名勝「殺生石」について、周辺一帯を管理する環境省日光国立公園那須管理官事務所は7日、現地を訪れ岩の断面などを確認した。下野新聞社の取材に、担当者は「現時点で復元の予定はない」。ただ、一部には復元を望む声もあることから、関係者と協議した上で対応を決めるとしている。
・2つに割れた那須の「殺生石」 憶測呼ぶ「九尾の狐」伝説(産経新聞 2022年4月10日)

(上)真っ二つに割れた殺生石=栃木県那須町湯本
※「九尾の狐」伝説で知られる栃木県那須町の「殺生石(せっしょうせき)」が真っ二つに割れ、さまざまな憶測が飛び交っている。美女に化けた九尾の狐が退治され石になったという伝説から約630年。会員制交流サイト(SNS)では「封印されていた九尾の狐が解放されたのでは」などの書き込みが拡散。石が割れたのは吉兆か、それとも不吉の前兆かと、ヒートアップしている。
画像ツイートで判明
殺生石は、那須湯本温泉街近くの那須岳の斜面にあり、昭和32年に県史跡、平成26年には国の名勝に登録され、観光名所として知られる。付近一帯ではかつて火山性の有毒ガスが噴出し、鳥や小動物が死んだことから「生き物を殺す石」と信じられ、この名が付いたともされる。
この殺生石が割れた状態で見つかったのは、3月5日。観光客がツイッターで画像を投稿して判明した。問い合わせを受けた地元の那須町観光協会も駆けつけ、ほぼ中央から刃物で切ったように真っ二つに割れた殺生石を確認した。
同協会によると、殺生石は溶岩で、以前からひびが入っていたといい、自然現象で割れたとみられる。だが拡散された投稿が多くの人の目に触れることになり、さまざまな憶測を呼ぶきっかけになった。
「一大事」で慰霊祭
殺生石にまつわる「九尾の狐」伝説の存在が憶測に拍車をかけている。
平安時代後期、鳥羽上皇の愛する妃に「玉藻前(たまものまえ)」という美女がいた。ところが帝は日に日に衰弱し、床に伏せるようになった。これを陰陽師(おんみょうじ)が、「玉藻前」に化けた九尾の狐の仕業と見破った。正体を現した九尾狐は那須まで逃げたが、とうとう退治された。

(上)割れる前の殺生石
しかし、九尾の狐は巨大な石に化身し毒気をふりまき、近くを通る人や家畜、鳥や獣の命を奪うことに。結局、高僧により怨念が封じこめられ、一喝すると石は割れて飛び散ったという。飛び散らないで残ったのが殺生石。600年以上前の出来事と伝えられている。
殺生石が割れたことは地元でも「一大事」と受け止められ、3月末に那須町観光協会による慰霊祭と平和祈願祭が行われた。
・那須の殺生石にイノシシ8頭死骸 九尾の狐伝説の地、有毒ガスか(下野新聞SOON 2022年12月9日)

(上)殺生石周辺で発見されたイノシシの死骸=7日午前10時20分
※「九尾の狐(きつね)伝説」で知られる栃木県那須町湯本の国指定名勝「殺生石」で、イノシシ8頭の死骸が見つかっていたことが9日分かった。群れで行動するうちに付近に迷い込み、硫化水素などの有毒な火山ガスを吸ったとみられる。殺生石周辺でタヌキといった動物の死骸が発見されることはあるが、関係者は「これだけまとまった動物の死骸は聞いたことがない」と驚いている。
殺生石園地を管理する環境省日光国立公園那須管理官事務所によると、7日午前10時20分ごろ、業務のために殺生石を訪れた同事務所職員が死骸を発見。8頭のうち成獣は3頭で一回り小さな幼獣が5頭。いずれも園地内で特に硫化水素や亜硫酸ガスの発生が多いとされる殺生石の右奥付近に横たわっていた。
同事務所は県などに相談し、豚熱感染によるものではないと判断。翌8日午前9時半から同事務所と那須町などの職員計8人で死骸の回収作業を行った。死骸は8日のうちに焼却処分された。
同事務所の善養寺聡彦(ぜんようじさとひこ)さん(63)は「殺生石で発見される動物の死骸の多くはキツネやタヌキでイノシシの報告は初めて受けた。それも1、2頭でなく8頭というのは驚き」と説明。ガスの有毒性については「人間の場合は極端に近寄らなければ基本的に問題はないが、動物は人間より低い姿勢のためより影響を強く受けてしまうのではないか」と推測した。
九尾の狐伝説によると、中国やインドで悪行を働いたキツネが那須まで逃げた末、退治されて石になった。その石が放つ毒気で多くの生き物が命を落としたため、「殺生石」と名付けられたとされている。
同事務所は以前から殺生石の手前に柵を設置、看板を立てて観光客にガスへの注意を喚起している。善養寺さんは「幼いお子さんやペットを連れた方は注意してほしい。柵を越えることも絶対にやめてほしい」と呼びかけている。
・「殺生石」にイノシシの死がい発見 一度に8頭…原因は? 栃木・那須町(日テレNEWS 2022年12月13日)
※栃木・那須町の那須岳の斜面にある、国が指定する名勝「殺生石」。その昔、石が放つ“毒気”で多くの生き物が命を落としたことから、「生き物を殺す石」と名付けられたとの言い伝えもあります。この地で先週、あるショッキングな出来事が発生しました。
殺生石を管理する公園事務所の担当者に聞いてみると――
環境省・日光国立公園・那須管理官事務所 善養寺聡彦さん
「柵の向こうに黄色いところがありますけれど、あの周りに8頭イノシシの死がいがあるのを発見しました」
善養寺さんによると、イノシシ8頭の死がいを発見したのは、今月7日ということです。
環境省・日光国立公園・那須管理官事務所 善養寺聡彦さん
「普段はキツネとかタヌキが、多くても2~3頭」
一度に8頭もの死がいが発見されるのは珍しいといいます。
環境省・日光国立公園・那須管理官事務所 善養寺聡彦さん
「硫化水素は毒性高いので、動物は特に姿勢が低いですから、硫化水素、やや空気より重いので下にたまりやすいってことで、硫化水素を吸い込んでイノシシが死んでしまったのかなと」
実は、この殺生石は溶岩で、付近一帯では硫化水素などが噴出。善養寺さんによると、硫化水素などの有毒な火山ガスを吸ったことが原因ではないかということです。
ガスの有毒性については、人間の場合は極端に近寄らなければ問題ないといいますが、「柵を越えて中に入ることはやめてほしい」と注意を呼びかけています。