Kan Nishida@KanAugust

※「キエフじゃなくてドンバス、最初も今もこの後も。」

これがロシアの一貫した戦略で、現在恐ろしいほど効率的に駒を進めています。

しかし、西側メディアのプロパガンダのせいで

現実が見えにくいので、この戦略をまとめてみます。

正義、悪とか関係なく、あくまで戦略の話です。



まずロシアのゴールは?

ロシアは開戦時、停戦の条件として以下の6つを挙げた。

1. NATOに入らないことを保証、
2. 非軍事化
3. クリミアをロシア領と認める
4. ドンバス地域の2国(ドネツク、ルガンスク)を独立国として認める
5. 政権からネオナチの追放
6. ロシア語を第2公用語に戻す



ここから、まず最初の軍事的ゴールは東部のドンバスの制圧または「解放」です。

しかし、戦争が始まってみるとウクライナ各地に攻撃が開始され、キエフに向かってロシア軍進軍があったので、ウクライナ全体の占領か!

と、私を含む多くの人が勘違いしてしまいました。

しかし、ロシア軍のゴールはぶれていません。(今のところ)

ドンバス地域の制圧またはウクライナ軍からの「解放」です。

次に、ロシア軍に課された制約条件を見てみましょう。

まずは軍隊の規模。

ロシア軍はウクライナ軍よりも規模は大きいが、

ウクライナへの侵攻に送るのはロシア軍全体の一部。

なので、規模(人員)で劣るロシア軍は規模の大きなウクライナ軍と戦わなくてはならない。

20万人(ロシア)vs. 60万人(ウクライナ)

次に、補給線、ロジスティクス

ロシアからドンバスを経てクリミアまでつなぐ間の補給線、軍隊の移動を確保する。

そのためには、途中にある都市マリウポリを陥落しなくてはいけない



さて、みなさんが軍師であればどうしますか?

ドンバスに軍を集中的に送りますか?

それとも?

ロシア軍は

ウクライナ軍の主力を首都キエフや北部、東部、南部のそれぞれの都市に閉じ込め、ドンバスにいる最大規模のウクライナ軍を支援できなくする

という戦術をとりました。



まず開戦早々、ウクライナ国内の補給線、制空権、コミュニケーション、長距離ミサイル網などを破壊

結果、ウクライナ軍はそれぞれの軍隊の間のコーディネートができなくなった。

3月27日の時点では

529のタンク、1177の軍備装甲車、160のコマンド・通信用のレーダーが破壊、

空軍と海軍消滅

そしてそれぞれの地域での作戦が始まる。

北部:

キエフをロシア軍で囲い込むことで、ウクライナ軍は首都防衛のために動けなくなった。

赤:ロシア軍支配
青:ウクライナ軍抵抗エリア



ハリコフも同じ。

比較的小さい規模のロシア軍隊によって包囲され、

ドンバスでの戦闘地であるクルマトルスクなどにいるウクライナ軍に支援物資を送れない。

ドンバスでの戦闘を支援できない



南部:

ロシア軍の開戦早々の猛攻のためウクライナ軍は内部に退いた。

その間にヘルソン、ザポリージャの一部まで占領。

オデッサ沖のロシアの陸海軍はウクライナ軍を釘付けにした。



東部:

ウクライナ軍はドンバス地域に6万から10万人の大規模の軍隊を配置。

ロシア軍はここに集中攻撃をかけて、この軍隊をマリウポリに向かって動けなくした。



そうこうしているうちに、マリウポリ、ヘルソンが陥落したことにより、

ロシアからクリミアへ陸でつながる補給線、軍事網の構築完了。

これにより、ロシア軍の軍事作戦、第1フェーズは終了



つまり、北部と南部のオペレーションは、

東部のドンバスをウクライナ軍から「解放」または「占領」するために、

追加のウクライナ援軍を寄せつけない、

そしてロシア軍のロジスティクス確保のための作戦

そして現在すでに第2フェーズ

北部のキエフ、チェルニヒウ、スムイ、ハリコフ地域は、これまでの軍事作戦の成功により、より小さい規模の軍隊でこれまでと同じ規模のプレッシャーをウクライナ軍に与え続けることができる

そのため、ここからロシア軍はドンバス地域に向けて移動。



南部も同じ。

東部のマリウポリはすでに陥落したので、このロシア軍部隊もドンバスへ振り向けることができる。



現在、ウクライナ中のロシア軍が、ドンバスの「解放」と東部に残っている6万ほどのウクライナ軍の壊滅のために向かっているとのこと。

こうして見ると、ウクライナ軍はまったく善戦してない。

全てはロシアの戦略通りであり、ウクライナは逆に確実に追い詰められている。

ウクライナはさっさと停戦しておけば、有利な条件で生き残れた。

しかし、今となっては、すでに遅すぎる。

すでにロシアは当初のゴールのいくつかを達成しかかっているので、停戦するモチベーションはない。

3. クリミアをロシア領として公式に認める
4. ドンバスの2国の独立の承認

そして、現在のフェーズ2がロシアの成功に終わると、

この地域にいるウクライナ軍が壊滅してしまうことになる。

それはウクライナ軍そのものの崩壊に繋がる可能性もあるだろう。

もちろんそれは現政権の崩壊もしくは降参を意味するだろう。

ウクライナがロシアが最初に提示した停戦の条件を受け入れるか、入れないか

それはどうでもよくなりつつある。

というのも、ロシアはすでに目的達成に向かいつつあるから。

要求はもっと厳しくなるのでは?

こんなに恐ろしいほどロシア軍は戦略を実行中であるにも関わらず、

西側のメディアは相変わらず、「ウクライナ軍の抵抗が激しい、キエフを攻めきれないロシア軍は弱い、すでに撤退し始めた、戦略が崩壊、プーチンは病気」などなど、

いい加減な情報ばかり。

例えば、こちらの記事を読んでみて下さい。

https://yomiuri.co.jp/world/20220402-OYT1T50225/

一見ロシアが撤退し、ウクライナ軍が前進している
という印象を受けがちな記事ですが、

ロシアの戦略を理解している人には、ロシアが前進していることを確信できるような記事です。

いつも事実を追求することが重要です。

そのためにはゴールや戦略といったものを理解することが重要だという話でした。

ところで、次は中国が台湾に侵攻する、その次は日本だと言われたりします。

今回の戦争はその可能性を一気に高くしたと思います。

(私はその責任はバイデン大統領にあると思いますが、それは別の機会にしましょう)

そしてそういった侵攻は、このような戦略、作戦をもって
起きるということを知っておくのは重要だと思います。

以上。

参照:

元アメリカ軍海兵隊、イラク大量破壊兵器の国連主任査察官のスコット・リッター氏と
Gleb Bazov氏の解説を参考にまとめました。

スコット・リッター
https://twitter.com/RealScottRitter/status/1508813631311466496
Gleb Bazov
https://twitter.com/gbazov/status/1508875144952958986


以下「マスコミに載らない海外記事」様より転載

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2022/05/post-fe7ea1.html

・マリウポリではジャベリンは役に立たなかった、ゼレンスキーは兵士に死ねと命じたと、とらえられたウクライナ人

アンドリュー・アングリン

2022年5月8日

DailyStormer

※皆様は確実にジャベリンについて大いにお聞きだろう。我々全員ジャベリン宣伝で爆撃されている。

だが皆様は、ウクライナでの大多数の戦闘が行なわれている都市環境で、このミサイル・システムがどのように機能するか、じっくり考えたことがおありだろうか?

もし皆様がそれについて考えておられなければ、皆様は、おそらく一度もこのミサイルが、どのようにの作動するかというビデオをご覧になっていない。

「自動追尾機能」誘導システムは確かに素晴らしい。同意しない人はいない。

だが、戦車を破壊できる大きさのミサイルが、軌道に乗り、自動誘導プロセスを開始するのに必要な空間の長さから、開けた地域以外での使用は明らかに不可能だ。なぜ米軍がウクライナ人に都市環境でこれを使うように言うのか私には分からない。

率直に言って、彼らは旧式の携行式ロケット弾を使う方が良いだろう。

現代の携行式ロケット弾は戦車を大破させるのは不可能かもしれないが、少なくとも損傷を与え、しばしば装甲を貫通し、乗員を殺害可能だ。

すると問題は、ウクライナ人が狙いをつけるのに余りに無能なことだろうと思う。

アメリカ製のジャベリン対戦車システムはワシントン当局者により、その効率を称賛され、欧米メディアによりロシアとの紛争におけるウクライナの抵抗の象徴に変えられた。だが、マリウポリで戦っていた際に捕えられたウクライナ海兵隊指揮官が、このハードウェアが本当は、主張通りに動かないことをRTに明らかにした。

「ジャベリンは、特に市街戦では有効ではない」とウクライナ第36海軍歩兵旅団指揮官ウラジーミル・バラニューク大佐が言った。

「我々は一発も発射できなかった。常に何かが邪魔になるので、都市環境では全く役に立たないと思う」と彼は説明した。

バラニュークの部隊はイギリスから供給された軽量次世代対戦車兵器(NLAW)も装備していたが、この士官によれば、これにも欠陥があった。

「NLAWミサイル発射装置は、ジャベリンより、ずっと頻繁に使ったが、寒い状態では、バッテリーがあがり、発射不可能になる問題がある」と彼は言った。

NLAWは確かに、ずっと実用的に思われる。

私はバッテリー凍結など聞いたことさえなかった。笑わせる話だ。

どうやら誰も実際何なのか理解せずに、ジャベリンについて多く語っているのは驚くべきだ。3月初旬、テレビで、完ぺきにイギリス風に太った「ウクライナ」女性たちが、もっと多くジャベリンが必要だと言うのを見たのを覚えている。

5,000基以上のジャベリンがワシントンからキエフに供給された。ミズーリのロイ・ブラント共和党上院議員は、先週それらシステムはアメリカ備蓄の三分の一だと言った。ロンドンは既に4,000以上のNLAWや他の対戦車ミサイルをウクライナ軍に供給した。

4月「この戦いで、ジャベリンは実に非常に効率的なことが分かった」とウクライナでの紛争に言及してロイド・オースティン国防長官が言った。

ウクライナ紛争の中、ジャベリンを抱えたキリスト教の聖母マリアの絵がインターネット・ミームとなり、今週早々、このアメリカ・システムに敬意を表し、親が生まれた子を「ジャベリンやジャベリナ」と呼んでいるとジョー・バイデン大統領が自慢した。

そう、もう実に病的で悪魔のようだ。

聖母マリア・ミームは明らかに悪魔のようで、子供が対戦車ミサイルの名にちなんで名付けられることを冗談にするジョー・バイデンには、ただ、むかつく。


During his visit to Lockheed Martin's Troy, Alabama plant, Joe Biden pushed for approval of his proposed $33 billion military aid package to Ukraine by claiming Ukrainians were naming their children "Javelin" and "Javelina" after the anti-tank missile the plant manufactured. pic.twitter.com/zNPiKRjSrw

— Max Blumenthal (@MaxBlumenthal) May 4, 2022


ウクライナ支持者は死のカルトだ。

ここにウクライナ人-脱走し、降伏した指揮官-のインタビューがある。(大いに見る価値がある。)

「命令は、死ねということだった」。

Kiev’s ‘heroic defense’ bravado in Mariupol doesn’t fit with accounts of Ukrainian officers
 
キエフは自分を見捨てたとも彼は言っている。

実に悲しいことだ。

この男は、勇敢さのかどで、文字通りゼレンスキー本人から賞を与えられ、テレビ放送された国民への演説で発表した人物だ。

ゼレンスキーが公式に英雄と称賛する人が脱走し、最初の機会に投降するなら、他の軍人たちは一体どうなのだろう?

記事原文のurl:https://dailystormer.cn/captured-ukrainian-says-javelins-were-useless-in-mariupol/


日刊IWJガイド

<スクープ!>あのシュピーゲル誌とロイター通信が真実を捻じ曲げて米国NATOに戦争協力! マリウポリのアゾフスタル製鉄所から避難したナタリア・ウスマノワさんの真実の証言!「彼ら(アゾフ連隊)は私たちをバンカー(地下壕)に閉じ込めたのです」「ウクライナ軍は一般市民が避難することを許しませんでした。子どもも老人も病人も避難することを許さなかったんです。私は聞きたいです、なぜ、何のために」!


・軍事援助を受け取ったウクライナの大混乱、適切に配分されず

2022年05月15日

https://www.thutmosev.com/archives/88187742.html

大量の軍事援助がまとまり無く届くので、受け取ったウクライナは混乱し適切に配置されていない

※援助を受け取ったウクライナの大混乱

先日CNNニュースで元米軍将校が「ウクライナが勝利するための必要条件はなにか」というインタビューに答えている記事があり、かなり興味深かった。

マイク・レパス氏は元米陸軍少将で米特殊作戦軍を欧州で率いた経歴を持つ、たぶんセルビアとかボスニア紛争かも知れない。

レパス氏は過去6年間、米政府から請け負ってウクライナ軍への助言を行い、ウクライナを支援する立場で勝利条件を語っている。

彼の分析ではウクライナ軍は軍備の供給が効率的ではなく、国内からロシア軍を追放する為には追加の軍隊が必要になる。

彼は米国と同盟国がウクライナに戦略部隊を立ち上げ、およそ4万人の『攻撃部隊』とする提案をしている。

レパス氏が侵攻開始後にウクライナを視察して分かったのは、欧米などから提供された兵器が適切に運用されていない。

あっちから戦車数両、こっちから対戦車砲数個と言った具合で、各人がバラバラに送ったり受け取ったりし、現場の部隊に適切に配分されていない。

各国は思い付きのように兵器提供を申し出るので、受け取る方もその場その場で思い付きのように現場に配っている。

何らかのデータとか戦略に基づいて受け取った兵器を配分しているのではなく、非常に混乱しているという。

それぞれの部隊が「ジャベリンを27欲しい」と要求し、政府は適当に配っているが、どこにそのジャベリンを配分するのが最適なのか誰も知らない。

これをレパス氏は兵站の個人化と呼んでいて、物資の配分を個人個人が適当に決めてやっているのだという。

ウクライナ軍は2月から3月にかけて驚くほど善戦しロシア軍を食い止めたが、4月になるとぱったりと動きを止めていました。


ウクライナ軍に必要なのは攻撃部隊と訓練

ウクライナ軍の動きが止まった理由は一つは守りに徹していて「攻撃部隊」が存在しないので、ロシア軍が撤退した後も同じ場所で守っている。

ロシア軍はキエフ周辺から撤退しマリウポリに移動したので、ウクライナ軍も西から東に移動すると思ったが、そうはならなかった。

第二の理由はウクライナ軍は攻撃的兵器を持っておらず、西側は小出しに提供したが配備の混乱や訓練不足で使えなかった。

昨日まで森林地帯で対戦車砲を持ってロシア戦車を待ち構えていた部隊が、急に数百キロ移動して市街戦をする事は出来ませんでした。

レパス氏の分析ではロシア軍を追い出すための装備、人員、訓練の3つが不足していて、欧米がこれらを提供する必要がある。

先日米軍は155mmりゅう弾砲を提供し、同時に取り扱いの軍事訓練もしていたが、もっと拡大する必要がある。

多くの国は戦車とか火砲を提供するだけで、受け取った兵士は操作方法も分からないので使う事ができない。

例えばドイツ軍はレオパルド戦車とゲパルド対空戦車、その他合わせて100両から200両を無償でウクライナに提供する。

それは良いのだがドイツ軍人がウクライナで現場の兵士に訓練しないと、レオパルド100両は野ざらしで使われないでしょう。

そしてウクライナは守備隊だけではなく、ロシア軍を攻撃する強力な部隊が必要で、欧米が協力する必要がある。

だが欧米が装備を提供しロシア軍攻撃の実戦指導をすると、ロシアと欧米の緊張がより一層深まるでしょう。

プーチンやロシア軍は「ワシントンを2時間以内に廃墟にできる」のような発言を繰り返すでしょう。


・ウクライナを悩ます外国兵器の山 使い方も分からず混乱

2022年05月24日

https://www.thutmosev.com/archives/88228191.html

アメリカが自信満々で送り込んだ最新兵器は「役に立たなかったゴミ」リストに加えられるかもしれない。

米軍は相手が撃ち返してこない条件で戦っているが、ウクライナでは相手も撃ち返してくる

※ウクライナのゴミになった最新米国兵器

ウクライナ侵攻をめぐる戦いはロシア軍、ウクライナ軍ともに問題を抱えていて、膠着状態に陥りつつあるようです。

まずロシア軍は4月の段階で1万5000人程度の損失を出し、負傷者もいるので投入した兵力の3割を失ったと分析されている。

侵攻時の兵力は約16万人で最大時は18万人から20万人、そこから4万人から6万人が離脱したようです。

では欧米から兵器を支援されたウクライナ軍が快進撃を続けるかと言うと、そうはならないような雲行きになっている。

アメリカは総額5兆円以上のウクライナ支援をしてきたが、その目玉と言えるのが最近運ばれたM777榴弾砲でした。

バイデン大統領や米国防省が「ウクライナのゲームチェンジャーになる」と豪語する世界最高性能のりゅう弾砲でした。

合計90基のうちの最初に送られた15基のM777が、ロシア軍の攻撃で全滅したと報道されている。

ロシア側が公開した動画によると移動中とみられる複数のM777がドローンによる攻撃か砲撃と見られる攻撃を受けている。

本当に15基が全滅したのかは分からないが、アメリカが誇る最新兵器はあっけなくやられた。


ウクライナ軍も新兵器の山に埋もれる

この数日前にはウクライナ側が、ロシアの砲兵部隊をドローンで発見し、りゅう弾砲と見られる火砲で攻撃する動画を公開していた。

双方ともにドローンで相手の砲撃陣地を発見し、ドローンあるいは長距離砲で攻撃するのがセオリーになっている。

従来は戦闘機やヘリが上空から火砲を叩いていたが、ウクライナ東部には両軍の地対空ミサイルがハリネズミのように配備されとても飛行できない。

ドローンは小さく低空飛行するため地対空ミサイルで発見されにくく、撃墜されても安価で補充が効くので戦闘機より優れている。

欧米各国からは仕様も性能も使い方も異なる自走砲や戦車、対空砲などがばらばらに送られてくるが各国ともウクライナへの派兵を拒否している。

例えばドイツはレオパルド戦車数十両、フランスは自走りゅう弾砲数両を送るが、教官を含む兵士は派遣しない。

物を送るだけで使用方法も分からない戦車や自走砲が溢れる事になり、ウクライナ軍は混乱に陥っている。

おそらくこの辺が最新りゅう弾砲部隊全滅につながったのだろうが、輸送方法すらアメリカ軍に教わる機会がなかった。

こうしてウクライナ軍も問題を抱える事になり、早期の反攻作戦で華麗にロシア軍を撃退するような事は起こりそうもない。


・ウクライナとロシアはどちらが苦戦しているのか?双方が情報戦

2022年05月26日

https://www.thutmosev.com/archives/88246363.html

ロシアとウクライナは互いに情報を打ち消しあう情報戦をしている

※互いに相手の情報を打ち消しあっている

ウクライナにおける戦況は最近膠着状態に陥り、どちらが優勢でどちらがより困窮しているか分かりにくくなっています。

例えば先日はロシア軍がドネツ川を渡河しようとしたがウクライナ軍の砲撃によって何度も防止されたというニュースが流れてきた。

だがその翌日にはロシア側の情報として、アメリカが供与した最新りゅう弾砲15基を全滅させたと映像付きのニュースが流れてきました。

片方が何か発表するともう片方はすぐに対抗するニュースを発表して打ち消すのが繰り返されていて、真偽を確かめるのは難しい。

両軍ともに問題を抱えていて、ロシア軍の主な問題は弱すぎる事で、もう一つは補給路を攻撃されるのでロシア国境から離れられない事です。

大半のロシア軍部隊は国境から30キロ程度しか前進しておらず、100キロも離れると補給路を寸断され後退しています。

ウクライナ軍の問題は公称20万人なのだが大半は徴兵で急遽駆り出された普通の男性住民、訓練も受けていないし兵器の操作方法も知りません。

欧米諸国から多くの兵器が送られてくるが兵士を派遣しないので、操作方法が変わらない「謎の機械」が大量に溢れている。

ウクライナはロシア語やウクライナ語なので英語が通じず、大半の兵器には英語の説明書すら添付されていません。

これではどんな高度な兵器を援助しても使いこなせないので、兵士はともかく各国は指導教官を派遣する必要があります。

ウクライナ軍のもうひとつの大問題は今まで守備に徹する訓練だけをしていたので攻撃部隊がなく、ロシア軍に攻勢をかけれない。

昨日まで自分の村を守る事だけに徹してきた人たちが、さあ攻撃だと言われてもその場から移動できない。


鍵を握るのは欧米による軍事訓練

米軍などの高官や軍事専門家は、ロシア軍を追放するにはウクライナ軍には攻撃専門の部隊が10万人は必要だと指摘しています。

ロシア軍はもっと問題を抱えていて、最近プーチンは作戦司令官や軍の将校を次々に解任し、直接作戦の指示を出しているという。

海軍では何隻かの軍艦が撃沈され陸軍では何度も大敗を喫したが、負けるたびにプーチンは司令官を更迭したり逮捕させている。

ソ連時代からこういう習慣があり、第二次大戦でもソ連軍は負けると指揮官を更迭したり逮捕した事がありました。

英国防省の分析では司令官などを更迭する事で責任を転嫁し、プーチン政権の失敗を隠蔽しようとしていると見ている。

元ロシア軍の退役将校がロシア国営テレビで「ウクライナ軍は100万人の動員が可能で、欧米からの支援が本格化する」と軍を批判していた。

ホダレノク退役大佐は侵攻前からウクライナでの戦争は難しいものになると予言し、実際にそうなっている。

現実にウクライナが100万人動員するのは不可能だと思いますが、5万人や10万人ならなんとか可能でしょう。

鍵を握るのは欧米諸国による軍事訓練で、説明書もなく指導教官もない兵器だけ与えられても困惑するばかりです。

5万人から10万人の兵士に十分な訓練をし攻撃部隊として投入したら、おそらくロシア軍を国境まで追放できます。


・欧米の軍事援助がウクライナの助けになっていない理由

2022年05月28日

https://www.thutmosev.com/archives/88260041.html

外国からウクライナに毎日兵器が送られてくるが、送る側は訓練もしないし説明もしない

※説明書も指導者もなく物を送るだけ

ウクライナ戦争をめぐってアメリカは4月までに1兆円以上の援助をしたが、5月には5兆円の援助を決定し、そのうち3兆円以上は軍事援助だった。

まだアメリカの軍事援助は戦況をひっくり返すまでに至らず、ウクライナ軍はもたもたしてロシア軍の活動を活発化させています。

バイデン政権が予算を決定して議会がそれを承認して、実際にウクライナに運ばれるには数か月かかると予想されます。

倉庫に在庫がある携帯式対戦車砲なら飛行機で送れるが、重要な兵器ほど重量があり、例えば戦車は飛行機で長距離輸送できない。

3兆円以上の軍事物資は重量で数万トンかそれ以上になり、大半は船便と陸路を経由してゆっくりと配達される。

受取り手のウクライナにも問題があり、アメリカ軍は兵士を派遣しないのでウクライナ兵が米兵から使い方を教わることができない。

この緊急事態に現場の兵士をポーランドあたりに出国させて訓練する余裕はないので、使用方法や運用の仕方を誰も知らない。

先日アメリカが「ウクライナのゲームチェンジャーになる」と言って送ったりゅう弾砲15基がロシア軍の攻撃で全滅したと報道された。

十分に訓練を積んだ米兵なら使いこなせるでしょうが、りゅう弾砲だけを送られても現場は混乱するばかりです。

アメリカによる援助が功を奏していないのにはこうした事情があり、徐々に解消されるでしょうが今すぐロシア軍を追い出す役には立たない。

5月23日にデンマークが地対艦ミサイル「ハープーン」提供を申し出たが、気になるのはサポートはあるのかという点です。

もしあなたの自宅に対艦ミサイルや戦車が送られてきて、説明書も指導者もなしで「さあこれでロシアと戦え」と言われたら困るでしょう。


欧州はウクライナから手を引こうとしている

デンマークは数十年ハープーンを使ってきたがウクライナ軍は使ったことが無いので、兵士や指導教官も送らないとダメなのです。

日本の自衛隊が米国製の新型兵器を導入する時は、自衛隊員をアメリカに派遣して何年も前から訓練してから導入します。

特に欧州各国は競って余った中古兵器をウクライナに送っているが、型遅れで倉庫に保管しておいたものなので、最小限のコスト負担しかありません。

ドイツはレオパルド戦車やゲパルド対空砲など100両以上を送る決定をしたが、送るのは車両だけで運転士や教官は派遣しない。

レオパルド戦車は第二次大戦のドイツ戦車と同じように、平原のゴミになる予感がします。

欧州各国は口だけは威勢が良くて毎日ウクライナを応援しロシアを非難するが、口先だけというパターンが多い。

今も欧州諸国はロシアから大量の天然ガスなど資源を輸入していて、その代金が毎月1兆円もロシアに送金されている。

今後欧州はロシアとの石油取引を禁止し天然ガス輸入も縮小数が、今現在は欧州が払ったガス代でロシア軍がウクライナを侵攻している。

そのロシアから欧州へのパイプラインの大半はウクライナを経由していて、欧州はウクライナにも戦車や対空ミサイルを援助している。

つまりウクライナの戦場ではロシア軍は欧州から貰った金で戦争をしていて、ウクライナ軍は欧州から貰った兵器を使用している。

両軍の頭上にはロシアから欧州へのパイプラインがあり、ガスとお金が毎月1兆円交換されている。

欧州諸国はロシアによるウクライナの一部割譲を既定路線と考えているようで、国境までロシア軍を追い返すのを歓迎していない。

ウクライナ軍が圧勝しロシア軍を国境まで追い返すと、今度はウクライナ軍がロシア領に侵攻する可能性が高いからです。

そうなるとロシアから欧州へのエネルギー輸出が止まる可能性が高い他、ロシアが核を使用し欧州が巻き込まれる可能性が高まります。

結局の所欧州は「ウクライナ頑張れ」と言いながらウクライナの一部をロシアに分割する用意をしているように見えます

そうなったのはマリウポリを巡る戦いでウクライナ軍が意外に弱かったからで、「国際社会」とは強いものの味方で弱い物に興味が無いのです


以下「さいはてメモ帳」様より転載

http://glassbead.blog.shinobi.jp/wars/ukraine%20army%20collapsing

・ウクライナ軍崩壊;ゼレンスキーは(今)言う「現実に直面しなければならない・・・」  

Hal Turner

2022年5月27日

※ウクライナ軍は戦場で崩壊しており、敗北は非常に速く、広範囲で起こっている。今日、ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、「ウクライナはロシアのプーチン大統領と話すことを望んでいないが、戦争を終わらせるために必要であろうという現実に直面しなければならない」と述べた。

ゼレンスキーが、ウクライナはいかなる領土も譲らず、ロシア軍に対して「勝利する」と述べた、わずか1週間前からのかなりの転換点である。

この2週間で、ウクライナの状況はほとんど悲惨なものになっている。 その軍隊は、ほとんどすべての戦場で壊滅的な打撃を受けている。 ロシアの長距離砲は何千人ものウクライナ軍を粉砕し、まだ生きている人たちを降伏させている。

実際、降伏するウクライナ軍の数は非常に多くなっており、ウクライナ議会は、大量の降伏を止めるために、軍人が降伏した軍人を撃つことを許可する法案を採決した。

下のビデオでは、降伏したウクライナ軍が、指揮官が降伏を阻止するために自分たちの部隊の背中を撃ったことを世界に報告している!

https://www.bitchute.com/embed/kkOg1ND6melG/ 

戦場の現実はウクライナ軍にとってあまりにも悲惨で、多くの熟練したオブザーバーは、ウクライナ軍はあと2週間も生き延びることができないと見ている。

さらに、一般市民の意見は非常に大きく変化しており、ロシアに有利になっている。

ほとんどすべての西側諸国の市民は、ウクライナの政府、警察、軍にナチスがいることを知るようになり、もはやウクライナをそれほど素早く支援することはない。 そして、同じ西側諸国の市民が、ウクライナのゼレンスキー大統領がテレビで、一日中エネルギーを与えてくれるからコカインを使用していると認めているビデオを見ると、ウクライナは、(薬物によって)実際に現実から切り離された、おそらく狂人のような人物によって運営されていると理解するのである。

英国国教会の祭壇から話す大主教でさえ、教区民に「プーチンは新世界秩序に立ち向かう唯一の存在だ」、「ロシアはこの戦争に挑発されたのだ!」と話している。

ほら、自分の耳で聞いてみてください:

https://twitter.com/colonelhomsi/status/1529964710950494238?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1529964710950494238%7Ctwgr%5E%7Ctwcon%5Es1_&ref_url=https%3A%2F%2Fhalturnerradioshow.com%2Findex.php%2Fen%2Fnews-page%2Fworld%2Fukraine-army-collapsing-zelensky-now-saying-must-face-reality 

ウクライナ軍がドンバスの都市、特にドネツク地区から逃げ出すスピードから判断すると、モラルの崩壊が起きている。

これは確かにロシアの最終的な勝利ではないが、非常に深刻な成功であることは明らかである。

最近の歴史では、密集した都市部で、核兵器を除くあらゆる種類の兵器が使用され、これほど多くの人員と機材が投入された戦争は、まだ見たことがない。

ウクライナは今、戦争に負け、早くも負け、そしてひどく負けている。

下のビデオは、ウクライナ軍の死体数十個と、割れた頭蓋骨から巨大な破片が突き出ているもので、非常に生々しい:

https://www.bitchute.com/embed/PiLlyXxikPjw/ 

今朝(金曜日)、ゼレンスキー顧問のアレクセイ・アレストビッチ[Alexey Arestovich]がテレビで「リマンの街は失われた」と報じたばかりである。

彼は続けて、「報道によると、リマン市は失われた。ロシア軍の捕獲方法は、非常に優秀な指揮官がいることを示しており、これはロシア軍の作戦管理とスキルのレベルアップを示すものである」と言った。

リマン、クラスニーの住民によると、昨日から激しい戦闘が続いていた南郊と鉄道駅周辺からウクライナ軍が撤退したという。

別のウクライナ人大隊は、自分たちの命を守るために叛乱を起こさなければならなかった。 以下の短いビデオは、彼らが逃亡の理由を説明しているところである。

https://www.bitchute.com/embed/XjCwE1wIkhgN/ 

下は、ウクライナの戦争捕虜が、指揮官が「会議のため」といって自分たちのもとを去り、二度と戻って来なかったと語ったものである!

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指揮官が戦場で部下を置き去りにして、「会議のため」に出て行ったという話が何度も繰り返されている。そして、捕虜収容所に入れられたという悪口は一つもない。

一夜明けて、ウクライナ軍の貨物機がオデッサの近くで撃墜された。 西側から供給された軍事兵器は全て破壊された。 これが墜落現場である:


一方、ウクライナへの西側からの軍事援助は、盗まれ、セルビアの闇市場で販売されるように、ルート変更されていることが、すぐに明らかになった。 セルビアの闇市場で売られているのである。マンパッドの地対空兵器、携帯対空兵器の3分の2がセルビアで売られているのだ。 これにはアメリカのスティンガーミサイルも含まれている。

さらに悪いことに、迫撃砲、ロケット弾、地雷、徹甲弾など、あらゆる戦争兵器が闇市場で提供されており、その量は膨大で、密輸業者は不正に得た商品を保管する場所さえ見つけられない。 まるでテロリストのバザールのように、誰でも好きな武器を買うことができるのだ。

ウクライナ人は西側から供給された武器を文字通り盗み、闇市場で売って自分たちの懐に入れているのだ。

議会で承認されたアメリカの400億ドルの援助は、これだけだ。 その援助の多くはすでに盗まれている可能性が高い。

そのためか、ゼレンスキー大統領は、同胞にこう言った:「ウクライナはロシアのプーチンと話すことを望んでいるわけではないが、戦争を終わらせるためには必要なことだという現実を直視しなければならない。」

多くの人々は、ゼレンスキーが近いうちにプーチンに言えるようになる言葉は、「ウクライナの降伏」だけだと気付き始めている。


・ウクライナに供与の武器、国内外に拡散懸念 専門家(AFPBB News 2022年5月27日)

※西側諸国がウクライナに供与している武器や弾薬が、将来的に意図せざる勢力の手に落ち、国内外に拡散する可能性があると武器取引の専門家は懸念している。ウクライナは1990年代、武器取引の拠点だった過去もあるためだ。

ベルギーの独立系研究機関フランデレン平和研究所(Flemish Peace Institute)の所長兼研究者のニルス・デュケ(Nils Duquet)氏は、「現在、ウクライナの武器、その中でも特に小型武器が各地に拡散する重大なリスクが存在する」と警告した。

ロシアが2月24日にウクライナに侵攻して以降、米国などの西側諸国はウクライナへの武器供与を相次いで発表した。米国は、標的に突入して破壊する機能から「神風ドローン」と呼ばれる「スイッチブレード(Switchblade)」数百機や、自動小銃7000丁とその弾薬5000万発、レーザー誘導ミサイル、敵のドローンや迫撃砲を探知するレーダー装置などを供与したり、供与を表明したりした。

米シンクタンク、スティムソン・センター(Stimson Center)は3月、「より多くの武器をウクライナに供与するという対応は理解できるものの、安全保障に与える即時および長期的な影響について検討する賢明さも必要だ」との見解を示した。

その上で、「われわれは紛争で同盟の支援を意図した武器が思いも寄らない戦地の前線に流れるのを何度も目にしてきた。特に、多くの場合、武器は米国の利益と対立する勢力や個人の手に渡ってきた」と指摘した。

■非常に困難な課題

ソ連崩壊後、ウクライナに貯蔵されていた大量の武器は、世界各国や各地の紛争地に流出した。2014年のロシアによるウクライナ南部クリミア(Crimea)半島の併合や、親ロシア派武装勢力によるウクライナ東部ドンバス(Donbas)地方の一部掌握を受け、ウクライナでは武器の略奪が再び起きるようになった。

スイス・ジュネーブにある国際開発高等研究所(IHEID)に拠点を置く研究センター「スモール・アームズ・サーベイ」(SAS)によると、2013〜15年に30万の武器が盗まれたり、所在不明になったりした。その後に回収された武器は4000にとどまった。1990年代に武器はウクライナ国外に送られたのとは異なり、大半の武器は国内の闇市場で取引されたという。

SASの研究者マット・シュローダー(Matt Schroeder)氏は、一般的なウクライナ国民の間で武器の需要が増えたことについて、「東部での未解決の紛争と国内の治安状況に対する不安感」という要因があったためだと説明する。

シュローダー氏は、ウクライナに大量に供与された武器の今後に関して、「これらの武器を回収したり、適切に廃棄したりするのは、どのような政府にとっても非常に難しい課題だ。存亡の危機に対処している政府にとっては言うまでもない」と強調する。

■ジャベリンで武装した銀行強盗

以前からウクライナの武器管理については疑義が呈されており、米軍の監査部門は2020年、ウクライナに供与された武器の監視体制を問題視していた。

米NGO、紛争市民センター(CIVIC)のアニー・シール(Annie Shiel)氏は、「ウクライナに武器を送っている米国や他の国々は、市民を保護するために、どのようなリスク緩和や監視の措置を取っているのかに関して透明性を著しく欠いている」と批判する。

同団体は、武器を供与した後に追跡する必要性があると訴える。だが、武器管理の専門家は、紛争地で武器の行方を追跡するのはほぼ不可能との見解を示している。

前出のデュケ氏は、「戦争という文脈の中で武器を管理できると考えるのは幻想にすぎない。われわれは多くの武器が正規軍の管理下には戻らないことを認識しており、長期にわたってこの地域にとどまることになるだろう」と指摘する。

デュケ氏は「旧ユーゴスラビアの例を見れば、成功を収めた部分もあるが、武器は依然として欧州各地に密輸されている」とし、ウクライナでも似たような状況が生じると予想する。

あるフランス軍幹部は、ウクライナで華々しい戦果が伝えられた対戦車ミサイル「ジャベリン(Javelin)」を引き合いに、起こり得るシナリオを開陳した。「ジャベリンを持った銀行強盗が出現すれば、泣きを見ることになるだろう」


・ウクライナ軍、東部拠点から「戦略的撤退」も ロシア軍が包囲強化(時事通信 2022年05月28日)



(上)ウクライナ・ドンバス地方

※ウクライナ東部ドンバス地方ルガンスク州でロシア軍の猛攻を受けるウクライナ軍が「最後の拠点」としてきたセベロドネツクから「戦略的撤退」を始める可能性が浮上している。ガイダイ州知事が27日、見通しを示した。セベロドネツクの陥落はロシアによるルガンスク州の完全制圧につながるため、ウクライナ側は激しい抵抗を続けるが、包囲網強化で苦戦を強いられている。

知事は通信アプリ「テレグラム」への投稿で「ロシアが向こう数日間でルガンスク州を占領するのは不可能だ。われわれには防衛のための十分な力と手段がある」と主張した。一方で「(ロシア軍に)取り囲まれないため退却せざるを得ない可能性がある」と認めた。
 
セベロドネツクは支配地拡大を狙うロシア軍の猛烈な砲撃にさらされている。知事によれば、市内の建物の9割が被害を受けた。逃げ遅れた民間人も多数いる。死者は増え続ける一方だ。
 
既にロシア兵が市内の一部に侵入したと訴える情報もある。ウクライナ側は、完全に包囲されて退路が断たれる前に退避する方向へ判断が傾いているもようだが、東西と北側からロシア軍に攻められ、南はドネツ川に阻まれる厳しい状況が続いている。


・「ロシア国防省はでたらめ」=調査報道で判明、戦果水増しか(時事通信 2022年7月7日)

※ロシアの独立系メディア「プロエクト」は6月末、ロシア国防省が発表するウクライナ侵攻でのロシアの「戦果」が「でたらめ」だとの調査報道を公表した。同省は侵攻開始以来、報道官が戦況を毎日発表。しかし、一つの集落を4回も「制圧」したことになっていたり、撃墜したとする軍用機の数がウクライナ軍の保有総数より多かったりと、戦果を水増しした形跡が明らかだという。

ロシア国防省で発表を担当するのはイーゴリ・コナシェンコフ報道官。国営メディアを通じて国民に広く知られるロシア軍の「顔」だ。軍で広報畑を歩んだとされ、2015年のシリア軍事介入で戦況報告を担当し、国内外で有名になった。侵攻開始時の階級は少将だったが、功績を認められ、侵攻さなかの6月上旬、プーチン大統領の命令で中将に昇進した。

プロエクトの記者らは、日に複数回行うこともあるコナシェンコフ氏の6月26日までの記者発表(計196回)について、内容を詳細に分析した。それによると、ロシア側はウクライナ軍が保有するヘリコプターの88%、固定翼機の108%を「撃墜」。トルコ製の攻撃ドローン「バイラクタルTB2」に至っては、135%を撃ち落としたことになっている。

戦車を含む兵器の破壊数でも矛盾が生じている。累計は数字が増えていくはずだが、ロシア側の発表では、ウクライナ軍の兵器の損失数の累計が時々減っている。

プロエクトは、今回の調査報道で「ロシア軍が撤退したり、小さな村を大きな犠牲を払って制圧したりしている時でさえ、コナシェンコフ氏は戦果を平然と報告している」と痛烈に批判。プーチン政権の戦時プロパガンダの在り方に疑問を投げ掛けている。