以下「In Deep」様より転載

https://indeep.jp/you-need-spanx/

・コロナあるいはスパイクタンパク質が、ヒト精子の形成に不可欠であるタンパク質「SPAN-X」に干渉し、男性の生殖能力に極端な低下をもたらす可能性があることが最新の分析技術により判明

2022年2月16日

※新たな段階に、もう入っている

さて、今回の本題ですが、

「コロナ、あるいはスパイクタンパク質が男性不妊を引き起こす要素の決定版」

みたいな論文が発表されていました。

カタール、イギリス、ドイツ、南アフリカ、マレーシア、アメリカの研究者たちによる、やはり規模の大きな国際研究です。

自然感染あるいはワクチン由来のスパイクタンパク質が「不妊を引き起こす」ことについては、一昨年以来ずいぶんと書かせていただいていまして、そのような研究がまたひとつ出てきたことになります。


精子を作るタンパク質

論文自体は難しいのですが、アバウトには、

「コロナ感染が、精子を作るタンパク質への自己抗体のレベルを上げる」

というもので、論文は以下にあります。

COVID-19 ICU患者の自動免疫プロテオミクス分析により、男性生殖器系に関連する自己抗体のレベルの上昇が明らかになった

Auto-Immunoproteomics Analysis of COVID-19 ICU Patients Revealed Increased Levels of Autoantibodies Related to Male Reproductive System

ここにある「プロテオミクス分析」という聞き慣れない言葉は、Wikipedia によりますと、

> 構造と機能を対象としたタンパク質の大規模な研究のこと

であり、

> プロテオミクスは、ゲノミクスの次にシステム生物学の中心になる学問分野だと考えられている。

という重要な分析学問のようです。

このような高度な分析で初めてわかったこととなります。

その分析により、コロナが、いくつかのタンパク質に対する自己抗体反応の上昇が示されることが明らかになったということで、そのタンパク質の中でも、

「 SPANXN4 」

というタンパク質は、論文には、

> SPANXN4は精子形成に不可欠であり

とありまして、そのような精子形成に不可欠なタンパク質に対して「影響を与えている可能性がある」ということになるようです。

この論文を紹介していた記事の冒頭は以下のようなものでした。

研究は、COVID-19 誘導自己抗体の標的となるヒトタンパク質を特定し、また、男性の生殖能力が危険にさらされていることを発見した

thailandmedical.news 2022/02/14

カタールのプロテオミクスコア施設の研究者たちが主導した新しい研究では、ヒト宿主タンパク質 SPANXN4、STK25、ATF4、PRKD2、および CHMP3 が SARS-CoV-2 の結果として生成された自己抗体の標的となることが確認された。

これらのタンパク質が標的にされた結果、ウイルスに感染したすべての人にさまざまな健康状態と医学的状態が発生し、その多くがロング COVID (長期のコロナ後遺症)と関係している。

また、 SPANXN4 は精子形成と男性の生殖に不可欠なものであり、これは男性の生殖機能が非常に危険にさらされていることを意味している可能性がある。

この後、記事では研究の詳細なデータが書かれていまして、よくわからない部分も多く、割愛しますが、 SPANXN4 なんてものは、初めて聞いたものでした。

「このようなタンパク質が、精子形成に不可欠と知られたのはいつ頃?」と思い、過去の論文を見てみましたら、2000年8月の論文に以下のように書かれてありましたので、そのあたりの時期に見出された知見のようです。

> ここでは、X染色体上の核に関連付けられている精子タンパク質の SPAN-X と呼ばれる新たに見出された精巣特異的タンパク質について説明する…

比較的新しい知見のようです。

このような最新型の分析で、コロナあるいはスパイクタンパク質に、

「男性不妊の原因となる要素が見つかった」

ということについてお知らせしたかったことになります。

論文では、「この要因がスパイクタンパク質であるかどうか」にはふれられていないのですが、これまで知られていた身体へのコロナのあらゆる影響が、ほぼスパイクタンパク質によってもたらされていることを思いますと、

「スパイクタンパク質が、この SPAN-X という精子形成に不可欠なものに影響している」

と考えてもいいのではないかと思われます。

自然感染由来あるいはワクチン由来でのスパイクタンパク質への感染が、女性も男性も含めて、さまざまな要因で「不妊に結びつく」ことは以前から書かせていただいていました。

女性のほうのコロナ自然感染あるいはワクチン由来のスパイクタンパク質によっての不妊の原因はおおまかに以下のようなことがあることが、これまでのさまざまな論文で述べられてきました。

スパイクタンパク質による女性の不妊の原因

 ・スパイクタンパク質自体による卵巣、子宮の損傷

 ・胎盤の生成に必要なシンシチンへの影響による不妊化

 ・スパイクタンパク質が結合する ACE2 への影響による生殖機能の損傷

 ・ヒト絨毛性ゴナドトロピンの減少による生殖機能の崩壊

 ・ヒトヘルペスウイルスの再活性化による妊娠機能への問題

そして、スパイクタンパク質による「男性の不妊」の原因としては、まず精巣などへの機能・構造的な問題があります。以下のふたつの論文が、スパイクタンパク質による、精巣や生殖管全体の損傷について述べています。


ACE2 Expression in Kidney and Testis May Cause Kidney and Testis Damage After 2019-nCoV Infection
腎臓と精巣でのACE2発現は、腎臓と精巣の損傷を引き起こす可能性がある

The other side of COVID‐19 pandemic: Effects on male fertility
COVID-19パンデミックのもうひとつの側面:男性の生殖能力への影響


それと、コロナの自然感染あるいはワクチン由来共に、スパイクタンパク質はヒトヘルペスウイルス (HHV) を再活性化させることが明確にわかっていますが、

「ヒトヘルペスウイルスの再活性化は、精子を破壊し、男性を不妊にする」

ことが、明治大学農学部の 2016年の研究でわかっています。以下に文章があります。


不妊のメカニズムを解明する新たな研究 ラットの実験で判ったヘルペスウイルスによる不妊(明治大学 2016/06/09)


また、日本繁殖生物学会による「ヒト男性不妊におけるヘルペスウイルス感染の解析」という論文には以下のようにあります。実際は、HSVとかEBV、HHVなどの英略語で書かれていますが、日本語にしています。


> 検査した不妊患者でウイルス DNA が確認された。その感染率は、単純ヘルペスウイルスが 39例(26%)、ヒトヘルペスウイルス5型が 33例(22%)で、EBウイルスとヒトヘルペスウイルス6型は共に 4%以下であった。しかも、感染者全体(59名)の 37%の感染者にウイルスの2重感染が認められ、そのほとんどは単純ヘルペスウイルスとヒトヘルペスウイルス5型の2重感染であった。 (ヒト男性不妊におけるヘルペスウイルス感染の解析)


このように、コロナ自然感染あるいはワクチン由来のスパイクタンパク質により、以下の2点が原因で「男性不妊となる確率が格段に上昇する」ことがわかっていました。

・スパイクタンパク質による直接的な男性の生殖機能全般への影響

・ヒトヘルペスウイルスの再活性化による不妊化

そこに今回の論文の、

・精子を形成するために不可欠なタンパク質が影響を受け、精子が作られなくなる

ことをスパイクタンパク質がもたらす可能性があることが加わったことになります。

女性の不妊の可能性と、男性の不妊の可能性を合わせると大変な率になる可能性があります。

自然感染にも長期の後遺症などがあり、長くスパイクタンパク質を体内に保持し続けている可能性がありますが、ワクチンのほうは、明らかに「強化されたスパイクタンパク質」であり、それを作り出す mRNA と共に体内に残る期間はかなり長いとみられます。

ワクチン接種がこれだけ大規模に展開され(ロットにより濃度は異なるとはいえ)、時間の経過と共に、ワクチンによる生殖機能への影響が明らかになっていく人たちも出てくるのかもしれません。

何より感染力の強いオミクロン亜種 BA.2 と、「オミクロン後のコロナ」を考えますと、少し長い単位で見れば、世界中で不妊の嵐が吹き荒れることになるかもしれません。

それと共に、自然感染ともワクチンとも無縁だとしても、今の世の中もこれからの世の中も、環境はスパイクタンパク質だらけだということは自覚して生活してもいいのかなとも思います。