・ウクライナで西側がロシアに敗北しつつある中、ネオ・ナチが欧米で勢力拡大

2024.04.27
 
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202404270000/

※ウクライナでは東部と南部は歴史的にロシアと文化的に関係が深く、ロシア語を話す住民が多数を占める。1990年にウクライナ議会がソ連からの独立を可決すると、南部のクリミアでは91年1月にウクライナからの独立を問う住民投票を実施、94%以上が賛成している。これを「国際社会」と自称する西側諸国は認めなかった。1991年12月にソ連が消滅した後、クリミア議会は住民の意思を無視してウクライナに統合されることを決めている。

バラク・オバマ政権は2013年11月から14年2月にかけてウクライナでクーデターを実行、ビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒した。その際、アメリカ政府が手先として利用したネオ・ナチはクーデター後の体制で大きな影響力を維持している。

ウクライナ東部と南部を支持基盤にしていたのがヤヌコビッチにほかならない。したがって、この地域ではクーデターを拒否する住民が大多数だ。

経済的にも軍事的にも重要な南部のオデッサや東部のマリウポリではネオ・ナチが住民を虐殺してクーデター派が制圧に成功したものの、黒海艦隊の拠点、セバストポリがあるクリミアは住民が素早く動いてロシアの保護下に入り、東部のドンバス(ドネツクやルガンスク)では内戦が始まった。

しかも、クーデター後に軍や治安機関から約7割の兵士や隊員が離脱し、その一部はドンバスの反クーデター軍に合流したと言われ、当初は反クーデター軍が戦力的に上回っていた。アメリカ/NATOが「ミンスク合意」で時間を稼いだのはそのためだ。クーデターから8年後、アメリカ/NATOは攻撃の準備が整ったと判断したようで、2022年になるとアメリカ/NATOを後ろ盾とするウクライナ軍がドンバスの近くに集結、砲撃を激化させ始めた。

それに対し、ロシアのウラジミル・プーチン大統領は2月21日にドンバスの独立を承認、ウクライナに対してクリミアとセバストポリがロシア領だと認め、NATO加盟を断念し、非武装化(攻撃的な軍事施設や兵器を持たない)して中立を宣言、さらに「非ナチ化」も求めた。

そして2月24日、ロシア軍は機先を制してミサイルでドンバス周辺に集結していたウクライナ軍部隊を壊滅させ、航空基地、レーダー施設、あるいは生物兵器の研究開発施設も破壊した。この段階でウクライナ軍の敗北は決定的だった。その直後、イスラエルやトルコの仲介でキエフとモスクワは停戦でほぼ合意に達したのだが、それをアメリカやイギリスの政府や議会が潰した。


・人身売買や臓器売買を含む犯罪行為を隠蔽するためにもロシアに負けられない西側

2024.04.25
 
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202404250000/

※イェンス・ストルテンベルグNATO事務総長は4月21日、NATO加盟国の一部はキエフにある各国大使館に軍服を着た人びとが派遣され、助言していると語った。

ストルテンベルグが仕える欧米支配層はウクライナ人にロシア人と戦わせてきたが、すでに限界が来ている。武器弾薬や軍事顧問を送り込むだけでは足りず、自国軍の将兵を送り込み始めた。

軍事顧問の派遣は遅くとも2014年2月にビクトル・ヤヌコビッチ政権がネオ・ナチのクーデターで倒された直後に始まっている。このクーデターを仕掛けたのは言うまでもなくバラク・オバマ政権。​この政権はキエフのクーデター体制を支援するため、CIAやFBIの専門家数十名を顧問として送り込んでいる​。そのほか​傭兵会社「アカデミ(旧社名はブラックウォーター)」の戦闘員約400名もウクライナ東部の作戦に参加​、​2015年からCIAはウクライナ軍の特殊部隊をアメリカの南部で訓練し始めた​ともいう。

そのほか、フランスのル・フィガロ紙のジョージ・マルブルノはウクライナでアメリカ陸軍の特殊部隊デルタ・フォース(第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊)やイギリス陸軍のSAS(特殊空挺部隊)も戦闘に参加しいると伝え、ポーランドやバルト諸国からも戦闘員がウクライナへ入っているとも言われている。2022年の秋頃からアメリカ/NATOの軍事関与は強まった。



ロシアとの戦争を煽ってきたストルテンベルグがNATO事務総長に就任したのは2014年10月のこと。2005年10月から13年10月までの期間はノルウェーの首相、その前、2002年から2005年までGAVI(ワクチンと予防接種のためのグローバル同盟)の理事をそれぞれ務めている。医薬品メーカーと軍事はここでも結びつく。



クーデターの前からアメリカ国防総省はウクライナに生物兵器の研究開発、あるいはマネーロンダリングなども続けてきたことも知られているが、ロシア軍のイゴール・キリロフ中将によると、アメリカ国防総省はウクライナで生物兵器の研究開発を行なっていた。ロシア軍がウクライナで回収した文書を分析した結果だ。

ウクライナの研究施設でロシアやウクライナを含む地域を移動する鳥を利用して病原体を広める研究を実施、2019年からウクライナ兵を被験者としてHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の感染実験が行われ、覚醒剤やモルヒネなどの薬物も使われていたという。

こうした研究開発にはジョー・バイデン、バラク・オバマ、ヒラリー・クリントン、ジョージ・ソロス、ハンター・バイデンなどが関係、ビル・アンド・メリンダ・ゲーツ財団、クリントン財団、ハンター・バイデンのロズモント・セネカ・パートナーズ、ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティ財団、ロックフェラー財団、エコヘルス同盟などから資金が出ていた。メタバイオタ、ブラック・アンド・ビーチ、スカイマウント・メディカル、そしてCH2Mヒルなど国防総省の契約企業、ファイザー、モデルナ、メルク、ギリアドを含む医薬品会社も組み込まれていた。生物兵器に関係した研究開発はビジネスとも結びついている。

西側諸国から支援されたクーデター政権は反クーデター派が拠点にしているドンバスの住民を攻撃、2014年から22年にかけて約1万4000人を殺害した。その大半はロシア語系の人びと。そうした人びとを助け、ネオ・ナチを倒す目的で2022年2月にロシア軍はウクライナに対する攻撃を開始、その際、子どもをはじめとする住民をロシア領内へ避難させたが、そうした行為は西側支配層を怒らせた。

一方、ウクライナでは戦死した兵士の臓器を取り出して売るというビジネスがクーデターの後、大きくなった。ドンバスで臓器を切り取られた軍人と民間人の遺体数十体を発見したとOSCE(欧州安全保障協力機構)の代表は語っていたが、戦死者から取り出すだけでなく、負傷した兵士も犠牲になったと言われている。

ここにきて指摘されているのは、子どもが臓器売買の犠牲になっているということ。​昨年6月、生後11ヶ月の子どもを外国に連れて行こうとしてデニス・バロディなる男がウクライナとスロバキアの国境で逮捕された​。子どもの臓器を国外で売ることが目的だったという。バロディは孤児院で教師として働いた経験があり、慈善財団の代表を務め、孤児青少年団体を創設していた。

警察の発表によると、男は母親に対し、EU内の善良な人物の養子にすると説得、5000ドルを母親へ支払うことになっていたが、養子縁組の計画はなく、2万5000ドルで移植業者に子どもを売る予定だった。バロディは1歳から2歳の子どもを少なくとも3回売っていたというが、彼は逮捕されて間もなく保釈金100万フルブニャ(約2万7000ドル)を積んで釈放されている。彼は密輸業者として逮捕されたのであり、臓器売買業者としてではなかったようだ。そして彼は姿を消した。ウクライナの女性を「代理母」として子どもを産ませ、その子どもを取り上げて売りさばいているとする話も伝わっている。

ウクライナでは2021年12月、「人体解剖材料の移植問題の規制について」なる法律が成立、生体ドナーとその親族が移植に同意したことを証明する必要ながくなったという。書類があれば、署名の確認や認証は必要なくなり、死体から臓器を摘出する手続きは大幅に簡略化された。

​昨年3月22日には、ウクライナで「赤ちゃん工場」を発見したロシア兵の証言とされる映像がアップロードされた​。そこで生まれた赤ん坊は内臓が摘出されたり、別の犯罪に利用されるとされている。西側ではロシアのプロパガンダだとされたが、その根拠は示されていない。そうしたプロパガンダにもかかわらず、その映像は注目されている。

臓器売買はアメリカ/NATOを後ろ盾として独立したコソボでも盛んだった。旧ユーゴスラビア国際戦犯法廷で検察官を務めたカーラ・デル・ポンテは自著(Chuck Sudetic, Carla Del Ponte, “La caccia: Io e i criminali di guerra,” Feltrinelli, 2008)の中で、KLA(コソボ解放軍)による臓器の密売に触れている。コソボで戦闘が続いている当時、KLAの指導者らが約300名のセルビア人捕虜から「新鮮」な状態で、つまり生きた人間から臓器を摘出し、売っていたというのだ。

この話は​欧州評議会のPACE(議員会議)に所属していたスイスの調査官ディック・マーティの報告書​にも書かれている。KLAの幹部はセルビア人を誘拐し、彼らの臓器を闇市場で売っていたという。捕虜の腎臓を摘出し、アルバニア経由で臓器移植のネットワークで売り捌いていたともされている。このコソボの業者がウクライナへ入って商売を始めたとも伝えられている。

ウクライナでは臓器売買だけでなく、​人身売買も行われているとする報告​がある。30万人とも55万人以上とも言われるウクライナ人が奴隷にされたとも言われているが、ウクライナ西部にあるテルノピリ、ウジゴロド、チェルニフチが奴隷売買の主要な拠点だともいう。

ウクライナ政府の腐敗は西側からも批判されるほどで、不法就労、女性や子どもの性的な搾取、少年兵、さらには臓器売買などが問題になっている。こうしたネットワークには犯罪組織だけでなく欧米の高官も関与していると言われている。ウクライナでは子どもの「失踪」も問題にされているが、その多くは「ホワイト・エンジェル」によって拉致されたロシア語系住民だという。

ウクライナでの戦闘でアメリカ/NATOは事実上、ロシアに敗北しているが、降伏することは勿論、停戦も呑めないだろう。戦乱が終われば生物兵器の研究開発や経済犯罪だけでなく、奴隷取引や臓器売買も明るみに出る可能性がある。彼らはロシアに勝たせるわけにいかないのだ。


・クーデター政権は10年前、住民虐殺を狙い、戦勝記念日に戦闘車両を突入させた

2024.05.06
 
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202405060000/

※アメリカのバラク・オバマ政権がウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ政権を倒すため、ネオ・ナチを手先に利用してクーデターを実行したのは2013年11月から14年2月にかけてのことだったが、ヤヌコビッチの支持基盤だった東部と南部の人びとはクーデターを拒否、そこでアメリカを後ろ盾とするクーデター政権は東部や南部の制圧に乗り出した。

オバマ政権でクーデターを指揮していたのは副大統領だったジョー・バイデン、国務次官補だったビクトリア・ヌランド、そして副大統領の国家安全保障担当補佐官を務めていたジェイク・サリバン。2021年1月にバイデンが大統領に就任すると、サリバンは国家安全保障補佐官になり、ヌランドは同年5月から国務次官を務め始めた。

バイデン、ヌランド、サリバンのトリオは対ロシア戦争を始めたと言えるが、ネオコン(シオニスト)はソ連が消滅した直後、1992年2月に国防総省のDPG(国防計画指針)草案という形で世界制覇プランを作成している。いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」だ。このプランに基づき、アメリカが日本を彼らの戦争マシーンに組み込んだのは1995年のことだった。

そして1999年3月、アメリカはNATOを利用してユーゴスラビアに対する侵略戦争を開始するが、これはロシア侵略の始まりでもあった。そして2001年9月11日にニューヨークの世界貿易センターとバージニア州アーリントンの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃され、それを口実にしてウォルフォウィッツ・ドクトリンは始動する。

2008年8月に南オセチアをジョージア軍が奇襲攻撃、ロシア軍の反撃で惨敗しているが、この攻撃の黒幕はイスラエルとアメリカだ。ジョージアは2001年からイスラエルの軍事支援を受け、武器/兵器を含む軍事物資を提供されるだけでなく、将兵の訓練も受けていた。後にアメリカの傭兵会社も教官を派遣している。事実上、イスラエル軍とアメリカ軍がロシア軍に負けたのだ。

しかし、ネオコンは反省しない。オバマ大統領は中東での軍事作戦をスタートさせる。ムスリム同胞団を使った体制転覆作戦を始動させるため、2010年8月にPSD-11を承認したのだ。そして「アラブの春」は始まった。

2011年春にはサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とするアル・カイダ系武装集団を利用してリビアやシリアに対する侵略戦争を開始、リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制は同年10月に倒されるが、シリアのバシャール・アル・アサド政権は倒れない。

そこで新たな武装集団としてダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)を2014年に登場させ、15年にロシア軍が介入してダーイッシュを敗走させるとオバマ政権はクルドと手を組むが、それが引き金になってアメリカはトルコとの関係を悪化させる。シリアでもロシア軍の強さが明確になるが、それでもネオコンは反省しない。

中東でダーイッシュを出現させた2014年、オバマ政権がウクライナでヤヌコビッチ政権を倒し、ロシアと中国を接近させることになる。ウクライナのクーデター政権は2014年の5月2日にオデッサで反クーデター派の住民を虐殺、5月9日に東部の都市へ戦車を含む部隊を派遣して住民を殺傷した。

5月9日は旧ソ連圏の戦勝記念日。第2次世界大戦でドイツに勝利した日ということで、例年、ウクライナの東部でも住民が外へ出て祝っている。それを狙い、キエフのクーデター政権は東部のアルドネツク州マリウポリなどに戦車を突入させたのだ。クリミアやオデッサと同様、マリウポリは軍事的にも経済的にも重要な場所である。

デレク・チョレット米国防次官補がキエフ入りしていた6月2日、クーデター政権はルガンスクの住宅街を空爆、住民を殺している。住宅の爆撃を西側やキエフ政権は否定していたが、インターネットで映像が残されている。OSCE(欧州安保協力機構)も空爆が行われたことを認めている。










・米国を後ろ盾とするクーデター政権は10年前の5月2日にオデッサで住民を虐殺

2024.05.04
 
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202405040000/

※今から10年前、2014年の5月2日にウクライナのオデッサで反クーデター派の住民がネオ・ナチの集団に虐殺された。ネオ・ナチを操っていたのはアメリカのバラク・オバマ政権だ。

その日の午前8時にオデッサへ到着した列車にはサッカー・ファンの一団が乗っていたのだが、その一団をネオ・ナチの「右派セクター」が挑発、ネオ・ナチ主導のクーデターを拒否していた住民の活動拠点だった広場へ誘導していく。ナチズムが浸透していたサッカー・ファンと反クーデターと反クーデター派住民とは対立関係にあった。

その一方、広場に集まっていた住民に対し、ネオ・ナチのメンバーは右派セクターが襲撃してくるので労働組合会館へ避難するように説得、女性や子どもを中心に住民は建物の中へ逃げ込んだ。その建物の中で住民はネオ・ナチのグループに虐殺される。

焼き殺された人もいたが、撲殺したり射殺した後、焼かれた人もいたようだ。その際、屋上へ逃げられないよう、ネオ・ナチはドアはロックしていた疑いがある。このとき50名近くの住民が殺されたと伝えられているが、これは地上階で確認された死体の数にすぎない。地下室で惨殺された人を加えると120名から130名になると現地では言われている。

この虐殺の前、4月12日にCIA長官だったジョン・ブレナンがキエフを極秘訪問、14日にはクーデター政権が東部や南部の制圧作戦を承認し、22日にはジョー・バイデン米副大統領がキエフを訪れ、その直後から軍事力の行使へ急速に傾斜していった。バイデンのキエフ入りに合わせ、クーデター政権は会議を開いてオデッサ攻撃について話し合っている。5月2日の虐殺もその結果だ。

旧ソ連圏では第2次世界大戦でドイツに勝利した5月9日は戦勝記念日として祝われていた。ウクライナの東部でも住民が外へ出て祝うことが予想されていたが、バラク・オバマ政権を後ろ盾とするクーデター政権はそれを狙い、キエフのクーデター政権は東部のアルドネツク州マリウポリ市に戦車を突入させ、住民を殺しはじめる。

それに対し、マリウポリの住民は素手で抵抗を始めるが、クーデター政権はネオ・ナチを中心に編成した内務省のアゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフ大隊)を送り込んで制圧、拠点にした。

6月2日にクーデター政権はルガンスクの住宅街を空爆、住民を殺しているが、その日、デレク・チョレット米国防次官補がキエフ入りしていた。住宅の爆撃を西側やキエフ政権は否定していたが、インターネット上にアップロードされた映像を見れば、空爆が行われた可能性は高いことがわかる。OSCE(欧州安保協力機構)も空爆があったことを認めていた。


















・その差は鉄道の線路幅にあり? ウクライナとポーランド ロシアの脅威度が段違いなワケ(乗り物ニュース 2021年12月18日)

※兵站≒鉄道網から見たロシアの脅威

2021年12月現在、ロシア―ウクライナ国境にロシア軍10万人以上が集結しているといわれ、緊張が高まっています。具体的には約100個大隊戦術グループ(BTG:ロシア軍の戦闘編成単位)の規模で、戦車が約1000両とされます。SNSには戦車や装甲車、砲兵だけでなく、補給部隊や工兵隊も鉄道輸送される動画が投稿され、雪解けが始まる春の前にいよいよ侵攻か、などといった見方もあるようです。

ウクライナのヤバさ際立つ ロシア周辺の広軌路線網

またポーランドもロシアと密接な関係のべラルーシと国境を接し、ロシアから軍事的圧力を受けており、アメリカからM1「エイブラムス」戦車を購入し、自国内でNATOの演習を行い、緊張感を高めています。

戦車大国ロシアの戦車群は確かに怖いのですが、ウクライナとポーランドではロシア軍の侵攻リスクがかなり違います。その理由のひとつとして、鉄道のゲージ(レール幅:軌間)に注目してみましょう。産業革命以来、世界史にも影響を及ぼした鉄道のゲージ問題ですが、21世紀の中欧安全保障にもまだ影響を残しています。

ロシア軍の兵站線(戦場において物資の輸送・供給などを行うため確保される物流連絡路)は、現在でも鉄道頼りです。ユニークな鉄道旅団という部隊も10個、存在します。鉄道の警備、建設、保守を担い民間から提供された車輌を運用することもできる、ロジスティックの専門部隊です。

そしてロシア国内ではその鉄道旅団を介し、工場から陸軍補給倉庫、軍管区から師団、旅団レベルまでを鉄道で結びつける体制が構築されています。主要兵站駅には、戦車や車輌が貨車に自走して乗降できるプラットフォームなど、専門の施設も用意されています。ウクライナ国境に集結した兵力の兵站線も鉄道が担っており、動画もよく投稿されています。

欧州における鉄道の線路幅がバラバラであることの影響

ロシア鉄道のゲージ(線路幅)はいわゆる標準軌(1435mm)よりも幅の広い広軌(1520mmまたは1524mm)で、ヨーロッパでは旧ソビエト連邦内とフィンランドでしか使われていません。スペインも広軌ですが、ゲージのサイズがロシアとは違います。

このゲージの違いが、ロシア軍の作戦行動に大きく影響します。バルト三国、ウクライナを含む旧ソビエト連邦内なら広軌で統一されており、鉄道でスムーズな兵站線が引けます。一方ポーランドには、ロシアからウクライナのキエフを経由して南部のクラクフまで、1本だけ広軌の鉄道が通っていますが、ほかは標準軌であり兵站線を連続できません。

ゲージが違えば鉄道を使った兵站線はそのまま連続することができず、積み替えかゲージの変更(いわゆる改軌)工事を行わなければなりません。台車交換や軌間を変更できるフリーゲージ方式もありますが、しかし結節点には設備が必要でスムーズな物流を妨げますし、ロシアの貨物列車はほとんど対応していません。

積み替えることは単純な話ではありません。というのも、戦車、装甲車、車輌などの大物から、弾薬、燃料などの危険物、食料、機械部品から医薬品、被服に至るまで多種多様の大量の荷物を扱わなければならないからです。積み替え中継点ではそれらの荷下ろし、受取、仕分け、再梱包、適切な保管と管理も必要です。敵の攻撃やゲリラ襲撃も警戒しなければなりません。兵站中継点は、敵にしてみれば狙い所に違いないからです

ゲージの違いで、WW2独ソ戦のドイツ軍も苦労しました。鉄道のおかげで守るに易く攻めるに難い環境なのですが、ロシアが軍事的理由から広軌を選択したというわけではなさそうです。ロシアで敷設が始まった1830年代当時は広軌優位論が盛んであり、他国との連結はあまり考慮されていませんでした。広大なロシアでは標準軌より広軌の方が、輸送力が大きく有利と当時は考えられており、これが理由のようです。

トラックを使えばいいじゃない…とはいかない理由は?

トラックも頼りになりません。ロシア軍の旅団には2個トラック大隊があり、150台の貨物トラック、50台のトレーラー、260台の特殊トラックが定数になっています。ロシアの旅団編制はアメリカなど西側とは違うので単純な比較はできませんが、砲兵火力を重視した内容で、戦車や装甲車の数はアメリカの旅団戦闘団(BCT)の4分の3、しかし砲兵は3倍、防空部隊も2倍です。航空優勢はアメリカ軍に取られることを念頭に、支援火力は自前で持ち、防空力を強化する編制になっているのです。

多連装ロケット砲大隊を含む砲兵は、短期集中で大火力を投射できますが大量の弾薬を一挙に消費します。この砲兵部隊に弾薬を完全に補給するのには、56台から90台の貨物トラックが必要になるとされます。しかし150台しかないトラックの半数を、砲兵部隊の弾運びのためだけに割くなど不可能です。

この兵站線の特徴からロシア軍は、旧ソビエト連邦領域内で「積極的防衛作戦」は行えますが、領域外で持続的な作戦行動を行う能力は限定的です。鉄道による兵站線が引けるかどうかのゲージの違いが、ポーランドとウクライナの安全保障上のリスクに違いを生んでいるといえます。しかしロシアがウクライナを抑えればまた状況は変わります。キエフ経由の広軌が利用でき、ポーランドのリスクは格段に高まります。

国境付近に集結した兵力を数えるだけではなく、軍用列車を観察することでロシア軍がどう動くつもりなのか占うことができます。SNSに投稿される鉄道で運ばれる戦車の動画は「ミリ鉄」「撮り鉄」趣味どころではありません。中欧の人たちにとっては死活問題なのです。


・ウクライナ東部 ロシアが一方的に国家の独立承認 なぜ…?(NHK NEWS WEB 2022年2月22日)

※ロシアのプーチン大統領はウクライナ東部の親ロシア派が事実上支配している地域の独立を一方的に承認したうえで「平和維持」を名目にロシア軍の現地への派遣を指示しました。

緊迫する事態を解説します。

ウクライナ東部とは…



ウクライナ東部のドネツク州とルガンスク州の一部はいずれもロシアと国境を接し、親ロシア派の武装勢力が占拠しています。歴史的にも経済的にもロシアとつながりが深く、ロシア語を母国語とする住民が多い地域です。ソビエト時代に開発された炭鉱や鉄鉱石の鉱山があり豊富な資源を背景にした鉄鋼業が盛んで、ウクライナ有数の工業地帯となっていました。

2014年からロシアの後ろ盾を受けた親ロシア派の武装勢力と、ウクライナ政府軍との間で散発的に戦闘が続き、ロシアとウクライナの対立の要因の1つとなっています。

州政府庁舎の建物など次々に占拠

2014年、ロシアがウクライナ南部のクリミアを一方的に併合すると直後の4月、親ロシア派の武装勢力が州政府庁舎や治安機関の建物に押し寄せ次々に占拠。その後、ウクライナからの独立を一方的に表明しました。

これまでに1万4000人以上が死亡

ウクライナ政府はこれに対して軍を派遣して強制排除に乗り出しましたが、各地で武装勢力と激しく衝突し死者が多数出る事態に発展しました。

政府軍と親ロシア派の武装勢力との間の紛争を解決しようと2014年9月、それに2015年2月にはフランスとドイツの仲介で「ミンスク合意」という停戦合意が結ばれましたが、その後も散発的な戦闘が続きました。

OHCHR=国連人権高等弁務官事務所によりますと、これまでに双方で1万4000人以上が死亡したということです。

8年にわたる紛争の影響で生活に不可欠な水道や暖房施設などインフラが破壊される甚大な被害が出ていて、これまでに150万人の人々がこの地域からの避難を余儀なくされています。

【解説】一方的な国家承認 ロシアのねらいとは…

ロシアによる一方的な独立国家の承認で事態は一層緊迫化していますが、ロシアはなぜ承認に踏み切ったのか、また軍事侵攻の可能性や今後の展開はどうなるのでしょうか。

1. なぜ国家の承認に踏み切った?

国家として一方的に承認したというのは、ロシアがウクライナ東部の一部地域を管理下に置くことを意味します。プーチン大統領はかねてよりウクライナをみずからの勢力圏ととらえてきました。



そして今回、一方的に承認する必要性に迫られたとも見えます。ロシアはウクライナのNATO=北大西洋条約機構への加盟だけは「越えてはならない一線だ」としてNATOを拡大しないよう求めてきましたが、欧米はこれに応じず逆にウクライナに兵器の供与など軍事的な支援を強めてきました。

親ロシア派は「ウクライナ政府軍が力ずくで奪還してくる」とあおり、国家の承認と軍事支援の要請を受けたプーチン大統領がこれに応える形をとりました。

しかし一方的な国家の承認は、これまでウクライナ政府側に迫ってきた停戦合意をロシアがみずからほごにすることにつながります。欧米からの制裁強化も覚悟のうえでプーチン大統領は2014年のクリミアに続いて今度はウクライナ東部を確実に影響下に置く道を選んだことになります。

2. 「平和維持」部隊派遣へ 侵攻の可能性は?

「軍事侵攻」はない、というのがロシアの立場ですが、プーチン大統領は国防省に対して「平和維持」を名目にロシア軍を現地に派遣することを指示しました。ロシアによる軍の駐留につながる可能性があります。

ロシアはウクライナの国境周辺に依然として大規模な軍を展開しています。ウクライナの北部と国境を接するベラルーシでは合同軍事演習の終了予定だった20日をすぎても軍を駐留させ、圧力を維持しています。

まずはロシア軍がいつ、どれほどの規模で展開するのかが焦点です。もし展開すれば、それがさらに恒久的な駐留につながるのか見極めていく必要があります。

そして日本をはじめ欧米各国がどこまで結束してウクライナの主権と領土の一体性を守れるのかが問われることになります。

3. プーチン大統領 強硬姿勢に変化は?

プーチン大統領が強硬でなかったことは、これまでもありません。欧米側の制裁も含めた反応もみながら、引き続きNATOにウクライナを加盟させないことなど要求を突きつけ続けるとみられます。

ウクライナ東部の一部地域に部隊の前進を決めたことで、軍事侵攻がありうると脅しをかけ続けて安全保障をめぐる交渉を有利に進めたい意向があると思われます。

4. 衝突回避に必要なことは?

ロシアが交渉をしたいのはアメリカで、双方があらゆるレベルで対話を維持させることが何よりも大事です。アメリカとしても米ロの外相会談など対話、チャンネルは継続させてロシア側の真意を見極めて大規模な侵攻を抑止したい考えとみられます。

ただロシア側が最も重視するNATOの不拡大の問題では、アメリカは一歩も引かない構えです。またロシア軍が東部の一部地域に派遣されることでウクライナ軍との衝突が起きないかも懸念されます。

ウクライナ情勢はロシアが一方的に国家承認したこと、部隊の派遣を決めたことでさらに情勢が複雑に動いています。

5. アメリカはどう出る?

バイデン政権高官は今後の対応について慎重な説明に終始しています。この高官は「ロシア軍は過去にもウクライナに駐留しており、派兵は新しい動きとは言えない」とも述べて、強力な制裁は科さない可能性を示唆しました。

現時点で「軍事侵攻」と明確に位置づけないのは、ここで「強力な制裁」を科してしまえばロシア軍による大規模な侵攻を抑止するためのカードを早々に失いかねないことがあります。

さらにこの段階での強力な制裁はロシアにエネルギー依存しているヨーロッパ各国の支持を得にくいという考えもあるとみられます。

6. アメリカにロシアの行動を抑える秘策はあるか?

何とか外交によって事態の打開をはかりたいというのが本音で、24日に予定されているロシアとの外相会談を開く可能性は残しています。

一方で「弱腰」と映る対応をとることもできません。このため政権高官は「このあと数時間、ないし数日のロシアの行動を注意深く観察し相応の対応をとる」と述べて、ロシア軍の動き次第では強力な制裁を科す可能性があることをにおわせ、けん制しました。

欧米各国、そして日本などと緊密に連携し結束した対応をとれるかが今後の成否の鍵を握ることになりそうです。


・ロシアがウクライナに軍事侵攻(~25日午前1時)(NHK NEWS WEB 2022年2月25日)

※ロシア軍は24日、ウクライナの軍事施設に対する攻撃を始めたと発表し、ロシアによる軍事侵攻が始まりました。

ウクライナ側によりますと、攻撃は東部だけでなく、首都キエフの郊外や南部などの軍事施設にも及んでいて死傷者もでているということです。





・米大統領「選択肢は制裁か第三次世界大戦だ」 制裁の重要性訴え(毎日新聞 2022年2月27日)

※バイデン米大統領は26日公開のネット番組で、ロシアによるウクライナ侵攻について「選択肢は二つある。ロシアと戦争して第三次世界大戦を起こすか、国際法を犯した国にその代償を払わせるかだ」と述べた。軍事介入せずに大規模な経済・金融制裁によってロシアの侵攻を食い止めたい考えを改めて強調した。

バイデン氏は、プーチン氏が米欧の分断を図ってきたことから欧州などと協調して制裁を発動する重要性を強調。「ロシアは、特に長期的に深刻な代償を払うことになる」と警告した。

バイデン氏は北大西洋条約機構(NATO)の加盟国ではなく、防衛義務のないウクライナへの軍事介入を一貫して否定してきている。



以下「国際秘密力研究」様より転載

https://kokuhiken.exblog.jp/32456175/

・コロナ禍”騒動の次の「脅威演出」は国際的両建抗争か?「ウクライナと台湾での有事→世界戦争→NWOへの誘導」を警戒すべし!

〇「ウクライナ有事は台湾有事の予行演習」などとウクライナ紛争を台湾有事と結び付ける言説が出てきている。東西で同時多発的に紛争を引き起こし、それを繋げる事で世界規模の戦争に発展させる、というのが第二次世界大戦惹起の経緯だった。“コロナ禍”の次の脅威演出としての国際的両建紛争を警戒する。

〇EUとしてはロシアを仮想敵として設定する事で、EU域内の全体主義化を増々深化させる事が出来る。東亜に於いては、長年の間育成してきた「NWO実験国家」中国を仮想敵として設定し、日本を紛争に巻き込まんとする。その一方では、RCEPが発効、米中経済統合を含むFTAAP締結への企みが進行中。まさに両建。

〇中国との経済統合を計画しながら、中国を仮想敵とする国際的両建抗争を目論む。「対立から統合へ」という弁証法戦略である。対立を演出する局面では両建戦術であり、統合に誘導する全体の動きは弁証法戦略だと言える。弁証法戦略には両建戦術が前提として含まれると見る。対立演出はまさに両建である。

〇対立を演出しつつ目指す所は統合であり、対立を演出するのは統合の為。NWO=ワンワールド=世界統一に誘導する為に、様々な対立軸を設定し、混沌・混乱を演出する。“コロナ禍”もその一つである。裏権力が“コロナ禍”の次の局面で目論む計略に関しては様々な読みが可能。可能性の一つが国際的両建紛争。

〇“ウクライナ危機”が強調される一方で、シオニストと言われるラーム・エマニュエルが新駐日大使に就任した事もきな臭い動きである。如何にも統一系右派が好みそうな発言である。>「どんな相手にも日米は決してひるまない。」 こういう事を言えば、似非保守はイチコロだろう。https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220125/k10013448201000.html

ウクライナのネオナチと日本の統一系右派(似非保守・ネット右翼等)は、海外の危険なスラム街の「ギャング」と日本の平和な街角の「ヤンキー」くらい違うと言えるが、世界的に見れば同じ陣営と言えるだろう。ウクライナと台湾という、東西で同時に危機を煽動し、世界規模の紛争にする企みを要警戒。

〇ツイッターでも「ウクライナ」がトレンドに入っているが、「ウクライナ危機」の宣伝が本格化している模様である。やはり、“コロナ禍”騒動の次に裏権力が企む脅威演出は、国際紛争(国際的両建抗争)の公算が高いのだろうか。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022012401040&g=pol
https://www.jiji.com/jc/article?k=2022012400822&g=int

〇ちなみに、在キエフ大使館員を退避させ「ロシアからの脅威が増大」と強調した英国は、マスク着用義務と惑沈接種証明の提示義務を廃止する。これは「“コロナ禍”の次の局面」に移行させる為の準備だと見る事が出来る。国際秘密力の中枢拠点である英国は次の脅威演出にいち早く乗り出したのではと推測。

〇コロモイスキーという猶太系オリガルヒが、ウクライナの右派セクターというネオナチ集団を支援しているとされる。ネオナチは「反猶太主義」とされるが、猶太系実業家がネオナチを支援するという奇怪な構図。だが、奇怪ではなく、それが両建というもの。両建を認識せねば、国内外情勢は理解不能である。

〇国際秘密力がウクライナに執着する理由は主に2つあると推測している。➀英国系地政学で言う「ハートランド」の制圧。地政学者マッキンダーは「東欧を制する者がハートランドを制する。ハートランドを制する者が世界島を制し世界を支配する。」と説いたとされる。②カザール王国の版図復活を狙う意図。

〇ウクライナ東部は、かつてカザール王国の領域だったとされる。だが、今のウクライナ東部にはロシア系住民が多い。国際秘密力としては旧カザール王国領がロシアの影響下に置かれるのでは、せっかくウクライナを盗った意味が無くなる。故に欧米各国の走狗を総動員して危機を煽る。そういう読みも出来る。

〇ハルフォード・マッキンダーの地政学は空軍力を考慮しない旧時代的大鑑巨砲主義に立脚する時代遅れのものとされる事があるそうである。だが、現代に於ける裏権力の東欧侵略は、空軍力を使わない人工芝工作によって為されている。したがって、マッキンダーの地政学の枠組みは十分機能し得ると思われる。

〇人工芝デモやネオナチを手先とする21世紀の侵略手法は、空軍力を動員するような露骨な軍事作戦の形を取らない。「民衆蜂起」などを偽装する為、「侵略」とすら認識されないやり方である。よって、そこでは空軍力は特に考慮に入れる必要がない。ハートランド制圧が狙いとの読みは十分成り立つと考える。

〇国際秘密力が戦争工作で最も重視する事は、「仮想敵に最初の一発を撃たせる事(自作自演を含む)」だと分析する。➀脅威を煽り②先に撃たせ➂大義名分を掲げて戦争をする。日米戦争で先に一発を撃った山本五十六は何故か戦後も英雄視され続けている。目下ウクライナにて同じ戦略が繰り返されている。

〇ウクライナ情勢に関し英米の政府・メディアが中心となって➀の段階を行っている。「侵略の危機が迫っている」と盛んに喧伝中。これに対して「ナンセンス」と発言した独逸海軍の中将は辞任に追い込まれた。この件に関しては、裏権力の中でも英米の好戦的勢力を中心に盛んに工作を行っていると思われる。

〇ロシアは戦前の日本と同じ立場に追い込まれる局面だが、石油や天然ガスというエネルギー資源がある以上そこまで追い込めるとも思えない。核武装国同士の本格的戦争は自殺行為。裏権力のフランキスト的な狂気を考えると、「やらない」とは断言出来ないが。サイバー空間や知覚領域を主戦場に選ぶ可能性。

〇裏権力のフランキスト的な狂気とは。18世紀ポーランドの猶太系思想家ヤコブ・フランクの教義は、悪が蔓延る程「終末→救済」が早まるというもの。世の混乱を深めれば深める程「終末→救済」が早まるというカルト教義を盲信する者なら、合理的計算を無視して核戦争を引き起こそうとしても不思議はない。

〇以前近代合理主義について考察したが、裏権力の思考パターンを分析するのに「合理主義」だけでは片手落ちになる。「狂気」という観点も加味しておかないと、盲点を作る恐れあり。そもそもNWO構想自体が狂気。根底に狂気があり、狂気を実行する手段として合理性を追求していると見るべきかもしれない。

〇裏権力の思想・思考パターンの根底に狂気がある以上、合理的な計算性のみで彼らの思考・行動を予測するのは危険だと思う。簡単に言うと「何をするか分からない」連中の思考・行動を読むには、反証が無い限りはあらゆる可能性を排除しない事が肝心。狂気に対抗するには、柔軟な正気の思考が求められる。

〇裏権力の「狂気」と「合理性」の関係は、狂った計画を実行しようとする犯罪者が周到に準備するのに似ている。根底は狂っているが、ある目的を達成する為の手段に於いて“合理性”を追求している訳である。陰謀否定論者は「そんな事して何のメリットが?」とよく言うが、根底にある狂気を見落としている。

〇ある「目的」にメリットを感じるか否かは主観である。我々一般人が「何のメリットが?」と感じる事に、裏権力は大きなメリットを感じているかもしれない。「世界支配の為に世界最終戦争を引き起こす」など常識良識を無視する狂気の沙汰である。だが、それをやろうとする狂気の輩がいないとは限らない。

〇陰謀否定論者は、例えば「気象操作して何のメリットがあるんだよ」と言うが、それは気象操作を行う連中に聞くしかない。我々が考えるメリットが、そのまま裏権力及びその走狗に当てはまるとは限らない。そういう発想が重要であると思う。狂気を批判するには「狂気はあり得る」という事実認識が不可欠。


https://twitter.com/kikuchi_8/status/1485058614679445504


(了)


・ロシアによるウクライナ侵攻は第三次世界大戦のはじまりなのか。専門家の見解は(ハフポスト日本版 2022年3月11日)

※「ロシアがウクライナで複数の町を攻撃して占領した」。

2月24日、世界中がこのニュースに直面した。

ロシアとウクライナが極度の緊迫状態にあるなか、戦争はヨーロッパの玄関口に立っているのか。

何が起ころうとしているのだろう。

ロシアのプーチン大統領はどこまで行くつもりなのだろう。

私たちは戦争の渦の中にいるのだろうか。

ロシア軍によるウクライナ侵攻はこれから何を巻き込んでいくのか、私たちは予想がつかずにいる。

私たちは第三次大戦の入り口に立たされているのだろうか
Twitterでは、同日に最もツイートされたワードが「WWIII」「World War 3」、同義のフランス語「Troisième Guerre mondiale」(「第三次世界大戦」の意)だった。

多くのユーザーが第一次世界大戦や第二次大戦を意識し、自分も軍隊名簿に載って強制的に戦争に参加しなければいけなくなる日を想像した。

いま私たちは第三次大戦の入り口に立たされているのだろうか。

モンペリエ大学とパリ外交研究所でロシア地政学に詳しいキャロル・グリモ・ポター氏に聞いた。

━━ロシア軍によってウクライナへの侵攻が開始されたことで世界的な戦争がはじまってしまうのでしょうか?

いいえ、第三次世界大戦に向かっていくのではありません。しかし、懸念の声が上がるのは当然です。問いを発したり、懸念されたりしてもおかしくないことです。

━━なぜ世界的な大戦にはならないといえますか?

ウクライナはNATO加盟国ではないので、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という集団防衛のルールが適用されません。それはウクライナにとっては不幸なことですが、私たちにとっては幸運なことと言えます。

アメリカのバイデン大統領はウクライナに米軍を派遣することは検討していないと述べました。NATOの加盟国も介入しません。ただ、軍事的支援をする可能性はあります。

公式な外国の軍隊はウクライナに駐留していません。ドンバス戦争の流れから考えると、非公式の民兵や民間の軍事会社はあるかもしれませんが、いずれにしても公式なものではありません。

━━プーチン大統領がウクライナから範囲を広げる可能性はあるのでしょうか? プーチン大統領が隣国であるウクライナに焦点を合わせる理由は? 焦点が旧ソビエト系の他国にも及ぶことはあるのでしょうか?

今回の侵攻は、これまで何年にも渡ってロシアと西側諸国の間に存在してきた緊張関係の爆発とみるべきでしょう。

2000年代にクレムリンがNATOの東方拡大を非難して以降、ロシアはNATOのヨーロッパにおける安全保障の再建を要求してきました。その要求が宙に浮いたままのところへ、ウクライナは西を向いてNATOとEUへの加盟を求めました。

今、モスクワが目指しているのは、ウクライナ政権を東に向かせ親ロシア政府に置き換えることです。

プーチン大統領が旧ソビエト系の他国をも攻撃する可能性があるかどうかについては、完全にないとは言い切れません。別の隣接国でも今回と同じシナリオが繰り返される可能性はあります。

特にポーランドやバルト諸国。これらの国がNATO加盟国であることが、ロシア軍の圧力がこれらの国の国境に及ばないとは言い切れない理由です。いずれにしても、今の焦点はウクライナにあります。

━━現時点では、世界的にどんな影響があると考えられるでしょうか?

冷戦は起こるかもしれません。ポーランドとバルト諸国は軍事インフラを保持しているので、むしろロシア政権は軍事インフラがないウクライナを取ることでパワーバランスを取ろうとしています。

ロシアはベラルーシに軍事基地を建設し、その地で核兵器を含む軍事的な広がりを見せるでしょう。日数としては数カ月かかるはずです。

そして、継続的な軍事圧力と脅威によって、かつてのような冷戦状態へ向かっていく可能性です。

ロシアは外交的にも経済的にも孤立していくでしょう。中国とタッグでブロック経済を組むかもしれません。

ウクライナは侵攻を受けて多くの人が国外に避難するでしょう。避難先は、すでに多くのウクライナ人を受け入れているポーランド、フランス、他のEU諸国、多くのウクライナ人移民を抱えるカナダ、そしてアメリカ領です。アメリカは入国を促進すると思います。

━━フランスはこの紛争に軍事的介入をするでしょうか?

今、マクロン大統領は制裁を約束しているだけです。フランス軍が軍事介入するとは私はみていません。ヨーロッパ諸国の中で、NATOやEUとは別に独力で軍事介入を行う準備ができている国も他にはないでしょう? 可能だとしても、EUから独立してそれを行いたいと思っている国があるとは思えません。EUが掲げる統一のイメージが曖昧になってしまいますから。

ウクライナのゼレンスキー大統領も、現時点では外国の武装勢力が入ってくることを望んでいません。(編注:その後、ウクライナ領空をNATOの「飛行禁止空域」にすることを求めていたが、ロシアとの戦闘を避けたいNATOから却下されている)

自ら危険を犯す国はないでしょう。特にプーチン大統領が演説によって、彼を止める勢力に対して、「これまでにない結果になりかねない」と圧力をかけて以降は。核兵器を意識しないわけにはいきません。ですから冷静な頭を使って、国のリーダーが決断するのを待つしかありません。

━━待っていたら、ウクライナはどうなるでしょう?

今のところ、ウクライナは自分たちの武装勢力だけでロシア軍に立ち向かってもらうしかないです、残念なことですが。