ミィのリボン
@20210718M

「1990年以前に戻したほうが、この国はウマくいく。」と解釈した。





kazutomi
@kazutomi

Nemuro氏も言ってるけど(てか私とNemuro氏以外に言ってるの見たことない)、反緊縮の理屈やMMTの問題は、政府部門に対して民間部門を1つのものとして対置してることで、それをやってしまうと日本で起きてる重大な問題が見えなくなってしまう

重大な問題とは、非金融法人企業部門の貯蓄主体化で、これが「失われた30年」を特徴づけていると言ってもいい。この行動はそのままマネーストックの伸び悩みにつながっている。



この現象は、別の面から見ると、労働分配率の低下であり、また政府債務の増加でもある。

MMT的に家計部門と企業部門を1つのものとして見ると、この時期には政府債務が増え、民間資産が増えただけに見える。だからレイはMMT本で、日本の政府債務は十分に増えていて経済の崩壊を食い止められる、などと言っている。

我々の現実はこう。企業が貯蓄主体化し、マネーストックは伸び悩み、家計への所得分配は減り、政府債務は増えた。このため政府の行動としては、赤字を増やしてまで支出を増やしている、ということになる。



言い換えると、もし政府が赤字を出してまで支出を増やすことが「反緊縮」の少なくとも重要な一部なら、政府はこの30年間ずっと「反緊縮」だった(より正確には、それを強いられていた)というのが、データの客観的な観察ではないかと思う。

なので事前の判断なくデータから見るなら、反緊縮は経済を改善しなかった、少なくとも改善した証拠がない、というのが客観的な判断じゃないだろうか。いや反緊縮は必ずそれを改善するはずだ、だから足りなかったはずだ、と主張することができるとしても……(でもそれって結論の先取りではないか?

私が見る限り、反緊縮を主張する人はその主張の正しさをとても強く信じているように見える。そして彼らが、民間部門を家計と非金融法人企業に分けて見たときに、企業が家計に資金を分配しなくなっていることに言及するのを見たことがない。部門別資金過不足のグラフを自ら示すのを見たこともない。

そこで私は、政府がさらに赤字を増やして支出を増やしたときに、それが企業の投資を増やして再び投資主体に転換させ(そうでなければ「デフレ脱却」はできない)、また企業を経由した資金が家計に所得として分配される、そういう具体的なメカニズムはあるのか?と聞きたいわけだけど……

まあ難しいよね。そもそも企業が貯蓄主体に転換したということを気にしてないだろうし、資金過不足のグラフからそれを読み取ってもらえているようにも思えない。なので私は、認知バイアスの影響をすごく疑ってるんだよね。

カーネマンが『ファスト&スロー』の最後に自身について書いてるんだけど、認知バイアスの研究を通して、自身の直感的思考は改善しなかった、エラーが起こりそうな状況を認識する能力は進歩した、それから、自分が犯したエラーではなく他人のエラーを認識することについては進歩した、と。

自分の認知エラーは自分では気づきにくい。他人の認知エラーは気づきやすい。これは多分、普遍的じゃないかと思う。

もしも反緊縮が、部門別の資金過不足を見て、政府の赤字が企業の黒字に転換していて家計に回っておらず、それが政府債務の激増という状況だと認識した上で、それでも政府債務をもっと増やして支出すべきだ、そうすればこれこれこういう機序で経済が改善する、と主張するなら、それを議論できるんだけど

民間部門を一体と見ることで、政府の赤字は民間の黒字だ、だから政府が赤字を増やせば民間が豊かになる、という単純なストーリーを強く信じ、しかも特定のデータだけを強調し(政府支出増加率と経済成長率の相関)、特定のデータを見ない(資金過不足と政府支出対GDP比の推移)となると

真実性の錯覚と確証バイアスの影響を強く受けているのではないか、という疑いをどうしても感じてしまうんだよね……

これに対してNemuro氏も私も、データを示したり理屈を言ったりして、それは違うのでは、とずっと言ってるんだけど、もし確証バイアスの影響が強ければその努力が功を奏する見込みは残念ながら薄い

資金過不足の推移は、日本の経済が順調だったときには企業の投資(負債)が家計の貯蓄に対応していたことを示していて、 MMT的な民間部門をまとめて見るとこれは見えない……

ということを言っても、だから政府が赤字を増やさなければいけないんだと言われるのがわかってる。そうしたときにどうやって経済は回復するんだろうとは思うんだけど。


門前仮面
@monzenkozo21

それ、MMTちゃうで。財政リフレや。
ネムロンは自称MMTの財政リフレとよくやり合っとったからな。
だからやろ。


kazutomi
@kazutomi

ならランダル・レイに「あなたの本はMMTを正しく説明していませんよ」って教えてあげたほうがいいな


門前仮面
@monzenkozo21

レイより監訳者に言うたった方がええと思うよ。
その人も財政リフレやからな。


kazutomi
@kazutomi

まあMMTでも反緊縮でもいいけど、日本で増えてる政府債務が企業部門の黒字になって家計部門にはほとんど回ってないという事実を認識した上で、唱える政策の有効性を説明している話ならば聞きたい