・野菜を多く食べることで新型コロナの重症化リスクが4割減(日刊ゲンダイDIGITAL 2021年10月17日)

※【役に立つオモシロ医学論文】

新型コロナウイルス感染症は、糖尿病や肥満の方で重症化しやすいことが知られています。一方で糖尿病や肥満の原因は生活習慣によるところが大きく、とりわけ食事の影響は軽視できません。そんな中、英国消化器病学会誌の2021年11月号に、食事の質と新型コロナウイルス感染症の関連性を検討した論文が掲載されました。

この研究では、新型コロナウイルスの感染状況や症状について、スマートフォンでデータを収集した59万2571人が対象となっています。食事の質は食材ごとの摂取頻度によって点数化し、果物や野菜などの植物性食品を多く摂取した場合に高得点となる手法で評価されました。参加者は食事の質が低い(植物性食品の摂取が少ない)集団、中等度の集団、高い(植物性食品の摂取が多い)集団に分類され、新型コロナウイルス感染症の発症や重症化との関連性が比較されています。なお、研究結果に影響し得る年齢、性別、喫煙状況、運動習慣などの因子で統計的に補正を行い解析されました。

その結果、新型コロナウイルスの感染リスクは食事の質が低い集団と比較して、高い集団で9%低下しました。重症化のリスクについても同様に、食事の質が低い集団と比較して、高い集団で41%低下しました。



葉酸を多く含む 食品リスト

食品100gあたり 野菜・きのこ

えだまめ:320㎍(ゆで:260㎍)
モロヘイヤ:250㎍(ゆで:67㎍)
干し椎茸:240㎍(ゆで:44㎍)
パセリ:220㎍
ほうれん草:210㎍(ゆで:110㎍)
アスパラガス:190㎍(ゆで:180㎍)

葉酸は熱に弱い水溶性ビタミンのため、ゆでると葉酸量が減っていることがわかります。特にモロヘイヤ、干し椎茸はゆでると葉酸量が激減します。こういった食材を調理する際は、お湯でゆでるのではなく、ラップ等に包んで電子レンジで調理するなど、工夫して摂取したいですね。


食品100gあたり 海藻

焼きのり:1,900㎍
味付けのり:1,600㎍
わかめ(乾燥):440㎍
青のり(乾燥):260㎍
昆布(乾燥):170㎍
ひじき(乾燥):84㎍

焼きのりや味付けのりは100gあたりの葉酸量がとても多いのがわかりますね。のりは調理しなくても食べられる手軽な食材なので、朝食に加えたり、お弁当と一緒に持っていったりして、毎日の食生活に取り入れたいですね。


食品100gあたり 豆

きなこ:250㎍
大豆(乾燥):230㎍
小豆(乾燥):130㎍
納豆:120㎍
そら豆:120㎍
豆乳:28㎍

きなこと大豆が特に葉酸を多く含んでいます。きなこは牛乳に入れて飲んだり、パンやごはんにかけても美味しく食べられます。納豆に抵抗がなければ、食事に追加してみましょう。


食品100gあたり 果物

ライチ:100㎍
イチゴ:90㎍
アボカド:84㎍
マンゴ:84㎍
パパイヤ:44㎍
サクランボ:38㎍

食後のデザートやおやつとしても活躍する果物は、葉酸摂取をサポートする食材です。でも、毎日食べていると飽きてしまうこともあるので、ヨーグルトを添えてみるなど、食感や味のバラエティを工夫してみましょう。


食品100gあたり 魚

うなぎ(肝):380㎍
たたみいわし:300㎍
あん肝:88㎍
煮干し:74㎍
めざし:34㎍
いかなご:29㎍

葉酸は魚にも含まれています。この中では煮干し、めざしが比較的入手しやすいですね。煮干しは種類も多く、出汁用やそのまま食べるものもあるので、スーパーで種類をチェックしてみましょう。


食品100gあたり 肉・卵

鶏レバー:1,300㎍
牛レバー:1,000㎍
豚レバー:810㎍
フォアグラ:220㎍
ピータン:63㎍
鶏ハツ:43㎍

レバー類には葉酸以外にも、ビタミンAが非常に多く含まれていますが、妊婦がビタミンAを過剰摂取すると赤ちゃんの奇形発生リスクが高まります。厚生労働省は妊婦のビタミンAの上限量を2,700μgRAE/日に設定していますが、鶏や豚のレバーでは1切れでこの上限を超えてしまいます。葉酸がたくさん含まれているからといって日常的にレバーを大量に摂取することには注意が必要です。